NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社


2013年06月27日金子社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第86回の定例会見を始めさせていただきます。

 

【金子社長】

 

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。

本日は、7つほどトピックスをご用意しています。

 

【新執行体制】

はじめに、新執行体制についてご報告します。

すでに発表済みでありますが、お手元にお配りした資料のとおり、24日におこなわれました株主総会において、2名の取締役が選任されました。また、株主総会終了後におこなわれた取締役会で、執行役員が選任され、それぞれの担当業務を決定しました。

笹子トンネル天井板落下事故を受け、「二度とこのような事故を起こしてはならない」との強い決意のもと、この新しい執行体制で、いま一度私たちの役割・原点に立ち返り、国民の皆さまの信頼を取り戻せるよう再発防止の徹底に努めてまいります。

【安全性向上の取り組み】

今月も、事業の現況をご説明する前に、安全性向上に向けた取り組み状況についてご報告します。

6月18日に、笹子トンネル天井板落下事故の原因究明と再発防止を検討するため国土交通省が設置した「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」において、報告書が公表されました。

当社としましては、中央自動車道恵那山トンネルや東名都夫良野トンネル 他4トンネルの天井板や換気ダクトの撤去あるいは二重の安全対策としての補強を順次進めるとともに、点検・補修・記録までのチェック体制強化や、点検頻度の拡充、センサーを活用した監視など、すぐに取り組める施策は直ちに実行に移してきているところです。

また、6月11日には、外部有識者からなる「安全性向上有識者委員会」を開催しました。4回目となる今回は、安全性向上3ヵ年計画の5つの大きな柱「企業文化の再構築」「構造物の経年劣化に対応した業務プロセスの見直し」「安全管理体制の確立」「体系化された安全教育を含む人材育成」「安全性向上に向けた投資計画」のそれぞれの取組み方針についてご説明いたしました。

委員の方々からは、

(1)「構造物の経年劣化や設計基準の変遷などをリスクとして捉える仕組みが必要」

(2)「部分的な補修だけでなく、全面取り替えも選択肢として検討するべき」

(3)「人材育成には、グループ間、他機関、大学等、多部門間での技術人事交流が重要である」

などのご意見をいただきました。

これまでにいただいたご意見に加え、6月18日に報告された「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」の報告書や「社会資本整備審議会道路分科会道路メンテナンス技術小委員会」・「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」の結果等を踏まえ、「安全性向上3カ年計画」を来月中を目途にとりまとめます。

また、「安全性向上3カ年計画」を確実に実行し、一人ひとりが自らの役割・責任に応じた自律的行動をとることができるよう、この秋までに抜本的な組織改革案をとりまとめ、再発防止の徹底と信頼の回復に努めてまいります。

 

先ほど、すぐに取り組んでいる項目としてご説明した恵那山トンネルは、地元や関係機関の皆さまのご協力をいただいて、6月21日より下り線の天井板撤去工事を進めています。6月25日にマスコミの皆さまに現地をご案内させていただいたところですが、7月9日までの予定で24時間体制で工事を進めています。本日現在、8,489mある天井板のうち、約4割にあたる3,300mの天井板の撤去が完了したところで、工事はおおむね予定通り順調に進んでいます。

工事期間中の交通状況ですが、1日の平均断面交通量は約2万3千台と工事前に比べ約1割減少しています。また、渋滞は、上り線が22日土曜日の午前中に約5km、下り線が23日日曜日の夕方に約11km、それぞれ発生しました。22日土曜日の19時過ぎには、恵那山トンネルの上り線を走行中の大型貨物車が、エンジントラブルにより非常駐車帯に停止、レッカー移動のため約3時間通行止めにしました。現地には24時間レッカー車が待機しており、速やかな対応をおこないましたが、高速隊との更なる迅速な連携を図ってまいります。

また、東名の都夫良野トンネル下り線の左ルートでは、天井板の撤去作業を6月30日から7月6日までの間でおこなうことを公表しました。下り線の右ルートについては、お客さまへの影響が少ない9月に実施することで、関係機関と協議を進めているところです。

あわせて、換気用の鋼製ダクトの撤去について、東名高速の日本坂トンネルが本日から7月8日まで、蒲原、興津、清見寺トンネルは7月16日から7月19日までおこないます。

都夫良野トンネルと日本坂トンネルは2ルートありますので、工事期間中でも通常どおり通行できますが、蒲原、興津、清見寺トンネルの工事期間中は、東名の富士ICから清水JCTまでが通行止めになりますので、新東名への迂回利用をお願いします。工事期間中はお客さまに大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

 

【事業の現況(2013年5月)】

5月の料金収入は、427億9千1百万円と、対前年同月比2.4%の増、また、通行台数は、日平均187万7千台と、対前年同月比3.6%の増でした。

昨年5月と比べて、ゴールデンウィークが期間を通して好天に恵まれたこと、また、圏央道の一部区間が開通した効果等もあり、収入・台数ともにプラスとなりました。

次に建設の状況です。

4月14日に圏央道 茅ヶ崎JCT~寒川北IC間が開通しましたが、同じく圏央道相模原愛川IC~高尾山IC 15㎞も、2013年度の開通を予定しています。

次にETCの利用状況です。5月の日平均利用率は90.8%でした。

 次にサービスエリアの状況です。

5月のサービスエリアの売上高は157億5千8百万円と、対前年比94.8%でした。これは、昨年4月14日に開通した新東名のネオパーサをはじめとするサービスエリア・パーキングエリアを非常に多くのお客さまにご利用いただきましたが、一年が経過したことによって落ち着いてきたことによるものと考えています。

 

【速旅 まるごと富士山ドライブプラン】

6月22日に富士山が世界文化遺産に登録されました。これを記念して、当社は山梨・静岡の両県と連携し、富士山周辺の高速道路が定額で乗り放題となる『速旅 まるごと富士山ドライブプラン』を発売します。

お手元にお配りしたチラシをご覧下さい。この商品は、富士山を間近で感じる「富士山周遊コース」、富士山の眺望が楽しめる「ワイド富士山周遊コース」、富士山だけでなく山梨県・静岡県全域が味わえる「まるごと富士山周遊コース」をご用意しました。本日15時よりNEXCO中日本公式WEBサイトで申込の受付を開始し、7月20日からご利用いただけます。ご利用予定日の前日までにお申し込み下さい。この機会に、富士山世界遺産や観光施設を巡る高速道路の旅をお楽しみください。

 

【D-LIVE(ドライブ)プロジェクト】

「ドライブ プロジェクト」は、当社とアパレル企業の株式会社ベイクルーズおよび俳優・伊勢谷友介氏が代表を務める株式会社リバースプロジェクトの3社のコラボ―レーションで、人々の移動を支えている車や道路の廃材を再利用して、ドライブに連れていけるものに蘇らせるという商品開発プロジェクトです。

第一弾は、お客さまへの告知や啓発などの役目を終えた「横断幕」と、幸いにも使用されずに廃棄される車の「エアバッグ」を素材として活用し、「移動」をテーマに、ピクニックや旅行などの移動シーンで活躍するピクニックバッグなどの、機能的でスタイリッシュなアイテムを開発しました。

この会場にサンプルを置いていますので、ぜひ手にとってご覧いただきたいと思います。

この商品は、NEXCO中日本オンラインモールとリバースプロジェクトオンラインショップでのインターネット販売に加え、5箇所のサービスエリア及びベイクルーズが展開する店舗でも販売します。なお、販売箇所は順次拡大する予定です。

今後も、「ドライブ プロジェクト」で、廃棄される素材を活用したさまざまな商品開発を進めていきます。

 

【高速道路の維持管理用の電気自動車(EV)の開発】

当社は、維持管理用のEVを高速道路で使用することで、持続可能な低炭素社会の実現に貢献できると考えており、昨年11月に維持管理用車両のEV化とワイヤレス給電システムの共同研究について公表させていただきました。今回、日本で初めて高速道路維持管理用のEVが完成し、テストコースでの走行試験に入ることとなりましたのでお知らせします。

今回開発した車両は、高速道路上で工事規制をする際、お客さまに規制箇所をお知らせしたり、注意喚起するために使用する標識車です。この標識車の走行試験をテストコースで約2ヶ月行ったあと、秋から実際の高速道路上での作業に使用し、評価検証をおこなってまいります。また、この車両は、磁界共鳴方式の給電装置を搭載しており、ワイヤレスで充電が可能となっています。

このEV自走式標識車を、7月1日11時から富士保全・サービスセンターで、マスコミの皆さまに公開させていただきます。当日は、この車両のデモ走行やワイヤレス給電のデモをお見せする予定です。事前のお申し込みは必要ありませんので、ぜひご取材いただきたいと思います。

 

【環境に配慮した取り組み】

当社では、「地域連携の強化、地域社会・経済への貢献」を推進するため、2007年5月から地域の皆さまと高速道路ののり面などを樹木や草花で緑化する「ハイウェイ緑の里プロジェクト」に取り組み、今年で7年目を迎えました。

取り組みを始めてから42箇所で活動をおこないました。これまで、約2,800本の植樹をおこない、延べ4,900人の地域の方々にご参加・ご協力をいただいています。

具体的な活動の一例をご紹介します。

安房峠道路の平湯料金所周辺では、昨年から地域性苗木を活用した樹林の整備に、町内会の子どもたちといっしょに取組んでいます。

当社が地域の森から種を採取して育成した苗木を、町内会の子どもたちが植樹します。その後は手入れをおこなうなど、町内会といっしょに森を育てる活動をおこなっています。

今年で2回目となる植樹を、この6月30日に予定しています。

今後も引き続き、活動にご参加・ご協力いただける皆さまを募集し、地域連携の強化と地域社会・経済への貢献に取り組んでまいりたいと考えています。

 

以上が、本日ご用意したトピックスになります。

 

 

【司会】 

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けしたいと思います。

 

【記者】

新執行体制ですが、取締役2人と笹子トンネルを管内にもつ八王子支社長が退任されていますが、この3人が交代することについて、会社としてどのように考えているか改めて教えて下さい。

 

【金子社長】

笹子トンネル天井板落下事故を受け、「二度とこのような事故を起こしてはならない」という社員一同強い決意のもと、再発防止策となる「安全性向上3カ年計画」を7月中を目途にとりまとめ、確実に実行していきたいと考えています。内容については先ほど申し上げましたが、組織についても抜本的な改革を進め、見直しをしています。そのような中、取締役2人と執行役員1人の計3人から退任の申し出があり、新しい陣容で再発防止策を実行し安全が最優先となる会社にしていこうと決めたものです。

 

【記者】

退任された3人の行き先は?

 

【金子社長】

未定です。

 

【記者】

金子社長ご自身の立場についての考え方を改めて教えて下さい。

 

【金子社長】

笹子トンネル天井板落下事故発生に関して、ご遺族の方および被害に遭われた方々への誠意ある対応をすることが第一で、次に安全性向上3カ年計画の策定と確実な実行といった責任を果たすため、引き続き私は現職に留まり責任を全うしていきます。

 

【記者】

新執行体制を決めるにあたり、国土交通省の太田大臣から話がありましたか?

 

【社長】

当社の組織や執行体制について、太田大臣から直接お話はありませんでした。ただし、後任については、最適な人材を充てることで国土交通省と調整してきました。

 

【記者】

退任された3人は安全管理に深く関わってきた方ですが、会社として新しい3人を選んだ理由を教えて下さい。

 

【金子社長】

これまでの本人の経歴、技術、能力、知見等、社内社外を問わず最適な人材を選びました。保全・サービス事業本部長は、これまでに2支社の支社長を経験しています。また、保全に関する技術力も持っており、最適な人材と思っています。総務本部長や八王子支社長についても、本人の能力、経歴などを加味して選任しました。

 

【記者】

退任した3人は責任を取る形で辞めたという考えもありますが、会社として安全に関する責任についてはどのように考えていますか?

 

【金子社長】

事故の責任については、現在、捜査機関が捜査中ですので、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。当社は、再発防止策を徹底することが最優先と考えており、安全性向上3カ年計画を7月を目途に策定中です。そのような中、3人から退任したいという申し出がありましたので、新しい執行体制で課題を解決していこうと考えました。

 

【記者】

秋までに組織改革案をまとめるという話でしたが、どのような観点で新しい組織にしていこうと考えていますか?

 

【金子社長】

当社はかなり大きな組織です。本社、4つの支社、24の保全・サービスセンター、13の工事事務所があります。子会社は21社あります。それぞれがそれぞれの役割を持っていますが、JH時代から長年業務をしている中で無駄があったり、本来の組織の権限や役割が長い間に少しづつ不明確になって、仕事でなく人が中心になっているところがあります。具体的なことはまだ決まっていませんが、組織の根本的なところに手を入れたいと考えています。

 

【記者】

速旅のまるごと富士山ドライブプランについて、狙いと期待を教えて下さい。

 

【金子社長】

当社のビジョンにもありますが、当社は高速道路の建設・管理・運営だけでなく、地域の活性化や発展に貢献したいと考えています。当社の高速道路は、地方と都市を結んでいます。単なる線の開発ではなく、高速道路を中心に面としての地域の活性化ができればと思っており、それが当社のこれからの役割と考えています。そのような中、富士山が世界文化遺産に登録されたという非常にうれしいニュースが飛びこんできました。富士山は、当社が管轄しているエリアにあり、静岡県・山梨県の両県に多くの貢献ができると考えています。あわせて高速道路をご利用いただくお客さまが増えれば、当社のビジネスにもプラスになると考えています。

 

【記者】

富士山の世界文化遺産登録に伴い、御社の業績や決算に影響があるとお考えですか?

 

【金子社長】

決算に良い影響が出るくらい交通量が増えればと期待はしています。ただ、誘発の交通量については試算していません。

 

【記者】

関連事業の方にも良い影響があると考えていますか?

 

【金子社長】

はい。

 

【記者】

「ドライブプロジェクト」について、先月横断幕を再利用した新しいブランド「ニュー」を立ち上げ、今回は3社合同で違うブランドを立ち上げられますが、意図や利点があれば教えて下さい。

 

【金子社長】

どちらも当社が事業活動を通じて取り組んでいる資源の3Rの一環で、廃材として処理していたものをもう一度再利用するものです。先月紹介した「ニュー」は当社独自のブランドです。「ドライブプロジェクト」は3社のコラボレーションで、若者をターゲットにして、今回新たなブランドネームで展開することとしました。

今回は5種類の商品を発表しましたが、秋には5~10種類ぐらいの新たな商品を発表します。今回はそれぞれ100個ずつ合計500個製作しましたが、元にしたのが横断幕およそ50枚とエアバッグおよそ1500枚です。こういったものを廃材にすることなく、もう一度再利用しようというのが企画の意図です。

 

【記者】

高速道路維持管理用の電気自動車ですが、中央道などで電気自動車の充電システムが普及しています。今後の電気自動車の普及についてどのような見通しをお持ちでしょうか?

 

【金子社長】

将来的には電気自動車がより一層普及すると思っています。低炭素社会の実現に貢献するために、当社も電気自動車を広く普及させ、道路上にその施設を作っていく必要があると考えています。

 

【記者】

維持管理用電気自動車はワイヤレス給電をおこなうということですが、こういったものが今後高速道路で普及していく可能性について教えて下さい。

 

【金子社長】

電気自動車の今後の普及を考えると、電気自動車とその給電システムに関わるノウハウが欠かせないと考えており、大学・機械メーカー・電機メーカー・自動車メーカーなどと共同で開発しているところです。電気自動車は充電方法と充電容量に難点がありますので、例えば高速道路を走行中に非接触で充電ができるようになればと考えています。そのためのスタートとして、電気自動車とその給電システムに関わるノウハウの蓄積が欠かせないと考えています。

 

【記者】

御社は、サービスエリアやパーキングエリアに電気自動車用急速充電システムを設置していますが、国、自治体や実際に利用されている方々から増設の要望などはあるのでしょうか?

 

【金子社長】

当社は、東名・新東名の全てのサービスエリアに接触型の充電システムを設置しており、東京から名古屋まで電気自動車で行くことができます。要望はいただいていますが、今後の課題はそれなりの投資が必要ということです。高速道路は山間部を走っているところが多く、電気を引き込むためにかなりの初期投資がかかります。国、自治体、電気自動車メーカーなどとも話をしていきたいと思っています。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例記者会見を終了いたします。