NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2014年12月18日宮池社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第99回の定例会見をはじめさせていただきます。

【宮池社長】

 

トピックスのご紹介の前に、今回の大雪についてご報告します。

 

現在、通行止めとなっている区間では、除雪作業を実施しています。
ご利用のお客さまには、大変ご迷惑をお掛けしています。

 

昨日、東海地方で大雪となり、降り始めから18日朝11時までの降雪が、東海北陸道荘川付近で約199㎝、名神高速道路羽島付近で約35㎝、中央道駒ヶ根付近で約41㎝ありました。現在、東名、中央道、東海北陸道、名二環、東名阪、東海環状道の一部の区間について通行止めとなっています。

この大雪に伴い、東海北陸自動車道ひるがの高原サービスエリア付近では、大型車が上り坂を登ることができずに、立ち往生し、通行止めとなり緊急車両の通行を確保するため、改正災害対策基本法に基づき、17日15時00分から東海北陸自動車道美濃IC~白川郷IC間を区間指定し、本線上の立ち往生車両の移動等の作業を実施しました。

最大で通行止め区間に約100台の立ち往生車両がありましたが、20時までに全ての車両の本線上の立ち往生を解消しました。

今回の対応においては、11月21日に施行された改正災害対策基本法を高速道路では初めて適用しました。現在、通行止め区間では、除雪作業をおこなっており、作業が終わり次第、通行止めを解除する予定です。

 

2つ目のご報告です。

笹子トンネル天井板落下事故が起きてから、今月2日で2年が経ち、同日、山梨県内で追悼慰霊式を執りおこないました。

追悼慰霊式では、お亡くなりになられた皆さまにご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆さまに対してお詫びを申し上げ、そして、再発防止と安全性向上に向けた取組みを、徹底的に進めてまいることをお誓い申し上げました。

また、当日の取材に関しまして、マスコミの皆さまにご協力をいただき、ありがとうございました。

 

【事業の現況(2014年11月)】

資料1-1ページをご覧ください。

営業の状況ですが、11月の料金収入は、544億1千5百万円と対前年同月比23.1%の増加、また、通行台数は日平均194万4千台と対前年同月比5.5%の減少となりました。

料金収入については、利便増進事業による割引の終了に伴い、4月から料金割引制度を見直したこともあり、前年度と比べ増加傾向が続いており、11月も同様の傾向でした。

通行台数については、料金制度見直し以降、前年度と比べて減少傾向が続いており、11月も同様の傾向でした。

 

次に建設の状況です。

圏央道寒川北インターチェンジから海老名ジャンクション4kmの建設区間については、本体工事は概ね完成し、舗装、設備などの工事を実施中で、2014年度内の完成に向けて予定どおりに進捗しています。

圏央道相模原インターチェンジについても、2014年度内の開通に向けて、予定どおりに進捗しています。

資料にはありませんが、新東名浜松いなさジャンクションから豊田東ジャンクション55kmについては、開通時期見直しの要因となった、切土のり面崩落対策、自然由来の黄鉄鉱・重金属を含んだ土砂の処理、橋梁基礎の沈下対策は、予定どおりに進捗しています。

 

資料1-2ページをご覧ください。

次にETCの状況ですが、11月の日平均利用率は91.1%でした。

サービスエリア・パーキングエリアの総数は、177カ所で変更はありません。

 

次にサービスエリアの状況です。

11月のサービスエリアの売上高は159億1千万円で、対前年同月比2.5%の減少となりました。飲食物販部門の売上高は、対前年同月比2.9%の減少となりました。

これは、月初めの3連休が、天候不順の影響と、11月の交通量が94.6%と低かったことなどが要因です。

ガソリン部門の売上高は、対前年同月比1.3%の減少となりました。これまでガソリンの売上は前年比100%以上で推移してきましたが、11月は100%を下回りました。全油種とも、前年との販売単価差が縮小し、さらに特に売上が好調な軽油の単価差が最も小さく、軽油の売上増でもハイオク、レギュラーの売上減をカバーできなくなったことが要因です。

サービスエリアの営業時間ですが、12月26日~1月4日の年末年始期間中、渋滞が見込まれる一部路線のサービスエリア・パーキングエリアでは、通常よりも営業時間を延長します。エリアごとの詳細な情報はWEBサイトに掲載していますので、お出かけ前にご確認ください。

 

【年末年始の取り組み】

年末年始の渋滞予測につきましては、すでに11月28日に発表させていただいていますが、年末が近づいてきましたので再度お知らします。

 

資料2-1をご覧ください。

今回の年末年始期間は、昨年と同じ最大9連休です。

当社管内の渋滞ピークは、下り線が12月27日(土曜日)、1月3日(土曜日)、上り線が1月2日(金曜日)、1月3日(土曜日)となっています。

当社管内での10km以上の渋滞回数は96回、うち30km以上は12回と予測しています。今年の渋滞の傾向については、下り線は全体的に分散傾向、上り線は年始のUターン時期の2日、3日に多く発生すると予測しています。

渋滞予測情報、道路交通情報の提供として、渋滞予測ガイド(冊子)、「公式WEBサイト」による渋滞予測情報、「アイハイウェイ中日本」による道路交通情報の提供などを実施します。出発前にご活用いただき、渋滞を避けたご利用をお願いします。

さらに、混雑対策の取り組みとして「東名 渋滞減らし隊キャンペーン」を実施します。

今回から、新しい試みとして「中央道渋滞減らし隊キャンペーン」を実施します。詳しくは、お配りした資料2-2をご覧いただき、渋滞緩和にご協力をお願いいたします。

 

次に冬装備のお願いです。

今月6日~7日にかけて、東海北陸道と北陸道で、ノーマルタイヤ装着車両が雪により登坂不能となり、長時間の通行止めが発生しました。

また、昨日からの大雪でも東海北陸道で登坂不能な車両が発生したことから長時間の通行止めとなり、災害対策基本法に基づく道路区間の指定がおこなわれたところです。

お配りした「雪用心」、「冬道走行に気をつけガイド」にも記載のとおり、冬の高速道路を走るときは、必ず冬用タイヤを装着し、突然の大雪に備え、タイヤチェーンの携行をお願いします。大雪の気象予報が発表されたら、不要不急の外出を控え、無理のない走行計画をお願いします。

当社では、今月に入って12日からと17日からの2回、名神・中央道・北陸道などの大雪に関する気象予測を参考に、2、3日前から事前の広報や情報提供を実施しました。今後も、大雪に関する事前広報や情報提供に努めますので、皆さま方の報道のご協力をお願いします。

 

次に交通安全啓発のお願いです。

12月18日午前9時現在の交通死亡事故の発生状況(会社調べ)ですが、当社管内で交通死亡事故が41件発生し、44名がお亡くなりになりました。

昨年の同時期では、45件発生し、52名がお亡くなりになっています。昨年との比較では4件、8名少ない状況です。ただし、12月に入り6件、7名がお亡くなりになられ、昨年同時期の2件、2名に比べ、急増しています。

2014年交通死亡事故の特徴ですが、本線上に停止している車両などへの対人・対停止車両事故が多くなっています。事故や故障で停止した場合には、ハザードランプ、発炎筒、停止表示器などで後続車に合図し、カードレールの外側に退避するなど自らの身を守る行動が重要です。

年末年始を迎えるにあたり、運転をされる際にはすべての席でシートベルトを着用し、冬道走行への備えを万全にして、安全で快適なハイウェイドライブをお楽しみください。

 

【テラスゲート土岐】

当社が岐阜県土岐市に建設中の複合商業施設の名称決定について、お知らせします。

資料3をご覧ください。

すでに今年1月に計画概要を公表していますが、このたび、東海環状自動車道の土岐南多治見インターチェンジの隣接地で建設中の複合商業施設の名称を、『テラスゲート土岐』と決定しましたので、お知らせします。

『テラスゲート土岐』は、「高速道路沿線自治体と連携した地域開発」という開発コンセプトを念頭に、土岐市と連携して開発している複合商業施設です。

「地域連携施設」・「温浴施設」・「地域密着型ショッピングセンター」で構成されております。なお、今回の複合商業施設は、高速道路外での大規模地域開発として、初めての取組みになります。

『テラスゲート土岐』の名称については、地域の皆さまの憩いの場としての「テラス」、東濃地域の玄関口である「ゲート」を組み合わせて名付けました。

あわせて、当社のグループ会社であるNEXCO中日本開発株式会社が運営する「地域連携施設」の名称を、「まちを結う」という想いをこめて、『まちゆい』としました。

地域連携施設『まちゆい』では、土岐市による観光案内、美濃焼きにまつわる体験メニューや各種セミナーの開催のほか、地元岐阜県産の材料や製法にこだわって作った、お菓子・酒・調味料などの食料品を販売します。

高速道路ネットワークを活用して、広域の個性豊かな特徴ある商品も取り揃えます。

また、NEXCO中日本開発株式会社が運営する「温浴施設」の名称を、「子供の頃のように気ままに思い思いの時間をすごしていただきたい」という想いを込めて、『よりみち温泉』としました。

温浴施設『よりみち温泉』は、日帰り天然温泉に加え、岩盤浴、レストラン、リラクゼーション、カフェなどをご用意した滞在型の温浴施設です。

温泉には、天然温泉の他、人工炭酸を溶け込ませた「炭酸泉」、ジェットバスや電気マッサージによる「回遊風呂」、美濃陶器でできた「つぼ湯」などがあり、岩盤浴は7種類ご用意しています。

なお、施設のオープンは2015年春を予定しております。

詳細が決まりましたら、改めてお知らせします。

 

【メニューコンテスト結果発表】

資料4をご覧ください。

メニューコンテストは、レストラン料理人の創作意欲を高め、味・品質の向上を図ること、また、地域食材を活かしたメニュー開発を通じ、地産地消・地域活性化の促進を図ることを目的としており、今回で7回目の実施となります。

12月16日、服部栄養専門学校で開催しました。

テーマは『地域の食材を使用した“ほかほか”贅沢メニュー』とし、参加者として、サービスエリアのレストラン38店舗が予選に参加し、東京、静岡、名古屋、八王子、金沢の各地区の試食審査を勝ち抜いた12店舗が本選に出場しました。

審査員は服部学園理事長の服部幸應氏、フードジャーナリスト中村壽美子氏、料理研究家藤井恵氏ほかです。

審査基準は、「味」「見栄え」「コストパフォーマンス」「こだわり」「独創性」などを総合的に評価します。

結果発表ですが、最優秀賞は北陸道有磯海SA下り線の「とやまのおもてなし“ハレの日の三重奏”」(2,000円)、審査員特別賞は、東海北陸道関SA上り線「旅籠癒楽膳(はたごゆうらくぜん)」(1,900円)、東名高速EXPASA海老名上り線「医食同源ヘルシー御膳」(1,480円)、北陸自動車道有磯海SA上り線「有磯海紀行~富山の恵みの奏(かなで)~」(1,880円)がそれぞれ受賞しました。

審査の総評ですが、
『今回のテーマである「地域の食材を使用した”ほかほか”贅沢メニュー」がどのメニューにも浸透しており、まさに体がほかほかに温まるメニューばかりだった。どのメニューも僅差で甲乙つけ難かった。受賞されなかった方もぜひ自信をもっていただきたい。またコンテストの内容も、各料理長が真剣になって調理する様は、服部先生からも同類のコンテストの中でも素晴らしい。是非、今後も目を見張るメニュー開発をお願いしたい。』 とおほめの言葉をいただきました。

すでに本選にエントリーしたメニューすべてが、11月11日(火)から販売開始していますが、今回の受賞を受けて、今後、各店舗や公式WEBサイトなどでPRしていきます。

 

【調査検討委員会の検討状況】

最後に、配布資料はありませんが、9月2日に発生した伊勢湾岸自動車道 上郷大成高架橋における「あと施工の床版下面吹付コンクリート」がはく離し、高速道路敷地内に落下した事象に関する調査検討委員会の検討状況を報告します。

原因究明と今後の対応について、年内に取りまとめるべく検討を進めてまいりましたが、これまでの2回の委員会を通じて、落下に至ったメカニズムについて想定される要因を洗い出し、解析と5体の試験体による実験をおこなうこととしていましたが、各委員の方々からのご意見等を踏まえ、吹付け厚さの影響など確認すべき内容を追加して試験体を8体に増やしたため、実験後の解析と合わせ取りまとめ結果の公表は1月末となる見込みです。

マスコミの皆さまには、次回の委員会開催日程が決まりましたら、改めてお知らせいたしますので、よろしくお願いします。

以上が、本日ご用意したトピックです。

 

 

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けいたします。

 

【記者】

大雪の降雪予報に基づいて、雪の降り始めからインターチェンジ間で通行止めするようなことは考えないのでしょうか。また、改正災害対策基本法により、車両の移動が可能になりましたが、今回の移動が完了するまでに少し時間がかかっているように感じますが、その時の状況について詳しく教えてください。 今後、今回と同じように雪道を走れない車が発生し、走行不能となった場合、どのような対応をとられるのでしょうか。

【宮池社長】

高速道路を早めに通行止めしてはどうか、というご意見については、東海北陸道は山間部を通っているため、大雪による地域の孤立ということも一方で考えなければなりません。当社としてはできるだけ機材を投入して、除雪作業をしながら、交通を確保することが使命だと思っています。雪道を走る際は、冬用装備の徹底をお願いします。

【社員】

高速道路会社では改正災害対策基本法の初適用となりましたが、当社では、適用する前から立ち往生車両の位置を把握し、車両の移動作業を実施していました。また、車両移動用のレッカー車なども事前に8台準備しており、随時移動作業を進めていましたが、夕方以降も降雪がかなり増えるという予報もあり、その時点で、まだ70台の立ち往生車両が残っていたことから、通行止めが長期化することを防ぐべきという判断で、改正災害対策基本法を申請することとしました。

【記者】

先頭で立ち往生した車の大型車についてですが、ノーマルタイヤだったのでしょうか。

【社員】

スタッドレスタイヤは装着していましたが、上り勾配が2.5%くらいのところで走行が不可能になりました。

【記者】

スタッドレスタイヤは履いていたが、勾配があり、上りきれなかったということですか。

【社員】

勾配もあるかと思いますが、当日は気温も低下しており、路面の状況が悪く、動けなくなったことも考えられます。

【記者】

今回、雪道の装備をしていた車が立ち往生してしまったということで、今後の対策として、雪の状況や気温が下がれば、より早い段階で、除雪ではなく通行止めするということもあり得るのでしょうか。

【宮池社長】

判断が難しいところですが、先ほど申し上げたように交通を確保していくことも一つの任務です。今回は大雪が予報されていましたので、降雪の予報がない関東方面から除雪車両を投入して、最大限の交通を確保していくことが重要と判断しています。

【記者】

前回の会見で大雪対策について説明がありましたが、今回の大雪に活かされたものがありましたら教えてください。

【宮池社長】

管内の雪氷作業用の機材を集中的に投下することで、できるだけ通行止めをなくし、通行止めとなっている場合でもできるだけ早い開通を目的に対策をとりました。実際には、横浜保全・サービスセンターと御殿場保全・サービスセンターなどから計16台の除雪車両をはじめ機材を投入し、機能的に実施しています。今回の反省事項を踏まえながら、PDCAを回していきたいと考えています。

【記者】

反省事項とはどのようなことでしょうか。

【宮池社長】

まだ、降雪が続いており、通行止めとなっている区間もありますから、対策が終了してから課題を整理したいと思います。

【記者】

愛知県道路公社のコンセッション事業の参入について、質問させていただきます。会社としての見解については、先日「全くの白紙」と広報を通じて聞いていますが、社長の思いとしてこの事業に関心があるのかということを教えてください。

【宮池社長】

愛知県の有料道路のほとんどが当社の高速道路につながっていることが非常に特徴的だと思います。当社としては、今後の展開に注視していくというスタンス以上のものは何も持っていません。

【記者】

この事業の参入については、純粋な民間の企業とは言えないところが参入することについていかがなものか、という意見がありますが、社長の見解はいかがでしょうか。

【宮池社長】

そのご質問については、当社はコメントする立場にないと思います。

【記者】

「テラスゲート土岐」について、いよいよオープンが迫っていますが、この施設に期待することを教えてください。

【宮池社長】

高速道路やインターチェンジの近くで、地域が元気になるようないろいろな設備を造りながら、地域とともに、地域の開発に協力していくことが基本的な姿勢です。「テラスゲート土岐」には土岐プレミアムアウトレットが隣接しており、お互い刺激し合い、地域が元気になることに協力していくことは非常に良いことと思います。「テラスゲート土岐」がうまくいけば、さらに他の地域でも検討していきたいと考えています。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例記者会見を終了いたします。