NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




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高速道路初の脱炭素の取組みとして新たに2つの技術を推進 (1)CO2回収技術の共同研究に着手 (2)環境配慮型コンクリートを導入

NEXCO中日本は、高速道路事業の脱炭素の取組みとして、新たに、(1)二酸化炭素(CO2)回収技術の共同研究に着手し、また、(2)環境配慮型コンクリートを導入しましたので、お知らせいたします。

(1)CO2回収技術の共同研究に着手
NEXCO中日本は、茨城大学カーボンリサイクルエネルギー研究センター(以下、茨城大学)とCO2回収技術(湿度スイング法※)を高速道路で実用化するために共同研究に着手します。

CO2回収技術の開発

湿度スイング法は、大気中のCO2をフィルターで吸着後、水を用いて脱離して回収するエネルギー効率が良い新しい手法です。
湿度スイング法によるCO2回収技術は実構造物での実証例がないことから、高速道路で技術開発をおこないます。

高速道路での実証実験

CO2を効率よく回収するためには、常時一定方向に風がある環境が望ましいことから、換気による風の流れがある高速道路トンネルを対象とします。
トンネル内にCO2を吸着させるフィルターのほか、CO2脱離のための給水設備、水とCO2を分離して回収する設備を構築し、低エネルギーで効率的にCO2を回収する実証実験をおこないます。

※湿度スイング法とは
設置する乾いたフィルターがCO2を吸着し、これに水を与えて湿らせてCO2を脱離し、その後水とCO2を分離してCO2を回収する技術です(図1)。

実証実験イメージ
図1 CO2回収技術(湿度スイング法)の実証実験イメージ

(2)環境配慮型コンクリートを導入
NEXCO中日本は、2023年11月に「環境配慮型コンクリート設計・施工管理要領(低炭素型コンクリート編) 以下、本要領」を制定しました。本要領に基づき、2024年7月に、高速道路で初めて環境配慮型コンクリート※を用いてE8 北陸自動車道 阿久和川橋(上り線)のコンクリート製防護柵を施工しました。

これまでの取組み

NEXCO中日本は、2022年3月に公式WEBサイトで環境配慮型コンクリートの情報を広く募集しました。提供があった23社38製品の技術情報や土木学会の指針などを参考に、学識経験者、環境配慮型コンクリートの開発者からなる「環境配慮型コンクリートの適用に関する技術検討会」(座長:宮川豊章 京都大学名誉教授)を設置し、求める性能や適用範囲などについて取りまとめ、2023年11月に本要領を制定しました。

施工概要

項目 内容
施工箇所 北陸自動車道 今庄インターチェンジ(IC)~武生IC
施工する構造物 阿久和川橋(上り線) コンクリート製防護柵(写真1参照)
橋長:25.0m、コンクリート量:約20m³
1m³当たりのCO2排出削減率 約65パーセント削減(図2参照)
施工者 前田建設工業株式会社

環境配慮型コンクリート打設状況
写真1 環境配慮型コンクリート打設状況(阿久和川橋)

環境負荷低減効果
図2 環境負荷低減効果

今後の検証

環境配慮型コンクリートの施工方法、求める性能の照査方法、適用範囲について検証し、導入促進を図り、高速道路事業での脱炭素に貢献します。

※環境配慮型コンクリートとは
コンクリートの材料であるポルトランドセメント(以下、セメント)は、製造過程でCO2が大量に排出されており、その量はコンクリート1m³あたり約270~300kgと言われています。そのセメントの一部を、製鉄所や石炭火力発電所から排出される高炉スラグやフライアッシュなど別の材料(産業副産物)に置き換えた混合セメントを使用することで、CO2排出量を削減できます。
NEXCO中日本では、従来のコンクリートと比較してCO2排出削減率が40%以上のものを、環境配慮型コンクリート(低炭素型コンクリート)と定義しています。

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