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交通規制内の路上作業時における 安全対策製品「エアバッグ式安全チョッキ」の開発 ~車両との衝突により作動し、作業員の身体の損傷を軽減~

中日本高速道路株式会社
中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社

NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社は、無限電光株式会社と共同で、高速道路などでの交通規制を伴う路上作業時の作業員の安全性向上を目的とした製品「エアバッグ式安全チョッキ」(写真-1)を開発しましたので、お知らせします。

写真-1 エアバッグ式安全チョッキ(左:正面、右:背面)

開発の背景と目的

交通規制を伴う高速道路の路上作業中に、通行車両が規制区域内に誤って進入し、工事車両や作業員に衝突する事故が発生しています。
交通規制時は、お客さまに対し情報板、後尾警戒車両および交通規制標識による注意喚起に力を入れているものの、規制区域内に誤って進入する事故は完全には無くならない状況であり、路上作業時の作業員の安全確保は重要な課題です。
NEXCO中日本グループでは、「緊急遠隔しらすんだ―」などの製品を活用してこれまでも安全対策に取り組んできましたが、万が一の事故発生時には、作業員の身体の損傷軽減が必要です。
今回の製品開発は、「エアバッグ式安全チョッキ」を着用することにより、事故時の身体への衝撃を緩和し損傷を軽減させることで、路上作業時における更なる安全性の向上を目的としたものです。

本製品の概要

交通事故により受ける身体の損傷の形態は、車両との衝突により生じる衝突損傷(一次損傷)、衝突により跳ね上げられボンネットやフロントガラスへ衝突することで生じる跳ね上げ損傷(二次損傷)、その後路面などに投げ出されることによる転倒損傷(三次損傷)があります(図-1)。
本製品は、安全チョッキに取り付けたセンサが一定の閾値以上の衝撃を検知すると、回路を経由し、装備されたエアー起動装置によりエアバッグを膨張させるものです(写真-2)。
現在市販されているエアバッグ付き製品は、バイクと身体をつないでいるワイヤが事故や転倒で身体を投げ出された場合にワイヤが切れたことを検知してエアバッグが膨張するバイク用の製品や、高所作業時に誤って転落した場合に転落を検知してエアバッグが膨張する落下対策用の製品があります。
本製品では、規制区域内での作業に活用できるよう、通常作業の動作ではエアバッグは起動せず、車両と衝突した時など大きな衝撃を受けた場合に初めてエアバッグが起動するように工夫しました。
ただし、本製品は衝撃を受けなければエアバッグが膨張しないため、車両衝突による一次損傷を軽減する対策として、エアバッグが膨張しない状態でも衝撃を軽減する緩衝材(写真-3)を装備するとともに、手動操作でもエアバッグが膨張する手動起動スイッチ(写真-4)を付加しています。


 

図-1 交通事故損傷の概念図

写真-2 エアバッグ起動時(左:正面、右:背面)

写真-3 緩衝材

写真-4 手動起動スイッチ

本製品の効果

本製品により、身体に与える衝撃をどのくらい軽減できるかを評価するため、公的機関である一般財団法人日本自動車研究所(JARI)で性能評価試験を実施しました。検証方法は、人体模型に本製品を着用させて胸部に衝撃を与えた場合と着用させなかった場合とで、身体に与える影響を比較しました(図-2)。
その結果、約23㎏の衝撃子を衝突速度約24㎞/hで衝突させた場合では、エアバッグ起動時は未装着時に比べて重傷以上(AIS3+※)となる可能性が大幅に軽減されました(写真-5)。

※AIS・・・Abbreviated Injury Scale(簡易障害度スケール)の略で、事故直後の障害程度を表す尺度。
「AIS3+」は重傷以上の障害リスク。

図-2 性能評価試験(イメージ)

写真-5 性能評価試験実施結果

お問い合わせ先

・NEXCO中日本お客さまセンター (24時間365日対応)
TEL:0120-922-229 (フリーダイヤル)
TEL:052-223-0333 (フリーダイヤルがご利用になれないお客さま/通話料有料)
参考資料: NEXCO中日本グループでこれまでに開発した安全対策製品の一例

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