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- 本社 交通・規制 プレスリリース
休憩施設における大型車駐車マス拡充の取組みについて ~2023年度は大型車マスを約630台拡充、2024年度に約560台の拡充を予定~
東日本高速道路株式会社
中日本高速道路株式会社
西日本高速道路株式会社
東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社は、高速道路の休憩施設において顕在化している大型車駐車エリアの混雑に対し、大型車駐車マス拡充の取組みを進めています。
この度、2023年度の拡充実績および2024年度の拡充予定をとりまとめましたのでお知らせいたします。
駐車マスの拡充数
2023年度は大型車マス※約630台の拡充が完了、2024年度に約560台の拡充を予定
※兼用マスおよびダブル連結トラックマスを含む
駐車マス拡充2023年度の実績と2024年度の予定
2023年度は既存エリア内での小型車マスから大型車マスへの描き換えなどにより、全国49カ所のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)において、大型車マス約630台の拡充が完了しました。
2024年度には全国34カ所のSA・PAにおいて約560台の大型車駐車マスの拡充を進める予定です。拡充にあたっては、マスの変更だけでなく大規模な土工工事や照明・満空情報板といった既存施設の移設などを伴う工事も予定しています。駐車マスの増設工事に際して、交通規制などを伴う場合がありますので、ご注意をお願いします。個々の休憩施設の状況につきましては、表-1および別紙1、2 または各社のWEBサイトをご確認ください。
表-1 2023年度の駐車マス拡充実績 および 2024年度駐車マス拡充予定
※1:( )は兼用マスを含んだマス数(兼用マス1台あたり普通車2台分としてカウント)
※2:兼用マスを含んだ大型車マス数(兼用マス1台を大型車1台分としてカウント)
※3:現時点での計画のため、完了時の箇所およびマス数は変更の可能性があります
NEXCO3会社では、高速道路の休憩施設駐車場について、2018年度から継続して駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまでに約3,700台分の大型車駐車マスを増設してきましたが、近年のEC(個人間の電子商取引)市場の拡大やニーズの多様化、多頻度・小規模運送の増加等により高速道路の物流輸送量が増加しているといった背景から、平日夜間の大型車駐車エリアを中心とした混雑が顕在化している状況です。
一方で、休憩施設の敷地は限られており、駐車マスの増設やレイアウト変更による対策には限界があります。そのため、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構、NEXCO3会社およびJB本四高速が設置した有識者検討会※4においてとりまとめた整備方針を踏まえ、駐車マスの拡充に加え、今後は、休憩施設以外の高速道路事業用地などを活用した大型車専用駐車場の設置(図-1、写真-1)や駐車マスの立体構造化、複数縦列式(コラム式)駐車場※5(図-2、写真-2)の導入を進めてまいります。
※現在、旧鈴鹿本線料金所の跡地を活用し臨時的に駐車場としている箇所を、大型車専用休憩施設に変更する計画
※4:高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会
※5:(公財)高速道路調査会 第62回海外道路調査団(ITS・交通安全)より引用(複数縦列式(コラム式)駐車場の事例)
※6:ドイツ(Montabaur)の隊列駐車場
※7:ドイツ(Jura-West)のコンパクト駐車場
(参考)複数縦列式(コラム式)駐車場について
SA・PAの敷地は限られており、単純な駐車マスの増設やレイアウト変更に限界があることから、複数縦列式(コラム式)による駐車容量の最大化、最適化を検討しています。複数縦列式(コラム式)とは、ドイツのアウトバーンなどにおいて採用実績がある駐車方式であり、出発時間別に縦列駐車するレーンを設けることで、駐車マスを効率的に配備することを目的にした方式です。
休憩施設を出発する時刻毎に縦列駐車させるなどの駐車制御が必要であり、ドイツでは駐車チケットの発券(図-2)や、駐車マスの頭上に出発時間を表示するなど(写真-2)し、ドライバーに伝える制御をとっています。
NEXCO西日本では、現在、E2 山陽自動車道 佐波川SA(下り)における複数縦列式(コラム式)駐車場の整備を検討しています。
2023年度の主な取組み
(1)大型車駐車マスの拡充 【E4 東北道 那須高原SA(下り)の事例】
E4 東北道 那須高原SA(下り)では、特に平日夜間の時間帯を中心とした大型車駐車マス不足が顕在化していました。平日は大型車が、休日は普通車の利用が多い実態を踏まえ、普通車・大型車兼用駐車マスを増設するなどし、限られた駐車スペースを最大限有効活用することで、大型車の駐車可能台数を67台増設し、大型車駐車エリアの混雑緩和を図りました。
図-3 レイアウト変更状況 ( E4 東北道 那須高原SA(下り) )
写真-3 レイアウト変更後の状況(E4 東北道 那須高原SA (下り))
(2)敷地拡幅による大規模な休憩施設レイアウトの変更 【E1A 新東名 清水PA(上り)の事例】
E1A 新東名 清水PA(上り)では、既存の敷地を有効活用し、駐車エリアを拡幅するとともに、大型車駐車マスのV字型駐車レイアウトを採用することにより、大型車の駐車可能台数を91台増設し、大型車駐車マスの混雑緩和を図りました。(図-5~7、写真-4)また、トレーラーの利用が多い実態を踏まえ、トレーラーの駐車可能なマスを増設しました。
図-5 レイアウト変更状況 ( E1A 新東名 清水PA(上り) )
(3)ダブル連結トラック駐車マスの整備
1台で通常の大型トラック2台分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」は、2019年1月に特殊車両通行の許可基準が緩和され、本格運用が開始されました。2019年8月に運行区間がE4 東北道からE3 九州道まで拡大されて以降、ダブル連結トラック特殊車両通行の許可台数は増加しています。(図-8)2022年11月には、物流事業者のニーズ等を踏まえ、通行区間が約2,050kmから約5,140kmに拡大されました。NEXCO3会社ではダブル連結トラックの休憩機会確保のため、駐車マスの整備を進め、2023年度は45台分を追加整備しました。最新のダブル連結トラック駐車マスの整備状況は図-9および別紙3(※)をご確認ください。
(4)ダブル連結トラック専用の予約駐車マスの整備
ダブル連結トラックドライバーの確実な休憩機会確保のため、NEXCO中日本ではE69 新東名 浜松いなさIC路外のダブル連結トラック専用の予約駐車場に加え、E1 東名 足柄SA(上り)、E1A 新東名 静岡SA(上下)、E1A 新名神 土山SA(上下)にダブル連結トラック専用の予約駐車マス(以下、予約駐車マス)を整備し、2021年4月から順次運用しています。また、NEXCO東日本においてもE4 東北自動車道 那須高原SA(上り)に予約駐車マスを整備し、2024年3月19日より運用を開始しております。(E1 東名豊橋PA(下り)においても、予約駐車マスのうち一部区画をダブル連結トラック/特大車兼用の予約駐車マスとして運用中)(写真-6~8、図-9)
(参考)駐車場予約システムのご利用方法
(1)会員登録:事前に会員登録(モニター登録)をおこなってください。
(2)ご予約:ご利用になる2週間前~3時間前にインターネットからご予約ください。
(3)ご利用:予約駐車場(現地)において、ETC2.0で予約車両を判別します。
※実証実験の状況により、予約システム(予約駐車マス数、予約受付時間、最大予約時間、対象車種など)を変更する場合があります。
■駐車場予約サイトモニター登録は以下WEBサイトで承ります。
https://parking-reserve.c-nexco.co.jp/member/login
(駐車場予約サイトのご利用方法詳細は、上記URLの画面右上ご利用ガイドをご覧ください。)
■E1 東名 豊橋PA(下り)有料時間帯・料金体系(2024年3月末時点)
※豊橋PA(下り)のみ、夜間の一部時間帯のご利用が有料となりますのでご注意ください。
(5)短時間限定駐車マスの実証実験開始
SA・PAにおける利便性向上の取組みとして、大型車駐車マスの拡充に加え、大型車ドライバーのより確実な休憩機会の確保を目的に、11カ所の休憩施設において、大型車駐車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」として整備し運用する実証実験を、2023年11月から実施しています。(図-10)
この実証実験は、長時間駐車車両の存在により、駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設に、「短時間限定駐車マス」を整備することで、休憩機会の変化や、周辺休憩施設を含めた混雑状況、効果的な整備位置などを検証するものです。今後は、現在の実証実験の状況を踏まえ、試行箇所数・駐車マス数を拡大する計画です。
NEXCO東日本管内:E4 東北道 蓮田SA(上り)、上河内SA(上り)、安達太良SA(下り)、国見SA(下り)
NEXCO中日本管内:E1 東名 足柄SA(上り)
NEXCO西日本管内:E2 山陽道 福山SA(下り)、吉備SA(上り)、龍野西SA(上下)、E3 九州道 古賀SA(下り)、E2A 中国道 美東SA(下り)
図-10 短時間限定駐車マスの実証実験箇所 (上下別11カ所)
1日分のデータから利用状況を分析したところ、短時間限定駐車マスを導入後、60分以内の利用台数は68台/日増加し、延べ利用台数(回転率)は1.1台/マス増加※しました。一方で、深夜帯を中心に60分を超過する利用が一定数見られています。(図-11)わずかな台数の不適正利用により、多くのドライバーの適正な休憩環境が確保できなくなるため、短時間限定駐車マスを利用するお客さまは、休憩施設内の案内看板・路面標示にしたがって駐車いただき、駐車後60分以内にご出発いただきますようお願いします。
【参考】社会資本整備審議会 道路分科会 第63回 国土幹線道路部会
【資料2】高速道路の進化事業について より引用
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001727347.pdf
図-11 運用前後の短時間限定駐車マス整備箇所の利用状況
(調査箇所:E1 東名 足柄SA(上り)短時間限定駐車マス)
駐車エリアの課題とお願い
(1)平日の夜間における大型車の混雑
SA・PAにおいて、平日の夜間を中心に大型車駐車場の慢性的な混雑が発生しています。E1 東名 海老名SA(上り)では、18時から翌6時にかけて、大型車の駐車台数が駐車マス数を上回っています。(図-12)そのうち8時間以上の駐車車両の台数割合は全体の約1割(7%)に対し、占有率は約6割(57%)を占めており、8時間以上の長時間駐車が混雑の主な要因となっています。(図-13)他のSA・PAにおいても同様の傾向が見られ、大型車駐車マスに停められない車両が通路や普通車駐車マスなど不適切な場所に駐停車している状況が見られます。(写真-9、10)多くのお客さまにご利用いただくため、SA・PAでの長時間駐車はご遠慮いただくなど駐車場の適正なご利用をお願いいたします。
(2)車種ごとの駐車マスの利用
平日夜間は大型車の駐車台数が多く、休日昼間に普通車の駐車利用が多いなど、車種による利用時間帯のばらつき(利用ピークの違い)が見られるSA・PAにおいて、限られたスペースを有効に活用するため、普通車と大型車のどちらでもご利用になれる「兼用マス」(NEXCO中日本では「兼用マス」は青色ラインで明示、写真-11)の整備を進めていますが、本来の機能が発揮できない事例が見受けられます。
「兼用マス」のご利用にあたっては、まずは普通車、大型車それぞれの駐車マスを優先的にご利用いただき、それぞれの駐車マスが満車の場合に、「兼用マス」をご利用ください。「兼用マス」に普通車が1台駐車していると、大型車は駐車することができませんので、より多くのお客さまが駐車できるよう、普通車の縦列駐車にご協力をお願いいたします。(図-14)
また、ダブル連結トラック専用の予約駐車マスは、事前の予約で確実に駐車可能とするものですが、非予約車両の駐車や、進入路などへの不正駐車により予約車両がご利用になれない事象が発生しています。(写真-12)
上記事象への対策として、進入路にはカラー舗装による不正駐車対策を実施(写真-13)しておりますので、予約駐車マスの確実な利用が可能となるよう適正な駐車場の利用をお願いいたします。
図-14 兼用マスご利用時の注意点
別紙: |
【別紙1】2023年度の駐車マスの拡充数(実績) 【別紙2】2024年度の駐車マスの拡充数(計画) 【別紙3】ダブル連結トラック駐車マスの整備状況(※) |
※別紙3 ダブル連結トラック駐車マスの整備状況において、東北道 那須高原SA(上り)の予約駐車マス台数および実証実験開始年月日に誤りがあり、訂正しています。
(誤)東北道 那須高原SA(上) 1台(2023.3.19~)
(正)東北道 那須高原SA(上り)3台(2024.3.19~)
また、東名 牧之原SAの図中の旗揚げが漏れていたため併せて訂正しています。