NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2018年01月24日宮池社長定例会見

会見要旨

 

司会

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第132回の定例会見をはじめさせていただきます。

【はじめに】

1月22日から23日にかけて南岸低気圧の影響により、関東甲信地方の太平洋側で大雪となりました。
この大雪の影響により、東名・新東名をはじめ圏央道などで通行止めとなりました。お客さまには大変ご不便をお掛けしました。
当社は、これまでも降雪予測に基づき、通行止めが予想される道路と区間を事前にお知らせして冬装備をお願いするとともに、現地では除雪車、凍結防止剤、トラクターショベルなどの資機材を配備し、除雪作業などの対策を実施しているところです。
しかしながら、今回のような強い降雪となると交通事故や自力で走行できない車両が発生するなど、安全に走行いただける走行環境が維持できなくなる場合もあり、通行止めが必要となります。
本日から明日にかけても、上空には今シーズン最強クラスの寒気が流れ込み、北日本・日本海側を中心に大雪に厳重警戒が必要とされています。
そこで、当社では事前広報としまして、報道関係の皆さまに大雪により通行止めが予想される道路と区間をお知らせするとともに、当社公式WEBサイトでもお知らせしていますので、最新の情報をご確認ください。
なお、報道関係の皆さまには、通行止めが予想される区間の情報提供や冬装備の呼びかけなど、引き続き、ご協力のほどよろしくお願いします。

【事業の現況(2017年12月)】

資料1をご覧ください。
営業の状況ですが、12月の料金収入は570億5500万円で対前年同月比1.7%の増加、また、通行台数は日平均194万4000台で対前年同月比0.1%の減少となりました。 12月は、休日が3連休とならなかったため、小型車のご利用がやや減少しましたが、大型車のご利用が引き続き好調であったことから料金収入は微増となり、通行台数は横ばいとなりました。
続いて建設の状況ですが、今度の日曜日、1月28日15時に、新東名の海老名南ジャンクション(JCT)~厚木南インターチェンジ(IC)間約2kmが開通します。
今回の開通により、東名の海老名JCTや厚木IC周辺の交通混雑の緩和に加え、物流の効率化による生産性の向上、地域開発の促進などが期待されます。
開通に先立ちまして、当日10時から開通式典を開催しますので、報道関係の皆さまには、ぜひご取材をお願いします。
次にサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の状況です。 資料1の裏面をご覧ください。 12月のSA・PAの売上高は170億6700万円で対前年同月比5.9%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年同月比2.6%の減少となりました。
12月は、前年に比べて3連休がなく、日並びに恵まれなかったこともあり、売上高は前年を下回る結果となりました。
ガソリン部門の売上高は、昨年に対し販売価格が上昇したことと、軽油の販売数量が増加したことにより、対前年同月比22.7%の増加となりました。

【2018 高速道路リニューアルプロジェクト「E1 東名高速道路 取替工事」の工事現場をご案内します】

資料2をご覧ください。
高速道路リニューアルプロジェクトは、劣化の進んだ橋梁やトンネルなどを修理して末永く使うための工事で、昨年度から本格的に工事に着手しています。
今回は、昨年末に着手しました、東名の沼津ICから富士IC間の床版取替工事の現場を報道関係の皆さまに公開しますので、お知らせします。
公開の日時は、1月30日(火)10時から12時30分までを予定しています。
今回ご案内する現場は、高速道路リニューアル工事の東名 赤渕川橋・下り線の床版取替工事です。
工事箇所は交通量が多い区間ですので、お客さまへのご迷惑を少しでも軽減するため、全面的な通行止めはおこなわず、昼夜連続の対面通行規制でおこないます。
この対面通行規制は、工事対象の橋梁部分で実施しますが、その前後を片側2車線から1車線へ擦り付ける必要があるなど、通行規制延長が長く、長期間を要するものとなります。
そのため、交通量の多い路線での対面通行規制による交通事故のリスクを最小限に抑える必要があり、今回、新たな取り組みとして、コンクリート製の防護柵を活用した移動式防護柵(ロードジッパーシステム)を採用しました。
映像をご用意していますので、ご覧ください。
ご覧いただきました移動式防護柵は、日本国内の高速道路でも昨年から使用されています。
このシステムを用いることで、安全性の高い防護柵を速やかに移動することができますので、安全かつスピーディーに防護柵の設置が可能となります。
現場公開では、実際に現場で使用した移動式防護柵のデモンストレーションも予定しています。
東名リニューアル工事は、今後数年間実施する予定で、安全性の高い工法を積極的に採用していきます。
30日の現場公開では、そのほかの安全対策や現場で実施している工事の工夫などもあわせてご紹介しますので、この機会にぜひご取材いただきますようお願いします。
なお、パンフレットにも記載していますが、今回の東名リニューアル工事での昼夜連続車線規制は、1月9日(火)から4月27日(金)までの 109日間、裾野ICから清水JCT間の上下線で実施します。
工事期間中は渋滞の発生が見込まれます。ご利用のお客さまには大変ご迷惑をおかけしますが、老朽化の進む高速道路の補修に必要な工事ですので、ご理解をお願いします。
また、お出かけ前には渋滞情報や通過所要時間などを専用WEBサイトや専用ダイヤルでご確認いただき、高速道路ネットワークを利用した広域迂回や一般道への迂回など、ご協力をお願いします。

【2017年における交通死亡事故の発生状況について】

続きまして、2017年に当社管内で発生した交通死亡事故の状況についてご報告します。
資料3-1をご覧ください。
昨年の1月から12月までの1年間で、当社管内では合計40件の死亡事故が発生し、46名の方が亡くなられました。これは一昨年(2016年)から件数で2件、死亡者数で5名増加する結果となりました。
事故の特徴としましては、高速道路上で停止ししていた車両に追突する形態の事故が13件あり、一昨年(2016年)から6件増加したことが挙げられます。
この13件の内訳をみますと、渋滞の後尾で停止していた車両への追突事故が半数以上を占めているほか、故障でやむを得ず停止していた車両への追突事故も1件発生しています。
万が一、事故や故障などで高速道路上にやむを得ず停止した際には、本線や車内にはとどまらず、自車より後方の、ガードレールなどの防護柵より外側の安全な場所へ、足元に注意しながら避難して通報していただきますようお願いします。
また、昨今「あおり運転」や「高速道路上の落下物」に関する報道が多くされています。
「あおり運転」の被害に遭って執拗に付きまとわれた場合は、SAなどの安全な場所に避難して110番通報をお願いします。
また、落下物防止のため、出発前や休憩時には、車両の点検と荷物の固定をお願いします。
走行中に落下物を見つけた場合は、SAなどの安全な場所や同乗者の方から、道路緊急ダイヤル(#9910)に通報をお願いします。
当社としましては、警察などの関係機関と協力して注意喚起に取り組んでいるところですが、報道関係の皆さまからも、資料3-2「高速道路を安全にご利用いただくためのお願い」に記載したポイントにつきまして、注意喚起にご協力をいただきたいと思います。

【プロピオン酸ナトリウムを活用した新たな凍結防止剤の試行導入】

次に、技術開発に関するトピックです。
資料4をご覧ください。
先月の定例会見で初めてご紹介しましたが、当社では富山県立大学および札幌の寒地土木研究所と共同で、プロピオン酸ナトリウム(プロナト)を活用した新たな凍結防止剤の現場への適用性について検討してきました。
今後の本格導入に向け、実際の散布作業における課題への対応や散布効果の検証をおこなうため、高速道路本線の一部の区間で試行的に散布することにしましたのでお知らせします。
試行導入の概要は、資料4をご覧ください。 まず、試行導入区間は、東海北陸道の白川郷IC~五箇山IC間です。
この区間を選定した理由は、プロナトはわずかに酢のような臭いがあり、これを散布することによる周辺への臭いの影響を検証する必要があるためで、道路沿線に民家の少ない山間部の区間としました。
また、試行導入時期は、今年の3月から4月の雪氷対策期間終了までを予定しています。現場でのご取材をご希望の方は、会見終了後または後日でも結構ですので、事務局(広報室)までご連絡ください。
塩化ナトリウム(塩)とプロナトの混合割合は、過去に室内で実施した金属腐食性試験の結果から、塩が9割に対してプロナトが1割で試行散布を実施します。
試行導入による主な検証内容は、「作業性」、「臭気の状況」、「路面状態」、「路面のすべり抵抗性」、「金属腐食抑制効果」などです。
特に、今回注目している「金属腐食抑制効果」の検証は、ガードレールなどの道路施設や散布車などの雪氷作業車両などに金属片を取り付け、腐食状況を一定期間モニタリングすることで、従来の塩散布の場合との違いを比較検証します。
なお、試行散布の検証結果につきましては、散布期間終了後に取りまとめますので、まとまり次第あらためてお知らせします。
構造物の劣化抑制につながる新たな凍結防止剤として、一日でも早く現場で実用できるよう、引き続き検討を進めます。 当社は今後も、安全を最優先に、高い耐久性やライフサイクルコストの低減につながる技術開発を進めていきます。

司会

以上が本日ご用意したトピックです。それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

記者

交通死亡事故の発生状況について、都道府県別や路線別の内訳が分かれば、教えてください。また、資料には「高速道路において」と書いてありますが、対象になっている高速道路というのは、一般道の自動車専用道路を含むのか教えてください。

社長

当社が管理している道路が対象です。具体的な内容は、後ほど担当部署からお答えします。

記者

交通死亡事故の発生状況について、いわゆる「あおり運転」という分類があるのか教えてください。

社員

事故の前に「あおり運転」があったのかどうかにつきましては、当社としては把握できていません。

記者

先般、東名でご夫婦が亡くなられた事故は、資料では「対停止車両」に含まれているのでしょうか。

社員

ご質問の事故は「対人」の中に含まれています。「対停止車両」は、車内に人が乗っていた状態の事故を計上しており、人が本線上で轢かれてしまったような事故は「対人」として分類しています。

記者

まさに車が人をはねてしまうケースということですね。

記者

交通死亡事故の発生状況について、先程の質問と関連しますが、亡くなられた方の年代別や性別の内訳も分かれば教えてください。また、自動二輪の件数が減っているようですが、この要因が分かれば教えてください。

社長

年代別、性別のデータは、後ほどお答えします。自動二輪につきましては、確かに昨年と比較して減少しています。当社としましては、自動二輪の事故防止に向けて、様々な啓発活動をしていますが、この啓発活動が直接効果を発揮しているかどうかまでは分析できていません。なお、自動二輪が多くなる春や秋のハイシーズンには、啓発活動を強化して取り組んでいるところです。

司会

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。