NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2006年09月20日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(会長)

会長

みなさんこんにちは。今日はご報告したいことがいくつかあります。
まず毎月行っております事業の現況です。8月分です。

料金収入は、全体で前年同月比がマイナス2.5%、通行台数がプラス0.2%となっています。料金収入は、高速でマイナス3.2%、これはETCの普及による時間帯割引額の拡大が影響しているとみております。一方、一般有料道路は、プラス5.4%、これは東海環状や伊勢湾岸のネットワーク効果がでていると思います。通行台数ですが、高速ではプラス2.9%、これもETC普及での割引とか、あるいは景気拡大ということかと思います。一般有料道路ではマイナス8.9%、これはこれまでもお話しているとおり、豊川橋とか真鶴道路などの無料化や公社への引継ぎがありその影響で減少しています。
建設の状況ですが、今年度開通予定の中部横断自動車道増穂~南アルプス間は、機構との協定では来年の3月末が完成予定時期となっていますが、私も先だって見てきましたが、現地での工事は順調に進んでおりました。完成時期をいくらか前倒しできないだろうかと、ただいま検討をしております。工程の再検討、それから関係機関との調整をしています。具体化しましたらご説明をさせて頂きます。もう1つの圏央道の八王子JCT~あきる野間は、当初の完成予定は来年の3月でしたが、既に発表しているとおり、来年の6月に3ヵ月間延期するということになっております。トンネルの掘削工程に遅れが生じたことが主たる理由です。当社では共同事業者である国土交通省から順次事業を引き継いでしっかりやってまいります。
主な工種の工事契約落札率の状況は、8月は平均で81.93%で、年度累計は、84.89%になっております。
ETCの状況につきましては、9月8日~14日の時点でとりますと、当社管内での平均利用率が65.5%となっております。全国での取り付け累計台数は、プラス3.2%、プラス約38万台で約1,218万台となっています。
サービスエリアの状況ですが、売上高が対前年比で120.8%となっています。主たる要因は、ガソリンスタンド部門で171.8%です。その他の部門でも、微増しておりまして、飲食部門で1.0%増、物販部門で2.2%増、サービス部門で2.1%増です。価格差の問題で大きな影響があったと思いますが、ガソリンスタンド部門だけが突出して71.8%の増ということでございました。
以上が定例報告の部分でございます。

次にいくつかトピックスがございます。良いご報告と悪いご報告とがありますが、悪い方から先に申し上げたいと思います。
1つは、中央自動車道の多重衝突事故で、まことに大きな事故になりまして、お亡くなりになった方が4人あり、私どもも道路管理者として、心からご冥福をお祈りしており、そういう気持ちでございます。ただいま、現状あるいは原因について、警察を中心に鋭意調査中ですけれども、それを確認した上で、警察、その他関係機関ともよく協議をして、更に効果のある安全対策を速やかに実施したいと考えております。
ちなみに、あそこのカーブでございますけれども、2001年、平成13年から平成17年、2005年までに54件の事故がありましたが、平成13年が20件、14年が15件、15年が6件、16年が7件、17年が6件で、2桁の事故から1桁にということになってきていたわけです。死亡事故は、平成13年の1件ですが、今回このような大きな事故が起こったということを率直に受けとめ、原因追究と今後の対策というところで活かしていきたいというように心から思っております。なお、付属資料のほうに、状況写真なども付けておりますので、ご参照頂きたいと思います。
悪いご報告の2つ目は、資産評価額の検証結果です。去年の10月に旧日本道路公団から承継した資産について、再検証してきておりましたが、一部資産に誤りがあるということが判明しまして、国土交通省、機構に対しまして速やかに報告をいたしました。国交省から本日、このようなことが二度と起こらないような、資産管理を行うようにとの注意を頂きました。私どもとしても、今回の誤りを役員社員が再認識をして、各関係機関とよく協議調整をしまして、必要な修正はもちろん行いますが、同様の誤りを繰り返すことの無いように全力を挙げて努めたいと思っております。なお、この数字の詳細につきましては、ご質問があれば、経理担当の方からご説明させて頂きます。

次に、この10月にNEXCOが1周年を迎えます。この1周年を記念した各種イベントを計画しております。さほど驚くようなイベントはないのですが、今日発表ということで、お手元に細かいイベントの中身を書いた資料も添付しお配りしています。開通前の道路を歩いたり、サイクリングをしてもらったり、あるいは、ETCのワンストップサービスをこの際もう一度徹底するとか、いろいろなイベントを計画しておりまして、これを実行して参りたい。9月30日、10月1日が中心となります。
それから、資料はお配りしていませんが、高速道路の企画割引で、周遊券と称しておりますが、やりたいと検討中です。この秋の10月、11月の行楽シーズンに少しでも利用者のお役に立ちたいということでございます。まだ最終案が確定しておりませんので、決まり次第、なるべく早くご報告できるようにしたいと思っております。例えば北陸3県でETCの週末フリーパスといったようなアイディアもありまして、毎週末の土日とかに、なにかしらのサービスをできないだろうかと考えているところです。決まり次第これはご報告します。

次は、お配りしている資料です。SA・PAで電子マネー「Edy」が使えるようになります。これは10月1日から取りあえず10ヵ所で始めますが、段々と広めていくということになります。10月1日に始める10ヵ所は、お手元の資料に記載したとおりです。

次に、スターバックスコーヒーが東名の足柄SA上りに10月6日オープンということで計画しています。富士山の伏流水を使ってやろうということでございます。この後、今年度内には、足柄SAの下り、富士川SAの上り下り、浜名湖SAでもオープンして参ります。絵があまりくっきりしていないかも知れませんが、コピーを付けているとおり、街にあるスターバックスとは少し色合いを変えている特長を持ったコーヒー店になります。特徴はエコショップと言われているもので、いろいろと環境に配慮したお店、そしてその運営というものをしていこうというものです。
それから、いま環境の問題を申し上げましたが、もう1つの発表資料として、資料をお配りしております地球環境にやさしい「エコ・エリア」をめざしますということで、SAで環境負荷低減を推進したいということです。3つのR、Reduce・Reuse・Recycleということですが、私も各地のSA・PAを回っていますけれども、エリア外からの持ち込みゴミが多いですね。これは運営上、頭の痛いところです。是非ドライバーにその点について、お宅で済ませてくるように協力を呼びかけていかなければならないと思っております。一方、SA・PAを「エコ・エリア」にする。そこで働く従業員が一体となって推進していくということが大事であろうと思います。「エコ・エリア」は全体の環境対策としての大きな目標ですが、そのひとつのケースが、先ほどご説明させていただいたスタバです。
「エコ・エリア」の、ゴミの回収問題ですが、カラーコピーでわかりやすく解説させていただいているつもりです。ご参照いただければと思います。
それから、これはホームページからのコピーなのですが、不正通行ゼロ対策本部というものを設置しまして、今、一生懸命取り組んでおります。ゲートの強行突破などの件数が多く、資料にもありますように、悪質なものは逮捕するということに至っています。なんとかこういった不正通行がなくなるように、私たち自身も努力しますし、関係先と連携をとって進めていきたいと考えております。

私からの冒頭のご報告は以上です。

 

(司会)

では、ご質問はございますでしょうか。

 

(記者)

中央自動車道の多重事故の件ですが、ここは、今までにも安全対策を行ってきたということですが、今後の対策として、想定しているものがあれば教えてください。

 

(会長)

今のところは、「これ」という具体策を立てているわけではありません。まずは原因を確かめて、その上であらゆる方法を取りたいということです。
今あるものに加えて、標識やPRの方法など、考えられることは、いくつもあると思うのですが、具体的に、今日ご報告を申し上げるような状況にまでは至っておりません。

 

(記者)

資産評価額の検証結果についてですが、なぜ今の時期に、こういったことがわかったのでしょうか。

 

(会長)

資産評価は、一度、春にやりました。その時、提出するまでに、色々と修正するプロセスがあり、一応3月に提出しましたが、その後、もう一度再検証しようとやってみましたら、今回のような状況でした。誠にお恥ずかしい限りなのです。中日本ですと、53億円くらい過小評価していることがわかりました。昔から「過ちて、改めざるを過ちという」という言葉もありまして、気がついたら、すぐに直していくことが大事だろうと思っています。去年の10月に会社になったわけですが、移行期に、いろいろな事務があり、不注意なミスも原因の中にはあったと思っています。できるだけ早く、普通の会社の会計制度、経理制度と、その運営を実らせなくてはいけません。こういうことを契機にして、一刻も早く、正常な状態にしなければならないと思っています。

 

(記者)

ガソリンスタンド部門が71%増であったということで、これは価格決定システムの問題もあるかと思うのですが、この事象について、歓迎すべきなのか、システムの見直しを検討した方が良いと思うのか、考えをお聞かせください。

 

(会長)

今の仕組みをとっている限り、こうした凸凹は生じると思います。今の価格上昇の一般的な傾向、原油価格の不安定な状況を考えますと、ある程度の凸凹は、しょうがないと思います。
今、高速道路上でやっている値段決めが一番良い方法なのか、そうも言い切れないところがあります。このような仕組みのできたいきさつもあるので、関係先とは相談していきたいと思います。
とにかく、先月は本線まではみ出しそうな行列でした。町で144円だったのが、高速道路では137円ですから。月が変わったら道路の上が144円になって、町はもっと低い142円とか、セルフのサービスだと130円台のところもあるという状況になりまして、本当に8月が極めて特殊な状況だったことが、わかります。
1カ月だけの現象をとって、すぐに制度を変えようとはならないと思いますが、良い教訓ですので、ちょっとディスカッションしてみたいと思っています。

 

(記者)

中央道の事故は、過去に54件ということでしたが、これは何mくらいの間で起きているのでしょうか。

 

(会長)

キロポストで言いますと、259.3から259.9キロポストの約600mの間での事故の数になります。

 

(記者)

ここは、管内で最も多い場所なのでしょうか。

 

(会長)

管内の状況については、確認します。

 

(記者)

これだけの事故件数があると、道路の構造を見直すなどということはないのでしょうか。

 

(会長)

難しい問題だと思いますが、事故の中身を見ますと、道路の状況と運転の状況の両方なんです。
ある制約条件の中で、道路が運営されているわけですから、スピード制限などのルールを守っていただく事を、私たちはドライバーにお願いしなくてはならないと思います。
しかしながら、その制約条件の中で、なるべく事故が起きないようにしていかなくてはなりません。初めて通る人は、いろんな標識に目がいくと思うのですが、何度も通っている人は、思わずそういったものを軽視したりすることもあるでしょう。ドライバーの心理的な面も含めまして、事前のPRとか注意喚起を図っていくしかないのではないかと思います。
構造の面となると、なかなか難しい問題があります。原因を分析したうえで、よく考えてみたいと思います。

 

(記者)

資産評価額ですが、これは良くない状況が見受けられたので、再評価を行ったのでしょうか。

 

(会長)

全部で6社ありますので、程度の差はありますが、それぞれの会社で、いろんな事象が発生し、もう一度やり直そうとなりました。

 

(記者)

他社でも同様にやっているのですか。そして、同じような状況が見受けられたのですか。

 

(会長)

東、西の会社でも同様の状況がありました。本日のお昼頃だと思いますが、国土交通省で会見を行っています。私は、この会見がありましたので、皆様に真っ先に報告しようと思い、申し上げた次第です。詳しいデータは国土交通省の発表で確認ください。

 

(司会)

その他特にご質問がなければ、本日の定例記者会見はこれで終了させていただきます。

 

(会長)

では本当に皆さんどうもありがとうございました。