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安全に関する問題点の検証

当社グループは、これまで、経営理念の「私たちの役割」の中で「安全・安心・快適」を根幹に据えるとともに、高速道路資産を将来にわたって健全な状態で管理するための取組みを進めてまいりました。しかしながら、今回の笹子トンネルの事故は、お客さまの安全を最優先すべき当社グループとして決してあってはならない、人命に関わる重大な事故であり、この事故を引き起こしたという事実を厳粛かつ深刻に受け止め、将来にわたり深く心に刻み、徹底した再発防止に取り組んでまいります。

このため「当社グループの企業風土・文化に問題はなかったか」という視点も含めて、安全に関する問題点を幅広く検証し、本年2月1日「安全性向上に向けた取組み」において、その結果を以下のようにまとめ公表いたしました。

(1)企業風土・文化

  1. 安全に対する認識
    • 経営理念の「私たちの役割」の中で「安全・安心・快適」を掲げてきましたが、「安全が何よりも優先する」という当然のことが日常性の中に埋没し、明確な意識として顕在化していない面がありました。
    • 大規模更新を計画的に進めていくこととしつつも、これまで当社の管理する道路構造物の健全性が深刻な問題として表面化していなかったことから、構造物の耐久性が相当長期間に及ぶものと見込み、交通事故対策やコンクリートの剥落対策など、現に顕在化してお客さまに危険が及びかねない問題に対する取組みが優先されることがありました。
    • 社員一人ひとりは、常に「お客さまの命に関わる仕事に従事している」ことを意識していたものの、日々の業務の中では、その意識が自分の担当業務に関わる範囲での安全にとどまる傾向が見受けられました。
    • 安全に関する社外の事象を積極的に収集し、自分たちの問題として捉えてお客さまのために自ら行動するという、自律的な対応が常になされていたとは言い切れない面もありました。
  2. 安全に対するグループ内の連携・コミュニケーション
    • 「企業ビジョンキャラバン」をはじめとするさまざまなコミュニケーション活動を通じて現場から提案を取り上げ、フィードバックするよう努めてきましたが、十分にはできていないところがありました。
    • グループ内各部門間の連携やコミュニケーションが十分におこなわれていたとは言えないところがありました。

(2)構造物の経年劣化に対応した業務プロセス

  • 点検から補修までの業務プロセスにおいては、専門性に応じて役割が分担されている一方で、本社・支社・事務所・グループ会社の部門間の連携やコミュニケーションが必ずしも十分とは言えないところがあり、またPDCA(Plan・Do・Check・Action)サイクルが十分には機能していないところがありました。
  • 高速道路資産の経年劣化が進む状況において求められる経営資源の十分な水準の確保と現場状況に対応した柔軟な配分について、さらなる工夫の余地がありました。
  • 点検・補修履歴を管理するシステムは、整備されているものの、必ずしも現場での活用が十分ではない場合が見受けられました。
  • 点検や補修の技術・ノウハウの承継は、個々人が責任を持っておこなってきましたが、組織的におこなう仕組みが整っていませんでした。

(3)安全管理体制

  • 当社グループは、極めて公共性の高い高速道路事業を担う会社として、常に危機管理意識を高く持って業務をおこなってきたところであり、災害などの発生時には危機管理体制を速やかに構築し、組織横断的な対応ができる体制となっていましたが、その一方で、潜在的な問題点の把握や解決については、組織横断的な対応ができる体制となっていないところがありました。
  • また、安全に関する社外の事象やそれに対する専門的知見を幅広く情報収集し、それを積極的に業務に活かせる体制になっていない面もありました。

(4)安全を支える人材の育成

  • 安全に関する教育という面では、OJTを主体として現場の管理者が教育・指導をおこなっていましたが、体系的な研修カリキュラムを作成し、これに従って実施するまでには至っていませんでした。
  • OJTの指導者となるべき現場の管理者について、指導力、専門知識のレベルに個人差があることや、十分な時間的余裕が取れないことなどから、必ずしも教育をおこなう環境が十分とは言えない面もありました。
  • 規則・要領・マニュアルへの理解が表面的になりがちであり、それらが規定された背景事情や目的まで深く理解した柔軟な対応が十分でない側面も見受けられました。

以上のような問題点や有識者委員会からいただいたご意見、さらに調査・検討委員会のご指摘を踏まえ、安全性向上に向け、当社グループが目指すべき姿(目標、姿勢)を明らかにするとともに、それを実行するための具体的な取組みを検討し、まとめました。