NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2008年10月22日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(司会)

では定例会見を始めさせていただきます。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典 みなさんこんにちは。

最初に9月分の事業の概況です。
9月の料金収入は対前年同月比マイナス6.8%でした。内訳は、高速がマイナス8.6%、一般有料はプラス15.0%です。高速は9月16日からの「安心実現のための緊急総合対策」において、高速道路の料金の引き下げによる影響が出ているのと、ETC普及に伴う割引額の増加で減収となりました。社会実験の減収総額は、9月は約22億円ですが、誘発効果による増収分を除いた額は国が負担する見込みとなっていまして、その分はいずれ回復することになります。その分が戻ったとしてマイナス3%くらいといったところです。一般有料は昨年、台風の影響で西湘BPの通行止めや小田原厚木道路の無料通行措置を行ったために、対前年同月比で増加となりました。西湘BPと小田原厚木道路を除いた場合の数値もお示ししています。
通行台数は前年同月比プラス1.2%でした。高速がマイナス2.9%、一般有料はプラス21.6%です。これも西湘BPや小田原厚木道路の影響がありまして、それを除きますとプラス1.2%がマイナス1.9%と、表のようになります。
ETC割引額が無かった場合の料金収入は630億円で、対前年同月比でマイナス2.5%、ETC割引率は25.4%となっています。

建設の状況は前月と変わっていません。

次に、これまで毎月落札率を公表してきたのですが、近年不調の件数が多くなるなど、契約における状況が変化してきているため、より詳しい傾向を分析してお伝えしようと考えまして、今後は四半期ごとの分析としてお知らせすることにします。今月はちょうど10月ですので、上半期分をまとめたものを、後ほどご説明いたします。
なお毎月の落札率は、これまでどおりホームページでご覧いただけますので、そちらもご参照いただければありがたいと思います。

次にETCの利用状況です。直近の10月3日から9日を9月5日から11日の間と比較すると、利用率が76.5%から77.3%とプラス0.8ポイント増えています。平日はプラス0.9%、休日はプラス0.7%で、休日はプライベートな利用が多いわけですが、これも安定的に70%を超えるようになってきたと思っています。
車載器取り付け累計台数は2,106万台となっています。

SAの状況ですが、対前年比99.3%で、累計しますとプラス2.9%です。このマイナス3%の内訳ですが、飲食部門が98.7%、物販部門が101.6%、サービス部門が88.6%、ガソリン部門が96.0%、広告部門は額が小さいのですが141.2%となっています。
以上が事業の現況です。

次にトピックスを説明します。 「入札状況及び分析」です。先ほどお話したように、上半期分をご報告することにします。4~9月までの落札件数は117件で、平均落札率は84.2%となっています。39件が入札不調です。このほか公募型見積協議方式、これは今年の6月からはじめたものですが、これが3件、特別な条件を有する施工技術競争型、5月から始めていますが、1件の落札があります。
表に沿ってお話しますと、表1は月別の平均落札率を示したものです。表2は2007年度と2008年度の平均落札率を示したものです。先ほど9月末現在で84.2%と申し上げましたが、そのうち鋼橋上部工工事の落札率が92.5%と高くなっています。これは供用中の高速道路をまたぐジャンクション工事など、高度な技術を必要とする工事発注によるもので、落札額が高額になる傾向にあります。
トンネル工事が73.7%、塗装工事が61.3%となっていますが、応札者が他の工種に比べて多いということで、競争性がはたらいた結果だと思います。トンネルの場合は平均10社、塗装工事は平均19社という状況です。
表3ですが、年度ごとの低入札の発生状況を示しています。2006年度の45.2%から下がりまして、2007、2008年度はおよそ30%程度で推移しています。2006年度の低入札発生状況をふまえまして、去年の2月からダンピング対策として、低入札重点調査制度というものを導入した、その結果となっています。
表4は入札不調の発生状況を示したものでありまして、2007から2008年度にかけての入札不調は、2006年度に比べて増加しています。これは集中工事関係の舗装工事とか、高速道路の通行止めを伴う鋼橋上部工工事とか、伸縮装置、ジョイントですね、それの取替え工事とか、支障取替え工事の道路補修工事、料金所の通路工事、そういうところに発生しています。なお対策としては、契約制限価格を上回っても契約できる、施工技術競争型と公募型見積協議方式の採用を行っています。これは、いずれもその都度ご説明してきた方式です。

次に東海北陸自動車道全線開通記念割引の延長。これは本日の発表事項です。ご承知のとおり、10月末までの予定で全線開通記念割引を実施していますが、これを引き続き12月31日まで、本年中、2ヵ月間延長するというもので、これまでと全く同じものを続けるということです。割引額の欄に書いてありますが、ETC時間帯割引との重複適用はなく、全ての割引の中で割引額が最も大きいものが適用されます。
白川郷ICと飛騨清見ICの間が開通して、その新規供用区間だけをみても、1日平均1万台のお客様にご利用いただいており、そのご愛顧に感謝して、なんとか年内いっぱいは継続したいという考えです。

次は、既に10月2日に名古屋支社から発表させていただいたものですが、ちょうどそのとき申し上げたことが、今、進行し始めましたので、重複しますが、ご報告させていただきます。
東海北陸道のぎふ大和ICから白鳥ICまでの4車線化切り替え工事です。10月16日から始めまして、既に7月18日に瓢ヶ岳PAと郡上八幡IC間が4車線化が完了しましたが、このぎふ大和ICから白鳥ICについても2008年度の完成を目指して工事を進めてまいりました。16日から上り線を新設した車線に切り替えました。これで対面通行が解消し、安全性が向上したと思います。
ご承知のとおり、2004年7月27日に平山トンネルで正面衝突事故が発生し、7名の命を犠牲にしたという事故がございまして、鋭意4車線化を進めてきたわけですが、逐次、白鳥ICまでの間につきましては、完成していくということになっています。
引き続きまして、対面通行は終わりましたが、すりつけ部の舗装工事とか中央分離帯や標識の設置工事、トンネル内照明の増設といったことを昼夜連続規制により実施し、来年2月中旬ごろには4車線でご利用いただけるように頑張っていきたいと思っています。工事の様子については、資料を添付しましたので、ご覧いただければと思います。

次に4番目のトピックスですが、これも本日新しく発表させていただく内容のものですが、ETCレーンの速度抑制対策の実施という施策です。
ETCレーンのある料金所は当社で226ありますが、その安全、安心の向上を目指して、開閉バーを適正なタイミングで開かせる速度抑制強化対策をやろうということです。
ご承知のとおり、時速20km以下でのご通行をいろいろとお願いしてきたのですが、それを大きく超過するドライバーが多く見受けられまして、このままでは重大事故につながるおそれがあると考えました。去年の11月から金沢支社管内、北陸3県の料金所30ヵ所のETCレーンで順次、速度抑制対策をやってまいりまして、良い効果を得ることができましたので、これを当社管内全域に広げたいということで、一覧表にありますように11月25日から12月12日までの間に、順次進めていこうというものです。
きょうは、金沢で試行した状況について、支社長の日野がおりますので、ここから後は、日野に説明してもらいます。

 


(日野支社長)

NEXCO中日本金沢支社・日野支社長

金沢支社の日野です。(ETCレーンの絵を示しながら)絵を元に説明します。
速度抑制対策の中身ですが、お手元の資料にありますように、車両がETCレーンを通過して、通信領域を正常に通過しますと、発進制御バー、開閉バーですが、それが開くというシステムです。現在は、通信領域を正常に通過すると、開閉バーを直ちに開けなさいという指令が流れ、開きはじめから終わりまでが約0.5秒となっています。これが、少しタイミング的に余裕がありすぎるというか、早すぎるのではないかというのが現状でして、これでは速度が速すぎるので、なんとかしなければならないということで、まず、お手元の資料にありますように、第一段階として、昨年11月5日に北陸道の敦賀料金所で最初の試行を行いました。引き続き、石川県と富山県で1ヵ所ずつ、計2ヵ所を3月3日からやりまして、4月7日以降、北陸3県30料金所、およそ70近いレーンがありますが、全面展開しています。
その結果ですが、速度的には、金沢支社管内で平均速度が約32kmでしたが、4月7日以降、最新の9月の状況ですとだいたい5kmほど、32kmから27kmくらいの約5kmの平均速度の低下があります。
それと40km以上を超えているような速い車両の比率ですが、対策前は約15%の車がオーバーしていましたが、それが3%くらいまでに減少したということで、非常に速度も低下しているという状況です。また、このレーンの横には、一般車両が料金所で一旦停止をするブースがありますが、そことの速度差が、今回の対策によってほとんどなくなっていて、どちらに入るのか分からないくらいです。そのため、レーンに入る、出るときの譲り合い、割り込みが非常にスムーズになっていて、交通の流れもよくなり、事故になりにくい、大きな事故が起きにくい状況になっています。
簡単ではありますが、金沢支社で行いました11月5日の試行から4月7日までの北陸道全面展開までの状況でございます。


(会長)

あとでいろいろとご質問があれば、彼を残しておきますので質問していただければと思います。

それから、お知らせの紙をお配りしています。この速度抑制対策の体験・視察をいただこうというもので、この名古屋地区では11月5日にご覧いただけるよう企画しましたので、どうぞご参加いただいて様子を見ていただきたいと思います。こうした施策で安全性をより高めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと存じます。

次に5番目のトピックですが、「中央道すいすいモバイル」の運用開始というもので、これはきょうちょうど同じ時間に八王子支社で発表しているものなんですね。ですから時間的には同じなんですが、八王子支社で一部実施するという主旨の内容ですので、主体は八王子支社としています。お客さまの携帯電話メールアドレスと旅行計画とを、この「中央道すいすいモバイル」に登録していただくと、旅行計画の日時、ご利用区間の渋滞予測、所要時間予測をお客さまの希望時刻に携帯電話メールで配信するというサービスです。この「中央道すいすいモバイル」は過去3年程度の渋滞実績に基づいて渋滞を予測するものですが、リアルタイムの情報は「目で見るハイウェイテレホン」にリンクされていますので、そちらでご覧いただけます。仕組みは資料のとおりです。対象となる区間は高井戸ICから小淵沢ICと大月JCTから河口湖ICです。ここから始めて、今後状況をみて好評であればもっと広い展開も検討していきたいと考えています。

それから6番目のトピックが東海北陸道・東海環状道の夜間通行止めです。10月8日に名古屋支社から発表させていただきましたが、いよいよ間近になってきましたのでもう一度ご案内します。暫定2車線、対面通行の区間でお客さまへの影響を極力少なくしようということで、交通量が少なくなる夜間に通行止めするものです。設備の定期点検や灯具の取り替え、清掃を行います。ドライバーの方々にご協力いただかねばなりませんが、どうしても必要な工事ですのでこのチラシにありますようなスケジュールで進めてまいります。この区間の中に7月に開通したばかりの飛騨清見ICから白川郷IC間が入っているんですけれども、この区間での作業はUターン防止のための上下線を分離する車線分離標を追加設置するもので、大きな事故は起こっていませんが安全性向上のためにやっておこうというものです。それから飛騨河合PAへの案内標識をもっとわかりやすく、というご要望に応えるために標識の追加設置も行います。

7番目も同様に紀勢道での夜間通行止めで、こちらも10月8日に発表したものです。この区間も対面通行ですので夜間に通行止めして維持修繕工事を行います。

最後にNEXCO中日本初のレストラン・メニューコンテストということで、これはきょうの発表事項です。SA・PAのレストラン45店舗で行うものでして、「地産地消」をキーワードに郷土色豊かな地域メニューを11月1日から発売することにしています。11月中に一次審査を行い、それぞれのブロックから1品ずつ7品と全体のトップ1品の合計8品が本選に進んで、12月に最終審査を行います。学校法人服部学園の理事長をなさっておられる服部幸應先生に委員長をお願いしての最終審査です。

以上で私からのご説明は終わらせていただきます。

 


(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

本日与党で高速道路の追加値下げの財源に関する合意があり、使い方は明記されていませんが5,000億円規模の原資で値下げするという内容とのことですが、これが中日本高速さんの経営に与える影響をご解説いただけないでしょうか。


(会長)

私どもの負担能力という面で言うと、ベースとなっているETC割引が限界と考えていまして、それ以上の割引に関しては新たな財源を用意してやっていただきたいとかねてから申し上げているところです。そういう点でそうした配慮をもとにできた案であれば歓迎したいと思います。ただまだ私どもは具体的に内容を聞いておりませんので、何とも申し上げるわけにはいかないのですが。せっかく新しい割引制度が大きい金額を投入して行われるということであれば、できるだけわかりやすい制度にしていただきたいと思います。ご質問の会社経営にすぐ影響するかどうかということになりますと、数字の面では特段の影響はないと思いますが、道路をご利用の皆さまに喜んでいただける施策であれば、私どもにとっても歓迎すべきことですし、交通量が増えていけばそれなりに経営のメリットが出てくるだろうと思っています。


(記者)

通行料収入は40兆円の債務を返済する原資になるわけですが、新聞報道にあるような半額といった案や一部野党が主張する無料化といった案があり、いつ無料になるのかその時期が全く見えなくなってしまうのではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。


(会長)

返済期限は変えないという前提で議論が進んでいると理解しています。ですから返済の最終期限、民営化から45年後というものが変わるということになると、民営化の際の主旨と異なってきますので、しっかりしたコンセンサスが必要になるのではないかと思うんですね。ですから料金についていろいろな議論が出ていますけれども、私どもとしては財源をはっきりとして、その上で検討するということを望みたいと思います。


(記者)

9月16日から料金割引による数字の評価、思ったより高いのか低いのか、そのあたりはいかがでしょうか。


(会長)

まだ始まって間もないので、どこまで評価できるかというところはあるんですが、反応が出てきているのではないかという兆しは感じますね。ちょっと平日夜間の3割引の時間帯、22時から0時の間で調べてみたんですが、名神高速の一宮から岐阜羽島の間の交通量を測ったところ、その2時間で17%の伸びがありました。ほんの短い期間での測定なので、これから先も同じようになるのかはまだわかりませんが、今後も測定を続けて効果を判断したいと考えています。


(記者)

通行台数が対前年比で101.2%となっていますが、先月16日以降の増加分はお手元にお持ちでしょうか。


(会長)

ちょっとそこまでは把握していないのですが、プラスの面に影響が出ているとは思いますね。それから当社の場合は新名神や東海北陸道が新規に開通していますので、そういう意味では条件的に恵まれているとは思うんですが、9月16日からの料金割引に伴う変化までは把握していません。いずれわかればご報告できるようになると思います。


(司会)

その他特にご質問がなければ、第36回の定例記者会見をこれで終了させていただきます。
本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。