NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2011年11月24日金子会長兼社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第73回の定例記者会見を始めさせていただきます。

 

【金子会長兼社長】

 

お忙しいところ、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

はじめは、10月の事業の現況です。

10月の料金収入は、416億5千2百万円と、対前年同月比12.8%増でした。

内訳は、高速が377億8千7百万円、10.1%増、一般有料道路は38億6千5百万円、48.1%増となっています。

一方、10月の通行台数は、日平均185万3千台と、対前年同月比4.7%減でした。

内訳は、高速が日平均147万台、1.2%増、一般有料道路は38万3千台、22.0%減です。

料金収入が前年同月と比べプラス、通行台数がマイナスとなった理由は、無料化社会実験の凍結や、休日特別割引の地方部上限1000円の終了によるものです。

なお、今月のETC割引額は282億円で、前年同月の306億円に比べ、7.7%割引額が減少しています。

割引率としては、約40.4%となります。

次に建設の状況です。

新東名の御殿場JCTから三ケ日JCT間(162km)については、現在、舗装工事や施設工事を鋭意進めるとともに、新たに変状が確認された3箇所の地すべりについて、この年末を目途に対策工事を完了すべく工事進捗を図っているところであり、10月末時点で約70%の進捗に達しております。

次にETCの利用状況です。

直近の11月4日~11月10日は、前月の10月7日~10月13日と比較して、日平均利用台数は2.3%減少しましたが、日平均利用率は87.8%から88.3%と0.5%増となっています。

平日、土日休日別に見ると、平日平均利用率は88.1%から88.5%と0.4%増、土日休日平均利用率は87.5%から87.8%と0.3%増となっています。

10月末の車載器取付け累計台数は、9月末と比較して0.8%増、台数にして29万台増加し、約3,599万台です。

次にサービスエリアの状況です。

10月のサービスエリアの売上高は134億6千7百万円と、対前年比101.0%でした。そのような中で道路別に見ると、長野道が108.9%、名神高速が108.1%と好調でした。

長野道は、NHKの連続テレビ小説「おひさま」の舞台が長野県ということもあり、多くの観光客があったためと考えています。

名神高速は、EXPASA(エクスパーサ)多賀の好調が持続していると考えています。

売上を部門別に分けると、「飲食・物販部門」は、対前年比99.0%で1億3百万円減でした。

「飲食・物販部門」の更なる内訳は、「飲食部門」が対前年比94.5%で1億9千7百万円減、「物販部門」が対前年比101.4%で9千3百万円増となっております。

続いて、「サービス部門(レストイン、風呂)」では、対前年比143.2%で1千万円増でした。

最後に「GS部門」では、給油数量が対前年比99.4%と昨年度をわずかに下回りましたが、単価差がプラス13円あることから、売上高は対前年比107.5%で2億3千2百万円増となっています。

 

次のトピックです。

10月21日より暫定3車線運用を開始しました、東名高速道路音羽蒲郡(おとわがまごおり)ICから豊田JCT間の状況です。

11月20日までの1ヶ月間の交通状況を、お手元の資料にご用意しております。運用開始前と比較をすると、交通量はほぼ同水準だったのに対し、渋滞規模(渋滞量)は約99%減、事故は約46%減、の効果を確認しております。

なお、本区間では、3車線運用にあわせて各種安全対策も実施し、交通事故の減少傾向も見られますが、車線幅員が狭く、規制速度が時速60㎞になっておりますので、規制速度を守り、安全に走行していただけますよう、お願いします。

また、NEXCO中日本管内では、10月以降、高速道路での交通死亡事故が急増しています。10月には東名高速道路の路肩でパンク修理中のお客さまに後続の車両が突っ込み、数名の方が同時に亡くなるという非常に痛ましい事故もありました。路肩停止時には、お客さまご自身で修理を行う前にガードレールの外側などの安全な場所に避難し、後続の車両に情報をお知らせするため、まずは非常電話や携帯電話の「道路緊急ダイヤル#9910」で当社の道路管制センターまで通報をお願いします。

当社では交通死亡事故削減に向けて、引き続きお客さまへの交通安全啓発活動を行うとともに、各種交通安全対策の継続的な展開や、舗装補修・路面表示補修など、交通安全対策を推進してまいりますが、これから年末年始も迎えることもあり、お客さまにおかれましても、安全に走行していただけますようお願いします。

 

次は、弊社の元社員が所得税法違反容疑により起訴された事案です。

11月15日の緊急記者会見で、調査委員会から皆さまにご報告させていただきましたとおり、元社員による所得税法違反事案の事実関係の調査結果の答申を受けました。引き続き委員会では、詐欺に関する調査とあわせて、再発防止策を議論していただくこととしています。

再発防止策については、社員のコンプライアンスやチェックシステムのプロセスに問題があったと考えており、(1)全社的なコンプライアンスの徹底、組織のガバナンスの強化、(2)用地補償事務の適正化、承認権限の見直し、(3)人事のあり方の見直し、などを柱に策定していく必要があります。なお、再発防止策および関係者の処分は、全ての事案の全容が明らかになった時点で公表したいと考えています。

一方、昨年12月の査察以降、早急に実施すべき再発防止策として、(1)コンプライアンス弁護士ホットラインの追加、(2)用地交渉の基本的事項や社内規定順守の再徹底、(3)在職年数が一定の期間を超えた社員についての業務実施状況の調査 などはすでに実施しているところです。

当社としましては、このような事態を厳粛に受け止め、厳正かつ適正に対処し、グループ会社一丸となって早期の信頼回復に努めてまいります。

 

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けしたいと思います。

 

【記者】 

全容が解明されてから社員の処分をするということですが、金子社長ご自身の処分も考えているのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

厳正な処分をすべきと考えています。

 

【記者】

山田容疑者本人は懲戒免職になりましたが、処分については、当時の上司など、どの程度の社員まで考えているのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

処分内容や人数、範囲についてはまだ申し上げる時期ではないと思いますが、こういったことが起きたことについては厳粛に受け止めております。そのため、厳正・適正な処分及び再発防止策が必要と考えています。

 

【記者】

すべての事案の全容が明らかになった時点で発表ということですが、全容が明らかになるというのは、詐欺事案が起訴された時になるのか、それとも裁判が終わった時になるのか、およその目途を教えてください。

 

【金子会長兼社長】

裁判の見通しは分かりません。ただ、年単位で処分を待つということは常識的にあり得ないと思っています。当社も告訴をして、社内の調査委員会や検察が調査しております。処分の時期は、調査委員会で調べた範囲や検察の調査次第になるのではないかと思っています。いずれにせよ処分の時期は常識の範囲内になるだろうと思います。

 

【記者】

今のところ、どのあたりの肩書の方まで検察庁に呼ばれて事情を聞かれているのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

当時職場で一緒に仕事をしていた社員や上司などではないでしょうか。また、一般的に用地業務はどのように進められるのかなど、業務の手順の説明もしています。

 

【記者】

詐欺の件ですが、社内調査で分かったのか、検察庁の調査で分かったのかどちらでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

社内調査では詳しくはわかりませんでした。

 

【記者】

全容解明は処分の時期や裁判で判決が出た時など目途はありますか?判決が出たらとりあえずは全容解明されたという理解でしょうか?

 

【金子会長兼社長】

判決がどのくらいかかるかもわかりませんし、分からないものをずっと待っていて何もしないというわけにはいきません。このようなことが起きる温床や風土があったということ、コンプライアンスやガバナンスに問題があったことは間違いありません。私としては早く洗いざらい出して、このようなことが二度と起きないように、「新生NEXCO中日本」を早く立ち上げたいと思っています。時期についてはいつとは言えませんが、早く適正化をしていきたいと考えています。

 

【記者】

人事のあり方の見直しということもお話しされましたが、例えば、社長が今考えられている内容があれば教えてください。

 

【金子会長兼社長】

外部の関係者と接触する部署があります。例えば、契約や用地の交渉などです。今回のように、このような部署に長くいること自体が、外部の方との接触から何かが起こる可能性として多分にあります。特にこのような部署については、どれくらいの期間その仕事をしているかを調査し、定期的に部署を変えるなどのルール化を考えています。一概には言えませんが、2年経ったら異動するとか3年経ったら異動するとかなどです。それも含めて調査委員会の再発防止策の中で、特に人事異動についても検討していただこうとしているところです。

 

【記者】

詐欺の件でNEXCO中日本が山田容疑者を告訴していますが、その後の社内調査委員会などで、告訴した以外に新たな事実が判明し、今後新たに告訴をする予定はあるでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

仮に、会社が損害を受けた事案があれば、告訴することもあり得るだろうと思います。

 

【記者】

現在、把握されているものはありますか?

 

【金子会長兼社長】

ありません。

 

【記者】

今回の件は、用地交渉を巡る取引で起きたと思うのですが、こういった事案は他の高速道路会社でもあり得るのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

他の高速道路会社が用地交渉をどのように実施しているかはわかりません。推測ですが、補償金額を出す基準や交渉の仕方などは同じやり方をしているのではないかと思います。

 

【記者】

同様の問題が起きる可能性もあるのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

可能性としては無くは無いでしょうが、コンプライアンスをいかに徹底しているかどうかによりますので、一概に他の高速道路会社にも可能性があるとは申し上げられません。

 

【記者】

処分の目途ですが、来年までとか、最低限このくらいの時期までには出しておくべきだとか、社長として何か考えているのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

先ほど申し上げたように、「年内」「来年の1月や2月」というような時期は申し上げれらません。中途半端なことでの処分はもちろんできませんし、だからといって何年も待つこともありません。私の思いは、早くキッチリとして、「新生NEXCO中日本」として出発したいという気持ちです。

 

【記者】

金子社長が特捜部に呼ばれたり要請を受けていることはあるのでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

ありません。

 

【記者】

調査委員会ですが、一旦中間報告をまとめられましたが、最終報告をいつまとめるかなど今後の予定について教えてください。

 

【金子会長兼社長】

第4回の調査委員会の報告を発表しましたが、引き続き調査委員会は継続しております。詐欺事案については、これまで調査委員会で調査できていなかったので、そのあたりを中心に調べていいただこうと思っています。内容につきましては、時期を見て皆さんにお話しすることができると思います。

 

【記者】

厳正な処分とは社長ご自身も対象として入っているという理解でよろしいでしょうか?

 

【金子会長兼社長】

すべての社員、役員が対象です。

 

【記者】

東名高速道路の音羽蒲郡IC~豊田JCTの暫定3車線についてですが、3車線化は東名阪自動車道の四日市のところも考えていると思いますが、進捗状況や実施時期などありましたら教えてください。

 

【金子会長兼社長】

三重県とは協議を継続しております。今回、音羽蒲郡IC~豊田JCT間の効果が出たばかりですので、この結果をもとに三重県と協議を進めていきたいと思います。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例記者会見を終了いたします。