NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2009年12月21日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(司会)

それではお時間になりましたので、ただいまより定例記者会見を始めさせていただきます。それでは、よろしくお願いします。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典

どうも皆さんこんにちは。本年最後の記者会見を始めさせていただきます。今日も幾つかテーマがあり、私の方から概要を説明させていただきます。

最初に事業の概況です。高速道路の状況ですが、11月の料金収入は対前年同月比で24.7%減です。内訳ですが、高速が20.0%減、一有が24.7%減となっています。通行台数ですが、対前年同月比で1.5%増。内訳ですが、高速が0.7%増、一有が4.7%増という結果になっています。通行台数の内訳につきまして、毎月お話しています車種別の状況を申し上げたいと思います。去年との対比ですが、軽自動車等104.9%、普通車101.0%、中型車96.6%、大型車98.0%、特大車98.7%、合計で100.7%となっています。ご承知のとおり、去年は9月にリーマンショックがありまして、10月、11月と景気に大きな影響を与え、大型トラックの交通量が減るということがありましたから、このパーセントだけ見ますと状況が分かりづらいので、一昨年前の平成19年と21年を比較した数字を申し上げます。軽自動車等が111.2%、普通車100.9%、中型車87.8%、大型車、91.3%、特大車91.4%、合計99.4%となっております。やはり中型以上については依然として良くない状況が続いているということが言えると思います。それから走行台キロで見ますと、軽自動車等が111.8%、普通車が109.8%、中型車96.4%、大型車96.6%、特大車97.9%、合計105.9%です。これも一昨年前と比較してみますと、軽自動車等121.1%、普通車 112.3%、中型車86.8%、大型車87.9%、特大車92.0%、合計104.7%となります。トリップ長が長くなっているということと、料金施策の影響というのがここに表れていると思います。それからETCの割引額ですが、30,162百万円ということで、去年と比べると65.1%、割引額が増えております。ETC割引率がどうかと申しますと、前月とほとんど変わらない44.9%です。ETC割引の無かった場合の料金収入は67,169百万円と、現実の数字ではないのですがこれを比較すると3.7%増となります。以上が高速道路の状況です。

次に建設の状況ですが、先月と変わりありません。で、後程ご説明いたしますけども、圏央道の海老名JCTから海老名IC間が2010年2月27日(土)に開通できる見込みとなりました。後程ご説明たします。
それら次にETCの状況ですけども、11月の利用率が85.3%であります。直近の1週間を見てみますと、12月4日から10日、先月が11月6から12日という期間をとって見ますとほぼ横ばいと言えると思います。車載器の取付け累計台数は2,904万台ということになっています。10月末と比べると1.3%増であります。

次にサービスエリアの状況ですが、売上高は107.8%増であります。飲食部門が102.0%、物販部門が105.5%、両方合わせますと104.2%ということになっております。サービス部門は100%、GS部門ですが123.6%であります。ガソリンの単価差が縮まってきまして、11月でいうと13円差なんですね。今年が127円で去年が140円でありまして、大分差が縮まってきまして数量も相当増えておりますから、その分で売上高としまして123.6%になりました。広告部門が114.3%ということであります。以上が11月の事業の現況であります。

以下はトピックスでありますが、最初に神奈川県内で初めてとなる圏央道が開通することについて、先程申しました内容についてお話しいたします。これは本日発表となります。海老名JCTから海老名IC間、これが1.9kmあるのですが、予定よりも約1ヶ月早い2月27日(土)15時に開通します。これに合わせまして、東名高速道路と並行しまして厚木ICから海老名JCTすぐまで専用連絡路1.1kmも開通いたします。両方合わせて3kmということであります。この専用連絡路は交通の流れを良くして、渋滞を少なくし安全度も高めようという趣旨で設けたものであります。今回の開通によりまして、これまで厚木ICに集中していた交通が海老名ICに分散すると見ております。それにより厚木IC周辺の混雑が緩和されると見ております。海老名市から東名へのアクセスが向上して、大幅な時間短縮ができる。海老名市役所から今まで厚木周りで40分掛かっていたものが10分、30分短縮されるという予測をしております。今回の開通区間は東名と中央道を結ぶ圏央道の一部区間でありまして、残る区間も早期供用に向けまして事業進捗に努めて参りたいと考えております。

次は年末年始の渋滞予測と対策であります。これは12月4日発表したものでありますが、時期が近づいてきましたので、今日は良い機会と考えまして資料を用意した次第であります。ご承知のとおり年末の26日と27日は休日特別割引を適用せずに、その代わり1月は1日から5日まで適用するということであります。渋滞の状況はグラフにありますように、下り線で12月29日、30日、年が明けて1月2日、3日にかなり集中しております。上り線は1月2日、3日に集中すると見ております。混雑と冬季対策としまして色々な取り組みをしております。休憩施設に整理員を配置したり、大型駐車ますを確保したり、特設トイレを設置したり、あるいはトイレの寒さ対策など、色々なことを考えて臨みたいと思います。添付資料としまして料金割引、渋滞と対策の中日本版と全国版、当社だけですが、東名お正月渋滞減らし隊キャンペーン、各種資料を取り揃えておりますのでご参照ください。是非、高速道路をご利用になられるドライバーの皆様には計画的な旅行計画を立てて、ご協力をいただけると幸いです。

4番目にCSR懇談会報告でございます。これは資料にありますとおり、12月16日に開催したものでございまして、会合の後で記者の皆さんへ概要説明をさせていただきましたが、良い機会ですのでご紹介してみたいと思います。委員会の皆様には八王子JCT付近の動植物の生息状況、それから調布ICでの床版補修といった現場をお見せしております。委員は記載のとおりです。委員から大変熱心な意見がいくつか出まして4ページ以降に記載してありますけれども、一般の方や子供たちにも出来るだけ沢山見ていただけるような機会を作るべきではないか、や来年名古屋でCOP10がありますので、それに向けて頑張って欲しい。高速道路にはその事例があるということであります。それから景観に対する関心は非常に高まっているけども、高速道路沿道に対する配慮は十分なのか。例えば遮音壁や落書きのあるカルバートボックスは子供たちのために教育上も良くないし、汚らしい。子供が道路を好きになるような配慮をして、きれいにした方が良いでしょう。それから、当社の百年道路についてはですね、今ある道路を大切にするというものなので是非頑張って欲しい。放っておくと80年代の荒廃するアメリカになるのではないかと心配している。ということで頑張って欲しいと励ましをいただきました。SA・PAがきれいになり、マイカー向けの取り組みは随分進んでいるけれども、トラック運転手にとっても快適で休憩しやすい取り組みを進めてはどうでしょうか。それから牧之原の東名の崩落事故については、安全を尊重した迅速な復旧で大変良かったと思う。トイレはレストルームと英語で言われるような環境整備を今後進めていったどうか。それからKSN(きれい・清潔・臭わない)といって最近着手したものですが、清掃スタッフの皆さんがディズニーランドのキャストと同じように誇りを持って、きれいにして、お客様の応対が出来るようにするということを、今進めているわけですが、是非精力的に進めて欲しいといったお話がありました。あと実際に見に行った写真も添付されておりますので参照ください。2000年に植えたのり面の地域性苗木が9年経って相当鬱蒼と茂ってきました。機会があれば皆さんにも是非ご覧いただきたいと思います。

「プレミアムドライバーズカードでガソリンを値引き販売」をするという、これも本日発表のニュースでございます。
当社50数箇所のガソリンステーションがSA・PAにありますが、そのうちエクシスという子会社の直営GS、これが7箇所ございまして、そこでプレミアムドライバーズカードをご利用されますと最大1リットル当たり3円割引しようという考えで、これは24日から始めたいと思っています。
クレジットを利用して支払う場合には3円割引、このクレジットカードを提示した上で現金で払う場合は1リットル当たり2円割引するとういことでありますし、クレジット支払いの場合は3円割引に加えてポイントもお付けするということでございます。
それから当日その場で入会された方にも現金値引き分の割引をするということで、次のページ以降プレミアムドライバーズカードの概要――ようやく20万人を越える加入者になってきております――がありますのでご覧ください。

つぎに6番目でありますが、「スノーランド岐阜 ハイウェイキャンペーン2010」です。これは11月26日に発表させていただいたものでございますが、岐阜県のスキー場連絡協議会とタイアップして、できるだけ多くの方にスキーやスノーボードを楽しんでいただこうと、今年で10回目になります。高速道路のSA・PAなどで岐阜県内スキー場共通リフト券割引券や、SA・PA共通優待券付のパンフレットを無料で配布するなどかいろいろなサービスを行って、地元と協力して冬のスポーツを盛んにしたいと考えております。
これはもう始まっていますが、12月1日から3月31日までの予定で実施いたします。

それから次に「SA・PAメニューコンテスト結果報告」これは、9月のこの場でメニューコンテストをやりますと発表させてもらいましたが、当社管内のレストラン45店舗でそれぞれ1メニュー出していただき、本選を12月18日に行い結果が出ました。
今回のテーマは「厳選(こだわり)素材を生かしたおすすめの逸品」「食の安全・安心」「地産地消」ということでありまして、次のページに写真がありますが、最優秀賞が談合坂SAの上り、審査員特別賞が海老名SAの上り、多賀SAの下り、有磯海SAの下りということで、なかなかおいしそうなので私も一度訪ねてみたいと思っております。

それから最後に毎回ご説明しております環境のトピックスでございますが、本日は「絶滅危惧種の地域性苗木を育成します」という取り組み状況についてお話します。
これは、先ほどもCSR懇談会の中で触れましたが、道路で切土とか色々な場を利用して地域性苗木を育てるということをやっていますが、これを高速道路以外でもやろうと考え始めているものです。
11月に名古屋市内、守山・千種で樹木の果実採取を行いまして滋賀の栗東にあります緑化技術センターで種子の精選と分析をしたということであります。20種類ほどの樹木の果実約6キログラムから約5万粒の種子が精選できました。
その中には「レットデータブックあいち2009」にあります「絶滅危惧1A類 マメナシ」とか「絶滅危惧Ⅱ類 ハクサンボク」という樹木も含まれていました。
来年の10月に名古屋市でCOP10が開かれます。このパートナーシップ事業として名古屋市内に植栽する計画で、現在のところ約1000本の地域性苗木を植えるという考えです。
今後とも地元で開かれる大きな国際会議でありますし、環境保護という面でも非常に意義のある会議だと思いますので、私どもとしてもCOP10を全面的に応援していきたいというふうに考えています。

 


(司会)

それでは、ご質問をお受けしたいと思います。


(記者)

ドライバーズカードの件ですが、これは高速道路各社がカード事業を行っていると思いますが、このような割引が現状でほかの会社でも始まっているものかどうか。
あと先日の朝日新聞の記事で、高速道路のガソリンスタンドの間隔が結構あいている箇所があるということですが、今後の方針として例えばそのような区間があるときには直営でやろうという考え方なのか教えてください。


(会長)

これは今回当社が始めて着手するものだと考えています。
それから、ガソリンスタンドの設置場所の問題ですが、やはりドライバーの便益を考えてすすめていきたいと思います。当社の管内は幸いにして交通量が多いところが多いものですから、割合ニーズも高いと思っておりますが、やはり会社ですので採算性も考えてどういうふうにしたら良いか考えていくことになると思います。
基本姿勢はお客様にご不便をなるべくかけないようにするということであります。


(記者)

今年の総括と、来年の事業上の目標をお聞かせください。


(会長)

今年は振り返ってみますと色々なことがありました。経営環境としては民営化以来最大の激変の年であったと思います。政治・経済・社会情勢が大きく変わってですね、当社としてはそういう中を経てきたという実感を強く持っております。
私が社内に一貫して言っていることは、こういう時ほど本当に社会から信頼される会社になろうと、言い続けてまいりまして、手前味噌ですが会社の経営理念に基づいて、それぞれ一人ひとりが仕事しようということを訴えてきてまいりました。
 来年も経済情勢がどうなるか色々なことが不透明でございまして私たちがこうだと決め付けるわけには行かないと思いますが、その変化になるべくなら、一歩でも二歩でも先んじて待ち構えるような経営をしたいと思います。そしてできるだけ準備をして臨む、そういうふうにして乗り切っていきたいと思っています。


(記者)

来年度の予算について検討中だと思いますが、高速無料化関連で社会実験に使う予算が大分当初の見込みより縮小する見通しとなって、実験自体もかなり限定的になるであろうということで、来年に向けてそこらへんの所感を伺います。


(会長)

前から申し上げていることでございますが、具体的な案を提示されると思いますので、それに基づいて対処していくことになると思います。
出来上がってみないと、今の段階で意見を言うことにはならないと思いますので、そういうつもりで、どうゆう状況が現れてもそれにしっかり対応していくと我々の今まで4年間の民間会社としての経営実績が裏付けにありますので、それに基づいて対処していくということになると思います。
政府の方針も段階的に社会実験をしながら進めていくということでありますから、現実的な路線を歩もうとしているのではないかという印象を持っておりますので、そういう意味ではこれからかなと思っております。


(司会)

本日はこれをもちまして定例記者会見を終わりといたします。ありがとうございました。