NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2010年08月24日金子会長兼社長定例会見

会見要旨

(司会)

みなさまお待たせいたしました。ただいまから第58回の定例記者会見を始めさせていただきます。

 

(会長兼社長)

NEXCO中日本代表取締役会長兼社長CEO・金子剛一(かねこ・たけかず)

金子でございます。お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。私が就任以来、約2ヶ月が過ぎようとしております。私としては初めてのお盆、高速道路の交通量がピークになる時期でありますけども、おかげさまで大きな混乱も無く、終わりました。ひとえにお客さま、関係者の皆さまのご協力と社員の周到な準備の結果と思います。皆さまに感謝を申し上げたいと思います。本日は、全部で6つのトピックがございます。お手元に資料があるかと思いますが、その順番に従いまして、私のほうからご説明いたします。

まず、一番目は、事業の概況でございます。
7月の料金収入は、382億9千万円と、対前年同月比0.3%減でした。内訳は、高速が356億75百万円、1.8%増、一有は26億15百万円、22.2%減となっています。
一方、7月の通行台数は、日平均197万2千台と、対前年同月比13.8%の増でした。この197万2千台は、このNEXCO中日本としては過去最高の月間交通量でございました。内訳は、高速が日平均148万5千台、7.9%増、一有は48万7千台、36.7%増です。
これは、一般有料道路を中心に無料化社会実験による影響がありましたが、その一方、高速などの有料区間でも、夏休み期間に入り好天に恵まれたことで、普通車などがプラスに、また、大型車等の産業交通も昨年比プラスとなったことなどから、料金収入についてはトータルで前年比微減、交通量については前年比大幅プラスとなったものです。なお、今月のETC割引額は304億円で、前年同月の288億円に比べ、5.7%ほど割引額が増えています。割引率としては、約44.3%となります。

次にETCの状況でございます。7月29日(木)から中央自動車道の稲城料金所にETCを整備し、ETC料金所数は6月末より1箇所増えて230箇所となりました。
直近の8/6~8/12は、7/9~7/15と比較して、日平均利用台数はプラス14.5%ですが、日平均利用率は82.8%から82.0%、0.8%減となっています。
平休別に見ると、平日平均利用率は82.8%から82.0%、0.8%減、土日休日平均利用率は82.6%から82.0%、0.6%減となっており、平日、土日休日ともに減少しています。7月末の車載器取り付け累計台数は、6月末と比較してプラス1.3%、プラス40万台の約3,180万台です。

続きまして、サービスエリアの状況でございますが、売上高は対前年同月比で104.6%であります。プラス587百万円です。飲食・物販部門では前年比102.1%であります。そして、レストインや風呂のサービス部門でありますが、前年比89.2%、金額で4百万円減です。これは、多賀、足柄のサービスエリアが工事中の影響であります。GSの部門でございますが、前年比112.8%、額でプラス366百万円です。これは、単価あるいは数量が前年を上回った結果です。そして最後に広告部門でございますが、前年比282.5%でございます。以上が事業の概況でございます。

続きまして、2番目のトピックに移ります。2番目のトピックは、新しいブランドネームについてです。これまで部分的にリニューアルを発表してきた、足柄SA(上下線)、御在所SA(上下線)、多賀SA(下り線)の5エリアにおける商業施設のブランドネームが決まりましたので発表させていただきます。
今後、この5エリアは「エクスパーサ」というブランドネームの商業施設を展開していきます。こちらのパネルをご覧ください。
この「エクスパーサ」では、人気店舗の複数導入、選ぶ楽しさ・見る楽しさといった買い物したくなる売場、ゆとりある快適空間、地域との交流など、商業施設が持つポテンシャルを徹底的に追求していきたいと思います。
「お客さまにとって真のくつろぎの場」を提供することによって、サービスエリアに新たな価値観を創出していただき、移動の通過点に過ぎなかったサービスエリアから、「エクスパーサ」が目的地として選ばれる、そんなサービスエリアへと転換できるよう、この新しいブランドネームをグループ一丸となって取り組み、お客さまに認めていただけるように育てていきます。
もちろん、買い物をされるお客さまだけを考えるのではなく、ぷらっとパークを通じて「エクスパーサ」が地域における情報拠点となり、「お客さまと地域のふれあいの場」としての役目も担っていきます。
また、「エクスパーサ」となる5エリアでは、CO2削減を目指して、節電・節水・省エネ・断熱・CO2排出抑制に取り組むなど、環境への配慮も積極的に実施しています。
「エクスパーサ」には、現在のSA・PAの概念を超えていきたいという想いから、EXは、EXCEED、EXCELSIORいわゆる、超える、超越するとの意味のEX。そして、パーキングエリアの「PA」、サービスエリアの「SA」を組み合わせています。
ブランドロゴには、「エクスパーサ」が、既定概念にとらわれず、自由に展開していくように躍動感や軽やかさをイメージさせる羽ばたく蝶のようなデザインとなっています。ロゴを構成する5本のラインは、ラインによって高速道路をイメージさせ、「5本」という本数は「エクスパーサ」の始まりである5エリアを表現しています。また、5本のラインが中央に集約されているのは、様々な方面から高速道路を利用されるお客さまが5エリアを目的地として集い、そこから新たに広がっていく。そんな旅の拠点となる様子を表現しています。基調カラーには、当社のコーポレートカラーでもあるオレンジ色を採用し、ポジティブ感を全面的にだしております。ぜひ、「エクスパーサ」にお越しいただき、今までとの違いを感じてください。

続きまして、3番目のトピックは今の「エクスパーサ」の関連で、最初のグランドオープン情報を発表させていただきます。
NEXCO中日本では、これまでは移動の通過点に過ぎなかったSAから、目的地として選ばれるようなSAへと新しいスタイルのSAを目指してきました。その事業のブランドネームが先ほど発表させていただいた「エクスパーサ」なのですが、その第一弾として9月17日に、東名阪自動車道 御在所サービスエリア(上下線)を『エクスパーサ御在所』としてグランドオープンします。『エクスパーサ御在所』では、伊勢名物の赤福直営店でイートインもある「赤福茶屋」や、「伊賀の里モクモク手づくりファーム」の直営店、桑名市発祥の老舗 柿安の「炭火焼ハンバーグ カキヤス」など地元三重らしいお店を取り揃え、隣接する愛知からは、高速道路初出店となる名古屋名物 味噌煮込みうどんの専門店「山本屋本店」、同じく高速道路初出店となる純系名古屋コーチンを取扱う老舗「鶏三和(とりさんわ)」など計31店舗がオープンし、『エクスパーサ御在所』として皆さまをお迎えします。また、同じく9月17日に『エクスパーサ多賀』の北館がリニューアルオープンし、高速道路初出店となる「餃子の王将」がオープンします。エクスパーサ御在所がグランドオープン第一弾となりますが、一部リニューアルオープンしているエクスパーサ多賀、エクスパーサ足柄においても事業を進めており、全て2010年内にグランドオープンする予定です。記者の皆様には、資料の最後に添付しております内覧会をオープン前日に予定しておりますので、どうぞ現地にお越しいただき、実際にご覧になっていただきたいと思います。

引き続き、4番目のトピックは、8月20日から開始している「奥三河・南信州交流ハイウェイキャンペーン」、及び9月1日から開始することとなりました「ハイウェイ・秋の周遊キャンペーン山梨2010」についてご案内いたします。
これらのハイウェイキャンペーンは、地元観光協会などとタイアップして多くの皆様に高速道路をご利用いただき、観光地を楽しんでいただけるよう行うもので、いずれのキャンペーンも当該地域においては今回が初めての企画です。サービスエリアなどを中心に、お得なサービスがご利用できる共通優待券付きパンフレットを無料で配布いたします。パンフレット記載のSA・PAでは、共通優待券のご利用でお食事の際のコーヒーサービスなどの各種特典を受けられます。そして高速道路でキャンペーンエリアまでご走行され、一定額以上ご利用いただき、ご応募されたお客さまの中から、抽選で地元特産品などの賞品をプレゼントいたします。このようなキャンペーンを行なっていきます。

続きまして、5番目のトピックでございます。富山の三大民謡競演in北陸道と銘打ちまして、このイベントを開催いたします。8月12日に金沢支社から記者発表しておりますが、10月9日及び10日の2日間、北陸自動車道有磯海(ありそうみ)サービスエリア上り線で、富山県を代表する三大民謡「越中おわら節(ぶし)」、「こきりこ節(ぶし)」、「むぎや節(ぶし)」を一堂に披露する公演を「富山三大民謡競演in北陸道」と題して開催します。
この企画は、高速道路をご利用していただいているお客さまへの感謝の気持ちを込めて、毎年秋に開催しているお客さま感謝イベント、「ゴーイングハイウェイ」の特別企画として開催するもので、高速道路のサービスエリアで富山三大民謡が競演されるのは、今回が初めてとなります。
今回は、お客さまにくつろいで、ご観覧いただけるよう、有料の席をご用意しました。チケットをご購入いただいたお客さまには、富山名産「鱒のすし」をお付けしており、富山県の伝統文化である三大民謡とともに富山県の「食」を満喫していただけるお得な企画となっております。
なお、他エリアで開催するお客さま感謝イベント「ゴーイングハイウェイ」については、次回の定例会見において、ご案内する予定です。

最後のトピックになります。環境に配慮した取り組みをご報告いたします。
今回の環境に配慮した取り組みは、「野鳥と高速道路との共生に向けて」です。
当社では、エコロード(自然環境に配慮した道路)を推進して、生物多様性の保全に取り組んでいるところです。東名阪道の弥富(やとみ)ICと蟹江(かにえ)ICでは、毎年春になると、数千羽のサギが飛来してきて、営巣を始めますが、高速道路でこれだけ大きなコロニーの形成は他に例がございません。飛来してくるサギの種類は、コサギやアオサギなど6種類ですが、中には環境省のレッドデータブックで「準絶滅危惧種」とされている「チュウサギ」もいます。サギの路上への急な飛来や、ヒナの道路横断は、交通安全での問題になります。当社では、開発が進みサギの生息域が失われつつある状況の中、高速道路が自然を守れる場所になると考えまして、サギと高速道路との共生の道を選択して、標識設置や侵入防止対策など様々な取り組みを実施してきています。
今回、当社では、高速道路の機能と安全を損なうことなく、サギの生息環境を保全しまして、サギと高速道路との共生を、継続的に図っていくことを目的として、その道の専門的知識を有する、「愛知県弥富野鳥園」「日本野鳥の会愛知県支部」と、連携・協力に関する覚書を締結することとしました。
調印式は、8月28日の10:00から行ないます。調印式の詳細はお手元の資料のとおりですが、取材や現地撮影を希望される場合は、桑名保全・サービスセンターにご連絡ください。以上で、環境に配慮した取り組みの紹介を終わります。
以上、6点が私のほうで準備したトピックになります。

 


(司会)

それでは、ご質問をお受けしたいと思います。


(記者)

大きな話になりますが、ここにきて円高・株安ということでかなり日本の景況も落ちてきた感があり暗くなってきていますが、足もとの7月を見ると、料金収入は色々な要素があるのでさておきとしても、通行台数はかなり増えていますがサービスエリアの飲食物販などそれほどの伸びでもないということを踏まえて、足もとの景況をどうみられているのかということと、もう一つは秋以降、高速道路を運営する会社の経営者として今後どのような流れとなっていくのか、今のところの見通しを教えてください。


(会長兼社長)

7月の数字は、その前の月、前々月と比べて徐々に交通量が増えております。従いまして、その数字だけからみるとむしろ景気というのは回復しつつあるのではないかなという数字ではありますが、なかなかそれだけでは予断を許さないような状況ではないかなと思います。
これからの見通しということでありますけども、今ご質問にもありました大きく捉えると円高の問題などありますので、一般的には難しい時期であろうと思います。特にまだまだ輸出依存という体質の今の日本の産業構造からいきますと。
ですので、この数値だけでは必ずしも景気云々は測れないではないかなと思いますが、決して暗いニュースばかりではないとも思います。もう少し様子をみていく必要があると思います。


(記者)

明るいニュースだとどういったことが想定できますか?


(会長兼社長)

今の産業交通がどの程度増えるか、何によってどの程度なのかまだ分析はされてないですが、一つの材料であろうと思います。


(記者)

営業収入のところですが、通行台数は一般有料道路は3割強以上増だったのが収入は2割減、このあたりの要因を説明いただけませんか?


(会長兼社長)

一つはやはり今実施中の無料化社会実験、こういったものの影響だろうと思います。これが一番大きな影響だと思います。


(記者)

それが大半の理由だということでしょうか?


(会長兼社長)

そうです。


(記者)

エクスパーサですが今後の5つ以外のSAでの展開、他のSA・PAや新東名での展開と、これによる売り上げ効果、売り上げ目標はいかがでしょうか?


(会長兼社長)

このあと3箇所ほど大規模なリニューアルを考えておりまして、計画しております。これによる目的の一つはやはり集客というところにありますので、当然売り上げの増に直接結びつくという意図からのリニューアルであります。数字として何パーセントというのは今持ち合わせていませんが、お客さまに便利になってそしていわゆる「滞在型」という新しい概念のサービスエリアにしていこうと思っております。我々としましてはそれが当然会社の業績にプラスになる、そういった方向での計画であります。
今回の5つのエリア、その先まだ計画があるかというご質問についてはあと3箇所ほど同じようなことをやっていくというふうに考えています。5箇所プラス3箇所で8箇所です。


(記者)

エクスパーサですがこれは外からも入れるのでしょうか?それとも高速道路の利用者だけでしょうか?


(会長兼社長)

ぷらっとパークという名称で地元の方もこの施設を利用できるということで、高速道路を利用している方にプラスあと地元の方、つまり高速道路を利用しなくてもこの施設内に入れる。


(記者)

そういった意味も含めて目的地化ということですか?


(会長兼社長)

それも含めてですね。


(記者)

例えば御在所で先ほど数値は無いとの事ですが、年間どの位の利用者増というような数値目標は無いのでしょうか?


(会長兼社長)

いまのところは数値は持っておりません。非常に大きくは投資に対してのリターンということは考えていますが、一つひとつの個別の数値については、今は持っていません。


(記者)

今回の御在所31店舗はわりと地元の名産品、名古屋とか三重とかが入っていますが、他にNEXCO中日本管内でこういう形でこれだけの店舗が集まっているというのはあるのでしょうか?


(会長兼社長)

これだけ大きなものは今回初めてですね。これからもこういった複合商業施設への転換をしていきたいと思っています。


(記者)

そのコンセプトでやっていくものの第一弾で、エクスパーサということでよろしいでしょうか?


(会長兼社長)

そうです。


(記者)

エクスパーサの件で確認ですが、5箇所に3箇所プラスして計8箇所になるとご説明がありましたが、追加する3箇所の場所とオープン目処を教えていただけますか?


(会長兼社長)

2010年までに御在所の2エリアのほか3箇所のエリアで進めておりまして、計5つのエリア以外にも追加の3箇所で「エクスパーサ」というブランドネームを使うかどうかについては、評価をしてから検討したいと考えています。具体的な場所については控えさせていただきたいと思いますが、予定としては3箇所計画しております。


(記者)

足柄と多賀以外の追加の3箇所についてはリニューアルを行う予定だけど、ブランドを使うかは未定ということでしょうか?


(会長兼社長)

そうです。5箇所で評価をしてからとしたいと思います。


(司会)

これをもちまして定例記者会見を終わりといたします。ありがとうございました。