NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2018年02月21日宮池社長定例会見

会見要旨

司会 

皆さまお待たせいたしました。本日は、社長からご説明します資料1から4の他に、資料5-1「『速旅飛越能レンタカー周遊プラン』の販売開始」と、 資料5-2「コミュニケーション・プラザ川崎のリニューアルオープン」に関する資料をお配りしています。
コミュニケーション・プラザ川崎は、当社グループの事業をご紹介する施設で、2012年4月のオープンから約6年が経過しました。 このたび、これまで以上に高速道路をより楽しく学んでいただける施設として、3月16日にリニューアルオープンすることとなりましたので、お知らせします。
一般公開に先立ち、報道関係の皆さま向けの内覧会を予定しています。後日あらためてお知らせしますので、ぜひご取材いただきたいと思います。
詳しくはお手元の配布資料をご確認ください。
それでは、ただいまから第133回の定例会見をはじめさせていただきます。

【はじめに】

トピックスのご紹介の前に、ひとこと申し上げます。
1月、2月の近年まれにみる大雪により、当社が管理する高速道路で長時間の通行止めが4件発生しました。
お客さまに大変ご不便、ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。
なお、首都高速や国道8号での立ち往生車両の事象を踏まえ、2月16日に国土交通省から、突発的な大雪に対する道路交通への影響を減らす具体的な対策を検討するために「大雪時の道路交通確保対策検討委員会」を2月下旬に設置するとの発表がありました。当社としましても、国土交通省と協力して検討を進める方針です。

【事業の現況(2018年1月)】

資料1をご覧ください。
営業の状況ですが、1月の料金収入は507億700万円で対前年同月比0.6%の減少、また、通行台数は日平均173万9000台で対前年同月比1.1%の減少となりました。
1月は、大型車のご利用が引き続き好調でしたが、大雪の影響により、料金収入は横ばい、通行台数は微減となりました。
続いて建設の状況ですが、先月28日、新東名の海老名南ジャンクション(JCT)~厚木南インターチェンジ(IC)間の約2kmが開通しました。
開通式典では、多数の報道関係の皆さまにご取材いただき、ありがとうございました。

次にサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の状況です。

資料1の裏面をご覧ください。
1月のSA・PAの売上高は158億4700万円で対前年同月比5.4%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年同月比1.5%の減少となりました。
1月は、大雪など天候に恵まれず、売上高は昨年を下回る結果となりました。
ガソリン部門の売上高は、昨年に対し販売価格が上昇したことと、軽油の販売数量が増加したことにより、対前年同月比19.7%の増加となりました。

【SA・PA・料金所で防災訓練を実施します】

資料2をご覧ください。
まもなく東日本大震災の発生から7年が経過します。
当社では、お客さまの安全を第一に考え、3月に全社的な防災訓練を実施することとしています。これは『東日本大震災を風化させない取組み』として、継続的に実施しているものです。
今年度は、有事に備えた現場対応力の向上を目指し、SA・PA156箇所と料金所263箇所の合計419箇所で、防災訓練を実施します。
この訓練では、SA・PAをご利用中のお客さまにも参加していただき、避難誘導訓練や配備した防災備蓄品を実際に動かすオペレーション訓練をおこないます。また、料金所でのお客さま避難誘導のための行動確認訓練も実施します。
報道関係の皆さまには、資料に記載されている4箇所のSAで、防災訓練の様子を公開します。
詳細につきましては、別途お知らせしますので、この機会にぜひご取材いただきたいと思います。

【Bluetooth®(ブルートゥース)を用いた所要時間提供システムの開発と本格導入について】

続きまして、技術開発に関するトピックです。資料3をご覧ください。
今回は、ブルートゥースを用いた所要時間提供システムの開発と本格導入についてご紹介します。
このシステムは、当社のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社(エンジニアリング東京)が開発した製品を使ったものです。
高速道路の情報板などで所要時間が表示されているのをご覧になったことがあると思います。
集中工事やリニューアル工事のような長い距離の車線規制や対面通行をおこなう場合には、情報板に表示される所要時間と実際の走行時間に誤差が生じる場合もあり、お客さまにご迷惑をお掛けしていました。
そこで、お客さまがお持ちの携帯端末やカーナビなどから発せられているブルートゥース(近距離無線通信規格の一つ)を用いて、安価に所要時間を計測するシステムを開発しました。
これまで、2014年から東名や中央道の集中工事で試行導入してきましたが、所要時間を精度よく計測することが確認できましたので、来年度の集中工事やリニューアル工事など、車線規制を伴う大規模な工事区間から本格的に導入し、きめ細やかな情報提供をおこなうこととしました。
本システムで計測した所要時間は、本線の情報板や車線規制付近の仮設簡易LED標識、またハイウェイテレホンなどでもお知らせしますので、お客さまのゆとりある旅行計画に活用していただきたいと思います。

【大学生が提案した新商品で地域の魅力をSA・PAから発信】

次に、SA・PAの商品開発に関するトピックです。
資料4をご覧ください。
当社グループは、地域の皆さまとともに地域が抱える課題の解決と地域の活性化に取り組んでいます。
今回、当社と同様に地域の活性化や課題解決を研究テーマにしている5つの大学と、地元事業者、自治体、SA・PAのテナントが連携して、SA・PAで販売する地域資源を使った人気商品の開発・販売や、地域の優れた商材の販売促進に取り組みましたので、ご紹介します。
商品の開発にあたりましては、大学生の皆さまがSA・PAのお客さまの動向やニーズの分析をおこなったり、SA・PAを訪れ、自ら新商品の販売や販売促進の提案もおこないました。
その結果、若い方の感性や発想を活かした地域色豊かな魅力ある商品が誕生し、商品の一部はすでにSA・PAで販売しています。
本日は、当社グループと一緒に商品開発に取り組んだ大学生の皆さまに、この会場に来ていただいていますので、ご紹介します。

(各大学生から商品の紹介)
愛知大学です。私たちは、新城市の名産品をふんだんに使った和菓子「からくり姫団子」を開発しました。長篠設楽原PAのコンセプトである「戦国」をイメージした商品です。
南山大学です。私たちは、三河地方の名物五平餅にそっくりなパンをNEOPASA岡崎で販売しています。八丁味噌を使い生地には五穀米を混ぜ込み、食感、見た目ともに楽しいパンになりました。
中京大学です。私たちは、「豊田の地域資源を活用したお菓子」をテーマに地元の食材を使ったクッキー「とよたの実り」を開発しました。上郷SA(下り)で販売しています。
滋賀大学です。私たちは、「いと重」の人気商品をアソートにし、パッケージデザインを考案しました。3月2日からNEOPASA多賀(下り)で販売します。
岐阜大学です。私たちは、産業リーダー実践の講義の中で、十六銀行との商談会に参加された岐阜県内企業2社の商品を題材として研究を重ね、商品の魅力を最大限発揮する提案をしました。3月14日の商談会に出品します。

以上、大学生の皆さま、商品のご紹介ありがとうございました。
当社グループは、今後もこうした産学連携の取り組みを推進し、個性豊かなSA・PAづくりに努めるとともに、お客さまに喜んでいただけるヒット商品の誕生によりSA・PAの売り上げ向上にもつなげ、地域経済の発展や活性化にも貢献していきます。

司会

以上が本日ご用意したトピックです。それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

記者

冒頭にありました大雪への対応について、御社のご対応は大規模な立ち往生など発生せずに済み迅速で良かったと思いつつ、新たに見えてきた課題や今後予見しうる災害に向けて、新たに検討していることなどがあれば教えてください。

社長

今年は昭和56年以来の大寒波で、豪雪だったと言われています。特に北陸道に関しましては長時間の通行止めをおこないましたが、高速道路はできるだけ通行止めをしないように、あらかじめ機材を準備し、除雪、融雪作業や立ち往生した車両の救出などをおこなうために、常に体制を整えて対応しています。しかしながら先日の豪雪の際には、強い雪が長時間続き、寒さが厳しかった中で凍結も発生するという非常に厳しい状況下で作業が進められ、結果としてあのような事態が発生しました。私どもとしましてはできるだけ通行止めをしないように努めていますが、安全性が確保されない状態となった場合は、直ちに通行止めにしてお客さまの安全を確保することを基本に対応しています。今回の豪雪での経験を整理して、来年度の対策に活かしていきたいと思っています。

記者

ブルートゥースのシステムですが、他の高速道路会社でも同様のものがあるのか教えてください。

社長

エンジニアリング東京が開発したものを、他の高速道路会社にも提供していますし、似たようなものが阪神高速にもあるようです。詳しくは担当部署からご説明します。

社員

社長からのご説明のとおり、本日ご紹介したシステムはエンジニアリング東京が開発したもので、それをNEXCO東日本、NEXCO西日本、首都高速にも提供しています。また、これとは別に阪神高速が試験的にブルートゥースを使って所要時間を提供した事例もあります。

記者

試験導入した時に、従来と比べてどれ位正確性が増したか教えてください。

社員

東名、名神、中央道には2km間隔で車両感知器が設置されていて、そこで車両速度を測っています。所要時間は距離を車両速度で割って算出していますが、集中工事やリニューアル工事では車線規制が長くなりますので、渋滞の正確な発生位置を把握することが困難です。本日ご紹介しましたブルートゥースを使うことで、より正確に所要時間を算出することができるようになりました。

記者

ブルートゥースの続きですが、一般のドライバーにとって、ブルートゥースの電波が知らない間に取られているなど、法的な問題や個人情報を抜き取られないかという心配がありますが、どのような取り組みをされているのか教えてください。

社長

簡単に申し上げますと、信号の一部しか使っていませんので、全体の情報を私どもが手に入れる訳ではなく、個人情報にはならないと判断しています。詳しくは担当部署からご説明します。

社員

12桁のMACアドレスというものを取得し、その12桁のうち2桁を削除して、それを暗号化していますので、お客さま個人を特定することはできません。

記者

うまく処理ができていればよいのですが、意図的に処理をしないで取得するということもありますか。

社員

MACアドレスは、デジタル機器の固有のIDで、先程のご説明のとおり、暗号化処理をして個人を直接特定できないように配慮しています。

記者

ブルートゥースについては、2018年度以降全てこれで所要時間情報の提供をおこなうということでしょうか。

社長

今後は東名や中央道などの交通量が多い路線でも大規模更新・修繕工事(リニューアル工事)が進んでいきます。できる限りそのような大規模な工事区間で活用し、道路の情報板や車線規制付近の仮設簡易LED標識、ハイウェイテレホンなどで、皆さまに精度の高い所要時間情報をお知らせしていきたいと考えています。

記者

MACアドレスというのはどういうものですか。

社員

「メディア・アクセス・コントロール・アドレス」の略で、スマートフォンやカーナビなどのデジタル機器固有の個体識別IDです。パンフレットにも記載のとおり、12桁の英数字になっています。

記者

受信機がスマートフォンとの記載がありますが、これは誰のスマートフォンで受信することになるのでしょうか。

社員

市販のスマートフォンを使っています。受信機を道路脇の非常電話のうえなどに設置して電波を受信し、インターネット回線で集約して所要時間を算出する仕組みです。

記者

大学生との産学連携の件ですが、これは今年度から始めた事業なのか、それとも以前からやっている事業なのか、教えてください。

社員

以前にも取り組んだ事例はありますが、現在詳しいデータは持ち合わせていません。本日ご紹介しました5件につきましては、今年度の新たな取り組みの成果です。

記者

来年度以降はどのようにされるのか教えてください。

社員

今年度の成果を振り返りながら、来年度以降どうしていくかを決めていくことになります。

記者

NEXCO中日本がどういう形で指導されるかを教えてください。

社員

指導というよりは、大学、地元事業者、SA・PAのテナントと一体となって、地元の商材を使った新たな商品をSA・PAで販売することによって地域の活性化につなげていく、また、大学生を地域活性化を担うリーダーとして育成するなど、各参加者が一体となって取り組んでいるものですので、直接私どもが指導するということはありません。

記者

大学の授業、ゼミの一環など、大学生がどういったきっかけでこのような取り組みに参加したのか教えてください。

社員

例えば愛知大学では地域政策学部の戸田敏行教授の地域貢献事業の取り組みとの連携、南山大学では経営学部の石垣智徳教授のゼミとの連携など、詳細は資料4に記載していますので、ご確認ください。

司会

先程の当社の関わりについて補足しますと、当社としましては大学と地元の企業との仲介役としての役割をさせていただきつつ、SA・PAでの販売場所を提供するという関わり方になっています。

司会

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。