NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2007年12月19日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(司会)

では定例会見を始めさせていただきます。


(会長)

NEXCO中日本代表取締役会長CEO・矢野弘典

どうもみなさんこんにちは。
本日もいくつか案件がありますので、順番に説明します。
最初に事業の現況ですが、11月の料金収入は対前年同月比マイナス0.2%です。内訳は、高速でマイナス0.9%、一般有料はプラス6.9%です。高速はETCの普及に伴う割引額の増加で減収となっています。一般有料は圏央道の開通効果により増収となりました。
通行台数は日平均1,760千台で、プラス3.5%となっています。高速がプラス3.1%、一般有料がプラス5.1%です。
ETC割引額は149億円で、ETC割引がなかった場合の料金収入は660億円となるので、今月のETC割引率は22.5%です。先月とほぼ同じ率です。

建設の状況は、ご案内のとおり、新名神が2月23日に開通します。建設事業と保全・サービス事業のトピックスについては、後ほど、ご説明します。

主な工種の工事契約落札率ですが、11月の主な工種の契約は16件あり、平均落札率は88.25%、年度累計で85.81%となっています。

次にETCの状況です。日平均の利用率が速報値ですが、当月は72.7%、前年同月が66.5%で約6ポイントほど増えています。ある1週間を区切って抽出しますと、12月7日から13日までですと、73.8%です。平日が75.8%、休日が68.0%となっていて、いずれも前月よりも1%ほど増えています。車載器取り付け台数は1,755万台となっています。

SAの売上は、対前年同月比でプラス5.2%です。内訳は、飲食部門がプラス1.1%、物販部門がプラス0.5%、サービス部門がプラスマイナス0%、ガソリン部門がプラス19.7%です。ガソリンの値上がりがあったのですが、ご承知のように高速道路のガソリン価格は1週間遅れで一般の値段にあせていますので、その1週間の遅れが大きく響いたのだと思います。1週間経ちますと、一般の値段に追いつくということです。以上が事業の現況です。

次にトピックスです。 最初に第2回新東名夢ロード懇談会の開催について報告します。先月12月10日に現場見学会と懇談会をやりまして、当日会場にお見えになっていた記者の方には、終了後、簡単なブリーフィングをさせていただきましたが、ちょうどよい機会ですので、当日の状況をご説明させていただきます。
資料をご覧ください。委員構成、懇談会の主旨はここに書いてあるとおりです。主旨は以前ご説明済みですが、「世界をリードする高速道路システム」を構築したいということで、夢ロード懇談会を開催しています。4ページ目に今後の予定がありますが、3月には新東名における各種サービスの導入基本戦略を決めたいと考えています。
第2回懇談会の主な審議内容として、一般利用者へのアンケートをとった結果が報告されていまして、トラックが多くて危険だとか渋滞の問題が指摘されています。物流事業者からのヒアリングでは物流コストが指摘されています。
いろいろと先生方からご意見がありました。世代間のニーズの違いがあるという点も注目して対処していくべきであるとか、情報提供を積極的に行っていく必要がある、ガソリンの値段の将来を考えても電気に移行していくのではないかといったことがありました。また、やはり輸送コストが高すぎる、ドライバー不足が深刻である、インフラとユーザーと自動車は三者一体であるという考え方で先々のプランを考えるべきである、トラック専用レーンという考え方もあるが、定時専用レーンという考え方もあるのではないか、貨物車と一般車の分離をしていく事とか、地域の活性化につながるような議論をするべきであるという意見や、今後、外国からの観光客が増加する「Visit Japan」で1千万人という目標がありますが、それを超えて増えていくということが十分考えられるので、それの対応が必要なのではないかという意見がありました。
次に一般利用者のアンケートに現れた特徴的なデータをここに書いていますが、現東名の課題はトラックが多くて危険とか、その他渋滞の問題などが指摘されています。したがって新東名への期待は渋滞がなくスムーズな高速道路である、トラックと乗用車が混在しない道路であるなど、いろいろと希望が書いてあります。
こういった意見を集約すると、8ページ真ん中に書いてあるように、いろいろなサービスの検討を続けていく必要があると思っています。
専門の物流事業者について言いますと、やはり費用の高騰、具体的に言いますと人件費の問題が指摘されていて、この日本地図にありますように、東京、名古屋、大阪を結ぶラインは、誠に貨物利用者が圧倒的に多いところでして、ここへの期待というのがいかに大きいかということが分かります。
10ページに、こういういろいろな要望に対し、真ん中の四角に囲ってあるように各種のサービスが検討項目として存在すると考えているわけです。今後は11ページにあるような、これは、まだイメージの段階ですが、より具体化したものを3月に懇談会で固めることができるだろうと思っています。

次にトピックスの2番目ですが、お正月のTDM、交通需要マネジメント、Traffic Demand Managementと言いますが、これは12月13日に記者発表済みで、改めて、年末年始になると言うことで、皆様に資料をお配りしています。東名、中央道、東名阪で行います。東名は4回目になります。東名阪は初めてです。東名は小田原厚木道路も対象にするというのが新しい取り組みです。そして「山梨周遊ETCパス」です。このような周遊割引はだんだんと知名度が上がってきて、おかげさまで利用者の数も増えてきているのですが、1月10日から3月までやります。今回はJTBだけでなく、近畿日本ツーリストとも組んでやることになっています。ドライブと宿泊プランをセットにした試みで、これからももっと充実させていきたいと思っています。
ちょっとPRじみたお話なのですが、特にTDMはお正月の渋滞を何とかしたいと考えています。ハードの面を考えるというのは限度がありますので、ソフトの面から渋滞を解消したいというのが私どもの強い思いです。正月だけでなくて、これまでに何度かやってきたなかで手ごたえを感じ始めています。そういった経験を踏まえ、今回ぜひ成功させたいと考えています。

3番目が「冬道走行に気をつけガイド」です。これは先月21日に、この場で、発行する予告をしましたが、お手元にあるように出来上がりましたので、お配りするものです。10日に配布を始め、ホームページでも18日から公開しました。このパンフレットを最初10万部刷ったのですが、早速、さらに1万部の増刷要求があって、それをやっています。SA、PAに配るだけでなく、バス協会、トラック協会、自動車教習所などいろんなところでご利用いただいており、ぜひ、これを活用いただければと思っています。春夏秋用のバージョンは秋に出していますが、これは冬の雪道走行を目的にしたものです。

4番目のトピックが年末年始渋滞予測ガイドです。これも11月30日に発表していまして、同じものをきょうお配りしているんですが、先ほどのお正月TDMと同様、何とか渋滞解消のために努力したいという考えです。

それから次が旅行業の開始ということで、これはきょう初めて発表するものです。旅行業の第2種の登録をしまして、営業を始めました。第2種旅行業というのは、国内の募集型企画旅行を行えるというものです。パック旅行などが行えるわけですね。外国のパック旅行を企画、実施するというのは第1種になります。近畿日本ツーリストですとか、JTBといったところがやられているわけです。第2種は国内ができるということで、もちろん第1種の会社から委託を受けて海外旅行のお手伝いをすることはできますが、自ら企画・実行するのは国内のパック旅行です。
これから具体的な企画をし、実際に提案してまいりたいと思っています。

6番目のトピックが、貫通石の缶詰販売です。これも12月6日にすでに発表させていただいていますが、こういうものですね。そちらの机に置いてありますので、皆さん、何かいいことがあるかもしれませんので帰りにお持ちになって机の上に置いていただければいいんじゃないかと思います。嫌なことがあったときにガラガラっとやると気分が良くなると思います。私も机の上に置いていまして、つまらない報告をたくさん受けるとガラガラガラっとやって気分転換をさせていただいています。

最後、7番目は維持管理業務のグループ会社への再編です。これはきょう新しく発表するものです。まず12月14日に中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社が業務を開始しました。この結果、メンテナンス、すなわち維持修繕業務のグループ会社4社体制が整っています。それから来週の25日には中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社が業務を始める予定です。これによってエンジ会社、すなわち保全点検業務のグループ会社2社体制が整います。
以前から維持管理4業務につきましては現在ある30社を10社に集約するということを申し上げていますが、その状況がどうなっているかといいますと、お配りした資料の後ろの方、別添資料3というところに一覧表があります。料金収受で2社、交通管理、パトロールですね、これで2社、保全点検で2社、維持修繕で4社。このうち太枠で囲った会社9社が来週の予定分を含めてすでにできています。あと東京地区のパトロールの会社、これが年明けの2月頃になると思いますが、これができますと10社体制が整うということです。

きょうの発表、ご報告事項は以上です。


(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。


(記者)

旅行業への参入について質問です。一点目は、具体的な商品展開をいつ頃、どういう販路で考えておられるかということ、もう一点目は、宿泊と高速道路を組み合わせたものなどの、具体的な商品のイメージを教えていただきたいのですが。


(会長)

私どもが今まで近畿日本ツーリストさんとか、いろいろなところと提携してやってきたプランがあります。まずそういった経験の延長線から始めたいと思っています。企画割引と旅館がパックになった計画を考えていまして、年明けに具体化していきたいと思っています。
まだ具体的な計画を発表するところまでは行っていないんですけれども、今まで富士山の周遊とか、現在は館山寺温泉の周遊とかいろいろやっていまして、1,000件を超えるたくさんのご応募があり、だんだんと世間にも知られてきたように思うんですね。ですからそういうものを土台にしてやっていくと。ぜんぜんかけ離れたことをやるのではなく、まずは今までの経験にプラスアルファで地道にやっていくのがいちばんいいのではないだろうか、と考えています。最近私どもが行ったもので人気のありましたのが、「富士周遊ウィークデイドライブキャンペーン」なんですけれども、約1,500件の受付件数がありました。実際にご利用いただいたのはそこまでいってないんですけれどもね。そして「信州中南信ETCフリーパス」、これも1,500件くらい応募があって、1,300人近い方が実際に利用されましたね。現在やっている「浜名湖かんざんじ温泉割引プラン」ですけれども、これは1,700件ぐらい応募があって、約1,000名の方がすでにご利用になっています。プランの内容にもよるのでしょうけれども、このようにだんだんと知られるようになってきて、それを利用される方が出てくるということで、手応えを感じているところです。このたび旅行業の免許が取れましたので、自前でやれる企画を増やしたいと思いますし、もちろん経験の面でわれわれにも足りないところがありますからね、JTBさんや近畿日本ツーリストさんといったところとも提携しながらやっていこうと思っています。


(記者)

いまJTBや近畿日本ツーリストと提携してやっておられるということですが、例えば旅行プランというのも飛行機のコードシェアリングみたいなイメージでやられるということなんでしょうか。


(会長)

そうですね。そういうやり方もあると思いますね。提携先もあまり限定しないで少し増やしていきたいなと考えています。


(記者)

旅行業を始めるにあたっての社内的な体制は。


(会長)

とりあえずのところは、本店に営業所を置きまして、5人体制でやろうと考えています。ただ、街に店を出してやるというのはいろいろな意味でなかなかそこまで力がないと思いますし、WEBでやっていこうと思うんですね。WEBを活用してヴァーチャルな店舗で営業していく。とりあえず本店営業所を置きますが、その他の営業所は設けず始めたいと思っています。


(記者)

旅行プランナーも一から手探りでやっていこうということなのでしょうか。


(会長)

5人のうち2人が総合旅行業務取扱管理者で、1人が国内旅行業務取扱管理者ということで、専門性を持った人を外部から招いたりしてですね、私どもはまだ本当の意味でそういうプロの領域にまで到達していませんから、意気込みだけは負けていないんですけれどもね、ですから外部の知恵を借りて、やっていこうと思っています。


(記者)

高速道路他社はこうした旅行業を始めているんですか。


(会長)

ちょっと他社については。誰か分かりますか。多分中日本が初めてだと思いますが。


(司会)

では確認しまして、後ほどこの会見内でお知らせします。


(記者)

引き続き旅行業の件ですが、先ほどWEBのバーチャル店舗をとおっしゃいましたが、その開設時期はいつ頃をお考えですか。


(会長)

旅行業の免許を取ったのが今週16日ですので、今準備中です。これについても日にちが決まっていればこのあとあわせてお知らせしましょう。


(司会)

では少しお待ちいただく間、「石貫徹」を皆さんにお配りします。


(記者)

売れ行きはいかがですか。


(司会)

今売れ行きのご質問をいただきましたが、発売以来10日間で2,000個売れたと聞いています。
先ほどの旅行業のご質問ですが、当社が旧日本道路公団系の3社の中でも初めて登録を行ったとのことです。そして2つめのWEB店舗開設の時期は、会長からも説明がありましたように免許を取得したばかりですので、現時点では未定です。


(司会)

その他特にご質問がなければ、第26回の定例記者会見をこれで終了させていただきます。
最後にお知らせが一つございます。来年年頭の会長の挨拶を報道関係の皆さまに公開しますのでぜひご出席ください。よろしくお願いいたします。
本日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


(会長)

どうもありがとうございました。よいお年を。