NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2008年07月23日矢野会長定例記者会見

会見要旨


(司会)

では定例会見を始めさせていただきます。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典 みなさんこんにちは。
きょうもいくつかトピックスがありますので、順をおって説明させていただきます。

最初に6月分の事業の概況です。
6月の料金収入は対前年同月比マイナス7.4%でした。内訳は、高速がマイナス8.4%、一般有料はプラス3.0%です。高速はETCの普及にともなう割引額の増加と原油高騰の影響の可能性があると考えています。一般有料は圏央道の開通効果、新名神供用に伴う伊勢湾岸道路の交通量の増加によるものです。
通行台数は前年同月比マイナス2.4%でした。高速がマイナス3.3%、一般有料はプラス1.4%です。
ETC割引額は146億円で、前年同月に比べて8.9%割引額が増えています。ETC割引がなかった場合の料金収入が585億となり、今月のETC割引率は25.0%になっています。

建設の状況ですが、7月5日の東海北陸道全線開通にあたり、皆様ご参加いただきましてありがとうございました。開通後の交通状況などは後ほどご報告させていただきます。
それから、東海北陸道の4車線化の工事ですが、瓢ヶ岳PAから郡上八幡ICの間が7月18日に4車線で運用を始めています。その交通状況も併せて後ほどご紹介します。
混雑期の渋滞が改善するものと見込まれますので、夏休みや秋の行楽シーズンに、ぜひ東海北陸道をご利用いただければと思っています。

主な工種の工事契約落札率ですが、6月は件数は2件のみで、平均落札率は74.06%でした。年度累計は84.98%になっています。この中で、塗装工事が48.27%と低い率になっていますが、受注された会社での施工費の削減や、自社保有資材の活用、一般管理費の削減などが織り込まれて、この率となっています。

次にETCの利用状況です。7月11日から17日と6月6日から12日という期間を比較してみますと、日平均利用台数が4.9%増えていますが、日平均利用率マイナス0.4%でほぼ横ばいと考えて良いと思います。平日、休日ともに若干前月よりも下回っていますが、土日の利用率は70%を超えた状態で維持しています。車載器の取り付け台数は2,010万台となっています。

SAの状況ですが、売上げは対前年比で103.7%でした。飲食部門が101.0%、物販部門が105.4%、サービス部門が93.3%、ガソリン部門が103.7%、広告部門は額が小さいですが150%となっています。
以上が事業の現況です。

次にトピックスを説明します。今日は7つあるのですが、そのうち最後の2つが本日初めてご説明するものです。既に発表している部分が大部分ですが、ご報告させていただきます。
最初に、一番新しい、昨日までの状況をふまえた東海北陸道の交通状況です。加えて新名神が開通後5ヵ月となっていますので、その状況につきまして、後ほど峯村部長からご説明しますが、概況を申しますと、当初私どもが予想していたのに比べて、およそ3倍の交通量になっているという状況です。1日平均約9千台で、平日平均が約7千台、休日平均が約15千台ということです。まだ3週間弱の状況ですが、分析結果について、これから峯村から報告いたします。

 


(部長)

NEXCO中日本 峯村保全・サービス担当部長 それでは、東海北陸道の交通状況について報告いたします。
お手元の資料に記載されているとおりですが、今回開通した飛騨清見ICから白川郷IC間は日平均約9千台の交通量でした。当初想定していた3千台という数字から比べると3倍となっています。平日、休日の内訳は7千台と15千台です。特にこの3連休の中日、20日は最大の交通量をカウントしました。交通量にして約20千台という数字です。
それから、前後の区間です。北の区間、五箇山側ですが、開通前は約2千台だったものが8千台に増えて、6千台の増。南側ですが、荘川IC~飛騨清見ICは5千台が12千台で7千台の増、もう少し南にいって、郡上八幡~ぎふ大和でも10千台が15千台で5千台の増となっています。
このような状況になると気になるのは、並行する北陸道の交通量です。減少するかと心配しておりましたが、お手元の資料のとおり、現在のところ、対前年比とほとんど変わっていない状況です。これが7月5日に開通して18日間のデータの集計です。
続いて、瓢ヶ岳PAから郡上八幡ICの4車線化の完成後の交通状況です。これも開通して、まだわずかですが、特に心配されたこの3連休の交通状況、渋滞状況についてご説明します。この間の交通量は、お手元の表のとおり美並から郡上八幡の交通量でいきますと、土曜日で30,300台、日曜日で34,000台、月曜日の祝日で29,300台と大変多くの交通量となっていて、3日間の平均で31,000台となっています。これは4車線化前、昨年のお盆の真っ最中で27,500台という数字が、昨年のピークですが、この段階と渋滞状況を比較してみました。
一番下の欄ですが、昨年の27,500台に対する渋滞長は最大で上りが19.2km、下りが13.8km、渋滞時間が記載のとおりで、渋滞量、これは渋滞する延長かける渋滞時間ですが、これが106.4km/時間という量でした。これが4車線化して、渋滞発生区間が北にずれたのですが、渋滞長についても8.1km、11km、渋滞時間も約半分になりまして、渋滞量も50.9km/時間となり、渋滞が無いわけではないですが、渋滞量は半分くらいに緩和されているという結果になっています。
続きまして、新名神開通後の5ヵ月経った状況です。3ヵ月経ったときにお知らせした交通量もあわせて記載していますが、結論から申し上げますと、5ヵ月後も引き続きご愛用いただいているようです。名神と新名神の交通量の分担も大きく変わっているわけではありません。
新名神の交通量の左下の囲いをご覧いただきたいのですが、開通後3ヵ月の平均交通量で30,000台となっていました。現在、5ヵ月で平均交通量が28,400台となっています。毎年6月ころは若干交通量が落ち込む時期がありますので、そういったことを考慮しますと、そう大きな変化ではないと考えています。というのも、名神の米原JCT付近の交通量で比べますと、開通前、開通後を比べた時に、大きな差がでていません。そういった点から、現在も引き続きご愛用いただけていると考えています。
なお、話が飛騨清見ICから白川郷ICに戻りますが、この17日間、初日に1件交通事故が発生しましたが、それ以降は事故が起きていません。皆様に安全に気をつけてご通行いただけていますので、引き続き安全運転をお願いして、報告とさせていただきます。

 


(会長)

以上が、交通量の状況です。おかげさまをもちまして、開通後、順調に推移している状況です。
次のトピックスですが、お盆時期の高速道路渋滞予測です。これは7月11日に既に発表済みで、資料もお手元に差し上げていますが、いよいよお盆の時期が近づいてきましたので、この場をかりて、ご説明させていただきます。
8月7日から20日までの渋滞予測ですが、ぜひ、ピークの予想される時間帯の前後に出発時間をずらすなどして、余裕のある旅行計画を立てていただきたいと思います。
わたくしどもの管内で申しますと、上り、下りとも8月14日から16日に渋滞が発生すると予測しています。特に、東名、中央、東名阪です。
これに関連して、次のトピックスとして、お盆のTDMを報告いたします。
東名の上り線ですが、8月9日土曜日から17日までで実施します。この詳しい中身も横浜支社から7月2日に発表させていただいています。大和トンネル付近が渋滞の集中するところですが、今回のTDMは午前9時から12時までの間に、指定する入口料金所と出口料金所をETCで通過されたお客様の通行料金を通常料金の最大半額に割り引くというものです。
次が東名の集中工事についてです。これも7月2日に発表させていただいたものです。資料を添付していますが、今年も10月中旬にやろうということで、10月14日から週末の時間は一部除きまして、24日までやります。ドライバーの皆様にご迷惑をおかけすることになりますが、ご協力いただけるようにPRをいろいろ行いまして、実効をあげるように努力したいと思います。
次が甲州行楽やまなし周遊ETCパスというものでして、これも7月4日に八王子支社から記者発表したものです。「速旅」というブランドで周遊プランを始めたわけですけれども、今回は甲州行楽やまなし周遊ETCパスということで、10月1日から来年の3月22日までご利用いただくという計画としています。今年の1月10日から3月22日まで同じような趣旨でやらせていただきましたがたいへんご好評で、今回はもっと期間を延ばして10月から3月までという形で計画しました。だんだんとこの周遊割引、企画割引というものも多くの方に知られるようになってきまして、ご利用の方が増えているのはありがたいことだと思っております。
次が中央自動車道・屏風山PA(上り)に新たにうどん・丼ぶり店の「なか卯」を出店するという、きょう発表の新しいニュースです。「なか卯」は和食ファストフードチェーンとして京風うどんや丼ぶりで全国展開されている会社ですが、このたびご協力をいただくこととなりました。この屏風山PAでは7月16日にハンバーガー専門店の「ウェンディーズ」が開店しましたが、今回の「なか卯」の出店により和洋両方ということで、サービスの幅が広がると期待しています。
それから最後になりますが、お客さまセンターへの通話料金無料化ということで、これも新しい発表事項です。この秋の10月1日から無料化します。4月にこれまでの「ハイウェイガイド」という名称を改めて「お客さまセンター」としました。現在1ヵ月平均で約25,000件の電話をいただいていますけれども、ハイウェイガイド時代と比べると約3倍の件数となっています。今回もっとご利用をしやすくするという趣旨で、これまでのナビダイヤルに代えて通話料金を無料にするというものです。電話番号はここにあるとおり、「0120-922-229」ということで、24時間365日体制で対応してまいります。何といっても私どもの会社はお客さま第一ということで、みな一生懸命やっているわけですが、問い合わせに始まってさまざまな苦情もあるわけですので、それらに対して誠実に、迅速に対応していくということから始めなければならないと考えていまして、その一環として今回こうした計画を実現させることになりました。10月1日ですからかなり先なんですけれども、決まった段階でなるべく早く発表し、今後私どももPRさせていただき、なるべく多くの方々に気楽に利用していただけるようにしたいと考えています。

以上できょうご説明する事項は終わりですので、このあとご質問などをお受けしたいと思います。

 


(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

東海北陸自動車道の飛騨清見ICと白川郷ICの間の交通量が今のところ平均で1日9,000台と、予想されていた3,000台の3倍ということなんですけれども、交通量の多い要因についてどのようにお考えになっていますか。また今後この高い水準をどうやって維持していくか、あるいはさらに伸ばしていくかなどについてのお考えをお聞かせください。


(会長)

やはり私たちが思っていた以上に白川郷や五箇山といった地域の持っている本来の魅力が皆さんのご期待に沿えるものだったということだと思っています。まだわずか3週間足らずですが、私どもはこの傾向がずっと続いて欲しいと思っていますし、地元の自治体、観光協会ともできるだけ協力して、私どもでできることはどんどんやっていきたいと思っています。また定期的に状況をご報告したいと考えています。これから夏休みシーズンに入りますし、観光シーズンが10月の末、雪の降るまでがひとつのピークだと思うんですね。次に雪が降ってからもスキー場などさまざまあって、冬の観光客対応というのを白川郷にしても、高山にしてもずいぶんやっていますので、そういった時期にどういう反響が出るか期待しています。それから先ほどの説明にもありましたとおり、必ずしも途中下車ばかりではないんですね。名古屋と富山の間をずっと行き来する車もありまして、やはり産業、経済の面でプラス効果が生じているんじゃないかと思います。ですからトラックなどをはじめとする業務用車両ですね、それと一般観光との区別をどうできるのか、こういったあたりを時間をかけて分析したいと思っていますけれども、内容分析をもう少し進めて永続性のあるものであるかどうかということを確かめていきたいと思っています。地元の方々も、あるいは東海・北陸3県の皆さんも非常に熱心に取り組んでおられるので、そう大きく変化することはないと思います。この傾向が下向きになるというふうにはよほどの事態がない限りは起きないと思っていますが、継続して見ていきたいと思っています。


(記者)

工事で1件、6月の土木工事で99.86%とかなり高い落札率になっていまして、高いからどうだと申し上げるつもりもないんですが、改めて入札に関する経緯を調べるおつもりはありますでしょうか。


(会長)

ご承知のとおり総合評価方式という入札制度を導入しまして、技術力プラス価格で総合的に評価するという方式を採っていますので、内容についてはしっかり吟味できているものと考えています。実際に応札した会社は7社ありますが、その中で最終的に落札者が最も高評価を得たわけでして、これからどういう傾向になっていくかを私どももよく見ていきたいと思っていますけれども、先月もお話しましたように、諸資材の高騰という状況がありまして、あまり無理なこともできないということで、コストに対する配慮というものも含めた入札方式を取り入れていますけれども、そういった制度の効果がどう出てくるかということもありますし、ちょっと様子を見たいと考えています。


(記者)

東名のお盆TDM半額割引で、どれだけの割合で利用されるかなど、見込みのようなものはあるでしょうか。


(会長)

正直いいましてなかなかやってみないと分からない、ということはあるんですけれども、これまでの経験から踏まえますと、1割から3割の交通量の移動があると分析しています。ですからそれなりの効果が出てくるだろうと期待しています。


(記者)

燃料高に関する話ですが、6月の概況でも通行台数が少し落ちているようです。今後お盆の需要期に入るにつれてどういった影響が出てくるか、会長はどのようにお考えでしょうか。


(会長)

はっきりした判断を下すには、もう少し時間がかかると思っていますけれども、交通量自体が対前年比でマイナスになったというのは、民営化以来大雪の時期を除いて初めてなんですね。ですので例え1ヵ月であろうとも重みというものを感じていまして、今後毎月ベースでしっかりと追いかけていきたいと考えています。東海北陸道や新名神など、新しい道路の開通で交通量が増えているという面もありますので、やはりしっかりとした判断ができるのは、この夏のシーズンが終わってからではないかと思います。ぜひ多くの方にドライブを楽しんでいただきたいと思っていますけれども、今のところ傾向として言えるのは、普通車や中型車ですね、そのあたりが少し減っていまして、それ以外のところはまだ影響が出ていないんですね。軽自動車はむしろ増えているくらいです。何といいますか、旅行のしかた、移動のしかたの変化が現れてくるのではないでしょうか。大型車やトレーラーといった特大車などの交通量は月々に変動があってもそう影響が出ているようではないんですね。ですからやはり休日のドライバー、普通車が目に見えて減っているという状況ですので、それが一番大きな影響を及ぼすのではないかと思うんですね。先ほどもご説明したとおりで、夏休みの行楽シーズンでどのような結果が出るかに注目していきたいと考えています。


(記者)

今お話のあった普通車、中型車、軽自動車の内訳について、どんなプラスマイナスがあったのかお聞かせいただけないでしょうか。


(会長)

わかりました、では車種別に申し上げます。前年同月比で、軽自動車が103.3%ですから増えています。普通車が95.0%、5%減です。中型車が96.5%、大型車が103.0%、特大車が103.6%、合計で96.7%です。これは高速分だけで数字を取っているので、先ほどお伝えした数字とは若干合いませんけれども、97%くらいということになっているわけです。それから東京料金所についていいますと、平日では普通車94.4%、中型車97.3%となっていますが、休日だけをとらえると普通車が89.2%、中型車が91.8%と、やはり普通車と中型車に影響が出始めていると私どもは見ています。もう少し月々を追って確かめていきたいと思います。


(記者)

今おっしゃった高速道路の概況ですが、料金収入、通行台数ともに全国的な傾向なんでしょうか、それとも中日本高速さんで顕著に落ちているんでしょうか。もし数字などがあれば。


(会長)

ちょっと他社の状況は把握していませんので、数字は手元にないんですけれども、傾向は変わらないと思いますね。


(記者)

あと、先ほどおっしゃっていた「民営化以来初めて」ということなんですけれども、料金収入はこれまでも下回っていて、通行台数が初めて下回ったということでよろしいんですね。


(会長)

通行台数ですね。料金収入の方はETC割引をしているため、ここのところずっと下回っています。ただ一度だけ例外がありまして、昨年度の2月が大雪のために対前年度比でマイナスになったということがありました。これは特別な条件下ということでしたので、この6月が初めてと申し上げていいと思います。


(司会)

その他特にご質問がなければ、第33回の定例記者会見をこれで終了させていただきます。
本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。