NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2011年07月21日金子会長兼社長定例会見

会見要旨

(司会)

みなさまお待たせいたしました。ただいまから第69回の定例記者会見を始めさせていただきます。

 

(会長兼社長)

金子会長兼社長

お忙しいところ、いつもお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

昨日・一昨日と大量の雨を運んできた台風6号は、ようやく東の海上に抜けていきました。当社管内の高速道路もかなりの区間で雨と高波により通行止めを余儀なくされましたので、今日は最初に台風6号の影響についてご報告します。

当社管内では、東名高速道路をはじめとして、多くの高速道路が高波や降雨により長時間の通行止めとなり、お客さまに大変ご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。

特に東名高速道路富士IC~清水IC間の上下線では、静岡県由比地区の高波の影響で、下り線が62時間30分に及ぶ長時間の通行止めとなりました。

由比地区は、高速道路が駿河湾に面していることから、高波が直接本線に影響を及ぼし、通行止めを余儀なくされております。今回のような長時間の通行止めを踏まえ、高速道路のネットワーク強化による交通確保の必要性を改めて認識いたしました。

今後ともお客さまが高速道路をより安全・安心に走行していただけるよう、引き続き、努力してまいります。

 

次に事業の現況です。

6月の料金収入は、360億4千5百万円と、対前年同月比0.5%増でした。内訳は、高速が332億5千9百万円、1.7%増、一有は27億8千7百万円、12.2%減となっています。

一方、6月の通行台数は、日平均186万9千台と、対前年同月比9.8%増でした。内訳は、高速が日平均143万6千台、6.9%増、一有は43万3千台、20.7%増です。

通行台数については、6月19日まで行われた無料化社会実験の効果に加え、休日特別割引の上限1000円終了前の駆け込み的な利用増もあり、全体では、昨年と比べ9.8%の増加となりました。

一方、料金収入については、無料化社会実験が終了したこと、休日特別割引の上限1000円終了前の利用増などから、昨年と比べ微増となりました。

なお、今月のETC割引額は278億円で、前年同月の269億円に比べ、3.1%割引額が増加しています。

割引率としては、約43.5%となります。

 

次に建設の状況です。

前回の定例会見時に、新東名の御殿場JCTから三ケ日JCT間(162km)について『梅雨が終わるころには、いつ頃開通できるか、お話しできるのではないか』と説明させていただきましたが、改めて現在の状況をご説明させていただきます。

お手もとにお配りした資料にありますように、静岡~三ケ日間の5箇所で地すべり対策工事を進めてまいりましたが、当初計画していた対策工事は全て完了いたしました。

現在、地すべりの挙動を観測しておりますが、一部で変位・動きが収束しない状況や新たな変状が確認されたことから、高速道路をご利用されるお客さまの安全・安心を最優先に考え、外部有識者のご意見もいただき、追加対策工事を検討・実施することとし、現在、詳細な検討を行っているところです。

したがって、開通の目途については残念ながら現時点でお話しできる状況ではございませんが、新東名・現東名との早期ダブルネットワーク化による災害等緊急時の代替性の確保、また地元の皆様からの早期開通の要望を十分認識しているところです。今後、実施する地すべり追加対策工事について、引き続き、外部有識者のご意見もいただき、お客さまに安全・安心にご利用いただけることを確認したうえで、1日でも早く開通させたいと考えております。

 

次にETCの利用状況です。

直近の7/1~7/7は、6/3~6/9と比較して、日平均利用台数は11.1%増、日平均利用率は89.5%から87.6%と1.9%減となっています。

平日、土日休日別でも同様に、平日平均利用率は89.5%から87.8%と1.7%減、土日休日平均利用率は、89.4%から86.9%と2.5%減となっています。

6月20日からの無料化社会実験の一時凍結により、無料化社会実験を除く区間の集計から全区間の集計へと集計方法を変更していることと、特に土日休日にあっては、休日特別割引(地方部上限1000円)が終了された影響もあり、利用率が大きく減少することとなりました。

6月末の車載器取付け累計台数は、5月末と比較して0.7%増、台数にして23万台増加し、約3,492万台です。

 

続きましてサービスエリアの状況です。

6月のサービスエリアの売上高は113億9千3百万円と、対前年比108.9%でした。道路別に見ると、東名阪道167.5%が好調でした。

東名阪道では、『EXPASA(エクスパーサ)御在所』が、引き続き多くのお客さまにご好評いただいております。

売上を部門別に分けると、「飲食・物販部門」は、対前年比106.1%で4億8千1百万円増でした。

「飲食・物販部門」の更なる内訳は、「飲食部門」が対前年比108.0%で2億2千1百万円増、「物販部門」が対前年比105.0%で2億6千1百万円増となっております。

続いて、「サービス部門(レストイン、風呂)」では、対前年比103.5%で1百万円増でした。

最後に「GS部門」では、給油数量が対前年比124.1%と昨年度を上回り、単価差もプラス10円あることから、売上高は対前年比117.5%で4億4千万円増となっています。只今、説明した内容でお分かりのように、東日本大震災の後、影響を受けましたが、通常のレベルに戻りつつある状況です。

 

次のトピックは、夏季の節電対策についてです。

当社では政府方針に従って、現在、サービスエリアでの空調温度設定変更や、照明の減灯といった節電の取り組みを実施しているところです。

7月現在の状況をお知らせしますと、東京電力管内では、昨年の同時期に対して約20%の節電ができました。 

また、東京電力以外のエリアでは、中部電力で11%、北陸電力は13%、節電要請が出されている関西電力でも15%の節電ができました。

7月に入り、梅雨明けと共に暑さが厳しくなり、今後さらに電力需要が高まるものと認識しております。資料に掲載の節電メニューにつきましては、今後も続けていく予定ですので、ご利用のお客さまにはご不便をおかけしますが、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

 

次のトピックは、3月20日に開通しました名二環の整備効果についてです。

本日、国土交通省中部地方整備局と当社名古屋支社が、名二環の名古屋南JCT~高針JCT間と国道302号の整備効果および開通3ヵ月後の交通状況を発表させていただいています。

詳細は資料をお配りさせて頂いていますが、各種の調査結果の概略をご説明します。

まず、交通状況に関してですが、名二環の名古屋南JCT~高針JCT間の交通量は、開通直後と比べ約2~4割増加しています。開通3ヵ月後の断面交通量は、1日あたり約1万4千~2万7千台となっています。

一方で周辺の高速道路の混雑が緩和し、ピーク時の平均走行速度が5km~10km向上しました。

また、周辺の一般道路の混雑も緩和し、主要路線における朝のピーク時の走行速度が平均で15%向上しました。

次に整備効果に関してですが、沿線住民の方へのアンケートなどの調査を行った結果、名二環と国道302号をご利用頂いた住民の7割の方に、「時間短縮できた」と実感していただきました。

消防署へのヒアリングでは、国道302号の開通により、救急活動時に現場到着時間や病院搬送時間が短縮した事例が見られました。

また、名二環の開通によって、中部国際空港までのアクセス時間が短くなったとの声もいただいています。

今後も引き続きデータの収集などを続け、定期的に皆さまにご報告していきたいと考えています。

 

次のトピックは、「EXPASA(エクスパーサ)」のリニューアルオープンについてです。

7月14日に、既に発表させていただいておりますが、改めてお知らせします。

昨年から展開している5つの「EXPASA」に加え、今年度新たに2つのサービスエリアの大規模リニューアルを進めており、今回、「EXPASA海老名」と「EXPASA談合坂」の新しい店舗とリニューアルオープンの日が決定いたしました。

「EXPASA海老名」は、第一期として、1階部分の4店舗が7月30日に、2階部分の4店舗が8月10日にオープンします。今回も高速道路に初めて出店するお店があります。デリカテッセンとショッピングを楽しめる1階にオリジナルギフトを取扱う「旬粋(しゅんすい)」が、フードコートとなる2階にグリル料理専門店の「マーノマッジョグリル」と地元の食材を使用したしょうゆラーメンの「らーめんたいざん」が、それぞれ出店します。

「EXPASA談合坂」は、8月10日に新たに地元の“ほうとう”など山梨の郷土料理が楽しめる「瓦屋(かわらや)」のほか4店舗がオープンし、既に6月にオープンしている2店舗とあわせ、合計7店舗が新しいお店になります。

「EXPASA」では、お客さまの多様なニーズに応えるために複合商業施設化をすすめ、移動の通過点に過ぎなかったサービスエリアから、目的地として選ばれるようなサービスエリアへと新しいスタイルへの転換を図っています。新しく生まれ変わった「EXPASA海老名」と「EXPASA談合坂」にぜひお立ち寄りください。

 

次のトピックは、「ラーメン王座決定戦」についてです。

サービスエリア・パーキングエリアで提供する食事の味・品質の向上を目指して、「ラーメン王座決定戦」を7月30日から8月31日の夏休み期間中に開催します。

このキャンペーンは、120エリアのサービスエリア・パーキングエリアで提供する選りすぐりの全123品のラーメンの中から、ご賞味していただいた方による投票によって、「ラーメン王座」を決定するものです。

ラーメン王座に投票していただいた方の中から抽選で、NEXCO中日本が厳選したご当地グルメをプレゼントします。また同時に、優勝予想クイズも実施し、正解者の中から旅行券1万円分をプレゼントするなど豪華景品をご用意しております。

この夏にお出かけの際は、サービスエリア・パーキングエリアでラーメンを召し上がって頂き、このキャンペーンに参加して頂ければと思います。

 

次のトピックは、環境に配慮した取り組みです。

当社では、「環境・持続可能社会への貢献」の取り組みとして、自然環境に配慮した道、エコロードの整備に取り組んでいます。

例えば、野鳥と高速道路との共生を継続的に図っていくことを目的として、「愛知県弥富野鳥園」「日本野鳥の会愛知県支部」と覚書を締結し連携・協力しています。

東名阪自動車道の弥富ICと蟹江ICでは、人と自然が共生し、かつ高速道路の機能と安全を損なわないよう、ドライバーに対して標識を設置したり、サギの高速道路内への立ち入り防止対策に取り組んでいます。

数種類のサギがいますが、4月頃から飛来がはじまり、ここで子育てを行い、9月末頃に越冬地に向かいます。

子育ての様子を観察する観察会を、愛知県が8月13日に小中学生とその保護者を対象として、弥富市が14日に弥富市在住の方を対象に行います。詳しくはお配りした資料に記載しておりますので、ぜひご参加下さい。

今後も引き続き、人と自然との共生などを通じて、自然環境に配慮したエコロードづくりに取り組んでまいりたいと考えています。

これで、環境に配慮した取り組みの報告を終わります。

以上が、本日ご用意したトピックスです。

 

(司会)

それでは、これから皆さまのご質問をお受けしたいと思います。

 

(記者)

無料化社会実験と休日特別割引(地方部上限1000円)が終わって1ヵ月経ちました。交通量やサービスエリアで売上の影響は出ていますか?

 

(会長兼社長)

交通量はほぼ元の水準に戻っていますし、サービスエリアの売上もおかげ様で好調で、影響はほとんど出ていません。

 

(記者)

夏休み期間のサービスエリアの売上見通しはいかがでしょうか?

 

(会長兼社長)

震災直後には買い控えなどがあり、特に関東地方のサービスエリアで飲食・物販に影響が出ていましたが、現在はほぼ元に戻っています。今回のように台風が来ると影響は大きいですが、夏休み期間への影響はないと思っています。

 

(記者)

震災の落ち込みと休日特別割引(地方部上限1000円)の2つは非常にインパクトがあると思いますが、その影響はほぼないということでしょうか?

 

(会長兼社長)

サービスエリアの売上は好調ですので、影響はないと思っています。

 

(記者)

6月の通行台数は、対前年同月比109.8%とのことですが、無料化社会実験の終了前と終了後、無料化社会実験導入前後の細かい数字が分かれば教えて下さい。

 

(会長兼社長)

のちほどご説明します。

 

(記者)

自動車業界の輪番操業が始まり、曜日ごとの混雑の仕方に何か影響が出ているでしょうか?また何か対策を考えていますか?

 

(会長兼社長)

交通量に変化が出ています。特に自動車業界が木金休みになりましたので、愛知県の豊田市周辺のICでは、大型車の交通量は木・金曜日が1~2割減少し、土・日曜日が2割~4割増えました。

対策については今のところ考えておりません。今後については状況を見ながらになりますが、渋滞の発生などがあれば何らかの対策が必要となることも考えられます。

 

(記者)

新東名の地すべり対策5箇所は、すべて追加対策が必要なのでしょうか?

 

(会長兼社長)

追加対策が必要な箇所は、藤枝市の入野西地区、藤枝地区、島田市の横岡地区の3箇所のみです。

 

(記者)

新東名の静岡県内の開通時期は大体いつになるでしょうか?

 

(会長兼社長)

地すべり対策の追加工事は、大体3~5ヵ月要すると想定しています。しかし、その途中で対策工の効果が判断できる時期がくれば、その時点で開通の見通しをお知らせできると思います。

いずれにしても、地元の皆さま、また台風による通行止めでご迷惑をおかけしましたお客さまのためにも、東名のリダンダンシーの確保として、1日も早い開通を目指したいと思います。

 

(記者)

6月の節電の状況を教えてください。また、7月に入って新たに始めたり強化した節電対策を教えてください。

 

(社員)

6月の節電の状況は、対前年の同月比で、東京電力管内では-15%、中部電力管内では-4%、関西電力管内では-3%、北陸電力管内では-11%です。

資料に掲載の節電メニューは、7月から新たに導入した節電対策というわけではありませんが、6月あるいは、それ以前から始めていた空調温度設定の調整や休憩施設の一部の自動販売機の停止などを行っています。

 

(記者)

新東名で地すべり対策の追加工事が必要とのことですが、目標として掲げている静岡県内の2012年度内(平成24年度内)の開通に変更はありますか?

 

(会長兼社長)

お約束している2012年度内には必ず開通できるようにします。前倒しして、少しでも早く開通したいと思っています。

 

(記者)

国税の査察が入ったことで新東名開通に向けて影響が出たところはありますか?

 

(会長兼社長)

特に影響は出ていません。

 

(司会)

以上で定例記者会見を終了いたします。