NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2007年09月20日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(司会)

では定例会見を始めさせていただきます。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典みなさんこんにちは。
定例の会見に先立ちまして、冒頭ひとことお詫び申し上げたいと思います。

当社の社員が、おととい、9月18日夕刻に飲酒運転により物損事故を起したことにつきまして、この場をお借りしまして、深くお詫び申し上げたいと思います。事実関係の概略は、昨日発表したとおりであり、詳細は本日、本人が一宮警察署に呼び出しを受けて、事情聴取されているところです。高速道路を建設、管理運営する社員で、しかも管理者の立場にあるものが、勤務時間内に飲酒し、車両を運転したということは、日ごろ高速道路をご利用くださるお客様、そして、地域の皆様方や広く国民の皆様に対し、本当に申し訳なかったと深く反省している次第です。
しかも、このたびの事故は改正道路交通法によりまして、飲酒運転に対する罰則が強化されようというその矢先でありますし、また、明日からは秋の全国交通安全運動の取り組みが始まろうとする時であり、きわめて遺憾に思うものでございます。
当社としては、本件につきまして外部の有識者によって構成されている人事・倫理委員会の意見を聞きまして、早急かつ厳正に対処する所存です。それと同時に、改めて再発防止に全力をあげて取り組みまして、法令順守、綱紀粛正をなお一層徹底する決意であります。
ちなみに本日午前中、私の名前で全社に厳しい通達を出しました。今後、それぞれの職制を通じて、徹底的に飲酒運転の撲滅を図ってまいります。また、来週早々には、子会社、関連会社の社長も含め、また、これから作られる新しい会社の社長候補者も含めて、全社の幹部が一同に会して集まる場におきまして、この趣旨を徹底していきたいと考えています。
改めまして、お客様をはじめ国民の皆様にお詫び申し上げる次第でございます。

定例会見に入る前に、ただいまの件についてご質問などがあれば、直接お受けしたいと思います。


(司会)

では、ご質問がありましたらお願いします。


(記者)

このたびの件について、どこまで細かい事情などが入っているか不明なので、ご存知ないところもあると思いますが、今回、職務中に量的にはかなり飲んだ上での事故と伺っています。常習性、悪質性というのが何かあるようでしたら、教えていただきたいです。また、改めて今回の業務中の飲酒、そして事故について、率直なコメントをお願いします。


(会長)

本人が常習者であるかどうかは把握していませんが、だいぶ前にお酒が原因で少し体を壊して、その後お酒を飲まなくなったという話を、実はこの事件が起こった後、現場の責任者から聞いています。しかし詳しいところは、それ以上のところは分かりません。
先ほど申し上げたように、実に遺憾な出来事であり、こうした出来事が二度と起こらないように最善の努力を尽くすべきだと考えています。これは会社が最も大事にしているコンプライアンスを進める上での基本的な事項であると思っていますので、徹底して社内に趣旨を伝え、また、実行していきたいと思っています。


(司会)

他にご質問ありますか。


(会長)

もし、今、特にございませんようでしたら、後ほどまとめて質疑の時間がありますので、そこでご質問いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、事前にトピックスなどについてお知らせしている部分もありますが、今日この場で初めてご説明する内容のものもあります。今日は案件が多く、誠に恐縮ですが、しばらくお時間をいただきたいと思います。

最初に事業の現況ですが、8月の料金収入は対前年同月比マイナス0.4%です。高速はマイナス1.2%、一般有料はプラス8.9%です。通行台数は対前年同月比でプラス4.4%。内訳は高速がプラス3.8%、一般有料はプラス6.9%です。
料金収入と通行台数の伸び率の乖離は、毎月と同じ現象ですが、ETCの普及による料金収入の割引額の増によるものです。8月のETC割引額は全部で151億円で、前年同月よりも12.1%増えています。全体の利用者が多かったということもあり、ETC割引率は19.5%となっています。これはETC割引がなかったときの料金収入との対比です。

建設の状況は、前月と変わっていません。後ほど、建設事業と保全サービス事業のトピックスについては、改めてご説明します。

主な工種の工事契約落札率ですが、8月の落札率は85.44%、年度累計が84.70%となっています。

次にETCの状況です。9月7日から13日の間で72.3%となっています。ひと月前はちょうどお盆の盛りで、毎年この時期は利用率が低くなり、62.0%という状況です。なお9月の72.3%ですが、平日は75.0%、休日は65.5%という内訳です。だいたい8月を除くと同じような傾向を示すような状況ですが、全体のETCの利用率はじりじりと増えていると判断しています。

SAの売上は、対前年同月比87.5%と相当落ち込んでいます。年度累計でも97.0%です。なぜ8月が低かったかといいますと、ガソリン部門が64.8%という状況でして、昨年8月は市中との価格差が大きく、高速道路のガソリンスタンドに車が殺到したという特別な事情がありました。飲食部門だけですと、99.4%、物販部門は103.2%、サービス部門が98.0%、となっています。以上が事業の現況です。

2つ目は第二東名起工式のご案内です。名古屋支社名義でお知らせの書類をお配りしていると思いますが、第二東名の愛知県部分について、11月11日の10時30分から起工式を行うことになりました。ご取材を希望される記者の皆様は、当日ご案内をいたしますので、ぜひ事前にご連絡をいただきお越しいただきたいと思います。詳しい中身は添付資料で確認いただければと思いますが、ご質問があれば後ほどお受けいたします。
建設の関係では「新東名工事現場ウォーキング」という9月30日の行事もご案内しています。これはJRが企画しているものと組んでやろうというものですが、広い意味で当社の創立2周年記念イベントのひとつです。2周年記念イベントについては、後ほど、またまとめてご説明させていただきたいと思います。

3番目のトピックスが「平成19年度秋の全国交通安全運動」への取り組みです。「高速走行の要注意箇所!!」のお知らせという副題をつけていますが、内容はお手元の資料の通りです。21日から30日まで安全運動が全国的に行われる中で、とりわけシートベルトの全席着用などを呼びかけていきたいと思います。また、この他に各支社独自のメニューで交通安全啓発を行っています。
高速走行の要注意個所48ヵ所は、警察とも協議して場所を決めました。お客様に注意を促すよう、ホームページやガイドを通じて、広くお知らせしようというものです。
交通安全キャンペーンの開催を支社ごとにさまざまなところで進めていますし、情報提供機器による安全啓発、道路情報板では全席シートベルトを着用しようですとか、ハイウェイテレホンやポスターによる啓発などいろいろと考えています。48ヵ所の注意個所については、ガイドやホームページでお知らせしていくのですが、ここにありますように、できるだけ広く、多くのドライバーの方に知っていただくことによって、少し注意を高めていただければ、それによってかなり交通安全が高まるだろうと考えています。
ポスターについては当社独自のものだけではなく、他の高速道路会社や内閣府、国土交通省とともに添付のようなものを作っていますし、ホームページの一例は、色々な個所ごとに分かるようになっています。
各支社の取り組みについては、以前から行われているものもあるのですが、横浜支社の高速バスを利用した落下物防止PRは、今年の7月から実施済みです。八王子支社のシルバードライバーのための高速道路走行ポイントは2005年度から実施しています。
名古屋支社の取り組みは新しい取り組みで、先月の半ばくらいから呼びかけを始めています。交通安全セミナーの出前をやろうというものです。講師料は無料で、いつでもどこでも伺って説明させていただきます。学校、町内会などいろいろなところから要望があればということで募っており、現在数件の問い合わせが来ておりますので、実現するだろうと思っています。それから、金沢支社は前の前の冬に大雪が降って、大変難儀したので、先だっての冬に「気をつけマップ」を作ったのですが、暖冬のため、あまり活躍することはなかったのですけれども、引き続き今度の冬にも取り組みたいと思っています。

次は「2007 F1グランプリ 開催時の混雑緩和の取り組み」というものです。9月末に富士スピードウェイでF1グランプリが開催される予定になっています。28日が練習日、29日が予選、30日が決勝となっており、相当な人出が予想されることから、御殿場ICに隣接する足柄SAで、F1関連の特定バスを対象に直接の出入りを可能とし会場へ来ていただくようにするというものです。レール&ライド方式ではJRの新富士駅と小田急の新松田駅、パーク&ライド方式では沼津ICの外に場外駐車場を作り、そこからバスが動きます。ツアーバスというのはまた別のもので、東名高速を経由するものです。御殿場ICから出て、スピードウェイに行くとするとバスを止める場所がないためこうしたことを行います。パーク&ライドという方法は、これまでも例えば伊勢神宮などいろんなところでやっていますから、そういった考え方をここで生かして、混雑緩和に役立てようと思っています。

5番目が「速弁」秋の新商品というもので、9月22日、今度の土曜日から新発売します。一覧表にありますが、新商品が4つ、価格変更が4つあります。速弁はおかげさまで名前倒れに終わらず、買っていただける方が増えており、大変ありがたいと思っています。料理をやってくださる料亭の女将さんも大変熱心で、ぜひこれをもっともっと利用していただこうということで張り切っていますので、ご紹介させていただきます。

6番目は子会社化の現況です。維持管理業務のグループ子会社への再編をいま進めています。時折この場でもご説明させていただいていますが、今年度中に子会社化、そして業務移管を進める、今年度中にやるんだということを何度も申し上げていますが、少しずつ実り始めています。
まず中日本ハイウェイ・パトロール名古屋という会社を10月1日に設立して、業務を開始します。交通管理業務の子会社としては初めてとなります。
もう一つ、これはもう出来ている会社ですけれども、中日本エクストール横浜ですね。これは去年の10月に会社をつくって、この4月1日から中央道などで実際に業務を開始しているんですが、さらに1社事業の新たな譲り渡しを受けて、この10月から業務を開始します。徐々に手掛ける内容がふくらんでいくということです。
全体としては、維持管理4業務を実施している主な30社の業務を子会社10社へと再編する予定です。添付資料をごらんいただきますと、1が中日本ハイウェイ・パトロール名古屋でして、390名の従業員でやっていくということです。そして中日本エクストール横浜ですけれども、10月1日から1社加わって、600名の体制ということですね。まだ1社残っていまして、今年度中に譲渡を受ける予定ですが、その会社が550名くらいの人数ですので、全てが集まると1,150名くらいの会社になる、ということです。それから別添資料3には30社から10社になる内訳を示しています。このうち太線で囲っている社が設立済み、または10月設立予定の会社です。その他の点で一つ注釈しますと、保全点検業務については1月の記者会見の際に、1社で行く予定だが状況を見て2社体制もあり得る、というお話をさせていただきましたが、いろいろと検討の結果やはり1社では範囲が広すぎると判断しまして、東京と名古屋の2社体制で行くということにしました。ですから料金収受、交通管理、保全点検はそれぞれ1社体制で行きます。維持修繕の方は地域密着度がより高いという考えから、当初からの方針どおり支社単位で4つに分ける。トータル10社体制でやるということです。着々と進めていきたいと思っています。

7番目は2周年記念イベントです。10月の6日から8日を中心としてやっていこうということなんですが、メイン会場となるのはこの市内の「オアシス21」で、7日と8日の2日間にわたって開催します。その他各地のSAでも支社単位でいろいろな行事を行っていこうということで、別紙に具体的な計画が書かれていますけれども、「オアシス21」では7日と8日の2日間、こういうタレントに出てきてもらってやろうということですし、サテライト会場となる各高速道路の主要SAで資料にお示ししたようなことを行います。その他でもいろいろと開催の予定でして、詳しい説明は省略しますけれども、2周年で改めて利用者や市民の方々に当社の状況をよく知っていただこうと考えています。

8番目は施工技術競争型総合評価方式の入札状況報告です。これは5月14日に記者発表しましたが、試行的にこういった方式を行う、つまりこの絵にありますように公告をして技術審査をして、そこである一定以上の点数を取った方たちに入札をしていただき総合評価する。その場合の点数は技術評価点が半分で価格評価点も半分であり、両方をあわせて点数を付けるという仕組みになっています。

実際それが現実にはどうなったのか、というのが「別添 入札結果」というところに書かれているものです。これまで入札完了した案件が6件あったんですが、そのうち2件は低入札調査中とか技術提案協議中のため、4件の入札結果について今日はご報告することになります。いずれも工事の技術提案項目として工程短縮の項目を設定してそのウェイトが高くなっています。例えばこの表の一番下にある第二東名高速道路中ノ合高架橋工事ですが、標準工期の1,650日に対して240日の工程短縮を図るといったような技術提案を提出した会社が高い技術評価点を得た、というような結果になっています。この表をごらんいただければお分かりいただけると思いますが、価格評価点を加えた総合評価点を見ますと、上下部一体工事2件、PC橋上部工事1件では技術評価点の最高得点者が落札者となりました。鋼橋上部工工事1件では最低価格提示者が落札者となっています。
今年度上半期はまだ参加者が少ないことから、引き続き試行を継続し、その状況を見て評価していきたいと考えています。

最後に企画割引の実施ですが、これは9月7日に既に発表済みのもので、今日は念のためにということでお手元にお配りしていますが、北陸3県の週末フリーパスと浜名湖かんざんじ温泉割引プランです。北陸3県は今度は3日間でやろうということで、44.1%の割引になっています。浜名湖はJTBと提携した企画で、旅行会社と提携して企画割引を行うのは初めてです。
今後も色々と考えて対処していきたいと思っていますが、だんだん当社がやっている企画割引が知られ始めたようで、最近の例でいきますと、受付件数が1,000件を超えるようになってきています。例えば富士周遊は1,500件の受付がありました。信州の案件は1,050件ほどです。少しずつ知られるようになってきたかと思っています。できるだけ、こういう形でお客様に還元して行きたいと思っていますので、今後も新しい企画が出た都度、発表させていただきたいと思います。
大変長くなりましたが、私からのご説明は以上です。


(司会)

では、冒頭のご報告を含めましてご質問がありましたらよろしくお願いします


(記者)

富士スピードウェイについてです。このサーキットの近辺は幹線道路が貧弱で、開催のたびに混雑が予想されるのですが、この富士スピードウェイの近くに第二東名が通ると聞いています。中日本高速だけでできる話ではないのでしょうが、第二東名が富士スピードウェイへのアクセスに果たす役割は大きくなると思います。混雑緩和に向けた取り組みなどはどのように考えておられますか。


(会長)

まだはっきりとF1のためにという決め方は何もしていません。たまに開催されるということで、例えばSAの開口部をいつも開けておくわけにはいきませんので、やはり一番困ったときに役に立つ方法を考えています。これはF1だけではなく、先ほどもちょっとご紹介しましたけれども、お正月の伊勢神宮参拝があります。今年の正月3日間、パーク&ライドを行いました。非常に効果が出て、伊勢神宮の大宮司からも伊勢市長からもたいへん喜ばれているんですが、終了したとたん4日からは非常に混雑しているんですね。そこで何とかならないでしょうか、という話がありまして、現在考えているところです。そのようにいろいろなところで似たようなイベントがあったり、お正月は年中行事のようなものですから予測が付きますので、そのようなところでお役に立てるように地元とも一緒にやっていきたいと考えています。


(記者)

冒頭おっしゃった件で確認をしたいんですが、今日社員向けに通知された内容を具体的に伺いたいということと、あと処分はいつごろぐらいをメドにお考えかをお聞かせください。


(会長)

今日社内向けに出したものは、イントラネットの全社掲示板に掲載しました。コピーは用意していますか。ではちょっとお配りしてください。
社内文書なので相当きついことが書いてあるんですが、趣旨はお汲み取りいただけるだろうと思っております。
それから懲戒処分ですけれども、警察の事情聴取も終わると思いますので、よく話を聞きまして、私たち自身による調査ですね、これも進めておりますがさらに徹底した上で、人事・倫理委員会をできるだけ早く開いて結論を出したいと思っています。まだいつまでにと言われますとお答えできるほど準備が整っていないのですが、そんなに時間をかけず会社の姿勢を示したいと思っています。

 

(記者)

グループ会社の再編について、2007年度末を目標に現在進められているとのことですが、再編されてできる10社のうち、今後設立されていく会社の工程のようなものを教えていただけませんか。


(会長)

この10月に中日本ハイウェイ・パトロール名古屋を設立し、年初め、1〜3月の間に次がまとまっていくと思います。これは相手のある話でして、今の段階で私どもは私どもなりの希望を持っているんですけれども、いつの時点でやるとは断言できないものですから、ちょっとご迷惑をかけてもいけませんので、はっきりした日取りは発表できません。ただいずれにしても年度内までに完結させ、業務移管を受けて名実ともにグループ経営のできる体制をつくる。業務移管を受けて始まる会社は、会社によっては4月1日以降ということもあり得るんですよね。年度内に会社の体制ができたとしても、いずれにしても連結経営の内容が充実し、連結決算を行うようになるのは、今年度に体制ができて、来年度ということになると思います。また具体化する都度、発表させていただきたいと思っています。

 

(司会)

その他特にご質問がなければ、第23回の定例記者会見はこれで終了させていただきます。
なお先ほどからご紹介していますように、当社創立2周年を迎える10月1日には午前9時30分から、この会場で矢野会長から社員に対する訓示を行います。この模様を公開させていただきますのでまたお越しいただきたいと存じます。
本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。