NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2015年10月21日宮池社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第107回の定例会見をはじめさせていただきます。

 

【宮池社長】

それでは、本日ご用意したトピックスをご説明します。

【事業の現況(2015年9月)】

資料1の1ページをご覧ください。

営業の状況ですが、9月の料金収入は、557億8千6百万円と対前年同月比2.7%の増加、また、通行台数は日平均198万2千台と対前年同月比3.1%の増加となりました。

今年の9月は、シルバーウィークがあった影響で、休日の高速道路利用が 増加したこと、また圏央道の利用が引き続き好調なこともあり、対前年同月比で料金収入及び通行台数ともに増加となりました。

 

建設の状況です。

2015年度に開通を予定している区間の工事概況です。

新東名浜松いなさジャンクション(JCT)から豊田東JCT間55kmは、開通遅延の要因となっていた切土のり面対策などの対策工事も概ね完了し、全線にわたって、舗装や標識、休憩施設内の建物などの工事を鋭意進めているところです。現在、工程を精査中で、来月中には開通時期の見通しをお知らせしたいと考えています。

新名神四日市JCTから新四日市JCT間4kmおよび東海環状道新四日市JCTから東員JCT間1kmは、本年度末の開通を目標に、全線にわたって工事を進めているところですが、先月の定例会見でも説明させていただいた通り、台風18号により、切土のり面で崩落が発生しました。

学識経験者を交え検討した結果、崩落した箇所の前後の延長約1kmの切土のり面が、崩落箇所と類似の地質であり、開通後の安全確保のため、アンカー工やコンクリートのり枠工などの対策が必要となり、現在、対策工の詳細設計を実施するとともに、全体工程を精査中です。

 

次にサービスエリアの状況です。

サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の総数は、177カ所で変更はありません。

9月のSA・PAの売上高は159億8千2百万円で、対前年同月比5.0%の増加となりました。飲食・物販部門の売上高は、対前年同月比7.5%の増加となりました。

増加の要因としては、今年はシルバーウィークが5連休であり、「10周年感謝記念イベント」や「北海道物産展(海老名上り)」などの開催により、売上が好調に推移し前年対比プラスとなりました。

ガソリン部門の売上高は対前年比0.8%の減少となりました。

減少の要因としては、原油価格の下落があげられます。

 

【上半期の入札不調発生状況と入札不調対策】

資料2をご覧ください。

2015年度上半期の入札不調発生状況についてですが、入札を実施した250万円以上の工事の入札不調の発生件数は34件、発生率は19.2%となっています。入札不調の多い工種は、昨年度に引き続き、土木工事や道路補修工事です。昨年度は不調特命見積協議方式の効果などで、入札不調発生率が13%と大幅に改善しましたが、今年度は増加傾向にあります。

入札不調対策は継続的に取り組んできておりますが、即効性のあるものではないことから、今後も動向を注視しながら必要な対策をとっていきたいと考えています。

これまでの主な入札不調対策として、不調特命見積協議方式の採用や工事管理の改善策として、業界団体と意見交換を実施し、工事管理上の課題解決を目指して、受発注者の認識を共通にする各ガイドラインを見直してきたところです。

今年度も引き続き入札不調対策に継続的に取り組んでおり、市場動向を反映した積算基準の改正として、価格変動への細やかな追従を目指した市場単価方式の適用拡大や諸経費の見直しを実施しています。

また、入札不調のうち多くを占める不成立の主な発生要因である「配置予定技術者が確保できない」といった課題への対応、さらには将来の担い手である若手技術者の活用を目指して、2015年8月以降に入札公告をおこなう一般競争入札の工事から、入札参加要件として求めていた配置予定技術者の経験・資格を入札時とせず、現場着手時とする見直しをおこないました。これにより、入札時から配置技術者が特定されることがなく、経験・資格を満たす者であれば誰でも配置可能としました。

併せて、入札時の技術評価項目から配置技術者の評価を削除したことから、経験豊富な技術者にこだわることなく、若手技術者の積極的な登用につながると考えています。この対策が入札の不成立を減少させることを期待しています。

今後も引続き、建設事業や安全性向上3カ年計画の着実な実行と、これから本格化する特定更新等事業の推進に向け、入札契約制度、積算基準、工事管理などについて、見直し、改善を図ってまいります。

 

【重量超過車両に対する取組み強化の状況】

資料3をご覧ください。

当社では、本年4月から重量超過車両に対する取組みを強化しており、これまでの取組み状況について中間報告させていただきます。

資料3の1ページのとおり、道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故につながるおそれのある重量超過車両に対して、これまで5件の告発を実施し、その都度、記者発表や当社公式WEBサイトでお知らせしております。

その内、一昨日の10月19日には、東海北陸自動車道の岐阜各務原インターチェンジ(IC)で取締りをおこなった事案について、東海地区で初となる告発を発表いたしました。また、7月29日に神奈川県警に告発をおこないました、東名高速道路横浜町田ICの事案については、神奈川県警の発表で、9月8日に書類送致されたと聞いています。

新たな取締りの実施としては、当社ではインターチェンジ入口に専門の取締隊を配置し、違反車両に対しては高速道路からの退去を命じる「Uターン」などの措置をとっています。

今年4月から新たに一定重量以上の重大な違反に対して、重量を減少させる「積荷の軽減」や、通行許可を取得するまでその場で停止を命ずる「通行の中止」といった厳しい措置をこれまで12件実施しました。

当社では、関係機関と連携を図り、重量超過車両の撲滅に向けて取締りを強化しており、今後も引き続き精力的に取り組んでまいります。

 

【訪日外国人向け高速道路乗り放題パスの対象エリア拡大】

資料4をご覧ください。

日本を訪れる外国人旅行者の方々について、国は、観光立国の推進に向け、2020年に、外国人旅行者数2,000万人を目指しており、昨年は過去最高の1,300万人を超える状況となっております。

こうした中、現在、外国人のお客さま向けに当社が販売している、高速道路が定額で乗り放題となる割引商品「速旅Central Nippon Expressway Pass」[略称「CEP」(セップ)]についてお知らせします。

11月1日から、CEPの乗り放題対象エリアを、現在の当社が管理する高速道路に加えて、西日本高速道路が管理する京都エリア(八日市IC・甲賀土山IC~京都南IC)まで拡大します。

日本有数の観光地である京都を乗り放題エリアに含めることで、CEPの魅力が増し、白川郷、金沢、富士山といった中部エリアの観光地への訪日外国人の誘客につながるものと考えております。

また、CEPをお申込みいただけるレンタカー会社の取扱店舗も76店舗に増やしており、ますますご利用しやすいものとなっております。

外国からのお客さまに、使いやすくなった乗り放題パスで高速道路を利用し、中部エリアの魅力ある観光地へお出かけいただきたいと思います。

 

以上が、本日ご用意したトピックです。

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けいたします。

 

【記者】

愛知県が有料道路を民営化する方針を発表しましたが、入札において道路会社の参加が制限されたことについての見解はいかがでしょうか。

【宮池社長】

当社としてはコメントする立場にないかと思います。

【記者】

入札の検討はしていたのでしょうか。

【宮池社長】

どのような条件になるか注視していました。当社が管理する高速道路につながっていますので、お客さまにご迷惑をおかけしないように対応していくことが大事だと思っています。

 

【記者】

入札不調の件について、昨年度は対策の導入に伴い入札不調発生率が下がりましたが、今年度は上がっています。何か原因はあるのでしょうか。

【宮池社長】

原因の特定は難しいですが、当社としては、安全性向上3カ年計画や高速道路の建設工事といった工期の限られた工事については、工期に影響を与えないようにするためにさまざまな対策をおこなっています。契約締結が遅れた工事は現場で工夫しながら、工期に間に合わせるように対応しています。

【記者】

技術者要件緩和と若手技術者の活用では、クオリティ確保の観点で十分に対応できるというように思われているのでしょうか。

【宮池社長】

品質確保には現場の管理体制をしっかり整えていくこと、さらに強化していくことが重要だと思っています。

 

【記者】

2015年度内の開通に、新名神ののり面対策の影響は出るのでしょうか。

【宮池社長】

当初の計画になかった約1kmののり面対策が必要となったため、どのぐらいかかるのか、現在、工程を精査しております。来月中には、そのあたりの見通しが立つのではないかと思っています。

 

【記者】

テラスゲート土岐が開業して半年ほど経ちますが、利用するお客さまの推移はいかがでしょうか。

【宮池社長】

おかげさまで想定集客数の104%で推移し、ご好評いただいています。ますます多くの方にご利用いただけるように頑張っていきたいと思います。

【記者】

近くのアウトレットモールとの相乗効果といったものはあるのでしょうか。

【宮池社長】

それもあると思っています。お客さまがより立ち寄っていただけるよう、これからもさまざまな工夫を考えていきたいと思っています。

 

【記者】

訪日外国人向けの乗り放題パスは、いつから始めているのでしょうか。また、国別の利用状況が分かれば教えてください。

【社員】

2012年から開始しています。ご利用状況は、2012年度が約40件、2013年度が約200件、2014年度が約900件となっています。今年度は半年で約1,000件という状況です。国別では、今年4月から7月末までのデータで、香港からのお客さまが85%、残りの15%は韓国、台湾などの東南アジアからのお客さまです。

【記者】

販売期間が延長となっていますが、期間を限定していたのでしょうか。

【社員】

今年度末までの商品でしたが、乗り放題エリアの拡大にあわせ、約半年延長することとしました。来年11月以降についても、販売状況を見ながら継続する方向で考えていきたいと思っています。

【記者】

インバウンドが増えてきている中で、昇龍道エリアの観光振興にどのように貢献しているとお考えでしょうか。

【宮池社長】

これからは個人のお客さまが増えると聞いておりますので、自動車を使ったご利用が増えると思っています。

【記者】

今後、外国人の方の利用が増えるということですが、例えば、道路標識のサインを日本語、英語に加えて他の外国語も対応するなどのハード面で対応することはありますか。

【宮池社長】

東京オリンピック・パラリンピックに向けて国で検討されていますので、それが決まると当社でも対応が必要と考えています。現在、標識は日本語とローマ字表記がされていますが、サービスエリアのコンシェルジュやパトロール隊の外国人対応などを進めているところです。また、SA・PA内の外国語表示やWi-Fiなど、多方面で進めています。

 

【記者】

10月1日で民営化10年を迎えましたが、今後に向けて抱負をお聞かせください。

【宮池社長】

民営化10年に関する国交省の業務点検では、十分にできているという評価をいただきました。10年経って新しく出てきた課題は、大規模更新・大規模修繕工事に代表される設備の老朽化ということ。さらに東日本大震災の時に、物資の輸送のため高速道路を24時間以内に早期に開通させ、非常に役立ったということで、今後も老朽化とともにしっかり取り組んでいきたいと思います。さらに先のことですが、最近話題になっています自動運転です。高速道路として何ができるのか、自動車メーカーでは2020年という目標もあるようなので、高速道路としてもそれに向けて準備して、対応していかなければならないと考えています。自動運転が実現すれば高速道路としても、事故が減る、渋滞が減るということにつながります。メンテナンスのIT化なども図っていかなければならないと思っております。

【記者】

例えば、自動運転した車に対して料金を値下げするとかの柔軟性は考えられるのでしょうか。

【宮池社長】

検討したことはありませんが、1つのアイデアとして勉強したいと思います。

 

【記者】

乗り放題パスの数字の伸びが大きいのですが、これは一概にいわゆるインバウンド効果なのか、宣伝効果が広がってきたのか、利用が何かに組み込まれるようになってきたのかなど、増加の原因はどのように見ていますか。

【宮池社長】

詳しい分析はしていないのですが、徐々に周知されてきたのではないかと思っています。

【社員】

補足してご説明します。この3、4年の間で、レンタカー会社の販売箇所、ご利用箇所を増やしてきました。割安で、不慣れな外国人の方には使い勝手の良い商品ですので、そのPR効果により増加してきたと考えております。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。