NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2011年06月22日金子会長兼社長定例会見

会見要旨

(司会)

みなさまお待たせいたしました。ただいまから第68回の定例記者会見を始めさせていただきます。

 

(会長兼社長)

金子会長兼社長

お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日は7つのトピックスを準備しております。
初めは、2011年5月の事業の概況です。
5月の料金収入は、343億4千2百万円と、対前年同月比6.1%減でした。
内訳は、高速が319億5千9百万円、3.7%減、一有は23億8千3百万円、29.9%減となっています。
一方、5月の通行台数は、日平均188万4千台と、対前年同月比9.1%増でした。
内訳は、高速が日平均140万1千台、3.8%増、一有は48万3千台、27.9%増です。
通行台数については、休日の利用において天候や東日本大震災の影響があるものの、一般有料道路を中心とした無料化社会実験による効果がこれを上回り、全体では、昨年と比べ9.1%の増加となりました。
一方、料金収入については、無料化社会実験に加え、天候や東日本大震災の影響もあり、昨年と比べマイナスとなりました。
なお、今月のETC割引額は321億円で、前年同月の329億円に比べ、2.3%割引額が減少しています。
割引率としては、約48.3%となります。

次に建設の状況です。
今年度末に開通を予定しております、首都圏中央連絡道(圏央道)八王子南インターチェンジから八王子ジャンクションの2.0㎞間につきましては、「一般国道事業と有料道路事業による事業方式」であり、国と当社で、協働して鋭意工事進捗を図っているところです。

次に無料化社会実験区間を除くETCの利用状況です。
直近の6/3~6/9は、5/6~5/12と比較して、日平均利用台数は10.1%増、日平均利用率は89.7%から89.5%と0.2%減となっています。平日、土日休日別に見ると、平日平均利用率は89.8%から89.5%と0.3%減、土日休日平均利用率は89.5%から89.4%と0.1%減となっています。
5月末の車載器取付け累計台数は、4月末と比較して0.5%増、台数にして18万台増加し、約3,469万台です。

次にサービスエリアの状況です。
5月のサービスエリアの売上高は150億1千8百万円と、対前年比101.0%でした。道路別に見ると、東名阪道140.2%、名神120.0%が好調でした。
東名阪道では、「EXPASA(エクスパーサ)御在所」が、引き続き多くのお客さまにご好評いただいており、名神は集中工事の実施期間による影響と考えています。
売上を部門別に分けると、「飲食・物販部門」は、対前年比99.5%で5千6百万円減でした。
「飲食・物販部門」の更なる内訳は、「飲食部門」が対前年比102.4%で9千2百万円増、「物販部門」が対前年比98.0%で1億4千8百万円減となっております。
続いて、「サービス部門(レストイン、風呂)」では、対前年比109.5%で3百万円増でした。
最後に「GS部門」では、給油数量が対前年比97.2%と昨年度を下回りましたが、単価差がプラス13円あることから、売上高は対前年比106.1%で2億1千9百万円増となっています。

続きまして、東北地方の無料開放、休日上限廃止、社会実験一時凍結に関連したトピックです。
6月20日から、休日特別割引の地方部上限1000円が廃止されるとともに、無料化社会実験が一時凍結され、東日本大震災による被災者支援及び復旧・復興支援のための無料措置が始まりました。
NEXCO中日本の高速道路では、東北地方の無料措置に伴う料金所の混雑など、大きなトラブルは生じておりません。
既に報道でも取り上げていただいているところですが、ご利用方法には制約がありますので、周知にご協力いただきますようお願いいたします。
お手元の「東北地方の無料措置通行方法について」と書かれたチラシをご覧ください。
対象車両は、東日本大震災の「被災証明書」などをお持ちの方が乗車する車両か、トラックやバスなど中型車以上の車両です。
対象走行は、東北地区の指定インターチェンジが入口または出口のいずれかであり、通常一回のお支払いで走行できる区間が無料措置の対象となります。
特にご注意いただきたいのは、通行方法です。
ETCレーンのご利用は無料とはなりません。入口では必ず一般レーンで通行券をお取りいただき、出口でも一般レーンのご利用をお願いします。
軽自動車や普通車は被災者限定となりますので、被災証明書などの証明書と、運転免許証など本人確認できる書類を、出口の料金所の係員に提示していただく必要があります。
なお、東北地区から、首都高を経由して東名高速を利用される場合、首都高や東名高速は無料の対象とはなりません。
お手元には、休日特別割引の地方部上限1000円及び無料化社会実験の終了を踏まえた、高速道路料金のパンフレットをご用意しておりますので、あわせてご覧ください。
なお、無料化社会実験が終了した後の交通量は、概ね実験前の交通量に戻ったと思います。
また、休日特別割引の地方部上限1000円も終了になりました。先週の18日、19日については、駆け込みの需要がありましたが、大きな混乱はありませんでした。

次のトピックです。
山梨県と当社が事業を進めてまいりました中央道都留インターチェンジの河口湖方面出入口が完成し、8月10日午後3時からご利用頂けるようになりますのでお知らせいたします。
山梨県都留市に位置する「都留インターチェンジ」は、東京・名古屋方面への出入りのみが可能なハーフインターチェンジとしてご利用いただいてきました。
中央道の有効活用を図り、平行する国道139号の渋滞解消や、地域の活性化を目的に「地域活性化インター」として、山梨県が主体となり、2007年より工事をすすめ、このたび、河口湖方面への出入り口が開通することとなりました。
これにより、都留市から山梨県富士吉田市への移動に中央道をご利用いただくことが可能となり、大幅に移動時間が短縮され利便性の向上が図られることや、都留市・河口湖周辺の観光拠点と地域資源を結びつけ、魅力的な回遊型観光地の形成に役立つなどの効果が見込まれます。
また、医療や防災など、緊急時における移動・輸送の高速性の確保や、周辺道路の渋滞緩和など、地域の皆さまが「安全・安心・快適」に暮らせる街づくりに大きく貢献出来るものと考えています。

次のトピックは、7月1日から6箇所のサービスエリア・パーキングエリアで販売を開始する新商品「ペコリアーノ・デリ」についてです。
新商品「ペコリアーノ・デリ」は、NEXCO中日本グループの女性・若手社員で構成されたプロジェクトチームが企画しました。「歩きながらでも」「テーブルに置いても」「車内でも」シーンを選ばずに食べられる「スタイル」と「地産地消」をコンセプトとしています。
今回、販売する商品は、野菜をふんだんに盛り込んでヘルシーに仕上げ、女性にとっても量が多すぎない適量とし、お皿で食べるのが定番であるスイーツをワンハンドで気軽に食べられるなど、女性のお客さまに喜んでいただけるラインナップとなっています。
今後「ペコリアーノ・デリ」をシリーズ化し、多くのお客さまに御支持頂けるようにしてまいりますので、ぜひ「ペコリアーノ・デリ」にご期待ください。
なお、本日は「ペコリアーノ・デリ」のご試食を用意しております。会見終了後、ぜひ新発売の「ペコリアーノ・デリ」を味わっていただきたいと思います。

次のトピックです。
6月16日に、既に発表させていただいておりますが、NEXCO中日本のエリアにあるレストランを対象にした「第1回スイーツコンテスト」について、改めてお知らせさせていただきます。
なお、資料には38店舗となっていますが、今週月曜日より対象店舗が1店舗増えて、現在は39店舗が参加となっています。
このコンテストは、SA・PAのレストランで、よりおいしく、品質の高いスイーツをご提供できるようにと企画し、初めて開催するコンテストです。
今回のテーマは、「地産地消スイーツ」です。地域の野菜や果物を気軽に味わえ、おいしくて体にもよいスイーツをキーワードに、お客さまに自信をもってお薦めする新作メニューです。
6月17日から7月3日までを一次審査期間とし、お客さまのご支持と試食審査結果を踏まえ、代表メニュー6品が本選に進みます。
本選は、7月25日に名古屋市中区の「ニチエイ調理専門学校」で開催し、審査員に野菜スイーツ専門店「パティスリーポタジェ」柿沢安耶氏をお招きして、最優秀メニューを決定します。
レストランの料理長が腕を振るったスイーツメニューを、ぜひご賞味ください。

次のトピックは、SA・PAで働く約8,000名のスタッフを対象にした「接客コンテスト」の開催についてです。
この接客コンテストは、SA・PA全体のCSレベルの更なる向上を目指して、今年で3回目になるコンテストです。
今回のテーマは、『「お招き」と「おもてなし」の心をもったサービスのために』です。お客さまのお迎えからお見送りまでをロールプレイング形式で行い、「好感度」、「コミュニケーション力」、「販売力」の接客スキルを飲食・物販・専門店の3部門で競います。本選には、各地の予選会を通過した成績上位28名が挑戦します。
本選は、7月21日に名古屋市・中区の「三井住友海上しらかわホール」で開催します。審査員は、CSに関する専門家である(株)R・B・K  飯嶋薫氏、ワンスアラウンド(株)佐藤梨枝子氏、元日本航空インターナショナル客室乗務員教官  安宅真由美氏をお招きして、接客スキルナンバーワンとなるグランプリを決定します。
NEXCO中日本は、お客さまの期待を越え、感動していただける接客レベルを目指してまいります。

次のトピックは、環境に配慮した取り組みです。
当社では、「地域連携の強化、地域社会・経済への貢献」を推進するため、2007年5月から地域の皆さまと高速道路ののり面などを植樹や草花で緑化する 「ハイウェイ緑の里プロジェクト」に取り組み、今年で5年目を迎えることになりました。
「ハイウェイ緑の里プロジェクト」の活動は、自治会、学校、企業などの地域の皆さまに高速道路のインターチェンジやのり面などを活用していただき、樹木や草花を植えて地域や高速道路の緑化や美化を行い地域の皆さまと当社が一緒になって、地球環境の保全や沿道環境の改善・維持向上を推進する協働事業です。
取り組みを始めてから5年で累計26箇所で活動を行いました。
その間、約2,300本の植樹と約4,700㎡の花壇整備を行い、延べ約3,800人の地域の方々に参加・協力いただいております。
今後も引き続き、活動に参加・協力頂ける皆さまを募集し、地域連携の強化と地 域社会・経済への貢献に取り組んでまいりたいと考えています。
これで、環境に配慮した取り組みの報告を終わります。

以上が、本日ご用意したトピックスです。

 

(司会)

それでは、これから皆さまのご質問をお受けしたいと思います。

 

(記者)

無料化社会実験の一時凍結や休日上限割引が廃止された最終日は、お客さまの駆け込み利用があったと思われますが、数字で表れていますか?

 

(会長兼社長)

昨年の同時期と比較すると交通量が3割増、渋滞回数が3倍強になりました。このことからも最終日は駆け込み需要があったと思われます。

 

(記者)

無料化社会実験の一時凍結や休日上限割引の廃止により、夏休み等の利用状況はどのように見込まれているでしょうか?

 

(会長兼社長)

休日上限割引が廃止されたので交通量は少なくなると思います。しかし、当社の事業に影響を及ぼすとは考えていませんので、計画しているサービスエリアの改築事業などは予定通り進めていきます。

 

(記者)

無料化社会実験区間で、一時凍結の前後では、利用台数をどのように想定していますか?

 

(会長兼社長)

ある程度通行台数が少なくなると想定しています。ただし、当社管内の全体延長に比べると無料化社会実験区間の延長は大きな割合ではないため、当社の事業に影響を及ぼすとは考えていません。

 

(記者) 

ペコリアーノ・デリを自社で作った狙いは何でしょうか?

 

(会長兼社長)

高速道路をご利用いただくお客さまに毎日接している当社社員が、お客さまのご要望を直接聞いて、一番よく分かっています。また、社内の若手社員、特に女性社員からの「作ろう」という心意気を大切にしてプロジェクトを立ち上げました。

 

(記者)

ペコリアーノ・デリのプロジェクトはいつ頃立ち上げましたか?

 

(社員)

プロジェクトの座長からお答えします。2009年の4月に8名で発足し、現在12名でプロジェクトを運営しています。これまでも昨年3月に恋人の聖地バージョンのタオルや美水をつくるなど、いろいろなテーマに取り組んでいます。

 

(記者)

今までのサービスエリアなどの物販で、若い女性向けの商品が弱点だと思ってできたのでしょうか?

 

(会長兼社長)

やきとりやホットドックなどはたくさんありますが、ちょっと洒落た女性向けの食べ物はなかなか手に入りにくいため、自社でやってみようと考えました。

 

(記者)

フェリーなどの他の交通機関では、地方部上限1000円の終了や無料化の一時凍結により、公平感が戻ったと言っていますが、その点についてどう思っていますか?また、政府が無料化を一時凍結させたことについて、どうお考えですか?

 

(会長兼社長)

政府が無料化を一時凍結させた理由は、東日本大震災への援助のためです。当社が一番最初にやらなければならないことは、東日本大震災を受けた地域の復旧・復興の支援だと考えています。また、地方部上限1000円や無料化の実験については、実験の評価がどのような形で結果が出てくるか分かりませんが、各交通機関の利用者の方や直接高速道路を利用される方など、いろいろな人々の声を聞いて、実験の評価を注視したいと思っています。

 

(記者)

ペコリアーノ・デリは、4月29日から先行発売をされているとのことですが、先行発売した意味合いと、これまでのお客さまの反応は?

 

(社員)

4月29日から先行発売し、お客さまの反応や評価を見極めていました。商品によって売れ行きが良かったり悪かったりしたものがありました。これらの反省点を踏まえて商品を変更したり名前を一部変更したりするなど改良を加え、今回正式に発売させて頂きました。

 

(記者)

社員の所得税法違反について会社で社内調査をされているとのことですが、国税局が査察に入ってから半年たちました。道路という公共のものを扱っている会社ですから、社内調査の内容を中間でも公表されるべきではありませんか?

 

(会長兼社長)

所得税違反疑惑で当社の社員が査察を受けていることは間違いなく、大変申し訳なく思っています。ご質問にありましたように、査察から約半年が経過しておりまして、現在も査察中です。査察がいつ終わるのか、当社としては分かりません。したがって、査察の内容については、お話しできる時期ではありません。一方、社内で調査委員会を立ち上げ調査をしているところです。途中経過報告でもということですが、査察の途中でありますので、その内容について皆さまにお話しするのは適切でないと思います。調査が完了するまで多くの時間がかかるとは思っていません。調査結果がまとまり次第お話をさせて頂きたいと考えています。

 

(記者)

調査委員の弁護士さんや不動産鑑定士さんがどのような方というのも教えて頂けないのでしょうか?

 

(会長兼社長)

公表したとしても、委員は調査結果についてお話しすることができないので、きちんと調査結果がまとまり次第、皆さまに公表します。

 

(記者)

民間会社とはいえ、扱っているものは道路という公共のインフラです。こういうことが起こったことについて、ご意見を伺いたいのですが?

 

(会長兼社長)

申し上げたように、当社社員が所得税違反容疑で査察を受けていることについて、誠に申し訳ないと思っています。調査結果がまとまり次第、社内の規律や体制を見直す必要があると思っています。再三申し上げますが、内容については査察の途中ですので、お話しするのは適切でないと思います。

 

(記者)

新東名は、2012年度に一部開通すると思いますが、工事の状況について教えて下さい。また、早期開通の見込みはありますか?

 

(会長兼社長)

工事は順調です。ただし、現在5箇所で地すべり対策工事を実施しており、その対策が完全に終わっていない状況です。梅雨が終わるころには、いつ頃開通できるのかをお話しできるのではないかと思っています。2012年度に開通を予定しているのは、御殿場JCT~三ケ日JCT間の162kmです。地元の静岡県知事からも、早期の開通を強く要望されています。地元の皆さまの要望にもお応えすべく、できるだけ早く開通したいと思っています。

 

(記者)

社員の所得税法違反について、警察や地検など他の捜査機関から、会社に事情を聴きにきたことはありませんか?

 

(会長兼社長)

ありません。

 

(司会)

以上で定例記者会見を終了いたします。