NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2018年09月26日宮池社長定例会見

会見要旨

司会

皆さまお待たせいたしました。それでは、ただいまから第140回の定例会見をはじめさせていただきます。

社長

【事業の現況(2018年8月)】
資料1-1をご覧ください。
まず、営業の状況ですが、8月の料金収入は701億3600万円で対前年同月比2.6%の増加、また、通行台数は日平均216万台で対前年同月比1.3%の増加となりました。
8月は、大型車のご利用が引き続き好調だったことから、料金収入・通行台数ともに増加となりました。
通行台数で見ると、大型車が前年同月と比べ5.7%増加しています。このような大型車の増加傾向は、2年程度続いています。

続いて建設の状況です。
資料1-1に、2018年度に新規開通や4車線化の完成を予定している区間を記載しています。
各区間とも、現在、土工や橋梁上部工などの道路本体工事を全面展開中で、これらの本体工事が完了したところから順次、舗装工事や標識工事、情報板など設備工事に着手しているところです。
このうち、東海北陸道4車線化工事に関連しまして、9月14日に発表済みですが、10月15日(月)から11月1日(木)まで、夜間通行止めをおこない車線の切替工事を実施します。
通行止めの区間や時間帯は、資料1-2のとおりです。
工事後は、10ページの「完成に向けたステップ図」に示すとおり、一部区間で走行していただく車線を、新設した車線に切り替えますので、標識などに十分ご注意いただき、安全に走行していただくようお願いします。
なお、次の車線切替工事のための通行止めは、12月に予定しています。具体の実施日が決まりましたら、あらためてお知らせします。

次にサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の状況です。
資料1-1の裏面をご覧ください。
8月のSA・PAの売上高は246億1900万円で対前年同月比5.9%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年同月比0.2%の減少となりました。
8月は、交通混雑期後半の交通量が堅調に推移し売上を押し上げたものの、前年同月よりも休日が1日少なかったことに加えて、台風13号および台風20号の影響があったため、飲食・物販部門の売上高は前年を下回る結果となりました。
なお、お知らせになりますが、10月4日(木)に名神の多賀SA(上り線)で、市中で人気の高い「いきなりステーキ」がオープンする予定です。
営業開始時間などの詳細につきましては、当社公式WEBサイトなどで追ってお知らせしますので、どうぞお立ち寄りください。
ガソリン部門の売上高は、昨年に対し販売価格が上昇したことと、軽油の販売数量が増加したことにより、対前年同月比22.0%の増加となりました。

【2018年度下半期の大規模な工事規制の予定について】
資料2をご覧ください。
すでに発表済みですが、この秋に中央道の2区間でリニューアル工事を実施する予定です。
岡谷JCT~伊北IC間でトンネル補修工事を、中津川IC~園原IC間では橋梁の床版取替工事をおこないます。いずれも10月9日(火)から工事を開始します。
床版取替工事につきましては、対面通行規制になりますので、期間中の週末には渋滞が発生してお客さまにご迷惑をお掛けすることも予測されます。ご理解とご協力をお願いします。
また、こちらも発表済みですが、中央道の集中工事を11月15日(木)から29日(木)までの期間、高井戸IC~調布IC間で実施します。
今回の集中工事は、渋滞の発生をできるだけ少なくするために、工事区間を高井戸IC~調布ICの1区間に絞り、時間帯も18時から翌6時までの夜間帯のみとしました。さらに、お客さまに積極的に東名に迂回していただくよう、東京ICを発着して中央道をご利用になるお客さまには、高井戸ICを発着する場合の料金と同額に調整することとしました。
次に東名につきましては、集中工事を先週から一部区間で開始し、今週からは東京IC~豊川IC間の全線で工事を実施しています。
特に交通量の多い横浜町田IC~海老名JCT間と圏央道は、先週から工事を開始していますが、中央道の集中工事と同様に夜間帯のみ工事を実施することとしています。その結果、先週4日間での集中工事に起因する渋滞の発生は、東名上り線は0回、下り線で1回、圏央道で1回に抑えることができました。
そのほかに、この冬には、裾野IC~富士IC間でリニューアル工事を予定しています。
このリニューアル工事につきましては、実施時期などの詳細が決まりましたら、あらためてお知らせします。

このように、多くの区間でリニューアル工事や集中工事を進めていますが、それぞれの工事の詳細につきましては、工事専用WEBサイトやパンフレットなどでお知らせしています。
また、先月の定例会見でお知らせしました「工事規制予定WEBサイト」でも、工事規制予定の情報や予測される渋滞の情報を提供しています。
高速道路での移動の計画を立てる際やお出かけ前には、これらの情報を参考にご利用経路やご利用時間を柔軟に選択していただきたいと思います。
工事期間中は、渋滞の発生や混雑などでお客さまには大変ご迷惑をおかけすることがありますが、皆さまのご理解とご協力をお願いします。
また、このような大規模な工事規制につきましては、お客さまや沿線の皆さまに多大なご迷惑をお掛けすることになりますので、工事規制の時期や区間などの計画を少しでも早くお知らせできるように関係機関と調整していきます。

【交通規制内の路上作業時における安全対策製品「エアバッグ式安全チョッキ」の開発】
次に、技術開発に関するトピックです。
資料3をご覧ください。
交通規制を伴う高速道路上の作業中に、通行車両が規制区域内に誤って進入し、工事車両や作業員に衝突する事故が当社管内でも年間100件前後発生しています。
そこで、今回ご紹介しますのは、交通規制を伴う路上作業での作業員の安全を確保するための製品「エアバッグ式安全チョッキ」です。
本製品は、当社のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社(エンジ東京)が無限電光株式会社と共同開発したものです。
今回開発した「エアバッグ式安全チョッキ」は、安全チョッキに取り付けたセンサが一定以上の衝撃を検知するとエアバッグが膨張するもので、規制区域内での作業に活用できるよう通常作業の動作ではエアバッグは起動せず、車両と衝突した時など大きな衝撃を受けた場合に初めてエアバッグが起動するように工夫した製品です。
詳細は、会見終了後に担当者が実演しながら機能などを詳しくご説明しますので、ぜひご取材くださいますようお願いします。
今後、エンジ東京が実施する交通規制を伴う作業の中で本製品を活用していく予定ですが、他社でも活用していただけるよう販売体制を整えていきたいと考えています。
また、当社ではオープン・イノベーションで積極的に技術開発を進めています。当社公式WEBサイトでも、「ライフサイクルコストの低減や品質確保につながる高速道路リニューアルプロジェクトに関する技術」をはじめとした、6つのテーマで新たな技術開発につながる情報やご提案を募集しています。
詳しくは、本日お配りした「技術戦略」の冊子の裏面に記載していますので、ご覧ください。
そちらの方にもぜひ情報提供いただきたいと思いますので、ご協力をお願いします。
なお、これまでにいただいたご提案の中にも、共同研究につながったご提案や、秘密保持契約を締結して共同研究につなげることができるかどうかを検討しているご提案がいくつかあります。
このような共同研究も含めて、当社は今後もグループ一丸となって技術開発を進めていきます。

【高速道路会社初の農地所有適格法人「中日本ファームすずなり株式会社」の作付け式の公開および高速道路会社初の中継物流拠点「コネクトエリア浜松」のオープニングセレモニーについて】
最後に報道関係の皆さまへのお知らせです。
今月の12日に発表しました『中日本ファームすずなり株式会社』の作付け式につきまして、ご取材にあたっての詳細が決まりましたので、お知らせします。
当社と株式会社鈴生との共同出資により、高速道路会社として初めて設立した農地所有適格法人の『中日本ファームすずなり株式会社』は、10月3日(水)の10時から浜松市内でレタスの作付け式を開催します。
当日は、土地をお貸しくださる地権者の方にもご参加いただき、手植え作業や農機を利用した植え付けをおこないます。
この作付け式の様子を報道関係の皆さまに公開しますので、この機会にぜひご取材をいただきますようお願いします。
こちらの中継物流拠点につきましても今月12日に発表したところですが、オープニングセレモニーのご取材にあたっての詳細が決まりましたので、お知らせします。
中日本ファームすずなりの作付け式と同じ10月3日、作付け式の後の11時30分から、高速道路会社として初めて事業化した中継物流拠点『コネクトエリア浜松』のオープニングセレモニーを開催します。
セレモニーでは、テープカットや実車によるトレーラーのヘッド交換の実演をおこないます。
両セレモニーの会場は、車で10分ほどの位置にあります。私も作付け式と中継物流拠点のオープニングセレモニーの両方に出席しますので、両セレモニーあわせてご取材をいただきますようお願いします。
なお、『コネクトエリア浜松』は今月12日から、ご利用いただく物流事業者の募集を開始しました。より多くの物流事業者の方々にご利用いただきたいと思っています。

司会

以上が本日ご用意したトピックです。それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

記者

安全チョッキについて3点ほど確認です。1点目は事故の件数が100件程度という話がありましたが、この内容をもう一度教えてください。

社長

当社管内で工事規制をしている箇所に一般車両が進入し、工事規制の資機材や作業員に接触するなどの件数が年間100件ほど発生しているということです。

社員

全体の件数が100件ほどで、その内8割程度が物損事故です。作業員の負傷事故は十数件程度で、死亡者数は1~2名です。

記者

2点目ですが、安全チョッキの導入時期はいつ頃でしょうか。

社長

できる限り早く導入したいと考えています。

社員

まだ開発されたばかりなので、実用化に向けて、エンジ東京がおこなう作業を皮切りに導入していきたいと考えています。

記者

実用化の時期について、具体的に1ヵ月以内とか年内とか、どのようなイメージを持たれているのか教えてください。

社員

販売体制が整い次第、速やかに販売していきたいと考えています。

記者

3点目ですが、外部にも販売するとの話がありましたが、価格はどれくらいを想定されているのか教えてください。

社長

販売価格はまだ決まっていません。現時点では10万円程度と高価ですので、市販にあたっては、もう少し価格を下げたいと考えています。

記者

10万円以下を目指していくということでしょうか。

社員

そのとおりです。

記者

先程の事故の件数で、作業員が巻き込まれた件数は何件か、内訳を教えてください。

社員

物損などを含めると年間100件程度ありますが、負傷事故につきましは、昨年が14件、一昨年が16件で、ここ数年では15件前後となっています。

記者

この製品は、センサで車両と接触したことを感知するということですが、NEXCO中日本のどのような技術からこういった製品が作られたのか教えてください。

社長

製品は無限電光株式会社との共同開発です。衝撃を感知した際に膨らんで衝撃を和らげるというもので、バイクの安全チョッキを開発した実績があるメーカーと共同開発したものです。

記者

バイク用の製品はすでに販売されているということでしょうか。

社長

販売されていると聞いています。本日ご紹介した安全チョッキはバイク用のものとは違いますが、いずれにしても体を守り防護するものを製品化したということです。

記者

新名神の新四日市ジャンクション(JCT)から亀山西JCTの開通が2018年度中ということですが、具体的にいつごろ開通するのか決まっていれば教えてください。

社長

2018年度内の開通を目指して進めていますが、具体な時期はまだ決定していません。

記者

今年の夏は多くの災害が発生しましたが、管内の工事への影響はあったのでしょうか。

社長

先程5ヵ所で新規建設や4車線化の工事を進めているとご紹介しましたが、そのうちの東海北陸道で大規模なのり面の変状が発生しました。ボーリング調査の結果を踏まえて、4車線化工事と並行して対策工事を進めていきます。具体的には、のり面勾配を緩やかにする工事などを実施していきます。

記者

のり面の変状により、4車線化の完成を後ろ倒しにするような影響は出ているのか教えてください。

社長

4車線化の工事の一環として、本日、車線の切り替え工事をご紹介しました。のり面変状箇所の対策も並行して進めていきますが、開通との関係はまだ工事が進捗していない段階でははっきりしないということです。

記者

概算で結構ですが、東海北陸道の豪雨被害に対する対策費用などの影響額がわかれば教えてください。

社長

これから工事に取り掛かろうとしていますので、まだ具体的な影響額を算出できる段階ではありません。
今のご質問に関連しまして、他社への応援状況についてお話ししますと、台風21号で被害を受けた関西国際空港連絡橋の損傷に対して、当社から車線規制などに使う仮設防護柵を提供しています。

記者

NEXCO西日本管内の方が豪雨や台風で大変だったかと思いますが、NEXCO中日本がどういうサポ-トをしたのか教えてください。

社員

7月豪雨の際は大規模な災害が発生しました。資機材や人員も含め、土砂撤去などの応援派遣をおこなっています。

記者

関西国際空港連絡橋の事故は衝撃的でしたが、あらためて人員や資機材など、どういう支援をしたのか具体的に教えてください。

社長

NEXCO3社は日ごろから連携を強化して、要請があったものに対してすぐに協力するという体制をとっています。そうした中でNEXCO西日本に対して、関西国際空港連絡橋の中央分離帯の仮設防護柵を提供しました。仮設防護柵の輸送に要した人員はありますが、現地での作業人員の応援派遣は今回はありません。

司会

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。