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- 本社 安全への取り組み プレスリリース
屋外型の指向性スピーカーを用いた『音声』による注意喚起システムの開発 ~高速道路では初の取組み~
NEXCO中日本は、交通事故防止に向けた取組みとして、屋外の指向性スピーカーからの『音声』により注意喚起するシステムを開発しましたのでお知らせします。
『音声』による注意喚起システムは、これまで音の拡散が少ないトンネル内では一定の効果が確認されていましたが、トンネル以外で活用するには周辺への音の拡散が課題となっていました。
このたび、早稲田大学の山﨑 芳男名誉教授との共同開発により、音の拡散を抑えた指向性スピーカーの開発に成功し、トンネル以外の屋外でも活用できるようになりました。
なお、屋外での指向性スピーカーを用いた『音声』による注意喚起は、高速道路では初めてのことです。今後、屋外型の指向性スピーカーの活用により、効果的な交通事故防止対策などを進めてまいります。
本システム開発の背景
交通量の多いE1 東名高速道路 横浜町田インターチェンジ(IC)(下り)のオンランプでは、速度超過によりカーブを曲がりきれない事故が多発しておりましたので、これまで、舗装や標識による速度抑制対策や、視線誘導灯によりドライバーの視線を誘導し壁面への衝突を防止する対策などをおこなってきました。しかし、依然として事故があとを絶たない状況で、そのたびに通行止めなどの交通規制により、多くのお客さまにご迷惑をお掛けしていました。
そこで、より効果的な注意喚起の対策として、視覚情報に加え、聴覚情報として、6基の指向性スピーカーをカーブの手前に設置し、「この先、急カーブ」という『音声』をドライバーに聞こえるようにしました(図1)。
※車両速度が30km/h以下の場合には、音声を停止しています。
※注意喚起の音声が流れる時間帯は8~18時です。
図1 横浜町田IC(下り)オンランプに設置する指向性スピーカーと事故多発箇所の位置
本システムの概要
市販されている平面スピーカー(1方向)では、音声を流したい範囲に制御することができないため、流したい範囲に限定して音声が届く指向性スピーカーを開発しました。開発にあたっては、効率性および経済性の観点から、スピーカー音が2方向から発生する構造とし、音量を減らさずに、音の伝わる方向を調整する「導波板」と呼ばれる板を組み合わせています(図2)。
また、市販のスピーカーは防水性や防塵性が課題でしたが、本システムでは、スピーカーの前面に音響を透過する防水・防塵シートを貼り、屋外での耐久性を高めました。
図2 指向性スピーカーの形状図
(参考)屋外型の指向性スピーカーとトンネル内の指向性スピーカーとの違い
「導波板」に音を反射させて音の拡散を抑え、
必要な範囲だけに音を再生する
音を発するタイミングを制御し、
トンネル内の音の反響を少なくする
効果検証
2019年8月から試行を開始し、試行開始前後の速度変化を分析した結果、指向性スピーカー運用前と比較して車両速度が4%(1.7km/h)低下し(図3)、事故は発生していません(図4)。
図3 スピーカー運用時間帯の速度変化
図4 スピーカー運用時間帯の事故発生件数
今後の展開
高速道路の事故多発地点や渋滞頻発箇所および長期間の工事規制区間の手前などでの注意喚起の対策として設置を進めてまいります。
お問い合わせ先
- ・NEXCO中日本お客さまセンター (24時間365日対応)
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TEL:0120-922-229 (フリーダイヤル)
TEL:052-223-0333 (フリーダイヤルがご利用になれないお客さま/通話料有料)