NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2014年04月23日金子社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第94回の定例会見をはじめさせていただきます。

 

【金子社長】

 

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
本日は、4つほどトピックスをご用意しています。

 

【事業の現況(2014年3月)(2013年度)】

資料1をご覧ください。

3月の料金収入は、456億2千3百万円と、対前年同月比4.3%の増、また、通行台数は日平均203万7千台と、対前年同月比4.7%の増でした。
圏央道の利用が好調だったことに加え、大きな天気の崩れもなかったことからも収入・台数ともにプラスとなりました。

2013年度全体の営業の状況です。

2013年度の料金収入は、5,115億円と対前年度比2.8%の増、また、通行台数は、日平均193万6千台と対前年度比4.0%の増でした。

圏央道一部区間の開通効果や、中型車以上のいわゆる産業交通の利用が年間を通じて好調であったことから、2013年度全体では収入・台数ともにプラスとなりました。

 

次に建設の状況です。

2014年度開通予定道路の進捗状況について報告します。

国交省と共同で事業を進めている圏央道の相模原愛川インターチェンジ~高尾山インターチェンジ15kmについては、すでにお知らせしておりますとおり今年6月28日に開通します。今回の開通により、東名高速道路・中央自動車道・関越自動車道が圏央道によって結ばれ、広域ネットワークの形成による混雑緩和や災害時の道路ネットワークの強化、地域活性化の支援などが期待されます。

また、寒川北インターチェンジ~海老名ジャンクション4kmについては、現在、一部の橋梁で架設工事を進めるとともに、舗装や標識・情報板などの準備に着手しております。

新東名の浜松いなさジャンクションから豊田東ジャンクション間の55キロメートルの状況ですが、トンネルや橋梁はほぼ完成し、一部の切土工事を進めるとともに、舗装や標識・情報板などの工事を実施しております。

先月までの会見でもお伝えしたとおり、自然由来の重金属や黄鉄鉱が想定以上に発生していることに加え、複数の切土のり面で地すべりの兆候が見られるため対策工事をおこなっている箇所、構造物の一部に小規模な沈下が発生している箇所などがあります。現在、専門家のご意見をうかがいながら、対策工を検討し、工事工程を精査しているところであり、引き続き地元の皆さまのご理解とご協力をいただき、開通に向け努力してまいります。

舞鶴若狭道の小浜インターチェンジから敦賀ジャンクション間の約39キロメートルの状況ですが、トンネルや橋梁といった道路本体の工事はほぼ完成し、全線にわたって舗装工事、標識や情報板の工事、および休憩施設工事など最終段階を迎えており、一日も早い舞鶴若狭道の全線開通に向け努力してまいります。

 

次にETCの利用状況です。資料1の2ページをご覧ください。
3月の日平均利用率は91.4%でした。

 

次にサービスエリアの状況です。
3月のサービスエリアの売上高は171億7千1百万円と、対前年同月比10.1%の増でした。

「飲食物販部門」の売上高は、対前年同月比5%の増でした。東名のサービスエリア・パーキングエリアの売り上げが好調であったことが要因です。

 

「ガソリン部門」の売上高は、対前年同月比23.2%の増でした。給油量が増加したことに加え、ガソリン単価が1リットルあたり4円プラスになったことが要因です。

2013年度のサービスエリアの売上高は1,868億円と、対前年度比3.6%の増でした。

「飲食物販部門」の売上高は、対前年度比1.8%の減でした。新東名が開通して2年目を迎え、1年目より売上が落ち着いたことが要因です。今後サービスエリアの魅力をさらに高めるため、新商品の開発やさらなるサービスの向上に努めていきたいと思います。

「ガソリン部門」の売上高は対前年度比19.1%の増でした。ガソリンの給油量が増加したことに加え、ガソリン単価が1リットルあたり平均10円プラスになったことが要因です。

 

さて、4月1日から新たな高速道路料金がスタートいたしました。ここで4月以降の状況についてご報告いたします。

まず交通量の状況についてです。速報値ですが、4月1日から13日までの管内の平均交通量は、日当たり約3万9千台で、対前年同曜日比で1%増加しており、ほぼ横ばいとなっています。

次に、サービスエリア・パーキングエリアの売上状況です。4月1日から13日までの売上は、対前年同曜日比で4.8%の増加でした。そのうち、「飲食物販部門」の売上高は、対前年同曜日比で1%増加、「ガソリン部門」の売上高は、対前年同曜日比で14.3%の増加でした。

状況については、今後も注視してまいります。

また、新たな高速道路料金については、大きな混乱もなくスタートできましたが、割引制度の変更については、当社のお客さまセンターには多くのお問い合わせをいただいており、十分に内容がご理解いただけていないと感じています。

特に、平日朝夕の割引にはマイレージ登録が必要となっています。新料金や新しいETC割引制度については、当社公式ウェブサイトや横断幕・パンフレットなどで広報を強化していますが、マスコミの皆さま方におかれましても、ぜひ報道していただけますよう、ご協力をお願いします。

 

【安全性向上3カ年計画】

笹子トンネル天井板落下事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の取り組み状況をご報告します。

まず、先日14日に、社会資本整備審議会道路分科会の第46回基本政策部会において、「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」が取りまとめられて公表されました。本格的にメンテナンスサイクルを回すための具体的な取り組みとして、各道路管理者の責任で実施すべきことと、持続的に回すための仕組みの構築について提言がありました。当社としましては、この提言や国の定める点検に関する技術基準との整合を図りつつ、点検要領の改訂準備を進めるとともに、「安全性向上3カ年計画」を着実に実行してまいります。

この提言の中では、メンテナンスサイクルの仕組みを構築するための体制として研修の充実についても触れられていますが、本日は当社における高速道路の安全性向上を目的とした技術者育成のための研修施設として「E-MAC技術研修センター」の開設について紹介させていただきます。資料2をご覧ください。

「E-MAC技術研修センター」とは、当社のグループ会社、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋が、高速道路の安全性向上のために高度なスキルを身に付けることを目的とし、5月29日(木)に岐阜県各務原市に開設する施設です。

E-MACでは、高速道路で使用していた電気設備やトンネル非常用設備などを配置し、実際に現場で使用されていた機器に触れることで、点検や機能停止を伴う作業などを実体験で学ぶ研修をおこなうことができます。

また、高速道路のメンテナンスは、時速100キロで走行する車両の合間を、路肩から中央分離帯に走って横断することが必要な場合があります。この高速道路横断時の危険性を3D映像で疑似体験ができる施設、模擬足場などによる危険予知訓練ができる施設なども設け、実体験により安全意識や安全感覚を身につけ、高速道路本線における危険を擬似体験することにより安全な行動が自然と表れる感覚を習得することを目指します。

あわせて点検・補修の技術力向上も図ることで、高速道路の安全性の向上に寄与できると考えています。

なお、開設当初は、当社グループ社員のみを対象として研修を実施しますが、その研修成果を検証したうえで、道路の点検・補修業務に携わる技術者の皆さんに研修の場として提供する予定です。

 

このE-MACを、5月23日(金)15時からマスコミの皆さまに公開させていただきます。詳細は後日お知らせしますが、ぜひご取材いただきたいと思います。

また、2月26日に発表させていただいた北陸自動車道を夜間通行止めにしておこなうトンネル附属物の撤去状況についてご報告します。資料3をご覧ください。

現在、北陸道の敦賀トンネルと今庄トンネルのトンネル坑口上部に設置された換気塔及び換気ダクトの撤去をおこなっています。これまでに3夜間の通行止めをおこない、換気塔の5階から3階部分の撤去を完了しました。引き続き作業をおこない、ゴールデンウィーク明けの5月7日(水)から18日(日)までの12夜間の通行止めで、残る換気塔と換気ダクトの撤去が概ね完了する予定です。

この撤去により、当社が予定していたトンネルの天井板や換気ダクトの撤去が全て完了します。

通行止めは交通量が少ない「20時から翌朝6時まで」の時間帯でおこないます。通行止め区間の迂回路は一般国道8号をご利用ください。また、関西方面から富山・新潟方面や富山・新潟方面から関西方面をご利用される場合には、東海北陸自動車道も広域の迂回路としてご利用ください。

また、昼夜連続の車線規制もあわせて実施します。工事期間中の渋滞状況などをアイハイウェイ中日本、ハイウェイテレホンなどで提供しますので、ご確認いただき、時間に余裕を持ってお出かけください。

ご利用のお客さまにはご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。

 

【ゴールデンウィーク期間の高速道路における渋滞予測】

資料4をご覧ください。

今年のゴールデンウィーク期間の渋滞のピークは、下り線が5月3日(土曜日)、上り線が5月4日(日曜日)と5日(月曜日)です。

また、ゴールデンウィーク期間中、当社管内での10km以上の渋滞回数は112回、うち30㎞以上は15回と予測しています。

当社では、お手元にお配りした渋滞予測ガイド、公式WEBサイトやスマートフォンでも分かりやすくご覧いただける「アイハイウェイ中日本」などで、渋滞予測情報や道路交通情報を提供しております。出発前にご活用いただき、渋滞を避けたご利用をお願いします。

また、以前にもお伝えしましたが、当社管内の高速道路では2013年の1年間に50件の交通死亡事故が発生し、57人の尊い命が失われました。

当社では、交通死亡事故の特徴・傾向を踏まえつつ、各種広報媒体を活用して継続的に交通安全啓発をおこなうとともに、4月6日から15日の「春の全国交通安全運動」でも、警察機関等と連携を図りながら交通安全に関する呼び掛け、発炎筒の着火体験やシートベルト体験車による衝突疑似体験を含んだ交通安全イベントを実施しました。

しかし、残念ながら交通死亡事故が後を絶たず、4月20日現在で14件 (16人)の交通死亡事故が発生し、民営化以降で3番目に早いペースで増え続ける状況となっております。

近年の特徴・傾向は、お手元にお配りしたパンフレットにありますように、事故・故障などで高速道路上に停止した車両に後続車が衝突・追突する「対停止車両事故」や、降車した人が後続車にはねられる「対人事故」が交通死亡事故の多くを占めております。

改めてのお願いとなりますが、高速道路をご利用の際、万が一、事故・故障などで停止してしまった場合は、「後続車が気づいてくれる」と過信をせずに、発炎筒や三角板などの停止表示器などにより後続車への合図をしてください。そして、後続車に注意しながらガードレールの外など安全な場所に避難して自分の身を守ったのちに、非常電話や♯9910で事故や故障状況の通報をおこなってください。

また、運転中も「前方に思わぬ停止車両や人がいることもある」という意識をもって、前方に十分注意しながら安全な走行を心掛けていただきますようお願いいたします。

ゴールデンウィークを迎えるに当たり、お出かけの際には高速道路上で故障や事故が起きないよう、燃料・タイヤ・オイルなど出発前の車両点検を必ずおこなって、交通ルールや運転マナーを守り、安全で快適なハイウェイドライブをお楽しみいただきたいと思います。

 

【家族お出かけ満喫フェア】

資料5をご覧ください。

NEXCO中日本グループは、お客さまに何度でも訪れていただけるよう、1年を通じて季節に応じた新商品・新作メニューを取り揃えたキャンペーンを企画し、サービスエリア・パーキングエリアの魅力向上に努めています。

4月19日から始めましたフェアでは、当社の142カ所のサービスエリア、パーキングエリアで、季節感あふれる地域食材をふんだんに使用した「新商品」や「限定商品」など、ご家族で楽しんでいただける「春のオススメ商品」を取り揃えています。

また、6月1日までのフェア期間中は、お食事やお土産品のご購入などお買い上げ金額2,000円以上で旅行券やバスツアーが抽選であたる懸賞キャンペーンもおこなっております。

ぜひこの機会に、ご家族でエリアにお立ち寄りいただき「春のオススメ商品」をご堪能ください。

 

以上が、本日ご用意したトピックスです。

 

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けいたします。

 

【記者】

本日午前中に愛知県の定例会見で、大村知事が、愛知県が管理している知多半島道路やグリーンロードなど8つの路線を民間に譲渡するにあたり意見を集める、と発表しました。それについて、御社はどのように考えていますか。

 

【金子社長】

本日午前中に、大村知事が発表されたことは承知しております。8路線のうち7路線が当社が運営する高速道路と接続していますので、その動向を注視しているところです。本日の発表だけでは、具体的な内容が分かりませんので、分かり次第検討したいと思います。現時点では、全く白紙の状態です。

 

【記者】

名神高速道路で大型バスが逆走する事故が起こりました。道路を管理している御社として、何か対策を考えていることはありますか。また、ドライバーに呼びかけることがあれば教えてください。

 

【金子社長】

その事故が発生した場所は、比較的新しい規格の中央分離帯にしていましたが、今回のこのような事故が発生して大変残念です。運転中の状況など詳しいことはまだ分かりませんが、事故原因が分かり、当社が対応すべきところがあれば対応していきたいと思っています。

 

【記者】

E-MAC技術研修センターの投資額、研修の期間、研修の対象人数を教えて下さい。また、他の高速道路会社に同様の施設があるかどうか教えてください。

 

【金子社長】

投資額は約8億円です。

 

【社員】

年間で約120日、合計で1800~2000人の研修をする予定です。他の会社では、東日本高速道路が、群馬県高崎市にテクニカル・トレーニングセンターを開設していると聞いています。

 

【記者】

これまで、こういった研修はどのようにされてきたのでしょうか。

 

【金子社長】

施設の点検の研修につきましては、これまで現場のOJTで実施していました。今回の研修センターのように、高速道路を横断する際の危険性を3D映像により疑似体験ができるというのは初めてです。今回設置する施設は、実物または実物と同様の規模感になっており、かなり大きな規模の研修センターですので、研修の効果があると思っています。

 

【記者】

当初はグループ社員のみの研修で使われるということですが、それ以外の道路管理に携わる技術者への研修に提供するというのはいつ頃でしょうか。

 

【金子社長】

まずは当社のグループ社員が高いレベルに達することが最優先されるべきと考えています。そして、研修の成果を見て、どういったところを強化することが必要かなどを検証したうえで、外部の技術者の皆さまに提供していきたいと思っています。今年度は、当社のグループ社員の研修をおこなう予定です。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例記者会見を終了いたします。