NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2006年11月21日矢野会長定例記者会見

会見要旨

(会長)

会長

みなさんこんにちは。
それでは、最初に事業の概況の説明から始めさせていただきます。その他いくつかトピックスがありますので、しばらく説明の時間をいただきたいと思います。

まず、10月分の事業の概況ですけれども、料金収入はマイナス2.6%です。内訳は高速道路がマイナス3.1%で、一般有料道路がプラス3.0%。高速は、ETC普及による時間帯割引額が拡大した影響とみております。

それから、建設の状況は先月と変わっていませんが、予定通り12月16日に増穂~南アルプス間を開通します。

10月の主な工種の落札率の状況は、平均落札率が17件で、80.5%です。

ETCの状況ですが、11月10日から16日の間で67.0%の利用率になっています。1ヵ月前に比べますと、少し上がっているという状況です。

SAは、対前年比でプラス4.5%という状況です。飲食部門はプラス3.4%、物販部門はプラス5.4%になっています。ガソリンは値段が、一般市価よりも高いので、それもあって、プラス4.5%となっています。サービス部門は、額は小さいですが3%ほど落ちています。

次にトピックスのひとつ目です。
ETCレーンの安全対策について資料をお配りしています。中日本の管内では、6月8日に死亡事故が発生しております。その後、いろいろと対策を講じてきましたが、この際抜本的な安全対策を講じる必要があるという観点から、第1に料金収受員などがETCレーンを横断する必要がある全ての料金所で、構造上の制約がある場合を除き、地下通路や屋上連絡通路などの安全通路を設置することとしました。全部で186ヵ所です。
7月に決めた方針では、交通量が僅かで、横断する場合に物理的に遮断することが可能と考えた70ヵ所については、進入禁止バーを設けることで対応すると決めていましたが、今回の対策強化で186ヵ所すべての料金所でやるということにした次第です。
2009年度までに対策を終えるという計画で、来年度から毎年62ヵ所ずつ増設していくことになります。
第2にETCレーンへの立ち入りは、必ず交通流が止まったことを確認の上行う。信号灯を赤信号に切り替えるとか、カメラの設置、交通保安員の配置など、いろいろ考えられるあらゆる対策を講じていきたいと思っています。
それから、カード未挿入アンテナの設置をさらに進めます。そして、なかなか今までにやった施策は効果が出ていませんが、ETCレーンの走行速度の抑制策についても検討して参りたいと考えています。

次に、冬の高速道路における交通安全走行についてです。
当社の管内では、北陸地方をはじめ、各地で雪氷対策が必要な個所がいくつかあります。24時間体制で、除雪作業が必要な場合には常時出動できる体制を組んでいります。もともと大雪が降るということが前提の地域はともかく、名神高速の大垣から八日市に至る区間は、局地的な大雪が降るゲリラ雪と言われるものがあります。そこを通る車が、冬装備をしていない場合が多く、関東地方や近畿地方の都市部から来ているドライバーの場合は、雪用のタイヤを付けないというような走行もありまして、それが大雪で走行不能になり、結果として通行止めが発生するということが起こっています。特に去年は、12月以降に大雪に見舞われまして、大変苦労した覚えがあります。お客様にも大変ご迷惑をおかけしました。お配りしました資料にありますとおり、冬装備、スタッドレスタイヤ、タイヤチェーンなどのすべり止めの準備というものにご協力をお願いしようということとか、道路交通情報や天気予報に十分注意していただく。この11月1日から「ユキイロドットコム」というウェブサイトを開いておりますので、これでも詳しく状況を確かめることができるわけです。それと除雪作業へのご協力をお願いしたい。
私どもも全力を上げて道路利用者へのPRをしていくつもりですが、是非、社会的な観点から皆様方のご協力も賜りたいと考えまして資料を作成させていただいた次第です。

次に、スターバックスコーヒーの開店です。2店舗のオープンを計画しています。既に、足柄SA上りが10月6日にオープンしましたが、これと同じような形で、省エネとか、資源の3R「リデュース、リユース、リサイクル」といった観点にかなった店舗作りをしていただくことになっています。
私どもは、環境対策を重視しておりまして、SA・PAではエコショップ構想を持っています。その趣旨に賛同いただいて、こうした店舗が開店することになります。今年度内に、このほかに足柄SA下り、富士川SA上りでも、スタバがオープンする予定となっています。

次に、やさい村の開店ですが、12月2日に「富士川SAやさい村」がオープンします。これまでも、中井PA上り、小黒川PA下り、談合坂SA上りでやってまいりましたが、今回、新たに富士川SAに設置します。11時開店で、売り切れたら、終わりになります。地元、富士宮市の皆様のご協力をいただいて、実現の運びとなりました。

次に、デザートショップ「ドナテロウズ」を浜名湖SAに開きます。イタリアのジェラートとクレープが主な販売品目になるのですが、スタバと隣あわせで、店をオープンする予定にしています。
今日の説明は、以上になります。

コンビニの開店は、10日に資料配付で説明させていただきましたが、来年度までの20カ所のうち、10月に発表したものと合わせまして、全部で14カ所のオープンが決まっているという状況です。皆さんには、既にお知らせしていますので、説明は省略させていただきます。

(司会)

では、ご質問がありましたらよろしくお願いします。

(記者)

ETCレーンの安全対策の件です。186カ所全ての料金所で安全通路を設置するとのことですが、これにかかる費用はいくらくらいなのでしょうか。あと、連絡通路は1レーンおきに設置されているケースが多々あると思うのですが、今回の対策は全てのブースにつながる通路を設置するということなのでしょうか。

(会長)

費用は140億円を予定しています。そしてETCレーンを横切らなくてもいいような形で通路を設置するということで、将来もっとETCレーンが増えていっても大丈夫なようにしておきたいと思っています。

(記者)

同じくETCレーンの安全対策についてですが、カード未挿入アンテナとは何かということと、ETCレーンの通過速度は20キロ以下だと思うのですが、実態は何キロぐらいなのかを教えてください。

(会長)

カード未挿入アンテナは、高速道路本線上などでETCカードの未挿入を検知し、ドライバーに知らせるためのアンテナです。
あわせてETCレーンでどれだけトラブルが起こっているかということをご説明します。カードが原因となっているものが大体70%、誤進入が30%、大体こういう風に考えていただいていいと思います。そして件数が9月で9万5,000件ありました。カードの原因につきましては内容がいろいろありまして、未挿入、差し込み不足、カードの期限切れや無効があります。これについてはやはり不注意ということがありまして、私ども道路管理者としましては繰り返し繰り返しドライバーの皆さんの注意を喚起していく、お願いしていくしかないんじゃないかと思っています。
いろいろと世情を騒がせました不正通行というのがありまして、不払宣言による通行というのは件数は少ないのですが9月で50件ほどありましたし、強行突破が7,300件くらいありました。こうしたことは意図的にやることでありますから別といたしまして、やはり不注意によってカードの操作を誤ったり、誤進入したりということをなるべく減らせるように努力したいと思っております。
それからスピードの問題はなかなか今のところ妙策がなくて、本当に正直言って困っているんです。舗装に小さな段差、デコボコを付けて実験したところもあるのですが、それほどスピードは下がらないんです。先日の八王子の事故も、測定ですと時速44キロ、20キロ以下でお願いしているところを44キロだったということがありまして、速度抑制策には頭を痛めています。その他にも「速度測定中」という看板を掲げたり、あるいは実際の速度を計りながら速度超過していることをLEDで表示したりと、いろいろな作戦を考えているわけですが、なかなか妙策が得られないということでして、交通事故そのものにつながる危険性もありますので、警察等の関係機関ともいろいろと協議をしていまして、なんとかいい方法がないだろうかということで考えております。またご報告できるような時にご報告したいと思います。

(記者)

建設の状況のところで、今年度の開通予定として12月の中部横断道の増穂~南アルプス間がありますが、他に新たに今年度開通を予定している区間はありますか。

(会長)

今年度はここの区間のみです。

(記者)

今期全体の設備投資は会社としてどのくらいの水準なのでしょうか。

(会長)

ちょっと手元に詳しい数字がないので、後で広報から答えさせます。

(記者)

東海北陸自動車道の飛騨トンネル本坑の掘削状況と、この区間の開通までの進ちょく状況はどのようになっているのでしょうか。

(会長)

まずトンネルはもうあと残り400mをきりまして350mくらいになっていると思います。なんとか年内に予定どおり貫通させて、それから内装に入るわけですが、平成19年度中に開通、営業開始するという計画です。
あれほど長いトンネルは今どこの計画にも載っていません。しかもTBMという工法で掘っていて、いよいよ最終段階で現地も張り切ってやっている状況です。なかなかあれだけの大きな工事はありませんので、皆様方もぜひ機会があれば見ていただくといいなと思っています。年内に貫通してしまいますので、できれば年内にご覧いただくといいと思います。日本で2番目、関越トンネルの次に長い道路トンネルで、計画中のものにあれだけの長さのものはありません。

(広報)

なお、先ほどお尋ねのあった設備投資についてですが、高速道路保有・債務返済機構に引き継ぐものも含めた道路建設、改良投資として3,497億円を今年度に予定しています。一方、SAなどの関連事業建設費は16億円となっています。いずれも今年度事業計画に記載されておりますので、後ほどお渡しします。

(司会)

その他特にご質問がなければ、本日の定例記者会見はこれで終了させていただきます。

(会長)

どうもありがとうございました。