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E68 中央自動車道富士吉田線の耐震補強工事における契約書類の誤り等の対応について
中日本高速道路株式会社 八王子支社
中日本高速道路株式会社 八王子支社は、E68 中央自動車道(中央道)富士吉田線 都留インターチェンジ(IC)から河口湖IC間の倉見高架橋の耐震補強工事において、契約書類のうち一部の図面を取り違えたまま施工を進めていたことが判明し、耐震性能の照査をおこなうために設計業務の内容確認を進めていたところ、設計の入力条件に誤りがあることも判明しました。そのため、倉見高架橋と同一業務で設計した谷村橋、小沼跨線橋、洞谷橋、小明見橋の全5橋についても設計内容の確認を進めたところ、谷村橋において設計の入力条件に誤りがあることが判明しています。(「耐震補強工事における契約書類の誤り等について」(2023年11月10日公表))
倉見高架橋、谷村橋と同一業務で設計した小沼跨線橋、洞谷橋、小明見橋についても設計内容の確認作業を進めたところ、これら3橋においても設計内容に誤りがあることが判明したため、全5橋の修正設計をおこない必要な対応が確定しましたのでお知らせします。今後、準備が整った箇所から工事を再開してまいります。
なお、今回の耐震補強工事は、大規模な地震が発生した際に高速道路を緊急輸送路として速やかに避難や救助・救急・消火活動などに活用できるように、橋梁への影響を軽微な損傷に留めることを目指すものです。現状でも落橋や倒壊に対する耐震性能は有しており、従来の安全性は確保されていますので、高速道路をご利用のお客さまや沿線地域の皆さまの安全・安心に影響するものではございません。
高速道路をご利用いただくお客さまをはじめ、地域の皆さまや工事受注者さま、関係の皆さまにご心配やご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
(位置図)
1.事案の概要
倉見高架橋に対する耐震補強工事において、橋脚に炭素繊維シートを貼付ける工事を進めていましたが、工事契約段階で誤った図面を契約書類に使用してしまったため、倉見高架橋を含む5橋の工事を一時中止し、設計内容の確認を進めてまいりました。その過程で、倉見高架橋と谷村橋において設計の入力条件に誤りがあることが判明し、引き続き、残りの3橋における設計内容の確認を進めてきたところ、小沼跨線橋、洞谷橋においても設計の入力条件の誤りが判明、小明見橋では図面の誤りがあることが判明しました。
その後、各橋梁において修正設計を進め、施工済みの対策と本来必要な対策を比較した結果、倉見高架橋に加えて谷村橋においても追加対応が必要となりました。
なお、小沼跨線橋、洞谷橋、小明見橋の3橋については、追加対応が必要な箇所はありませんでした。
今後、修正設計にて確定した内容に応じ適切に対応してまいります。また、工事受注者と調整を進め、順次工事を再開してまいります。
2.必要となる追加対応(谷村橋)
橋脚7基中、施工済み4基において本来必要な補強対策と比較した結果、2基において補強量が不足しており、本来必要な貼付け量を満足するように追加で炭素繊維シートを貼付けます。
炭素繊維補強の対応事例(谷村橋P5)
経緯
2021年3月 | ・工事(1)の工事請負契約を締結 |
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2021年9月 | ・工事(2)の工事請負契約を締結 |
2022年12月 |
・工事(2)を進めるにあたり契約書類を確認する中で、図面の誤りを発見 ・倉見高架橋の炭素繊維シート貼付けを中止 ・設計根拠の一部不足を発見 |
2023年1月 | ・契約書類の誤りの範囲を確定させる作業や現地施工状況の調査を開始 |
2023年3月 |
・設計根拠成果の一部不足の調査を開始 ・関連する5 橋の工事を一時中止 |
2023年10月 | ・設計計算の入力誤りを発見(倉見高架橋、谷村橋) |
2023年11月 |
・公表「E68 中央自動車道富士吉田線の耐震補強工事における契約書類の誤り等について」 ・修正設計を開始(倉見高架橋、谷村橋) |
2023年12月 |
・設計計算の入力誤りを発見(小沼跨線橋、洞谷橋)、図面の誤りを発見(小明見橋) ・修正設計を開始(小沼跨線橋、洞谷橋、小明見橋) |
2024年6月 | ・全5橋の修正設計の完了 |
2024年6月~ | ・5 橋について順次工事の再開 |
工事(1):中央自動車道 夏狩高架橋他4橋耐震補強工事
工事(2):中央自動車道 赤坂高架橋他3橋耐震補強工事
本件に関係する設計業務および工事
設計業務
業務名 | 中央自動車道 谷村橋他4橋耐震補強設計(平成30年度) |
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契約工期 | 2019年3月20日から2020年6月30日まで |
受注者 | 株式会社アーバン設計 |
業務概要 | E68 中央道富士吉田線の谷村橋、小沼跨線橋、倉見高架橋、洞谷橋、小明見橋の5橋において、橋脚の耐震補強、支承の取替、落橋防止装置の設置をおこなうための設計業務。 |
工事(1)
業務名 | 中央自動車道 夏狩高架橋他4橋耐震補強工事(2020年度) |
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契約工期 | 2021年3月25日から2024年7月13日まで |
受注者 | ライト工業株式会社 |
工事概要 |
E68 中央道富士吉田線の夏狩高架橋、東桂第一高架橋、東桂第二高架橋、谷村橋、小沼跨線橋の5橋において、橋脚の耐震補強、支承の取替、落橋防止装置の設置をおこなう工事。 (太字が上記の設計業務にかかる橋梁) |
工事(2)
業務名 | 中央自動車道 赤坂高架橋他3橋耐震補強工事(2020年度) |
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契約工期 | 2021年9月29日から2025年5月20日まで |
受注者 | 西松建設株式会社 |
工事概要 |
E68 中央道富士吉田線の赤坂高架橋、倉見高架橋、洞谷橋、小明見橋の4橋において、橋脚の耐震補強、支承の取替、落橋防止装置の設置をおこなう工事。 (太字が上記の設計業務にかかる橋梁) |
用語の解説
炭素繊維シートによる補強 |
シート状に加工された炭素繊維を、接着剤を含浸させながら橋脚に貼付け補強する工法。 繊維が1 方向に配置されているので、補強の目的に応じて貼付け方向を調整する。 |
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出典:設計要領第二集橋梁保全編(会社が工事の設計をおこなうために必要な諸基準等を定めた要領)