NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2015年07月30日宮池社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第105回の定例会見をはじめさせていただきます。

 

【宮池社長】

本日のトピックスをご説明する前に、一言お礼申し上げます。

4月と6月の定例記者会見でご説明しました「名神高速道路全線開通50周年キャンペーン」につきましては、マスコミの皆さまに、新聞、テレビなどたくさんのメディアに取り上げていただきましてありがとうございました。

おかげさまで、サービスエリア、パーキングエリアで開催した50周年記念イベントは大盛況で終了しましたが、引き続き、昔懐かしい洋食などの50周年記念メニューの販売やETCマイレージポイントキャンペーンなどを8月末まで実施していますので、ぜひ、名神高速道路をご利用いただければと思います。

また、今年で全線開通から50年が経過した名神高速道路をはじめ、管内では、開通後30年以上経過した高速道路が約6割を超える中、高速道路の老朽化対策として、今年度から大規模な更新や修繕工事をスタートします。

今後も、安全で、安心・快適に高速道路をご利用いただけるよう努めてまいりますので、引き続き皆さまのご理解、ご協力をお願いします。

 

それでは、本日ご用意したトピックスをご説明します。

 

【事業の現況(2015年6月)】

資料1の1ページをご覧ください。

営業の状況ですが、6月の料金収入は、503億6千2百万円と対前年同月比7.8%の増加、また、通行台数は日平均182万9千台と対前年同月比2.5%の増加となりました。

料金収入については、昨年3月末に国費による利便増進事業が終了し、4月から料金制度の見直しがおこなわれましたが、昨年の6月末までの3ヵ月間は、緩和措置により本来3割引の休日割引が5割引に据え置かれました。したがって、今年は対前年比較で2割の割引差があることから、対前年同月比7.8%の増加となりました。

通行台数については、料金制度の見直しがあった昨年と比較し、当月は対前年同月比2.5%の増加と、やや増加になりました。

 

建設の状況です。

2015年度に開通を予定している新東名高速道路の浜松いなさジャンクション(JCT)から豊田JCTの55kmについては、開通時期の見直しの要因となった対策工事を実施している箇所を除いて、トンネルや橋梁、土工など道路本体の工事が完成し、全線にわたって舗装工事や、標識、休憩施設内の建物工事などを実施中です。

開通時期の見直しの要因となった切土のり面対策、重金属を含む土砂の処理、橋梁の沈下対策については、予定どおり順調に進捗しています。重金属を含む土砂の処理は完了し、残る工事も秋頃に完了する見込みで、開通目標は現時点では2015年度末です。

一方、新東名高速道路は、愛知県以外にも、神奈川県や静岡県内で事業を進めています。今後、完成した区間から順次開通させ、全線開通は2020年度を予定しています。

次の開通は、2016年度に神奈川県内の海老名南JCTから厚木南インターチェンジ(IC)1.5kmを予定していますが、厳しい状況であり、現在、工程を精査しているところです。

また、新名神高速道路の四日市JCTから新四日市JCTの4kmおよび東海環状自動車道の新四日市JCTから東員IC1kmについては、2015年度末の開通をめざし、全線にわたって工事を進めています。

 

資料1の2ページをご覧ください。

ETCの状況ですが、6月の日平均利用率は91.3%でした。

次にサービスエリアの状況です。

サービスエリア・パーキングエリアの総数は、177カ所で変更はありません。

6月のサービスエリアの売上高は128億1千8百万円で、対前年同月比0.6%の減少となりました。飲食物販部門の売上高も、対前年同月比0.2%の減少となりました。

減少の要因としては、前年に比べて休日が1日少なかったことが考えられます。

ガソリンの売上高は、対前年同月比1.4%の減少となりました。要因としては、全油種とも前年の販売価格を下回っているためです。

 

【重量超過車両の撲滅に向けて~悪質な違反者への初の告発~】

資料2をご覧ください。

資料2の1ページのとおり、道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過車両に対して、昨日7月29日、当社では初となる告発をおこないましたので、ご報告します。

2015年5月29日に東名高速横浜町田ICで、道路法に違反して大型トレーラーを通行させた運転手およびその雇用主を神奈川県警察に告発しました。違反車両は車両総重量が道路法で定める基準の25トンを2倍以上上回る50.75トンであり、極めて悪質な違反内容となっており、処罰を求めるものです。

資料にあるとおり、車両総重量50トンの車両1台が道路の橋の劣化に及ぼす影響は、一般的な大型車(車両総重量20トン)の約340台分に相当すると言われています。重量超過車両は、道路の疲労・損傷などの劣化を著しく加速させる大きな要因となっています。

続きまして、2ページをご覧ください。

告発以外に今年の4月から強化している違反車両の取締り状況について説明します。

当社ではインターチェンジ入口に専門の取締隊を配置し、違反車両に対しては高速道路からの退去を命じる「Uターン」などの措置をおこなっています。

また、今年4月から新たに一定重量以上の重大な違反に対して、重量を減少させる「積荷の軽減」や、通行許可を取得するまでその場での停止を命ずる「通行の中止」といった厳しい措置を4件実施しています。

このような悪質な違反車両は、通行車両全体の1%に満たないものの、道路の橋などの劣化を加速させる大きな要因となっています。道路の橋の補修は、大規模更新・大規模修繕計画にかかる事業費のうち約9割を占めています。

今後も関係機関と連携を図り、重量超過車両の撲滅に向けて取締りを強化してまいります。

 

【お盆期間の渋滞予測】

お盆期間の渋滞予測につきましては、既に7月10日に発表させていただき、多くのマスコミの皆さまに取り上げていただきました。ありがとうございます。

この度、お手元の『渋滞予測ガイド』をサービスエリア・パーキングエリア、料金所などでお配りしております。

お盆の帰省などで高速道路をご利用の際には、ぜひご活用いただければと思います。

 

【交通安全】

交通安全のお願いです。資料3をご覧ください。

今年に入って、当社の管内で交通死亡事故が36件発生し、死亡者数は38人にのぼります。昨年同時期は死亡事故が22件、死亡者数が24人でしたので、昨年同時期との比較で14件、14人増加しており、過去5年間で最多となっています。

事故形態別では、「自動二輪」「単独事故」が昨年の3倍以上と大幅に増加し、時間帯別では、深夜から早朝にかけて発生した事故が、全体の約半数を占めています。

運転をされる際には、すべての席でシートベルトを着用し、十分な車間距離をとって安全な速度でご利用いただくとともに、十分な休憩をとっていただくようお願いします。また、事故や故障時にはできるだけ路肩に停止してハザードランプ、発炎筒、停止表示器材で後続車に合図をするとともにガードレールの外など安全な場所に避難していただくようお願いします。

 

【郷土種子を活用した丹沢登山道の植生再生の取組み】

資料4をご覧ください。

当社は、「環境・持続可能社会への貢献」をCSR活動の重点領域のひとつとして掲げ、環境に配慮した取り組みを実施しています。

神奈川県の丹沢山地において、登山者の増加や鹿の採食により裸地化した登山道の植生を再生させる活動を、神奈川県、地元NPO団体の方々と協働でおこなっています。

植生の再生には、高速道路の建設事業で培われた地域性苗木育成の技術を生かし、鹿に食べられにくい植物を、種や地下茎から苗を育て、これまでに約3,000株を植栽しています。

植栽した植物は順調に育ち、登山道周辺の植生は徐々に回復してきており、丹沢山地で活動する他団体の方々や、登山者の方々からも賛同や応援の声をいただいています。
8月6日(木)には神奈川県、地元NPO団体の方々と共に、さらに2,000株の苗を植栽する予定です。

今後も本活動を通じて、丹沢の自然再生に貢献していくとともに、高速道路以外の他の地域においても、地域環境の保全活動に積極的に取り組んでまいります。

 

【サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の急速充電サービスの拡大】

資料5をご覧ください。

EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド自動車)の普及に伴い、急激に増加する急速充電器のニーズに応えることと、ユーザーの更なる利便性向上を目的として、当社管内18箇所の休憩施設に、新たに20基の急速充電器を整備することといたしましたのでお知らせいたします。

現在、当社管内では75箇所の休憩施設で80基が運用中で、5月の1か月間で管内の急速充電器の利用実績は過去最大の13,800回となりました。最も利用が多かったのは、足柄SA(下り線)で、1日に39回利用されています。国内で登録されているEV・PHVが全部で11万台余とされておりますので、計算上は単純平均で8台のうち1台は、当社の充電をご利用になられたことになります。

このため、休日を中心に充電待ちが発生しています。充電1回あたり30分かかりますので、先行して3台待っていると、自分の充電が終わるまでに2時間を要することになります。利便性向上とは、この充電待ちの緩和を指しています。

今回、新たに整備する18箇所の休憩施設には、今年度開通を予定している新東名高速道路岡崎SAも含まれており、年度内の整備完了を目指します。

2015年度末には、当社管内の95箇所のSA・PAの概ね2箇所のうち1箇所は、急速充電器が設置される計画となります。

さらに便利になる高速道路の急速充電サービスを、ぜひご利用ください。

 

【東名集中工事のお知らせ】

資料6をご覧ください。

今年度の東名集中工事を、11月16日(月)から11月27日(金)までの期間、東京ICから沼津ICまでの間で実施します。

集中工事は、安全性向上3カ年計画に基づき、路面の修復や橋梁・トンネルなどの補修、標識の落下防止対策などの、道路を管理するために必要な工事を、短期間にまとめて昼夜連続しておこなうものです。これにより工事の集約化を図ることができ、年間の工事規制回数や工事渋滞回数を大幅に減らすことができます。

今年度は、安全性向上3カ年計画の最終年度であり、安全性向上に関する工事量が多いことから、新東名と東名などのダブルネットワークが整備され迂回が可能な区間では、集中工事期間以外にも昼夜連続車線規制などによる工事を予定しています。

工事の詳細については、決まり次第、集中工事専用WEBサイトやリーフレットなどでお知らせいたします。

集中工事期間中は、渋滞の発生や混雑により、大変ご迷惑をおかけしますが、皆さまのご理解とご協力をお願いします。

 

以上が本日ご用意したトピックです。

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けいたします。

 

【記者】

来年おこなわれるサミットの対策について、会社として進捗があれば教えてください。

【宮池社長】

三重県の県民会議に参画し、当社でも必要な予算措置をおこなうなどの準備を始めており、今後もサミットに協力してまいります。

【記者】

サミット関係者の中で、日本で開催した洞爺湖サミットへの視察をおこなったようです。御社でもこのような視察には行かれたのでしょうか。

【宮池社長】

当社は、視察には行っておりません。

 

【記者】

新名神の新四日市JCTから亀山西JCT間の開通は、いつを予定していますか。

【宮池社長】

2018年度です。

【記者】

工事の進捗についてはいかがでしょうか。

【宮池社長】

予定通りに工事が進捗しており、概ね順調です。

 

【記者】

新東名の愛知県区間について、秋には対策工事が完了するということですが、対策工事が完了すれば、すぐに開通するものではないのですか。

【宮池社長】

切土のり面対策、重金属を含む土砂の処理、橋梁の沈下対策の工事は秋頃に完了しますが、その後、舗装や道路設備工事を始めるため、秋になればすぐに開通するというものではありません。

 

【記者】

2016年度開通予定の海老名IC付近の路線名と区間を再度確認させてください。

【宮池社長】

神奈川県内の新東名高速道路海老名南JCTから厚木南ICの1.5kmです。

【記者】

2016年度開通予定が難しくなった、ということですが、工事の進捗が遅れた理由について教えてください。

【宮池社長】

用地関係の対応が多く、移転先の調査に時間がかかったこと、また、この地域は相模川河口付近の氾濫原のため軟弱地盤地区で、地盤改良に当初の調査で想定した以上の工程がかかりそうだということが判明したことが理由です。工期を短縮するべく、工事の方で頑張っていきたいと思っています。

【記者】

当初の想定よりも時間がかかりそうだ、ということですが、開通時期がいつ頃まで延びるのでしょうか。

【宮池社長】

概ね1年以内には何とかしたいと思っています。

【記者】

では2017年度内には開通させたいということでしょうか。

【宮池社長】

できるだけ早い時期を目指して、工程を精査中です。

【記者】

用地対応は、移転先の目途は立っているということですか。

【宮池社長】

概ね目途は立っています。

 

【記者】

急速充電サービスの拡大について、今回発表分が今年度中に18箇所のSA・PAに、合計20基ということですが、費用はどれくらいでしょうか。

【社員】

概算ですが、合計で約4億円ぐらいです。

【記者】

国から補助金が出るのでしょうか。

【社員】

1基5千万円を上限に、国からの補助があります。

【記者】

いつまでにすべてに配備するなどの、中長期的な配置計画はありますか。

社員

今後EV、PHVの普及の状況、利用の状況を踏まえて考えていくことになると思います。概ね今回の配置計画で、電気がなくなってしまう、いわゆる「電欠」は防げるのではないかと考えております。

【記者】

ホームページによるとインフラ整備ビジョンは、整備基数の合計で83基と記載があります。急速充電サービスの整備は完了したという理解で良いでしょうか。それともこれ以降も大幅に増やすなどの考えはありますか。

【宮池社長】

将来的に大幅に増やすような予定はありませんが、これからのEV、PHEVの普及状況を見ながら適切に対応してまいります。

【記者】

資料は、中日本高速道路とジャパンチャージネットワーク(JCN)の連名となっていますが、JCNの役割について教えてください。

【宮池社長】

管内の急速充電サービスは、当社とJCNの共同事業として実施しており、当社は主に設備の設置と電源の関係を用意する、急速充電器そのものはJCNに用意していただき、これを運用していただくという役割です。

【記者】

サービスエリアでの水素ステーションの整備について、何か計画はあるのでしょうか。

社員

当社管内では、水素の燃料を提供する施設は現在ありません。ただし、先日開催された高速道路機構・会社の業務点検検討会では、水素ステーションを含めた多様な燃料に対応した環境整備の検討について今後の取組み課題として挙げられているところです。

 

【記者】

重量超過車両の関係で、神奈川県警に告発したということですが、横浜町田ICの住所を教えてください。

社員

横浜市緑区長津田町です。

【記者】

運転手の性別について教えて下さい。また、雇用主というのは運送会社でしょうか。

社員

運転手は男性で、雇用主となる会社はホームページによると産業廃棄物業のようです。

【記者】

積載物は何でしょうか。

社員

産業廃棄物です。

【記者】

違反車両の取締りは抜き打ちでおこなうのでしょうか。

【宮池社長】

車両制限令取締隊、通称「車限隊」と呼んでいますが、重量超過など違反の取締りをインターチェンジなどにおいて抜き打ちでおこないます。

【記者】

この資料に掲載されている実施実績はどこのインターチェンジでおこなっているのでしょうか。

社員

今回告発に至った取締りは、東名高速道路の横浜町田ICでおこないました。その他の具体の場所については回答を控えさせていただきます。

【記者】

今後も取締りは強化していくということでしょうか。他にも告発すればよいのではと思いますが、いかがでしょうか。

社員

「車両総重量が基準の2倍以上となる重量超過の悪質違反者に対しては、その違反の事実をもって告発をおこなう」という具体的な方針が定まりましたので、今回告発ができました。取締りは日々おこなっていますので、現時点で具体的なことは申し上げられませんが、告発を含めて厳正に進めていきたいと思っております。

【記者】

車限隊はどのように違反車両を見分けるのでしょうか。

社員

車限隊はこれまでの経験で目視でもある程度は分かりますが、インターチェンジ入り口の計量スペースで、車全体の重さを量ります。その結果、一定の重量違反が認められれば、厳しい措置をその場でおこないます。

【記者】

大規模更新・大規模修繕工事との関係はいかがでしょうか。

【宮池社長】

今年度から実施する大規模更新・大規模修繕工事により、損傷した床版などの構造物を順次更新していきますが、一方で重量超過車両により床版の疲労が劣化を著しく進行させるため、今回、このような告発をおこないました。今後は、計量の自動計測ができないかというような研究も合わせて進めていくことを考えています。

 

【記者】

テラスゲート土岐がグランドオープンして約3カ月経ちましたが、売上などの状況はいかがでしょうか。

【宮池社長】

お客さまの数は、だいたい想定していたレベルで推移しています。特に予想を大きく上回るということではなく、予想していたレベルをキープしている状況です。

【記者】

今後の課題などあれば教えてください。

【宮池社長】

当社としても初めての事業なので、お客さまのご意見を色々とお聞きしながら、課題などを把握し、常にリピートのお客さまが来ていただけるように改善を加えながら取り組んでいるところです。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。