NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2007年10月17日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(司会)

では定例会見を始めさせていただきます。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典みなさんこんにちは。

最初に事業の現況ですが、9月の料金収入は対前年同月比プラス0.4%です。通行台数はプラス1.1%となっています。内訳は、料金収入が高速でプラス0.8%、一般有料はマイナス3.5%です。これは台風9号での西湘バイパス被災に伴って通行止めをし、小田原厚木道路の無料措置をしたことなどが原因となっています。通行台数の内訳は高速がプラス4.1%、一般有料はマイナス11.2%です。これも料金と同じ理由によるものです。
ETC割引額は141億円で、ETC割引率は21.9%です。
小田原厚木道路、西湘バイパスを除いた場合の料金と通行台数を参考までに記載していますのでご覧ください。

建設の状況は、前月と変わっていません。後ほど、建設事業と保全サービス事業のトピックスについては、改めてご説明します。

主な工種の工事契約落札率ですが、9月の主な工種の契約は19件あり、平均落札率は86.94%でした。

次にETCの状況です。10月5日から11日と9月7日から13日までを比較すると、日平均利用台数がプラス1.6%、利用率がマイナス1.9%です。これは、10月に3連休が入っていたことが理由です。内訳を見ると、平日利用率が74.7%、土日休日が64.8%です。平日と休日との関係は、前月とだいたい同じ傾向になっています。

SAの売上は、対前年同月比でプラス1.7%です。内訳は、飲食部門がプラス5.9%、物販部門がプラス6.9%、サービス部門がプラス2.9%、ガソリン部門がマイナス9.6%です。全体ではプラス1.7%です。3連休が2回あったということが大きく影響していると思います。以上が事業の現況です。

次にトピックスです。建設関係で2件、保全・サービス関係で4件ご報告します。最初に東名阪自動車道 清洲JCTの完成です。これは名古屋高速と一緒に15日に発表したものです。ニュースではありませんが、今日は参考資料としてお配りしました。少しずつ名古屋周辺の道路事情が良くなってきていると言えると思います。

2点目のトピックスは、今日同時に発表するものです。東海環状自動車道の五斗蒔PAが12月16日に完成します。お手洗いのみが設置されている無人のPAです。12月16日の10時から完成式典を行い13時から利用開始となります。
このPAには地域貢献型の自動販売機を設置します。すでに他の箇所でも実施済みですが、災害時に無料で飲料を提供するというものです。また環境対策にも力をいれており、ソーラー発電や風力発電を利用したり、エコ製品の採用やフェンスに蔦類を這わせて西日対策をするとともに、光触媒を利用して壁面の汚れ防止対策をするなど、新しい考え方を取り入れています。
SA・PAのエコ化は、当社の環境施策の重要な柱としてこれからも積極的に進めたいと思います。

3点目以降の4件は保全・サービス関係のトピックスです。
「高速走行における逆走・誤進入防止対策の実施について」ですが、特に名古屋ICでは誤侵入や逆走が多く、時にはそれが事故につながるということがありました。路面表示やバリケード設置、標識の設置など、資料にあるとおり、従来からいろいろ策を講じています。それに加えて、新しく施策を講じました。名古屋ICでは、ICの入り口車線のカラー舗装とか、Uターン禁止の大型標識の設置。その他のICでもいろいろな施策を講じた結果、誤進入も減ってきました。逆走は頻繁に起きているものではありませんが、誤進入は多くあり、名古屋ICでは1日に9件くらいありました。現在は3件、多い日で5件くらいと、いくらか効果がでてきていると思います。
これで万全を期したとは思っていません。これからも、いろいろ方法を考えて実行していきたいと思います。
お手元の資料の別紙-1はこれまでに行ってきたものの写真を付けています。別紙-2は、名古屋ICで新しく始めた逆走・誤進入防止対策です。いろいろ工夫をして、見易い大きな標識、一読してどうすれば良いか判断できるようなものにすると、効果が出てくることが判ってきています。

「高速走行に気をつけガイド」の発行ですが、この内容は先月の記者会見で説明したものです。1枚説明ペーパーを付けていますのでご覧ください。

次は、「中央道での快適走行に向けた取り組み」です。韮崎と諏訪南の間に全長36.8kmにわたってコンクリート舗装になっている区間があります。資料にあるように、このコンクリート舗装の上にアスファルト舗装を施して、平坦性を良く、振動を小さく、騒音を小さくし、そして周辺地域への騒音を抑えたいと思っています。
本年度は16.5km分を実施する計画です。資料の橙色の部分になります。これが完成することで全体のうちの38%が完了します。36.8kmすべては平成22年度までに完成の予定で、これが終わると中央道のコンクリート舗装はなくなります。

次に「台風9号に係る西湘バイパスの被災と無料措置の効果について」です。
ご承知のとおり、9月6日から7日にかけて台風9号が襲ってきて、道路が崩落し、一部通行止めをしてきました。通行止めは応急復旧をし、9月27日に対面2車線で暫定開通しました。西湘バイパスの通行止めに伴って、小田原厚木道路の無料措置を会社の独自判断で行いました。今後の本格復旧に向けては、委員会で構造、施工方法などの検討を行い、早期の本格復旧を目指して鋭意取り組んでいるところです。
この経過は国交省とこれまで都度に応じて説明してきましたが、無料措置でどういう効果があったのか、ということはこれまで報告していませんでした。資料で効果を説明します。無料措置の実施により国道1号の渋滞はほぼ解消されました。無料措置実施前の混み具合、実施後の改善の度合いは資料のとおりです。無料措置は9月27日に終了しましたが、一般国道1号の当該区間での目立った渋滞は終了後も観測されていません。

それから最後に東名集中工事期間中の安全走行のお願いと、状況について、ご報告したいと思います。10月9日から19日まで、残り3日ですが、東名高速道路の東京ICから小牧JCTの間で、例年同じ時期となりますが、集中工事を実施しています。これまでのところ、残念ながら7件の死傷事故が発生しております。工事規制の区間内や渋滞末尾での追突、あるいはトラック、バスなどの大型車が関連しているというところが、主な事故の特徴となっています。NEXCO中日本といたしましては、集中工事に伴い情報板、ハイウェイラジオ、ハイウェイテレフォンにより、渋滞情報や工事規制情報を提供させていただくとともに、規制標識や標識車を使って工事規制個所のお知らせや安全走行のための注意喚起を行っています。詳細は当社のホームページにも掲載していまして、ご利用されるドライバーの皆さんに注意を促してご協力を賜るようお願いをしています。スピードを控え、渋滞の手前ではハザードランプを点灯して後続車に合図していただくなど、安全運転にご協力いただきたいと思っています。ここのところ事故が続いたものですから、早速LEDの標識を追加したり、標識車を追加したり、ホームページでも情報内容を追加するということを、この何日かの間に新しい措置として行っています。念のためですが、今年はこれまでに負傷事故が4件、死亡事故が3件という状況。去年は負傷事故4件、死亡事故0件。おととしは負傷事故15件、死亡事故2件という状況です。少し減少したと思って胸をなでおろしていたんですが、今年また増加しているので、とにかく安全な道路運営という観点で私どもできるだけのことをしようということで、いいと思ったことは実際に実行に移している、という状況です。
私からご報告する内容は以上です。


(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

最後にお話された集中工事の際の事故についてです。いろいろと御社でラジオやインターネットといった情報は提供されていますし、直接的にドライバーの問題ということもあるのかもしれませんが、現状をどのように受け止めていらっしゃるのか、対策がこれで十分とお考えか、という点を伺いたいのですが。


(会長)

とにかくできるだけの手当てをしたいと考えています。私どもも長年の経験で蓄積しているものもありますので、それを踏まえて私どもでできるあらゆる対策を打ちたい。これが基本姿勢です。具体的にいくつか実施しましたことは、先ほど申し上げたとおりです。また交通の問題ですので、警察の高速隊の皆さんとも一体になって、相談しながら対策を講じていきたいと思っています。なかなか本当の意味で万全の措置ができるかどうかということについては、いろいろとご批判もあろうかと思いますけれども、少なくとも今の時点で考え付くあらゆる措置を講じて、高速道路上の安全運転のためにお役に立たねばならないと思っています。


(記者)

今回の集中工事は19日までということで、いろいろと対策を講じられている中でどういったところに重きを置きたいとお考えですか。


(会長)

やはり渋滞が起きればなるべくずっと手前からお知らせするということが始まりだと思います。そのために標識車の台数を増やしたり、LED標示を増やしたり、またハイウェイラジオやハイウェイテレフォンなどで最新の情報をお知らせできるようにして、ホームページでもご覧いただければすぐ分かるように、そうすることでドライバーに現在の道路状況をよく知っていただくということがまず何よりも第一だと思います。その上でドライバーの皆さんにご協力いただくということではないかと思っています。


(記者)

伊勢湾岸道の迂回割引がすでに終了したかと思いますが、その結果はどうなっているのでしょうか。


(会長)

まだ最終的な数字がどうであったかは詰めているところで、今お答えできる状況にないのですが、かなり効果があったということで、伊勢湾岸道の方にドライバーの方が移ってきて、国道23号線の渋滞がかなり緩和されたということが言えると思っています。数字が固まりましたら改めてご報告させていただきたいと思います。


(記者)

愛知県トラック協会さんですとか地元のいろいろな団体には、伊勢湾岸道の料金を安くすれば通行量がもっと増えるとお考えになっている方が多いんですけれども、会長もそういった考えに賛成の立場なのでしょうか。


(会長)

料金問題はなかなかいろいろと複雑な事情があって、どうすればいいかということはまだ現在考えとしてまとまってはいないんですが、伊勢湾岸道路の料金について何とか検討の余地はないのか、というご要望を私どもも地元からいただいていまして、どうしたものかと今苦慮しているところなんですね。現在全国規模で各地にて新しく社会実験が行われていますが、そういった中に取り入れられるかどうか、あるいはもっと恒常的に何か変えることができるのかどうか、これは一般有料道路に共通する課題なんですが、今年から来年にかけての検討項目です。これは当社だけでは決められない事情があるので、これからも課題としては受け止めて検討したいと思っています。


(記者)

9月の業績についてです。ガソリンの売り上げが減っていることについて、単価は上がっている中でなぜ売り上げが減っているのか、考えをお聞かせください。


(会長)

昨年も非常にガソリン価格が上がりました。特に8月は高速道路ではすごい売り上げだったんですね。これは高速道路以外との価格差が大きかったためです。その後9月に価格改定を行っているんですけれども、そういった要因が残っていたというのが一つあると思います。もう一つは全体的に石油の価格が上がっていますので、控えめにガソリンを入れるという行動が現れているためではないかと思います。はっきりすべて分析しきれているとは思わないんですけれどもね。以前は1ヵ月に1回の改定だったものを1週間に1回に変えて、高速道路の外との価格差があまり出ないような仕組みを取り入れましたので、昨年のように高速道路の外が高くて高速道路では安いというような現象はなくなってきたんですけれども、やはり全体的にガソリンが高くなってきている影響というものは無視できないだろうと思っています。


(記者)

先ほどの事故の話で伺います。集中工事期間中の死傷事故は7件ということでしたが、7件の事故の形態がわかればお教えいただきたいのと、昨年の死傷事故4件に対して今年は7件という数字に対するご認識を確認させていただきたいのですが、想定外の多さなのか、まだ想定の範囲内であるのかをお聞かせください。


(会長)

これは本当に残念な結果であると思っています。やはりゼロを目指すべきで、何件ぐらいであればいい、というような思いは持ってはいけないだろうと思っているんですね。しかし去年に比べて今年が増えているというのが誠に残念なことなんで、何とかしたいという思いにかられています。
去年は死亡事故がゼロでした。おととしが負傷事故15件、死亡事故2件です。今年は負傷事故4件、死亡事故3件なんですが、このうち1件は東名の三好インターチェンジ付近で発生した車両火災事故で、工事規制をしているところに乗用車が飛び込んだという、全く想像できないような事故です。そしてその乗用車が工事用の車両にぶつかって、飛び込んだ乗用車を運転していたドライバーの方と、工事車両に乗っていた作業員の2人が死亡した、という事故なんですね。これはちょっとほとんど例のない話でして、少し類型化しにくい話ではないかと思っています。それ以外についてはわりと共通性がありまして、渋滞が続いているところに後方からトラックやバスといった大型車両が衝突するという状況なんですね。
ですから私どもはトラック協会やバスの協会にもお願いしまして、ぜひ大型車両の運転にあたっては加盟会員各社のご協力を得て、よく気をつけていただきたいというお願いをしたりしています。
今年はそういう意味で事故の大きくなっている原因の一つがそれではないかというふうに思うんですね。追突でもちょっとぶつかるような事故でいいますと今年は5件です。去年は9件で、渋滞の末尾での事故なんですが、ただ今年は大型車が絡むので事故が大きくなっているという、大変おおざっぱな言い方ですがそのように類型化できるんじゃないかという気がしています。
 

(司会)

その他特にご質問がなければ、第24回の定例記者会見をこれで終了させていただきます。
本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。