NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2014年10月22日宮池社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第97回の定例会見をはじめさせていただきます。

【宮池社長】

本日ご用意したトピックスは4つです。

 

【事業の現況(2014年9月)】

資料1の1ページをご覧ください。

営業の状況ですが、9月の料金収入は、543億2千4百万円と対前年同月比28%の増加、また、通行台数は日平均192万3千台と対前年同月比2.4%の減少となりました。

料金収入については、利便増進事業による割引の終了に伴い、4月から料金割引制度を見直したこともあり、前年度と比べ増加傾向が続いており、9月においても同様の傾向でした。

通行台数についても、料金制度見直し以降、前年度と比べて減少傾向が続いており、9月においても同様の傾向でした。

 

次に建設の状況です。

圏央道寒川北インターチェンジから海老名ジャンクション4kmの建設区間については、本体工事は概ね完成し、舗装、設備などの工事を実施中で2014年度内の完成に向けて、予定どおりに進捗しています。

資料にはありませんが、新東名浜松いなさジャンクションから豊田東ジャンクション55kmの建設の状況についてご説明します。

この区間の開通時期については、2015年度末となることを7月に公表させていただきましたが、開通時期見直しの要因となった、切土のり面崩落対策、自然由来の黄鉄鉱・重金属を含んだ土砂の処理、橋梁基礎の沈下対策については、2つの台風18号、台風19号の影響もなく、予定どおりに進捗しています。

 

次にETCの状況です。

資料1の2ページをご覧ください。
9月の日平均利用率は91.0%でした。

 

次にサービスエリアの状況です。

9月のサービスエリアの売上高は152億6千万円で、対前年同月比0.7%の減少となりました。飲食物販部門の売上高は、対前年同月比2.8%の減少となりましたが、これは、昨年9月に3連休が2回ありましたが、今年はうち1回が飛び石連休であったことが要因です。

ガソリン部門の売上高は、対前年同月比4.2%の増加となりました。交通量は減少しましたが、給油数量は昨年を上回っており、ガソリン単価差もプラス10円あることから前年を上回りました。

 

次に前回の定例会見でも紹介しましたが、東名集中工事開始のお知らせです。

今週月曜日から東名集中工事が始まっており、11月7日まで工事がおこなわれます。

今年の集中工事は3週間にわたっておこなわれ、特に3週目は2週目までと工事区間が異なりますのでご注意ください。

工事期間中は、ご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力をお願いします。

 

【植物発生材を利用した燃料化】

次に鮎沢(あゆざわ)ペレットプラント設備の試行運用状況についてお知らせします。

資料2をご覧ください。

環境・持続可能社会への貢献と資源の3R推進を目的に、高速道路の維持管理で発生した植物発生材、刈り草や剪定した枝、伐採木などをペレットプラント設備により燃料化する、環境に配慮した取組みを実施しています。

今年6月、高速道路会社で初めて、高速道路の維持管理で発生する植物発生材をペレット化する燃料製造施設「鮎沢ペレットプラント」を神奈川県足柄上郡山北町の旧パーキングエリア敷地に整備し、8月から試行運用を開始しています。

このプラントは、当社の植物発生材のうち60%を刈り草が占めることから、刈り草もペレット化できることが特徴です。

9月末時点の試行運用状況は、東京支社管内で発生した高速道路ののり面やインターチェンジ内の刈り草や伐採木など230m3の草木を搬入し、約15tのペレットを製造しました。この製造した約15tのペレットで高速道路の料金所施設の空調設備(24時間営業を想定)を約3週間稼働することでき、電気使用量の節電が可能となります。

今後は、当社初のバイオマス循環利用モデルとして、試行運用を1年程度継続し、ペレットの製造量、品質やボイラーの燃焼効率などの検証をおこない、本運用に向けた検討を進めていきたいと考えています。

 

【橋コンテスト】

次に第9回新聞紙で作る高速道路“橋”コンテストをお知らせします。

資料3をご覧ください。

「橋コンテスト」とは、身近にある新聞紙と接着材で、高速道路の橋を製作し、作品のデザインや強さを競い合うコンテストです。このコンテストは、作品の製作を通じて、“ものづくり”への興味をもつきっかけや、高速道路に親しんでいただくことを目的としています。2006年から毎年開催し、今年で9回目となりました。

マスコミの皆さまには、本コンテストにご後援いただきありがとうございます。
「橋の美しさを競うデザイン部門」には、「未来の橋」をテーマに145作品のご応募をいただきました。10月4日(土)・5日(日)名古屋市西区のMOZOワンダーシティで、ご来場のお客さまの投票と審査委員で受賞作品を決定しました。

「橋の強さ部門」は、

  • 100グラムの新聞紙で作った橋が何キログラムの重りに耐えられるかを競う「耐荷部門」
  • 1キログラムの重りに耐えられる橋をいかに軽く作れるかを競う「軽量部門」
  • 学校対抗で耐荷を競い合う「団体戦」

の3部門の決勝大会を、11月1日(土)「ナディアパークデザインホール」でデザイン部門の表彰式と合わせて開催します。

是非、会場に足を運んでいただき、新聞紙で作ったとは思えない工夫を凝らした橋をご覧ください。

 

【接客コンテスト】

次は最後のトピックスです。

資料4をご覧ください。

11月7日(金)12時から18時まで、東京都千代田区イイノホールで「第6回SA・PA接客コンテスト」を開催します。

SA・PA接客コンテスト」とは、CS(顧客満足)レベルの更なる向上を目的に、中日本エクシスが運営する153箇所のSA・PAに勤務するスタッフ約10,000人を対象とした各地区の予選会を勝ち抜いた30名が出場する本選会です。

「レストラン部門」「フードコート部門」「物販部門」ごとに、お客さまのお迎えからお見送りまでをロールプレイング形式で実演し、審査員による採点をおこない、グランプリを決定します。同日、「採用から感動を与える人材にまで育てる文化」をテーマに、過去の大会で受賞したテナントのうち3名の方にパネリストとして登壇いただきパネルディスカッションを開催します。この取り組みにより、エリア全体のCSレベルの向上を図り、お客さまの期待を超えた「感動エリア」の創出を目指してまいります。

 

以上が、本日ご用意したトピックです。

 

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けいたします。

 

【記者】

新東名愛知県区間の工事は順調ということですが、工程通りということでしょうか。

【社長】

二週連続で台風が来ましたが、大きな影響はなく、計画通り順調に進んでいます。

【記者】

一年先送りした開通予定時期自体は変わらないということでしょうか。

【社長】

変わりません。

 

【記者】

9月の料金収入と通行台数の関係で、通行台数は下がっていますが、料金収入が上がるということについて、もう少し具体的にご説明をお願いします。

【社長】

昨年まで実施していた利便増進事業が3月末で終了したことで、その差額がこのように増えてきているということです。

【記者】

通行台数が下がったというのはどのような要因でしょうか。

【社長】

いろいろな要因があるかもしれませんが、料金割引制度が変わったということも一つの影響かもしれません。ほかに経済的要因などが考えられますが、これだと断定することはできません。

【記者】

実質値上がりしたので、高速道路を避けて一般道を走行する車が増えたということですか。

【社長】

その可能性もあると思います。

【記者】

交通量の減少傾向は4月から続いているのですか。

【社長】

4月から減少傾向が続いています。

 

【記者】

鮎沢ペレットプラントの関係でお聞きしたいのですが、何年ぐらいで投資回収できるのか、また電気料金でどれくらい削減を見込まれているのかを教えてください。

【社長】

具体的な数字は社員からご説明しますが、約7~8年で投資回収できるという試算をしています。

【社員】

今年度は試験運用期間ということで、1000m³くらいの発生材を持ち込み、約70tのペレットを製造する計画です。植物発生材としてそのままゴミとして処分すると1,000万円弱の費用がかかります。それに対してペレットの生産費用が約770万円かかりますので、削減額としては200万円程度と試算しています。来年度以降はもう少し生産量を増やしていきたいと考えております。
電気代の削減額については、8~9月で製作した15tをペレットが使えるボイラー設備がある藤枝岡部ICの空調設備で使用すると約23.1日分ということで、約4万円分の電気代が節約できると考えております。

【記者】

1年間試行運用して、本運用は全ICで実施するのでしょうか。

【社長】

試行結果を踏まえながら今後検討していきますので、次への展開は未定です。

 

【記者】

笹子事故の関連で今月15日の説明会でご遺族の方と面会されたということですが、その時の感想をお聞かせください。また、川崎市の研修施設でワゴン車の保管を検討されているとお聞きしていますが、一部のご遺族からは一般公開の要望もあるとうかがっています。それに対する一般公開の可能性についても教えてください。

【社長】

10月15日にお会いしたのはワゴン車に乗っておられた5人の方のご遺族です。安全性向上3カ年計画の取組み状況、進捗状況を具体的にご説明させていただきました。その後、ご遺族からいろいろお話を聞かせていただきました。お話をうかがって私は、あのような悲惨な事故を二度と起こしてはいけないという決意を新たにしました。突然家族を失うということの悲惨さというものを改めて認識し、「二度とこのような事故を起こしてはならない」という深い反省と強い決意で、安全性向上3カ年計画をしっかりとやり遂げるということ、それから全社を挙げて、安全文化を作るということの決意を新たにしました。

事故車両につきましては、これまで当社の社員約800人が訪れ、事故の悲惨さを認識し、ご遺族・亡くなられた方へのお詫びをおこない、高速道路の安全確保に取り組むことをお誓いしました。今後、研修設備として後世に残して、社員の安全性に関する教育に使っていきたいと思っています。また、ご遺族からは、ぜひ、事故車両を一般公開してほしいというお話をいただきました。これについてはいろいろと課題もありますので、当社としても検討を進めている状況です。

【記者】

検討を進めているということは可能性があるということでしょうか。

【社長】

可能性はあるかもしれません。

【記者】

ワゴン車のご遺族に会われたのは今回初めてなのでしょうか。また、一般公開するにあたって課題を教えてください。

【社長】

私は初めてお会いしました。課題については、どこに設置するかなど、検討していきたいと考えています。車両は当社にありますが、トンネル天井板などの設備は現在、警察で管理していますので、これらのことも踏まえて具体的なことを決めていかなければならないと思っております。

【記者】

笹子事故の関係で、ご遺族との面会の中で進捗状況などを話したことに対してご遺族からはどのような意見があったのでしょうか。また、安全性向上3カ年計画以外でも新たな要望があったのでしょうか。ワゴン車の公開について、目途としてはいつごろに公開なり、研修に使っていきたいのかをお聞かせください。

【社長】

ワゴン車につきましては、できるだけ早い時期に研修施設として設けたいと思いますが、時期についてはまだ具体的には申し上げる段階にありません。ご遺族への3カ年計画の進捗状況の説明において、「しっかりやってくれ」というお言葉もいただきました。一方で「まだまだ」というご発言もありましたが、概ね当社の取り組みを評価していただいたのではないかと思っております。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例記者会見を終了いたします。