NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2009年02月18日矢野会長定例記者会見

会見要旨


(司会)

では定例会見を始めさせていただきます。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典 みなさんこんにちは。
本日もいくつかトピックスがあります。それでは、最初に1月分の事業の概況です。
1月の料金収入は対前年同月比マイナス10.5%でした。内訳は、高速がマイナス11.2%、一般有料はマイナス2.5%です。高速は昨年の秋から実施している「安心実現のための緊急総合対策」による料金の引き下げ、ETC普及に伴う割引額の増加、景気後退の影響が現れていると判断しています。一般有料についても、同様の理由により減収となりました。
通行台数はほぼ横ばい、前年同月比マイナス0.2%です。内訳は高速がマイナス0.8%、一般有料はプラス2.2%です。
今月のETCの割引額は159億円で、対前年同月に比べて、22.6%割引額が増えています。ETC割引がなかった場合の料金収入と比べると、ETC割引率は27.6%となっています。

建設の状況です。先日、紀勢自動車道の大宮大台ICから紀勢大内山IC間が開通しました。開通後1週間の交通量は1日平均5,500台となっており、想定の2,800台を相当上回った状態となっています。後ほど、資料に基づいてご説明させていただきます。
また、今週の20日ですが、東海北陸道のぎふ大和ICから白鳥IC間の4車線化が完成します。先日、名古屋支社からお知らせしている内容ですが、こちらも後ほど資料で説明させていただきます。

通行台数に関連して毎月ご案内している車種別の構成です。高速自動車国道の数字ですが、軽自動車が107.4%、普通自動車が100.8%と、この2つの車種については前年同月を上回っています。一方中型車は92.2%、大型車89.8%、特大車81.4%、全車種の高速自動車国道の合計で99.2%となっており、はっきりと車種の違いにより傾向が分かれてきているということが言えると思います。

次にETCの利用状況ですが、月全体の日平均の利用率は前年同月の73.6%から78.4%に上がりました。直近の1週間では、2月6日から12日までを1月9日から15日までと比較しますと、利用率はほぼ横ばいという状況になっています。車載器の取り付け累計台数は増えていまして、昨年の12月と比べて約30万台増、プラス1.3%増の約2,259万台となっています。

SAの状況ですが、今月は対前年比93.9%です。これはGS部門が対前年同月比64.4%と35ポイント落ち込んでいることが、全体の足を引っ張っており、その他の部門では104.9%となっています。大きいところを見ますと、飲食部門が101.1%、物販部門が107.6%です。
以上が事業の現況です。

次にトピックスです。本日発表する内容が6件あります。
最初に紀勢自動車道の開通後1週間の交通状況で、先ほど少々触れた内容です。本日、同じ時間に名古屋支社と中部地方整備局紀勢国道事務所が発表しています。みなさん、おいでになっていますので重複となってしまいますが、お話をさせていただきます。新たに開通した区間では1日平均5,500台の交通量となっていて、これは国道42号線から紀勢自動車道への交通の転換が図られた結果だと分析しています。今後さらに長期的に見て行きますが、この傾向は今後も続くと判断していいのではないかと思っています。国道42号線の交通量の状況、それからICの出入り交通量がそうした判断の基礎となっています。

次にSA・PAでの新店舗のオープンです。13ヵ所のSA・PAで15の新店舗が年度内に次々とオープンします。コンビニが10店舗、カフェショップが4店舗、デザートショップが1店舗で合計15店舗となっています。この結果、年度末ではコンビニ39店舗、カフェが20店舗、デザートショップが9店舗となります。スタバが名神と北陸道で初登場するほか、「ハミングバードアイスクリーム」というお店が、多賀SAの上り線で高速道路初出店となります。またドッグランはこれまで4ヵ所でオープンしているんですが、今度新たに2ヵ所オープンして、計6ヵ所になります。さらに「キッズスペース」というものを初めて登場させることにしました。これまでも滑り台などの遊び道具が個々に設置されている休憩施設はありますが、まとめていろいろな設備、複合遊具といいますか、そういったものを用意したキッズスペースというものを初めてオープンします。写真を載せていますので、ご覧いただければと思います。新しくオープンする15店舗の内訳は記載のとおりです。

次にSA5ヵ所で営業施設のリニューアルを行うことにしました。2010年度内のオープンを目指します。このリニューアルではエリアを複合商業施設化して、より魅力的な施設に転換していきます。また開放性や回遊性を向上させるとともに、近隣地域からのお客様も迎えることができるように、また、環境にも配慮した施設づくりに取り組んでいきます。
資料にありますように足柄SAの上下、御在所SAの上下、多賀SAの下りで、それぞれの地域の特性を生かしながら、取り組んでいきたいと考えています。

次に、北陸道の北鯖江PAと女形谷PAで酒類のカタログ販売を始めます。福井県の有名な老舗蔵元と契約し、日本酒10種類を販売するというものです。すでに談合坂SAではワインの販売を実施していますが、パネル写真をもとに店頭で注文していただくか、後でカタログを見てFAXで注文していただくという形をとり、PAで現物をお買い上げいただくというものではなく、後ほどお客様の自宅にお送りするスタイルです。取り扱う日本酒の一覧は資料のとおりで、日本酒では高速道路初めての取り組みです。

北陸道の杉津PAで「恋人の聖地」のセレモニーを開催します。先月のこの場で浜名湖SAのことはお話させていただきましたが、この杉津PAでも「恋人の聖地」の認定を受けまして、その認定記念プレートの除幕式などのセレモニーとイベントを3月14日に行うことにしました。詳細は資料にあるとおりですが、抽選会や記念となる商品の販売などを行います。ご承知かと思いますが、ここは全国に知られた夕日のビュースポットで、なかなかロマンチックな場所です。

次に速弁の春メニューです。3月7日からの発売です。これまでも、春夏秋冬季節ごとに新しいメニューを発表してきましたが、今回も装い新たに20種類のメニューでやるということになっています。内訳は資料の裏面にあるとおりです。2006年11月に初登場してから、おかげさまで3年目を迎えて、多くの方々のご愛顧をいただいています。ただこれまでと同様店頭での販売数量は数が限られていますので、電話でのご予約も承っています。

以上が本日新しく発表する内容のものです。このあとの項目はすでに発表済みのものですが、重ねてご紹介して、皆様にご承知いただきたいというものです。

東海北陸道のぎふ大和ICから白鳥ICで4車線化が完成します。先ほど少し触れましたが、2月4日に名古屋支社から発表したもので、20日にオープンします。おかげさまで東海北陸道は昨年7月に全通し、交通量も増えてきたわけですが、この4車線化で渋滞の解消を期待しています。白鳥ICまでの間の暫定2車線は残すところ、郡上八幡ICからぎふ大和ICの間ですが、2009年度内の完成を目指して、できるだけ早く開通できるように工事を進めているところです。
2月4日にお知らせさせていただいた資料をお配りしているのでご参照ください。

つぎに名神の集中工事と東名阪のリフレッシュ工事ですが、こちらも2月12日に名古屋支社から発表したものです。例年の工事ですが、ぜひ多くのドライバーの皆様にご承知いただいて、いろいろな形でご協力をたまわりたいと考えています。
名神は5月11日から23日まで、東名阪は5月25日から6月6日です。わたくしどもも繰り返しお知らせを徹底して、皆様のご協力を得られるように努力したいと思いますが、渋滞末尾での追突事故の防止、あるいはどうしても国道や高速道路の渋滞がありますので、ゆとりを持った旅行計画をたてていただければありがたいと考えています。
12日発表した資料も参考に添付させていただいています。

最後に、マレーシアのPLUS社という、高速道路を造り運営している会社と覚書を締結しました。これも調印を行いました12日に日本とマレーシアで同時発表させていただきましたが、改めて資料を添付しましたので、ご参照くださればと思います。このPLUS社はマレーシア最大の高速道路事業者で、約1,000kmの路線を管理しています。マレーシア国内での道路建設は一段落しているといわれていますが、海外ではインドやインドネシアの高速道路事業に進出しています。
覚書の締結はクアラルンプール郊外のPLUSの本社で行いまして、当日は堀江マレーシア大使、マレーシア政府からはアブドゥ・ムニット公共事業省事務次官が出席されました。当社からは中山常務執行役員が調印に臨み、タン・スリ・シェリフPLUS社会長と署名を行いました。
今後何をするかということですが、研修生を相互に半年ほど派遣する、まずはそういったことから始めようと思っています。先方からは4月早々にも2名ほどの研修生が来日します。当社からは6月頃になると思いますが1名派遣します。先方からの研修生は、当社の有する高速道路の運営、維持管理の技術やETC、特にETCは高度な技術を持っていますので、その技術力を学びたいということです。当社はPLUS社の海外事業、マレーシア国外で事業を展開していますので、そのあたりの知見やノウハウを勉強しようということです。半年程度の研修予定です。
調印式の模様などの写真を添付していますので、ご覧ください。

以上で、冒頭の説明を終わります。

 


(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

5ヵ所のサービスエリアのリニューアルについてですが、設備投資額は合計でおいくらでしょうか。またその他の個所でのリニューアルは、どういったペースで進めようとお考えですか。


(会長)

総投資額は48億円です。その他の個所でも、交通量の状況などをにらみながら続けて取り組んで行きたいと考えています。また計画が具体化した時点でご説明させていただこうと思います。


(記者)

高速道路での日本酒の販売に関連して、他の路線でもこのようなことを進めようとお考えですか。


(会長)

はい。それぞれの地域ごとで地元の皆さんとの協議が必要でして、現在各所で協議中です。積極的に進めて行こうと考えています。すでに去年の7月には中央道・談合坂SAの上り線で地元のワインの販売を始めさせていただいていて、安定した売り上げとなっています。北陸では福井が最初ですが、石川、富山をはじめ各地にも地元の銘酒が多くあります。またお酒に限らず地域の特産品を幅広く扱っていきたいと考えています。私どもは「個性化」と呼んでいますが、そのひとつとして今後も積極的に進めていきたいと考えています。販売を取り扱うテナントの方のライセンスが必要だとか、地元の蔵元などのご協力が不可欠なので、時間はかかるかもしれませんが、今後どんどん実ってくるのではと期待しています。


(記者)

マレーシアPLUS社との覚書の締結についてです。このPLUS社はインドやインドネシアで高速道路事業を展開しているとのことですが、今後御社もこれらの国への展開をお考えなのでしょうか。


(会長)

国がどことは特定できませんが、やっていきたいと思っています。PLUS社ともいっしょにできることがあればやっていこうと思っていますが、まだどこだという候補は決まっていません。覚書の中にもとりあえず研修生の交流や情報交換といったことなどを決めていますが、双方が合意した事業についてはいっしょにやるということも申し合わせていますので、今後具体的な案件が出てくればと思っています。


(記者)

高速道路の営業状況について、あらためて景気後退の影響が今後どのように出てくるかという点をお聞かせください。


(会長)

全体を見ますと、ガソリン価格が下がってきたことと、料金割引のメニューが増えてきたということが底支えになっていると思いますけれども、景気後退の影響はこれからますます出てくるんじゃないかと私どもは見ています。それが中型車以上の大型車の交通量が前年比減となっていることにあらわれてきているんじゃないかと思うんですね。この状況が相当長く続くんじゃないだろうかという前提に立って、会社の取り組み、施策を講じていく必要があると思っています。ご承知のとおり新しいさまざまな料金施策の展開がどのような影響を与えるかということでして、交通量が増えるという点では非常にプラスの影響が出てくると思うんですけれども。ですから一種のせめぎあいのようなものではないでしょうか。今後景気の後退がどこまで続くかですね。去る第3四半期のGDPがマイナス12.7%だったという話を聞くと、本当にえらいことになってきたな、と思うわけですけれどもね。ですからまず物流の方に明らかに影響が出てきていると私どもは分析していますし、今後さらに雇用問題が進んできますと、消費動向に相当影響が出てくるのではないか、つまりいま軽自動車や普通車が対前年比プラスですけれども、遠出を控えるなどといった消費行動により、影響が出てくる可能性もあると思います。今後も状況の推移を見ながら、さまざまな施策の判断をしていきたいと考えています。


(記者)

サービスエリアの売り上げでガソリンスタンド分がかなり落ち込んでいるようですが、どういった要因なのでしょうか。


(会長)

まず高速道路でのガソリンスタンドのご利用が減っています。高速道路のガソリン価格と市中の価格とに若干差がありまして、より安い市中での給油に傾いているということがひとつあると思います。それとガソリンスタンドの売上高は単価かける数量ですが、単価・数量ともに下がっていますので、ダブルで影響を受けていると思います。これが今後どうなっていくのかですが、簡単にはこの傾向は変わらないのではないかと考えています。


(記者)

日本酒の販売についてですが、文字どおり高速道路で初めてということでよろしいんですか。


(会長)

ええ、こうしたカタログ販売そのものが当社が初めて手がけた事業です。日本酒を販売するというのも初めてです。


(記者)

店頭での販売は行わないんでしょうか。


(会長)

高速道路のSA・PAでは、現物を販売してはいけないことになっています。店頭での販売は行いません。お客さまからは「せっかく通りがかったので買えないのか」というような声もありまして、いろいろと考えた末にこういった方法を採ることにしました。


(記者)

SA、PAどちらでもこうした販売は可能なんでしょうか。


(会長)

どちらでも可能です。ただテナントの資格所持など条件がありますので、それらをクリアする必要があります。条件をクリアして今後取り扱い個所を増やすというのが目標です。


(司会)

その他特にご質問がなければ、第40回の定例記者会見をこれで終了させていただきます。本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。