記述は建設当時のものであり、飛騨トンネルを含む東海北陸道は、2008年7月5日に全線開通しております。
飛騨トンネルは、東海北陸自動車道と中部縦貫自動車道(高山清見道路)が連結する、飛騨清見ジャンクションから白川郷インターチェンジまでの間に建設中のトンネルです。
この区間(約25km)は急峻な山岳地帯を通過するため、10本のトンネルが施工されますが、飛騨トンネルは標高1,744mの籾糠山を貫く、延長約10.7kmの長大道路トンネルです。
飛騨トンネルの工事進捗状況
白川方坑口から約1km程度掘り進んだあたりから、想定外の「不良地山帯」に突き当たり、高圧大量の湧水による「水圧」と土かぶりの「土圧」により、工事は難航しました。
まさに、水と土との“壮絶な闘い”となったのです。
現在では、概ね「不良地山帯」を脱したため、本坑TBMを導入、2004年1月9日より試験運転を開始しました。
2007年1月13日 飛騨トンネル(本坑)が貫通しました!
東海北陸自動車道 飛騨トンネルの本坑が平成19年1月13日に無事貫通いたしました。
20世紀最後の難関といわれる程の困難な工事となりましたが、皆様のお力添えをもちまして、乗り越えることができました。先進坑掘削開始から9年4カ月を要しましたが、死亡事故ゼロを達成いたしましたことも合わせてご報告し、感謝申し上げます。
東海北陸自動車道の全線開通後は、名古屋~富山間で、北陸自動車道経由よりも約60km(約310km→約250km)短くなり、国道41号経由よりも約 1時間30分(5時間30分→4時間)の時間短縮が図られ、2つの経済圏(東海と北陸)が直結し、産業、文化、観光の発展に寄与いたします。
今後は、トンネル内の防災施設や舗装などの工事を進めて参ります。開通までには様々な工事が必要ですが、早期の開通に向け、全力で取り組んで参りますので、より一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
2007年1月24日 飛騨トンネル本坑のTBMの解体作業を開始しました。
飛騨トンネルの掘削で活躍したトンネルボーリングマシーン(TBM)は、その役目を終え、解体の作業を開始しております。
この解体作業には、5ヶ月程度の期間がかかる予定です。
解体作業と並行して、開通に向けたトンネル内の防災設備や舗装などの工事を進めてまいります。
今後も早期開通に向け、全力で取り組んでまいりますので、より一層のご理解とご協力をお願いします。
国内2番目の延長です。
本坑と避難坑を施工します。
トンネル掘削にはTBM工法を採用しています。
飛騨トンネルは、全延長が河合側から白川側に向けて2%の下り勾配であり、施工時の排水を考慮し白川側からの掘削を主体に計画しています。この約10 kmにおよぶ延長を片側から施工するために、高速性に優れているTBMを採用しています。
TBMはどのように掘り進むのでしょう。
世界最大級のTBMです。”夢天生2000”
飛騨トンネルの本坑は、山岳トンネルの中でも世界最大級(直径12.84m)のTBMで施工します。
先行的に導入された避難坑(先進坑)用TBMの“天生太郎”に続いて、本坑用TBMの“夢天生2000”をいよいよ導入します。
- 本坑用TBM"夢天生2000"
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- TBMの型式:改良オープン型
- 掘削径:φ12.84m
- 本体の長さ:19.5m(全長178m)
- 全長:約160m
- 重量:1,950t(本体)、1,000t(後続台車)
- 避難坑(先進坑)用TBM"天生太郎"
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- TBMの型式:フルシールド型
- 掘削径:φ4.5m
- 本体の長さ:8.85m
- 全長:約130m
- 重量:310t(本体)、147t(後続台車)