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E1 東名高速道路の支承取替工事における設計の誤りについて

中日本高速道路株式会社 東京支社がE1 東名高速道路(東名)東京インターチェンジ(IC)〜横浜青葉IC間(上り線)の東京高架橋および元石川高架橋で施工した支承取替工事において、設計に誤りがあったことが判明しました。
今回判明した誤りは、設計計算過程に誤りがあったことと共に、過去に実施した施工内容や今後実施する改良計画が設計に反映されていなかったというものです。
設計の誤りが判明した支承取替工事は、地震による段差やズレなどの路面への影響を軽微な損傷に留めることで、大規模な地震が発生した際に高速道路を緊急輸送路として速やかに避難や救助・救急・消火活動などに活用する事前対策をおこなうものです。当該橋梁の橋脚の耐震補強はすでに完了しており、本設計の誤りを考慮しても落橋や倒壊等が生じる恐れはございませんので、高速道路をご利用のお客さまや沿線地域の皆さまの安全・安心に影響するものではございません。
なお、大規模な地震が発生した際に路面に段差やズレが生じないか、路面への影響を検討のうえ、速やかに追加の施工をおこなってまいります。
高速道路をご利用いただくお客さまをはじめ、地域の皆さまや工事受注者さま、関係の皆さまにご迷惑をおかけすることをお詫び申し上げます。

<位置図>
<位置図>

1.事案の概要

○E1 東名の東京高架橋および元石川高架橋の支承設計にあたり、考慮すべき地震時の水平力に誤りがありました。これは、橋梁の動的解析で求めた地震時の水平力を支承数で除算して支承1基あたりに作用する水平力を算出すべきところ、柱の本数で除算したうえに、さらに支承の数で除算していたものです。
右図の事例では、(正)地震時の水平力÷3(支承数3)とすべきところを、(誤)地震時の水平力÷9(柱数3×支承数3)としていました。

<東京高架橋(上り線)P54橋脚の例>
<東京高架橋(上り線)P54橋脚の例>

○東京高架橋および元石川高架橋の一部区間において、床版増厚が施工済みであることや防護柵(ガードレール)を壁高欄へ改良する計画を設計条件として設計受注者に提示できていませんでした。

○設計誤りの影響がある支承数
設計誤りの影響がある支承数

○設計誤りのあった橋梁の概要
設計誤りのあった橋梁の概要

設計誤りのあった工事

<施工前(鋼製支承)><施工後(ゴム支承) 2023年9月施工済>

○設計業務の概要
設計業務の概要

○経緯
経緯

2.当該橋梁における今後の対応

設計誤りのあった支承186基のうち、施工済みの168基については、次の対応を進めています。

対応1:地震時に大きな段差が生じないよう、仮受部材などを準備でき次第、速やかに設置

対応2:本来あるべき支承の性能に対し、不足する性能を補う水平力分担構造等を検討、必要な追加対策工事を実施

<仮受部材の設置イメージ>
<仮受部材の設置イメージ>

3.事案の要因

○設計計算の誤りは「担当した技術者による思い違い」であると設計受注者から聞いております。

○設計条件として過去の施工内容や改良計画を正しく提示できていなかったのは、当社内での情報共有ができていませんでした。

4.再発防止策

成果品の品質向上、担当技術者の資質向上等を目的として制定した「設計照査の手引き」に基づき、設計業務期間中の基本条件の確認段階、細目条件の確認段階において、監督員が確実に内容を確認し、記録に残すプロセスを徹底します。
また、設計業務履行期間中に「受注者の成果品照査期間」と「発注者の成果品確認期間」を確保し、成果品の精度向上を図ってまいります。

【用語の解説】
【用語の解説】

<橋梁の模式図><床版増厚の概要>

【壁高欄へ改良するイメージ】
【壁高欄へ改良するイメージ】

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