NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2006年07月28日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(会長)

会長

皆さんこんにちは。では事業の現況からご説明します。
まず営業の状況です。まず6月の料金収入は473億円と、対前年同月比で3.7%の減となっています。このうち高速はマイナス4.6%、ETC普及による時間帯割引額の拡大により減収となっています。一方一般有料道路はプラス7%、東海環状と伊勢湾岸が開通して以降のネットワーク効果、そして名神リフレッシュ工事に伴う伊勢湾岸の迂回路利用により増収となっています。
日平均の通行台数は約159万台と対前年度比でほぼ同じとなっています。高速の方はプラス2.6%、ETCの普及による時間帯割引と景気拡大が大きく影響しています。
一般有料道路の方はマイナス9.7%です。これは豊川橋などの無料化や公社への引き継ぎなどが影響しています。

建設の状況は以前報告した際と変わっていません。今年度中に開通予定のものとして、中部横断自動車道が6km、圏央道が9kmあります。

それから主な工種の工事契約落札率です。6月は93.01%、年度累計では86.57%でした。

ETCの状況です。7月7日から13日までの日平均利用率が64.2%です。車載器の取り付け台数は約1,135万台ということで、5月よりも少し伸びています。ETC料金所の整備率は99%です。

サービスエリアの状況です。162カ所のうち、営業施設があるのは146カ所で、売上高が89億3,000万円、対前年比マイナス6.4%です。年度累計では昨年とほぼ同程度です。
6月だけを取ってみますと、飲食部門がマイナス6.4%、物販がマイナス8.6%です。サービス部門――レストイン、風呂――はマイナス9.1%です。

ガソリンはマイナス2.1%。単価の上昇が、レギュラーでは12円上昇しましたが、販売数量がマイナス12.7%と減っておりまして、これが効いています。市中価格と比較しますと、あまり価格差がなかったと言っていいと思います。全体としては、ガソリン価格の高騰による買い控えが原因であろうとみております。
天候は昨年と比べまして、曇りの多い天気でした。
これが営業の概況でした。

もう1つ資料がございます。
7月の豪雨、特に先週ですが、中央道の被害状況です。高速道路上でのお客様への被害はありませんでしたが、ご承知のとおり諏訪湖のすぐそばで、大きな土石流に巻き込まれて民家が倒れ、大きな被害が出ました。
ここに写真を載せましたが、主な被災個所を写したものです。最初のページの表の番号と、写真の番号が照応するようになっています。
諏訪~岡谷間、諏訪湖の真横が(1)です。(2)、(3)とご覧の状況になっていまして、死傷者が出たのは(1)の付近でした。
実は私も金曜日に現地に行って状況を見てきました。高速道路の橋脚の下を土石流が流れて、上にあった家などを流して大惨事になりました。
橋脚で流れが2つに分かれたため、諏訪湖に流れる土石流の力が弱まり、橋の横に家が接していたんですが、被害が軽減されたようです。
それから(3)のところの写真をご覧ください。大変な土石流が流れ込みましたが、橋ではない区間で、道路がその流れをせき止めました。写真にあるように、すぐ下の方に民家がたくさんあったわけですが、泥や水は流れましたが、家を倒すほどまでにはなりませんでした。
そういうことで、地元の声の中には、「高速道路が土石流を止めてくれた」というような声もあったようです。
大雨の状況の中で、当社の社員はもちろんですが、地元の関係者も一緒になって、大変精力的な復旧活動を行いました。
この間、諏訪と岡谷の間を半日ではございましたが、高速道路の無料措置を取りました。国道20号が水につかって通れなくなったためです。それで、そこが復旧されるまでの間、生活道路として高速道路を使っていただこうということで、無料措置を行ったわけです。諏訪湖の水位が下がって、20号が復旧した後、もとに戻しました。

以上、私の方から、簡単にご説明をさせていただきました。みなさまからのご質問をお受けしたいと思います。

 

(記者)

豪雨の被害復旧に要した費用はどのくらいでしょうか。

 

(会長)

まだ作業中ですので最終的なところは確定できていないのですが、だいたいいつ頃になるでしょうか、やはり全部復旧が終わってからということになると思います。とりあえず通行止めしたことによる損害額は約2億2千万円程度と推定しているところですけれども、おそらく復旧費用は数億円というところではないかと思っています。また確定しましたら皆様にもご報告できるのではないかと思います。

私どもは高速道路の経営をやっている会社なのですけれども、実際そこの地元の皆さんと災害復旧を一緒にやるということが大事だと思っています。そういう意味では高速道路が直ってしまえばそれで良いということではないと思っておりまして、地元の皆さんともよく協議をしながらやっていきたいと思っております。

 

(記者)

初めての会見ということで、就任からこれまでの職務の感想というものをお聞かせ願えますか。

 

(会長)

私の率直な感想を申し上げますと、道路を造って運営するという事業は巨大なものづくり産業だと思いました。私はかつて電気産業で働いていた者ですが、そこに例えれば原子力発電所、あるいは水力発電所の建設によく似ていると思います。相当足の長い事業ですね。10年も20年も、時には30年もかかる事業でありますし、その工事の巨大さ、社会的な意義、そのようなことから言っても巨大なものづくり産業なのだなというのが実感です。

したがってそこで事業に従事する、仕事をしている人たちの、これは何も中日本高速道路本体だけではなくて、関係の企業も含めた全体の気風ですね、社員・従業員の気風なのですが、これはやはり皆さん高い気風を持って仕事に取り組んでいると思います。社会的使命を自覚して仕事をしていると思うわけです。また自然が相手ですからとりわけ豪雨や地震、いろいろな天災というものが私たちの予期以上の猛威を振るうわけでありまして、そういう点から言って質実剛健な気風があると、決して浮付いていないという風に思うのですよね。

そういう意味で私は会長になって1カ月ですけれども、ある意味で確かな手応えみたいなものを感じていまして、特に今回の災害復旧にあたっての社員や関連企業の皆さんの献身的な仕事ぶりを見ておりますと、やはりこれは基本的にいい会社なんだなと、ぜひ本当の意味で――私は就任の時にも申し上げましたが――世の中のために役に立ついい会社にしたいという思いをまた一段と強くいたしまして、心強く思っております。なかなか外にいると分からない部分だと思うんですね。あまり高速道路の会社の皆さんは自己PRが上手じゃないなと思うんですね。実に地味な人々の集団だと思うんですが、これからやれることがいっぱいあるな、そういう感想を持っております。

 

(司会)

その他特にご質問がなければ、本日の定例記者会見はこれで終了させていただきます。

 

(会長)

どうもありがとうございました。