NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2013年05月22日金子社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第85回の定例会見を始めさせていただきます。

 

【金子社長】

 

お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。

本日は、5つほどトピックスをご用意しています。

 

 【安全性向上に向けた取り組み】

安全性向上に向けた取り組み状況についてご報告します。

先月の定例会見で、安全性向上に向けた取り組み状況をお話しさせていただきましたが、その後の状況についてご説明します。

2月1日に「安全性向上に向けた取組み」を公表しましたが、この中で示した(1)「企業文化の再構築」、(2)「構造物の経年劣化に対応した業務プロセスの見直し」、(3)「安全管理体制の確立」、および(4)「体系化された安全教育を含む人材育成」の4つの項目を具体化する「安全性向上3カ年計画」を策定することとしています。

これは、安全管理部が中心となって、社内に設けた7つのワーキンググループで具体的な施策を検討しており、本計画をより実効性があるものとするため、外部有識者からなる「安全性向上有識者委員会」のご意見をいただきながら策定をしているところです。

 

この「安全性向上有識者委員会」の第3回目の会合を5月13日に開催しました。

2月24日に開催した1回目の委員会では、「会社の概要」「笹子トンネル天井板落下事故の概要」「維持管理業務のプロセス」等についてご説明し、「安全最優先の抜本的な企業改革とするべき」などのご意見をいただきました。

3月26日に開催した2回目の委員会では、「企業風土・文化」「業務プロセス」等について現状をご説明し、「会社のトップが“安全”について発信し続けることが重要」などのご意見をいただいたところです。

3回目となる今回は、「業務プロセス」、「安全管理体制」、「人材育成」および「安全投資」の現状をご説明し、「自己啓発に積極的に取り組める資格制度を検討するとともに、技能資格などの資格取得者を増やすことが重要」などのご意見をいただきました。

これまでいただいたご意見に加え、事故の原因究明について審議を進めている、国土交通省が設置した「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」、基準類のあり方について調査・検討している「社会資本整備審議会道路分科会道路メンテナンス技術小委員会」およびNEXCO3社で設置し長期保全のあり方を議論している「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」での結果等を踏まえ、できるだけ早く「安全性向上3カ年計画」を策定したいと思っています。

この「安全性向上3カ年計画」は現在鋭意策定中でありますが、直ちに取り組む施策として、先月の会見でもご説明しましたが、中央道・恵那山トンネルの天井板撤去、フェールセーフ機能の設置や科学的な点検方法の検討などに取り組んでいます。

 

また、今月はじめた新たな取り組みですが、構造物の潜在的リスクへの対応として、構造物、道路附属物などにおける設計上の考え方の再確認、施工方法や経年劣化を考慮した点検や補修を検討するために、5月1日に社内の技術士などの資格をもつ専門技術者約30名によるチームを編成し、現地調査をはじめています。具体的には、構造物が変状していても表面に見えていないものや点検が困難で変状の有無が確認しづらいものなどを重点的に調査を行っているところです。

 

また、中央道恵那山トンネル下り線の天井板については、6月20日より撤去作業をはじめることを先日公表しました。お客さまに安心してご利用いただけるよう、さまざまな安全対策を実施します。

お手元にお配りした資料をご覧ください。

2ページ目に工事の手順を記載しています。ステップ1が現況です。この状態のままで、上下線をつなぐための渡り線を設置します。ステップ2では、6月20日午後6時から中津川IC~飯田山本IC間の上り線を12時間通行止めし、対面通行にするために、中央分離帯を設置する工事などを行います。この通行止めが解除される6月21日午前6時から、上り線のトンネルを使った上下線対面通行でご利用いただきます。下り線のトンネルは、7月9日までの19日間、24時間体制で天井板の撤去工事を行います。これがステップ3です。ステップ4では、撤去工事が終わった下り線を、7月9日午後1時にもとどおりの2車線で開通します。上り線は、対面通行から2車線運用に戻すための工事をおこなうために、再度通行止めをさせていただき、17時間後の7月10日午前6時には、ステップ5のように、これまでと同様、上下線4車線に戻る予定です。

3ページ目は天井板の撤去手順です。まず、長さ60mの大型自走式台車をトンネル内に入れ、天井板を撤去する位置で受け台を上げて、天井板を支えます。その状態で、トンネルと天井板、トンネルと隔壁板の接続箇所を取り外し、隔壁板を天井板の上に倒します。最後に、大型自走式台車の受け台を下げて、トンネルの外に運び出します。両側の坑口から作業を進め、1日に約600mの天井板撤去を目標に進めます。

4ページ目以降は、工事中の安全対策です。

まず迂回路となる一般道では、通学路や事故多発箇所において、立て看板による注意喚起をおこないます。具体的な設置場所は、道路管理者と協議し決定します。

トンネル延長約8kmにわたり対面通行となる恵那山トンネル上り線では、十分な安全対策を実施します。

4ページをご覧下さい。上り線用にすでに設置されている情報板・信号機・速度規制標識を、対面通行となる上り線のトンネルに下り線用として新たに設置します。

次に、5ページをご覧下さい。(1)安全に走行いただけるよう、集中工事などでも実績のあるペースカーにより先導します。また、(2)トンネルの両側の坑口に、故障車などを速やかに運び出すためのレッカー車を配備します。そして、(3)緊急時の体制強化として12カ所すべての避難連絡坑に誘導員を配置します。

次に6ページをご覧下さい。天井板撤去工事中も、下り線のトンネルに緊急車両が通れる通行帯を確保します。上り線の対面通行運用中にトンネル内に車が滞留して緊急車両が入れない時は、この通行帯と緊急車両連絡坑を使って、すばやく現場に到着できるようにします。

お客さまには、お手元にお配りしたリーフレット、ラジオCM、ポスター、横断幕などにより、工事規制期間などの情報を事前にお知らせします。また、工事期間中の渋滞状況など、お出かけ前や通行中に知りたい情報についても、ハイウェイテレホンや当社の公式WEBサイトでご提供します。

なお、工事期間中は、週末のごく一部の時間帯で若干渋滞が生じ、通常より時間がかかることが予想されますので、事前に交通情報をご確認いただき、時間に余裕を持ってお出かけください。

工事期間中は大変ご迷惑をおかけしますが、皆さまのご理解とご協力をお願いします。

 

【東名阪・名二環リフレッシュ工事】

5月13日から5月25日までの予定で、名神および中央道で集中工事を実施させていただいていますが、来週の5月27日からは、東名阪・名二環リフレッシュ工事がスタートします。

東名阪・名二環はネットワーク機能向上に伴い交通量が増加するとともに、開通後40年以上経過している区間もあります。今回のリフレッシュ工事の主な内容は、舗装面を平坦にしたりひび割れを補修する「舗装工事」、橋の耐久性向上を目的とした「床版防水工事」、高速道路に設置しているさまざまな設備・機器の点検、補修です。また、インターチェンジやジャンクションのランプの閉鎖もありますので、ご注意ください。

リフレッシュ工事期間中は、渋滞の発生や混雑により大変ご迷惑をおかけしますが、短期間に集中して工事をおこなうことで、年間の工事回数や工事渋滞回数を大幅に削減できる効果があります。

工事の詳しい内容につきましては、お手元に資料とリーフレットをお配りしていますので、ご確認いただきたいと思います。

皆さまのご理解とご協力をお願いします。

 

【事業の現況】

4月の料金収入は、407億6百万円と、対前年同月比0.7%の増、また、通行台数は、日平均184万9千台と、対前年同月比1.6%の増でした。昨年4月と比べ比較的好天に恵まれたこともありますが、圏央道の一部区間が開通した効果等もあり、収入・台数ともにプラスとなりました。

 

次に建設の状況です。

4月14日に圏央道 茅ヶ崎JCT~寒川北IC間は開通しましたが、2013年度は、圏央道 相模原愛川IC~高尾山IC 15㎞ の開通も予定しています。

 

次にETCの利用状況です。4月の日平均利用率は90.9%でした。

 

次にサービスエリアの状況です。

4月のサービスエリアの売上高は141億4千百万円と、対前年同月比98.2%でした。これは、昨年4月14日に開通した新東名のネオパーサをはじめとするサービスエリア・パーキングエリアを非常に多くのお客さまにご利用いただきましたが、一年が経過したことによって落ち着いてきたことによるものと考えています。

 

【N DRIVE(エヌ ドライブ)】

忙しい日常だからこそ、あえて手間や時間のかかる「ていねい」をキーワードに、当社が発行するフリーペーパー「N DRIVE」の第3号「するがのひかり」を4月26日に発行しました。

「N DRIVE」の第1号から今回発行した第3号までは、静岡県や静岡県観光協会など地域の皆さまと連携し、ご協力いただきながら、新東名の開通で観光スポットへのアクセスがより便利になった静岡県を、ていねいにご紹介してきました。

第3号の「するがのひかり」は、日本一深い駿河湾で深海に挑む深海魚漁師や春と秋に駿河湾を彩る「海の宝石」桜えび、昔ながらの製法で作られる塩など、駿河湾とその周辺のヒト、モノ、コトを取材し、こだわりや深い想い、あるいは隠れたスポットなど、静岡の新たな魅力の発見と感動をお伝えしています。また、記事とともに、その場にある躍動感や静寂、清涼感などを感じていただけるように、写真にもこだわって作成しました。

この「N DRIVE」は、新東名高速道路のNEOPASA(ネオパーサ)など当社管内の主要サービスエリア37カ所で無料で配布しています。

静岡県の魅力が詰まった「N DRIVE」を手に、高速道路を使った自由なドライブ旅をお楽しみください。

 

【新しいオリジナルグッズの新ブランド「N+U(ニュー)」】

当社が推進している資源の3Rの一環として、高速道路事業により発生する廃材をリサイクルして商品にする「N+U(ニュー)」ブランドを立ち上げます。

今回、その第1弾として、お客さまへの工事や通行止めの案内、交通マナー啓発を目的に高速道路上に設置し、使用済みとなった横断幕を有効活用したメッセンジャーバッグを開発しました。

このメッセンジャーバッグは、横断幕が持つ日差しや汚れに強いという素材の特徴を活かしつつ、横断幕に描かれた図柄や文字自体をデザインとしたものです。また、タブレット端末やノート、ペットボトルなどが入る使い勝手の良いサイズで、しっかりとした厚手の生地のカラフルなショルダーベルトがデザインのアクセントとなっており、いつものお出かけをより一層楽しくしてくれる商品となっています。

このバッグは、NEXCO中日本オンラインモールに加え、4箇所のサービスエリアでも販売します。なお、販売箇所は順次拡大したいと考えており、お取り扱いいただける販売店を募集しております。

この会場にサンプルのバックを置いていますので、ぜひ手にとってご覧いただきたいと思います。

今後も「N+U(ニュー)」ブランドを使って、リサイクル素材を活用した、多くの方に喜んでいただける当社らしい商品開発を進めていきます。

 

以上が、本日ご用意したトピックスになります。

 

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けしたいと思います。

 

【記者】

恵那山トンネルの天井板の撤去方法は、笹子トンネルの方法と同じですか?

 

【金子社長】

同じ工法です。

 

【記者】

「N DRIVE」は、今後何号まで発行するのですか?

 

【金子社長】

今後の発行予定は未定ですが、次号は世界文化遺産への登録を勧告された富士山を特集する予定です。

 

【記者】

オリジナルグッズの新ブランド「N+U(ニュー)」の第1弾としてメッセンジャーバックを作られましたが、今後はどのような商品を作る予定ですか?

 

【社員】

第2弾は、このバックとは違ったタイプのバックを企画しています。新しい商品を開発しましたら改めてご紹介させていただきます。それ以降は未定です。

 

【記者】

高速道路で使われた横断幕をリサイクルすることは、企業にとってどのような意義があると考えているかお聞かせください。

 

【金子社長】

当社は資源の3Rに積極的に取り組んでおり、再生できるものについてはできる限りリサイクルをしていくことが大切だと考えています。横断幕は、繰り返し使用できるように工夫しているものもありますが、役目が終わったものについては廃棄処分になり、費用もかかります。環境への配慮と経済性から、リサイクルしていこうという考えです。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例記者会見を終了いたします。