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プロピオン酸ナトリウムを活用した新たな凍結防止剤の開発 ~金属腐食の抑制に向けた取り組み~

NEXCO中日本は、富山県立大学および国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所と共同で、橋梁の鉄筋などの金属腐食の抑制を目的として、プロピオン酸ナトリウムを活用した新たな凍結防止剤の開発を実施してきました。今般、性能および作業性等における試験を実施し、一定の成果が出ましたので報告いたします。

検討の背景と目的

高速道路の冬期走行時の安全性を確保するため、従前より主に「塩化ナトリウム」(以下「塩ナト」という。)を凍結防止剤として使用してきました(写真1)。しかし、1993年頃からスパイクタイヤが使用されなくなって以降、塩ナトの使用量が順次増加し、それに伴い橋梁などで塩害による劣化の事例(写真2)が多く見受けられるようになってきたため、劣化抑制に有効な凍結防止剤の検討が求められてきました。
そこで、塩ナトよりも金属腐食抑制効果に優れる「プロピオン酸ナトリウム(※1)」(以下「プロナト」という。写真3)に着目し、2015年度より現場への適用性を検討してきました。
※1:プロピオン酸ナトリウム・・・プロピオン酸のナトリウム塩であり、細菌や真菌の増殖を抑制する効果があるため、主に食品保存料として使用されている。国内の年間使用量は約36トン。分子式はCH 3CH 2COONa。
※2:2014年1月22日「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」報告書より引用

検討結果

経済性を考慮し、塩ナトとプロナトを混合して使用することを前提として検討してきましたが、主な結果は以下のとおりです。

  1. 金属腐食性
    (地独)北海道立総合研究機構工業試験場が定める金属腐食性試験を実施した結果、図1に示すとおり、比較試料の蒸留水、塩ナトおよび塩カル(塩化カルシウム)の腐食減少量(mdd、※3)は、それぞれ8.6、22.5、27.5であったことに対して、プロナトの腐食減少量は0.3でほとんど金属腐食しない結果となっている。塩ナト・プロナト混合物は重量比8:2~9:1の間で蒸留水と同等の結果が得られており、金属腐食の進行を大幅に抑えられる結果となった。
    ※3:mdd・・・mg/dm 2/day(1日当たり1dm 2の表面から何mgの金属が失われたかを示す指標)
  2. 凝固点
    濃度20%の水溶液で凝固点測定を実施した結果、表1に示すとおり、塩ナトの凝固点-19.8℃に対し、プロナトは-17.0℃であり、塩ナト・プロナト混合物(重量比8:2)は-18.9℃と、塩ナトの凝固点に近い。
  3. 作業性
    雪氷作業基地において、市場で流通している粉末状のプロナト(写真4)を使用して水溶液を作製した結果、写真5に示すとおり、プロナトが全体に飛散し、著しく作業性が悪くなった。
    このため、プロナトの形状を粉末状から1mm程度の顆粒状(写真3)に改善したところ、材料飛散の課題が解決した。

今後の予定

室内試験や雪氷作業基地における事前検討の結果、塩ナトの一部をプロナトに置き換えることによって、費用対効果の高い凍結防止剤として適用できる可能性を見出すことができました。 プロナトの活用により、橋梁などの塩害が抑制され、その結果、構造物の長寿命化が図られ、LCC(ライフサイクルコスト)の低減が期待されます。
今後は、本線で試行散布をおこない、現場での課題への対応や効果の検証をおこなう予定です。

お問い合わせ先

・NEXCO中日本お客さまセンター (24時間365日対応)
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