NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社


2007年11月21日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(司会)

ただいまより11月の定例会見、ならびに円筒型枠強度試験結果の改ざん等に関する緊急記者会見を開催させていただきます。会長、よろしくお願いいたします。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典 どうもみなさんこんにちは。
当初記者会見をお願いしていたテーマに加わって、栗本鐵工所という会社がありまして、私どもの会社だけではなしに東日本、それから西日本にも納めている会社なのですが、高速道路の中空床版橋の工事に使用する円筒型枠の強度試験について、メーカーである栗本鐵工所から試験データの改ざん等が行われていたという報告を受けまして、緊急に皆様にご説明する場をご用意したわけです。
NEXCO3社としては早速橋の全数点検を開始しまして、同時に施工品質や長期的な影響について第三者の学識経験者による委員会を設置して、調査検討していくつもりです。
この円筒型枠は、橋梁本体の構造部材ではなくて、コンクリートが硬化するまでの仮設材であるということで、ただちに安全性に影響することはない、というふうに考えていますが、念には念を入れて、安全第一ですので全数点検するということを考えている次第です。資料にありますとおり、対象橋梁は私どもの会社だけですと供用中のもので850あり、東日本で1,200、西日本が5,300ということで、たいへん数も多くなっているわけです。
この件につきましては一番最後にご説明をと思ったんですが、心配な話は最初にした方がいいだろうということで、申し上げた次第です。
最初これだけでご質問を受ければどうですか。


(司会)

では、ただいまの緊急会見に関するご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

御社が連絡を受けたのはいつのことになりますか。


(会長)

本日担当者がいますので、説明させます。猪熊部長です。


(司会)

猪熊技術開発部長です。よろしくお願いします。


(部長)

NEXCO中日本名古屋 猪熊技術開発部長経緯をご報告します。まず今月9日に栗本鐵工所へ新聞社から問い合わせがあったということです。その後先週の12日に私どもの方に栗本鐵工所から報告がありました。ただその時点で事実関係を確認するという話があり、先方で確認作業を行っていました。
改ざんの内容として2点ありますが、1つは記者発表資料にもありますように、試験方法の荷重を改ざんしていた、ということがあります。もう一点は製品カタログ値の板厚に関する記載の改ざんがあったということです。その2点に関し、栗本鐵工所で内部調査を行っていまして、最終的にどうもそういった事実があったという報告を受けたのが昨日です。これらが今までの経緯です。


(記者)

第三者委員会についてですが、東日本、中日本、西日本の3社でつくる委員会なのか、中日本独自の委員会なのかをお聞かせください。


(部長)

今のところ3社でつくることにしています。資料に記載のとおりですが、委員長は横浜国立大名誉教授の池田先生にお願いをするということで内諾を受けています。


(記者)

資料に橋の数がそれぞれ載っているんですが、これはイコール栗本鐵工所が手がけた橋の数ということなんでしょうか。それとも他に手がけていた会社があって同じような製品が使われている橋の数ということなんでしょうか。


(部長)

この数字は、コンクリートの中空床版橋という、円筒型枠を使用する、ないしは使用していた橋梁すべての数と延長です。ヒアリングしたところによりますと、現在製作していない会社も含めて数社がこのような円筒型枠の製作実績があるということでした。栗本鐵工所から向こうにあった資料を提供してもらっていて、それが全てかどうか確認をしているところなのですが、ここに記載しているのは念には念を入れるということで、同じ型式の橋の全数とその延長とを挙げています。


(記者)

ということは同じ型式の橋をすべて改めて調査する、中日本の場合だと850ですか、すべて調査するということですね。わかりました。


(記者)

改ざんの行われていたレベルですが、どれくらい荷重を低減していたり板厚を薄くしたりしていたんでしょうか。


(部長)

資料の4ページ目にあるのが、専門的になりますが試験の方法です。円筒型枠の両側を2メートルの間隔でバンドにより押さえます。写真の真ん中あたりに楕円形の形状のものが写っていると思いますが、ここから荷重をかけます。荷重をかけるときに、本来であれば100かけるところを100かけずに試験し、100より小さな荷重での変形量を報告していたということです。
板厚に関しては、カタログ値では例えば1.0ミリの板厚の材料を使いますと書いているんですが、実際納入したときには0.8ミリのものを使っていた、というような事実があったと報告を受けています。


(記者)

いまおっしゃった100というのは、100トンという意味ですか。


(部長)

実際は100トンではなく、1トンよりも小さな荷重なんですが、例えで100と申しました。ですから100キロかけるべきところで所定の荷重がかかっていなかった、ということです。


(記者)

どの程度小さくしていたんですか。


(部長)

報告を受けているところでは、先方は「換算表」と言っているんですが、これが数種類あったようです。低いものは4割程度から8割程度までのものがあったと報告を受けています。


(記者)

その換算表に基づいて試験をやって、ということですね。


(部長)

そうですね。100キロかけるべきところで換算表を使いますと、例えば50キロしかかかっていない状態で100キロの荷重がかかっています、となります。その時の変位を確認して100キロ載荷時の試験成績として提出していた、ということです。


(記者)

あと板厚で1ミリが0.8ミリとおっしゃいましたが、これも一例ですか。


(部長)

はい、そうです。


(記者)

板厚で改ざんが行われていたのは何種類なんでしょうか。


(部長)

向こうに残っている記録の提出を受けていますが、それが全てかどうかも私どもでは判断のしようがないので、一例ということでご説明しました。


(記者)

あと先ほど栗本鐵工所さんがどのくらい納入していたかは分からないとおっしゃいましたが、過去の実績からいって850橋のうちどの程度の割合で栗本製のものが使われていると想定されるんでしょうか。


(部長)

これも先方からの聞き取りで、必ずしも確認のしようがないんですが、6割程度のシェアはあるのではないかというように聞いています。


(記者)

改ざんが行われていたことによって、もし薄い円筒型枠が使われていたとして、実際橋の方にはどんな問題が起こり得るんでしょうか。


(部長)

最初に会長から申し上げましたように、この円筒型枠というのは、型枠というものは全てそうなんですが、コンクリートが固まるまでの形状を維持するためのものです。ですからコンクリートが固まった後は、基本的には要らないものです。ですから施工中に正しい位置にコンクリートが打設できるか、正しい形状が保たれるかというものです。
影響があるかということなんですが、現場に型枠を搬入するときには「受け入れ検査」を行います。それから型枠を組み立てるときには「型枠検査」を行います。コンクリートを打設したりするときには変形とか浮き上がりなどを目視で見ています。そういった経緯を踏まえた後に、コンクリートの打設後には橋面の仕上げの状況や出来型を、現地では確認しています。そのような建設中のプロセスを踏まえて橋体が完成した後には、定期的に点検をしています。過去も必要なときに必要なところには補修、補強を実施していますので、現時点では基本的には橋の安全性には問題はないのではないか、と考えています。ただ改ざんされた製品が使用されたということですので、先ほど申し上げたように長期的な安全性、耐久性といったことに対する影響を検証・把握するために、第三者の先生を交えた委員会を行うということ、それから緊急点検を行うということを考えています。


(記者)

強度が不足すると何か問題が起こるので、こういった点検を行うと思うんですが、強度が不足するような円筒が使われていた場合に、長期的にはどんなことが起こりえるんでしょうか。あるいは点検というのは、何に注意して点検されるんでしょうか。


(部長)

強度が不足しても、それが過度でなければ影響はないのではないかと考えておりますし、基本的には定期的に点検、それはひび割れや変状があるかどうかの点検を行っているんですが、そういうことを行っていますんで安全性には影響はないのではないかと考えています。ただ念には念ということでですね、本当に変形はなく問題はなかったのか、そういった変形が想定していたよりももっと大きいようなことがあっても、長期的な耐久性に影響がないということを詳細に詰めるために、委員会を行おうと思っています。


(記者)

結局何も起こらないというふうに想定しているわけですか。強度が不足していても実は問題なかったんじゃないでしょうか。


(部長)

いいえ、それはそのように想定しているわけではありません。今後検証を行っていこうということで、緊急点検と検討会をやるということです。


(記者)

念のために伺いますが、一応制度として強度としての基準はあったけれども、これを満たさなくても実際には何の問題もないものであった、ということですか。


(部長)

いえ、そういうことではなく、現時点ではこれまでも点検と補修ということを行っていますので、安全性には問題はないと考えていますが、不足した強度の型枠による影響をしっかり今回検証しようということです。


(記者)

あとこの円筒というのは橋が完成した後はどうなるんでしょうか。


(部長)

先ほど申し上げましたように、型枠というのはコンクリートが固まるまでの支持をするためのものですので、基本的にはコンクリートが固まってしまえばその強度は必要ありません。推測の部分もあるんですが、コンクリートが固まった後、そのままコンクリートの中に埋め込まれてありますので、若干水などにさらされている場合もあるかと思いますが、コンクリートの中にそのまま入っているというものです。


(記者)

栗本の側はなぜこのようなことをしたと言っているんでしょうか。


(部長)

ちょっと私どもの方には話として来ておりません。


(記者)

栗本鐵工所はいつからこのようなことをやっていたというような話があるのかということが一点目、それから今後検証、調査をされるということですが、実際交通に影響が出るのかどうかは現時点ではっきりしているでしょうか。


(部長)

一点目ですが、当初ある新聞社からの質問を受けた時点での情報を間接的に聞いている、ということなので、事実関係は確認していないんですが、20年以上ぐらい前から行われていたのではないかという情報があったやに聞いています。ただこれについては事実関係を私どもも取りようがないのでお答えできません。
それから二点目については、緊急点検を行いますので、その結果によっては、ということであり、確としたことは申し上げられません。


(記者)

この点検は交通を通したままできるというものなのでしょうか。


(部長)

ええ。今回点検としてはまず路面の上から、その円筒型枠の上に変状があるかどうかというのを、走行しつつ点検します。万が一その時に変状が見られた際には、下に回って交通を止めずに橋面の下から改めて点検する、という手順を考えておりますので、点検においては特に交通の支障はないと判断しています。


(記者)

では点検の時点では車の通行に影響は出ないというふうに考えていいわけですね。


(部長)

はい。そうです。


(記者)

それから、円筒型枠の基準の強度の4割〜8割の数値しか荷重をかけない、ということなんですけれども、そもそもの基準というのは、何をもって定められたものなんでしょうか。


(部長)

型枠なので、コンクリートが固まるまでに所定の形状、位置を保てるもの、ということを確認するために、その1つの方法として試験を行っています。


(記者)

固まるまでに必要な強度、というような主旨ですか。では固まってしまうと型枠はそのまま残るということですけれども、極端な話その型枠がなくても橋としての強度に問題はないということですか。


(部長)

はい。コンクリートが固まりますとそのコンクリートの強度が出ますし、あとは資料の写真にもあるように鉄筋、鉄の棒が入っていて、この鉄筋とコンクリートで橋体の強度は確保できますので、構造上の問題はありません。


(記者)

今のお話に関連してなのですが、実際に強度が必要になってくるのはコンクリート打設時に必要だという理解ができると思うのですが、実際に20数年間工事をやっている中で、型枠が妙にやわらかいとか、コンクリートを流し込んだら、すぐ潰れてしまったといったような事例の報告はないのですか。


(部長)

ありません。先ほども申し上げましたが、建設時点ではコンクリートを打つ際に、そういった有害な変形が生じて潰れればすぐ分かりますし、有害な変形がないということを現地で立ち会って、確認しています。そういった中で、そのような報告はなかったということです。


(記者)

試験で計測する際に、4〜8割の力でやっていたというのは、強度が4〜8割しかなかったということなのか、計測する際のインチキな方法が4〜8割の力だったのか。強度がなかったと理解して良いのですか。


(部長)

試験自体は、例えば100キロの力をかけたときに、どれだけの変形が生じるかということです。先ほどから申していますように、型枠ですのでコンクリート打設中に有害な変形があってはいけないので、変形がないということを確認する試験です。
今回、改ざんされていたというのは、100キロかけるべきところを例えば50キロしかかけていなくて、本来であればもっと大きい変位が出るかもしれないのですが、100キロかけたと言いつつ、50キロをかけて変形は5ミリでしたという試験成績表になっていたということです。


(記者)

強度が弱かったとはいえないのですか。


(部長)

変形が大きかったということです。強度というのをどういったことに定義するかというのはありますが、壊れるか壊れないかということを強度とするのであれば、壊れるまでの試験をやっているわけではありませんので、変形が大きかったと理解いただければと思います。


(記者)

ひとつの橋梁には、その大きさにもよると思うのですが、どのくらい使われているものなのですか。


(部長)

3ページ目に図がついているのですが、上の図の一番上が橋梁の断面、横から切った絵です。これですと丸が10個入っていますが、断面的に横方向には10個くらい入っています。
その下の図が柱、橋脚の間と間を横から見た図ですが、長四角で白くなっているところが円筒型枠ですので、柱と柱の間に長い四角形が2つあると思いますが、この部分に円筒型枠があるということです。
実際にどんな物をどのように据え付けているかというのが、下の図を見ていただければ分かると思いますが、数が10個か分かりませんが、横方向にいくつか並んでいるという写真が右側にあると思います。


(記者)

支柱と支柱の間に大体20本くらい使われているということで良いのでしょうか。


(部長)

そうですね。支柱と支柱が、色々ありますが、20m前後の間隔の中に20本くらいが使われているものとお考えいただけらと思います。


(記者)

明らかに栗本鐵工所のものを使っている現場を、ひとつかふたつ教えてください。


(部長)

今、リストが手元にないので後ほどお答えします。


(記者)

この型枠の材質を教えてください。


(部長)

材質は鉄の薄い板です。


(記者)

大きさや長さなどは。


(部長)

直径が55cm程度のものから1.2m程度のものが一般的に使われています。長さは運搬などの関係もありますので、先ほど、例えば20mくらいとお話しましたが、現場に持ってくるときは最大でも10mくらいの単位にしたものを持ってきています。


(記者)

この中空床版橋というのが使われる条件といいますか、この種類の橋はどういった場所にあるのですか。


(部長)

ごく一般的な話ですが、柱と柱の間隔が20〜30m位の、支間といいますが、それが比較的短い橋梁に使われています。


(記者)

中日本高速の栗本鐵工所への今後の対応ですが、例えば今後の契約は行わないとか、発注済の違約だとか、調査の費用負担だとか、そういった対応はどうお考えですか。


(部長)

これからの対応なんですが、工事の有資格者ということもありますし、試験データの改ざんは業務における不正行為といえると思いますので、そういったことを鑑みて、これから厳正に対処していくということになると思います。


(記者)

それは3社で共同で考えるというものになるのですか。それとも御社だけですか。


(部長)

基本的には3社で考えていきます。


(記者)

今の関係ですが、調査の費用が発生しますよね。その費用は請求できるという考え方もあると思うのですが、そのへんはどのように考えていますか。


(部長)

それも、今後検討していきますが、基本的には請求できるのではないかと判断しています。


(記者)

中日本には850橋あるということですが、道路でいうとどこの道路に使われているのでしょうか。


(部長)

比較的、支間の短い橋梁なんですが、特にどこということはなく、比較的広い範囲で使われている型式です。


(記者)

名神とか、何とか道という名称でいうとどこになるのですか。


(部長)

基本的には全ての道路と考えていただいて良いのですが、名神にも東名にも使われています。


(記者)

他の路線では。


(部長)

全ての道路と考えていただいていいと思います。“○○道”と100キロ、200キロの単位をひとつのくくりにされるのであれば、その中には必ずある型式です。


(記者)

栗本の対応で伺いたいのですが、板厚の薄いものというのは原価をケチったという感じがするのですが、公団時代も含めて安いものをつかまされたということになるのだと思うのですが、その辺の費用の弁償というか調整は考えられるのでしょうか。


(部長)

どういう形で算定して、どういう根拠を基に請求するかというのはありますが、先ほどのご質問にありましたように、基本的には請求する方向で検討していくべきものだと考えています。


(記者)

この写真にあるような、今まさに円筒形のものを埋め込んでいくような工事をやっている場所というのはあるのでしょうか。


(部長)

現在、建設中の橋が8橋あるのですが、ちょうど埋め込む状況かどうかは現地に確認しないと分かりませんので、後ほどお答えさせていただきます。


(記者)

今発注済の分ですとか、現場に来ている分はおそらく使えない、というか当面供給はストップする状態になると思うんですが、そうなった場合に工期の遅れなどという面での影響はどのように見ておられるんでしょうか。


(部長)

今後短い時間の中で用意しなければならない分は、先ほど申し上げましたように他にも作っている社がありますので、検査等を厳格に行って納品していただくことになると思います。このように他に製造会社がありますので、現時点では工期の遅れといったものは特に考えていません。


(記者)

850橋という数字についてですが、御社が管理しておられる橋梁の規模は。


(部長)

当社で管理している高速道路の延長は現時点で1,702キロですが、資料中の200キロというのは上下線を別に考えていまして、それぞれの延長で数えていますので、単純に割れば1,702キロに対しては100キロ程度となります。橋の数については長い橋、短い橋がありますので、1橋の長さがそれぞれ違うという前提ですが、当社で管理している橋の数は約2,220橋だったと思います。そのうちの850橋だと思うのですが、2,220という数字が上下線別かを確認させてください。


(司会)

では後ほど改めてご説明させていただきます。


(記者)

今回の件についてはそれほど強度に影響はないということなんですが、この栗本鐵工所というのはこの円筒の型枠の他に部材を納入しているという実績があるんでしょうか。もしあるのであればそういった物に対して同様のことが行われていないのかの確認をされたのかをお聞かせください。


(部長)

栗本鐵工所という会社自体は、現在は子会社化したりしている状況もありますが、鋼製の橋、鋼橋自体を製作している企業でもあります。他にそのようなことがあったということは、現時点では報告を受けていません。


(記者)

「鋼製の橋」というのは。


(部長)

いわゆる鉄製の橋ですね。


(記者)

鉄製の橋そのものを造っているという。


(部長)

はい。正確には先方に聞いていただければと思うんですが、今は分社化や子会社化をしているという状況もあるということなんですが、栗本鐵工所自体は鉄製の橋を造っていたことがあります。


(記者)

今回使われたものは本当に求められている強度より弱いものであって、それで問題がないとすれば、おそらくマージンの部分だったために問題がなかったんだと思うんですけれども、コスト縮減が求められる中でこの変形強度のマージンを狭めて板厚の薄いものを使うことによって、コストの縮減が図れるのではないかと素人ながら思うんですけれども、その点はどのようにお考えでしょうか。


(部長)

強度自体が低かったということではなく、変形が大きかったのではないかということです。所定の荷重をかけていなかった、ということですから強度が足りなかったかどうかについての確認はしていないところです。私どもの規格自体も強度で決めているわけではないので、その点をご理解いただきたいと思うんですが、変形が大きかったということによる可能性、影響があるかどうかということを今後第三者委員会で検討していきたいということです。


(記者)

変形が大きかったということは、まん丸な穴が開いていないということなんですか。コンクリートに押し潰されて楕円形になっているということなんですか。


(部長)

量は定かではありませんが、そういう可能性があるということです。少し細かい話になりますが、丸い型枠をセットして、コンクリートを打ちますと、最初はコンクリートが下から上がってきますので、下から浮力が働きます。段々コンクリートを打ってくると横にもくるので、横から側圧がかかります。もっと打つと上にもコンクリートがくるので上からも荷重がかかるということで、現場では有害な変形は無いということを確認はしていますが、変形の大きいものを使っていたということに対して、どういう変形が残っていたかということは現時点では…。真円でないものができた可能性があるということも含めてこれから検証したいと思っています。


(記者)

真円じゃないと道路の強度が弱いということはあるのですか。


(部長)

それぞれの方向に部材の厚さの規定がありますので、その範囲内に収まっていれば基本的には弱いとかいうことは無いと判断しています。


(記者)

そもそも論ですが、なぜ穴を開けるのですか。軽量化のためですか。


(部長)

軽量化のためです。全てコンクリートを打つとその部分がまったく用をなさない重さとなって余分な荷重になるので、軽くするために穴を開けます。


(司会)

その他ご質問はあるでしょうか。無いようですので、このあとは定例会見としてそちらの説明に移ります。


(会長)

それではいつもの定例記者会見ということにこれからさせていただきます。
最初に事業の現況ですが、10月の料金収入は対前年同月比マイナス1.1%です。内訳は、料金収入が高速でマイナス1.8%、一般有料でプラス5.6%です。高速はETCの普及に伴う割引額の増加で減収となりました。一般有料は圏央道の開通効果で増収となっています。通行台数は対前年同月比プラス3.0%です。通行台数の内訳は高速がプラス2.8%、一般有料はプラス3.8%です。
ETC割引額は148億円で、ETC割引率は22.5%です。

次に建設の状況です。新名神については後ほどご説明をします。開通の日取りが決まりましたのでそれを今日発表します。

主な工種の工事契約落札率の状況ですが、10月の主な工種の契約は13件あり、平均落札率は86.29%でした。年度累計は85.32%です。

ETCの状況です。11月9日から15日は72.9%で1ヵ月前と比べて、日平均利率がプラス2.5%です。少しづつ上向きになっているということが言えると思います。平日休日別に見ると平日利用率が74.7%から74.9%へ、休日が64.8%から67.3%となっています。車載器取り付けの累計台数は9月末に比べて2.2%増えて1,718万台となっています。

SAの売上は、対前年同月比で97.8%です。内訳は、飲食部門が96.4%、物販部門が99.2%、サービス部門が97.1%、ガソリン部門が96.7%です。

次にトピックスです。
最初に新名神高速道路の開通です。亀山JCTから草津田上ICまでの間ですが、来年の2月23日に開通します。開通に合わせてご協力いただいた沿線の方々への感謝と、ご利用の促進のため、早期開通割引を実施します。
資料のとおり総延長49.7キロです。2ページの「5.開通の効果」です。詳細は資料の8ページ以降にありますが、①から④は直接効果で、まず名古屋と大阪の所要時間が短縮されます。北周りに比べて約20分、34キロの短縮となります。それから交通渋滞の緩和を期待しています。現在、北周りで年間約1,600回、延べ3,500時間の渋滞が発生していますが、南の路線に交通が振り変わることによって渋滞が緩和するだろうと考えています。ネットワークの完成に伴う渋滞の緩和の事例として伊勢湾岸道を記していますので参考にしてください。また、付加車線事業なども実施しています。12ページに書いていますが、ダブルネットワーク化による代替道路としてリダンダンシー効果を発揮することが期待されています。北周りでは2年前に関ヶ原でゲリラ雪がありました。去年は少なかったのですが、あそこは豪雪の名所でして、その分、南周りの路線を使われる方が増えると思いますし、その他の重大事故や地震災害などに対するリダンダンシー効果も発揮すると思います。環境保全については、盛土のり面の樹林化や、地域苗木の植樹、ソーラー発電、建物の屋上緑化などを行っています。14ページ以下に間接効果ですが、物流の支援、広域観光、滋賀県で企業の立地が進んでいること、救急医療体制が相当厚くなるということが言えると思います。このような効果が期待できるわけです。
それから、この開通にあたりまして、早期開通割引を期間限定で実施することにしています。亀山JCTから草津田上ICの間について2月23日土曜日の開通日から6月30日月曜日までの4ヵ月間、最大半額を割り引きます。開通区間のいずれかのICを出入りする車に対し、ETCの有無にかかわらず全車種にこのサービスをしたいと考えています。開通式典については、また追ってお知らせさせていただきます。

次は中部横断自動車道の六郷ICから増穂ICで本線工事に着手するということで、12月16日に起工式を行うというものです。これは既に発表済みのものですが、ご参考までにお配りしています。

次に維持管理関係です。「青色通行券によるお客様サービス向上」というものです。現在は入口のETCレーンを閉鎖するときに通常の黄色い通行券をお渡ししていますが、それに替えて青色の通行券を発行することよって、出口でお客様からETC時間帯割引などの適用の申し出をいただくことなく、料金収受員から声をおかけしサービスの向上に資するという考えです。来年の1月から運用を始めたいと思っています。

次は「冬道走行に気をつけガイド」を12月上旬からサービス提供をしたいというものです。ホームページにも掲載しますし、折り畳みの広報誌で配布したいということです。冬季を迎えるにあたって冬道での走行にご注意いただきたい個所を要注意個所として地図に全部記しをしてわかるようにするというものです。この前の段階で「高速走行に気を付けガイド」として9月からサービスを開始した春夏秋用がありますが、おかげさまで12万部配布しましてご利用いただいています。この冬版は10万部をとりあえず出し、バス協会やトラック協会、自動車教習所協会にもお配りしご利用いただきます。

5番目は、伊勢湾岸自動車道 みえ川越ICから飛島ICの料金割引検証です。これは前回の会見のときにご質問をいただいたものの回答にもなります。ご承知のとおり、23号の木曽川揖斐長良大橋の補強工事の車線規制で、23号と1号線に渋滞が発生しました。それを受け迂回路として伊勢湾岸道の通行料金を半額にするというサービスを行いました。7月25日から10月12日の80日間でした。この間の断面交通量の変化は、伊勢湾岸道の交通量がプラス16%。一方、一般国道23号の交通量は23%減というふうに効果が出ています。この区間内のインターペア交通量は約3倍になっています。一般国道への渋滞緩和効果も現れているということです。

次は、中央自動車道上り線小仏トンネル手前の登坂車線が完成しまして、11月29日に供用を開始するというものです。これは八王子支社からの発表ですが、同じ時間で良い機会だと思いましたので、ここでもご説明します。
小仏トンネル付近を先頭とする渋滞ではずっと長くご迷惑をおかけしていますが、登坂車線工事を進めてまいりまして、都合1.8キロが間もなく供用とになります。前に完成し供用していた0.8キロと今度の分が1.0キロでトータル1.8キロとなります。渋滞緩和にお役にたてばいいと思っています。

それから7番目、現在会社にとって大切なグループ経営というものを推進していますが、これはその経過報告です。維持管理業務のグループ会社の再編を進めているということは以前からご説明しているとおりでして、30社の会社を10社に集約再編するというものですが、このたび、新たな会社を作るというはこびとなりましたので説明します。
20日に中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋株式会社が業務を開始しました。11月1日には中日本ハイウェイ・メンテナンス北陸株式会社ができていまして、それに続くメンテ関係では2社目です。それから今月の26日に中日本ハイウェイ・メンテナンス東名株式会社が業務を始めます。そして29日にはエンジニアリング、保全点検を担当する会社ですが、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社が発足します。
それぞれの会社の概要ですが、別添資料1が中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋株式会社で、社長は竹谷栄一、現在当社の執行役員です。別添資料2が中日本ハイウェイ・メンテナンス東名株式会社で、水島が社長です。別添資料3が中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社で、松崎が社長。そして別添資料4に先ほど10社と申し上げたものの進行状況を示しています。太枠で囲んでいる会社が、今日の発表分も含めて設立済みということで分類しています。残りの3社を年度内に立ち上げるということで準備を進めています。またその都度、決まり次第ご説明をします。

次は海老名SAの下り線にスモーキングラウンジをオープンするのでご報告します。フィリップモリスジャパンと組みまして12月22日に海老名SAの下りにスモーキングラウンジをつくります。絵を添付しましたが、既に2つ喫煙コーナーがあるもののうち1つを残し、もう1つはこの新しくつくるスモーキングラウンジとします。屋外の分煙化という私どもの方針にも合致するものですので、フィリップモリスと考え方が一致したということでやってもらうことにしました。

次に学業成就と安産のお守り「招福さるぼぼ」のリニューアル販売です。これは既に発表済みなのですが、ご参考のため本日用意させていただきました。
飛騨トンネル貫通の時に8,000個作りましたが売り切れまして、今度は新しいバージョンとして、「招福さるぼぼ」で金色の袋に貫通石を入れました。貫通石というのは、私ももらいましたが、昔から安産のお守りです。今度はそれに加えて受験の難関突破のお守りも兼ねてということで、皆さんからもご好評をいただいています。

資料はありませんが、速弁の冬メニューを12月8日からリニューアルします。12月初旬にプレスリリースを用意しますので、今の時期からご案内をさせていただきました。

最後にベトナムの道路公社と技術協力の覚書、MOUと言われているものです。「Memorandum Of Understanding」というものですが、それを結ぶことにしました。
海外事業については細々とではありますが、プロジェクトチームを作って始めました。ここにありますとおり、ベトナム高速道路会社を相手にして、覚書を締結する段取りになっています。22日に締結します。
覚書の内容は、まだまだ入口のところなのですが、技術情報などの交換や研修などの人事交流、その他両者が合意した内容の実施です。
当社からチームをベトナムに出していまして、明日、当社の西山常務と先方の道路公社会長が調印する予定になっています。
また、こうした新しい試みに関しましては、その都度ご報告をさせていただくことにしたいと思います。
以上で、私からの説明を終わります。


(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

 ベトナム道路公社との覚書ですが、こういった覚書の締結は何件目になるのでしょうか。


(会長)

初めてです。


(記者)

まだ入口ということですが、こういったことをやっていきたいというのがあれば、具体的に2、3教えてください。


(会長)

夢を語りだすときりがないですが、実力のないことを今申し上げてもどうかと思いますし、相手がどういう考えを持っているかを十分に詰めているわけではありませんので、今の段階で申し上げる用意がありません。とりあえず、色々な情報交換をして、これできちんとパートナーとして決まるわけですから、自由にいろんな形の情報交換をして、研修などをこちらで受け入れることも具体化すると思います。人も行ったり来たりして。当社の社員を向こうに駐在させても良いと思います。そういう風にして人事交流が始まって、そこから進んでいくのではないかと考えています。ご質問の中身も含めて、本当にこれからということです。


(記者)

ベトナムは中日本高速のプロジェクトチームで行うのだと思うのですが、これは何か国の施策とからんでいるのでしょうか。


(会長)

直接的にはリンクしていませんが、安倍前総理が在任中にベトナムに行かれた際に先方の政府と、これから相互協力を行っていくというお話をされたとのことです。詳しい中身は分かりませんが、高速道路や鉄道など3点ほどということで、国としても前向きに考えられていくテーマであると思います。ですから国とも連携をとっていきたいと思います。


(記者)

新名神ですが、開通すると企業としてSAPAなどの増収など、どのくらいのインパクトがあるとお考えですか。


(会長)

間違いなく、交通量が北周りからおりてきますので、増えてくると思います。ただ、その分、北周りが減ると思うので、全体量としてどうなるかということがありますので、簡単に南周りの増える分だけを計算するわけにはいきません。全体としては、若干増収になるのではないかと思っています。
それと、SAは当社の区間にひとつありますが、レストランの営業などは第三セクターに委ねていますので、そちらの直接的な収入はあまり期待できないと考えています。
南周りの当社の区間だけで、およそ年間20億円程度の増収になるだろうと考えています。ただ、北周りの減収を考えると、それだけですべてかというわけではありませんので、そこは理由つきでご理解いただきたいと思います。


(記者)

新名神は来年2月23日に開通します。先ほどご紹介させていただいたようにポスターと新しいキャラクターを使って、広報関係をこれから進めていきますので、よろしくお願いします。


(会長)

マスコットキャラクターは「しんめちゃん」で、開通広報ポスターは「日本の真ん中に元気が流れる」ということでやろうと考えています。よろしくお願いします。


(記者)

では、引き続き、猪熊から先ほどの関連で追加の説明をさせていただきます。


(会長)

先ほどお答えできなかったところを確認してきましたので、お答えさせていただきます。
まず、写真のような状況でセットしている場所が現在あるかというご質問ですが、栗本鐵工所の製品ではなく、別のメーカーの製品で1ヵ所あります。場所は清水工事事務所の管内です。ここでは既設の橋梁を拡幅するという、道路の幅を広げる工事を行っていまして、円筒型枠の数は写真のように10個ではなく、2個前後ですが、狭い範囲の拡幅という工事で行っているものです。
それから、先ほど申し上げた約2,200橋ですが、正確には2,223橋です。これは私ども中日本高速が管理する本線の橋梁の、上下線がある場合はそれぞれを1橋と数えて出した数字が2,223橋です。
中空床版橋は、施工中のものがほとんどありません。一方、栗本鐵工所の製品を使ったかどうかの確認が取れていませんが、この近くの供用中の橋でこの型式の橋梁の場所を記載した紙をお配りします。


(司会)

では、追加の説明も含めてご質問はありますでしょうか。


(記者)

清水というのは、住所でいうとどこですか。


(会長)

静岡市清水区草ケ谷という場所です。


(記者)

伊勢湾岸自動車道の割引ですが、料金収入への影響はどうでしたでしょうか。


(会長)

80日間で伊勢湾岸道の交通量が3倍に増えたこともあり、半額のサービスをしましたが、合計では5,000万円程度の増収になりました。現在はこのサービスを終了しましたので、交通が元の状況に戻っていると考えていただいていいかと思います。


(司会)

その他特にご質問がなければ、本日の定例記者会見と緊急記者会見を終了させていただきます。
本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。