NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2017年05月24日宮池社長定例会見

会見要旨

司会

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第125回の定例会見をはじめさせていただきます。

【事業の現況(2017年4月)】

資料1-1をご覧ください。
営業の状況ですが、4月の料金収入は544億4300万円で対前年同月比3.4%の増加、また、通行台数は日平均190万8000台で対前年同月比2.2%の増加となりました。
4月は、東名阪・名二環のリフレッシュ工事が、昨年の4月から、5月~6月へ変更となったことや、東名・新東名や圏央道を中心に利用が好調であったことから、料金収入・通行台数ともに増加となりました。

続いて建設の状況ですが、2017年度に開通を予定している区間の工事概況についてご説明します。
新東名 海老名南ジャンクション(JCT)から厚木南インターチェンジ(IC)間2kmにつきましては、現在、厚木南IC部の土工、橋梁上部工などの道路本体工事を実施中です。また、舗装工事や標識工事、情報板などの設備工事を展開すべく準備中で、来月から順次工事に着手する予定です。
なお、資料1-2に記載のとおり、これまで仮称としていました厚木南ICの名称が正式に決定しましたので合わせてご報告します。
東海環状道 養老JCTから養老IC間3kmにつきましては、共同事業者である国土交通省中部地方整備局から道路本体の引継ぎを受け、舗装工事や標識工事、設備工事を展開中です。
また、中部横断道六郷ICから増穂IC間が3月19日に開通して2ヶ月間が経過し、その間、平日は一日平均約1700台、休日は約3200台の方々にご利用いただいています。
並行する国道52号からの交通の転換も見られ、沿線地域との連携が強化されています。これは、全線開通に向けての第一歩であり、地域からも大きな期待を寄せられていると認識しています。
引き続き、共同事業者である国土交通省とともに、地域の皆さまのご協力をいただきながら、一日も早い全線開通に向けて最大限努力していきますので、よろしくお願い申し上げます。

次にサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の状況です。
4月のSA・PAの売上高は154億700万円で対前年同月比7.3%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年同月比1.1%の減少となりました。
昨年は4月29日からの3連休でゴールデンウィークがスタートしていましたが、今年4月は連休がなく、本格的なゴールデンウィークが5月からとなったため、4月の売上高は対前年比98.9%となりました。
ガソリン部門の売上高は、昨年に対し販売価格が上昇したことと、軽油の販売数量が増加したことにより、対前年同月比28.5%の増加となりました。

【6月24日実験開始 「道の駅」が高速道路から立寄り可能になります】

資料2をご覧ください。
国土交通省から今年の2月7日に発表されました「高速道路からの一時退出を可能とする「賢い料金」の実施について~全国3箇所の道の駅で試行開始~」につきまして、6月24日から当社管内の新東名・新城ICを対象に、道の駅「もっくる新城」への立ち寄りを可能とする社会実験を開始します。
今回の社会実験は、ETC2.0搭載車を対象に、新城ICで流出後、道の駅「もっくる新城」に立ち寄り、1時間以内に新城ICから再流入して流出前と同じ方向にご利用された場合、目的地まで高速道路を降りずにご利用された場合と同じ料金とするものです。
これにより、道の駅が提供する多様なサービスを利用することができるようになり、良好な運転環境を実現するとともに地域の活性化に寄与することも期待されます。
このような社会実験は、全国3カ所でおこないます。「新城もっくる」のほかには、NEXCO東日本管内の「玉村宿」、NEXCO西日本管内の「ソレーネ周南」が対象となっています。

【東名阪道 四日市IC付近の一部区間で3車線(暫定)の先行運用を開始します】

資料3をご覧ください。
東名阪道(上り線)四日市ICから鈴鹿IC間の約8km区間の暫定3車線化につきまして、東名阪・名二環リフレッシュ工事終了と同時に、一部区間での運用を開始しますのでお知らせします。
現地では、昨年11月以降、関係機関や沿線地域の皆さまと協議を重ね、今年3月から工事に着手しました。
東名阪道のリフレッシュ工事で、舗装の打ち替えなどの本格的な工事を鋭意進め、約8kmの区間のうち、大規模な拡幅の必要がない約2kmの区間の運用を、リフレッシュ工事終了の6月10日までに開始します。
残る区間につきましては、今年の夏ごろまでの完成を目指し、現在、事業を進めています。
暫定3車線運用区間を延伸することにより、四日市IC付近での渋滞緩和が見込まれ、定時性・安全性の向上が図られます。
工事期間中は、一時的に渋滞の発生が見込まれ、ご利用のお客さまには大変ご迷惑おかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

【高速道路の安全性向上・機能強化と生産性向上に向けたRIMS全体構想】

当社で再構築中の道路保全情報システム「RIMS」についてご紹介します。資料4の1ページをご覧ください。
高速道路インフラの老朽化により、維持管理費の増大や技術者の不足などが懸念されています。
当社グループは、安全性の確保と信頼性・生産性の向上を目的に、ドローンやセンサー技術、AIなどの最新技術の導入を図りながら、グループ全体での維持管理サイクルの効率化・高度化など、総合的な維持管理体制の構築を目指しています。
「RIMS」は、業務処理、データ管理、マネジメント、経営支援の4つのシステム群から構成されており、総合的な維持管理体制の構築を目指し、従前の各システムの再構築をおこなっています。
2ページをご覧ください。
再構築に向けたスケジュールは、業務処理系システムの1つである点検・補修業務支援システムの構築が2016年度に完了し、2019年度を目途に業務処理系の残りのシステムとデータ管理系、経営支援系システムの再構築を進めています。
併せて、ドローンやセンサーなどを活用した新たな技術開発を進めています。
また、2020年度を目途に、IOTやAIなどのICT技術を高度に活用した現場点検やデータ分析に基づく、高速道路を安全に維持していくための計画を策定します。
3ページには、すでに構築された点検・補修業務支援システムの概要を記載しています。
このシステムは、維持管理業務における点検・補修データの確実な記録や、点検・補修計画策定の業務支援を目的に構築されており、大きく4つの機能で構成されています。
このシステムの構築による主な効果は、GIS基盤やタブレットの導入による記録作業の効率化、点検から補修までの一連の事務処理のシステム化による業務効率化があげられます。
7月頃に現地でドローンやロープアクセス、大型橋梁点検車、タブレットなどの点検技術を一同に集め、ご紹介する予定です。
報道関係の皆さまには、ぜひ参加していただきたくご案内します。

【ニュー・ブリッジ研修の橋梁点検士・橋梁診断士が「国土交通省登録資格」として認定されました】

次に資料5をご覧ください。技術研修施設「ニュー・ブリッジ」に関するトピックです。
技術研修施設「ニュー・ブリッジ」は、国内で橋の架け替えなどに伴い撤去された部材や劣化した部材を利用し、自治体やコンサルタントおよび当社の技術者などを対象に、橋梁の点検実習や劣化予測、診断などについて学んでもらい、育成することを目的とした研修・研究施設です。
この施設は名古屋大学構内にあり、名古屋大学、NEXCO中日本およびグループ会社である中日本ハイウェイエンジニアリング名古屋が共同で運営しており、2012年の設立以来5年間で約1,200名が研修を受講しています。こうした臨床型の研修施設は当時としては国内初めてのものでした。
受講者に対しては試験を行った後、名古屋大学から合格証と資格証を発行していますが、あくまで一民間団体としての資格という位置づけでした。
しかし、社会資本ストックの維持管理や更新を適切に実施するためには、点検や診断の質が重要であるとの考えから、これらに携わる技術者の能力を評価して活用することが求められ、2014年に、民間団体などが認定する一定水準の技術力などを有する資格を国や地方公共団体の業務に活用できるよう、「国土交通省登録資格」として登録する制度が設けられました。
「ニュー・ブリッジ」では、研修を受講し判定試験に合格した受講生を
・点検実務や詳細調査をおこなう「橋梁点検士」
・劣化予測や診断をおこなう「橋梁診断士」
として認定していますが、「橋梁点検士」は2016年2月から、「橋梁診断士」は2017年2月から「国土交通省登録資格」として登録されました。なお、資格付与機関は名古屋大学です。
「国土交通省登録資格」の保有者は、国土交通省では点検業務などの入札時に総合評価落札方式において加点評価されるなど活用されています。
現在、資格付与機関は学会や大学など全国に約20機関ありますが、「ニュー・ブリッジ」は、撤去や劣化した橋梁部材を豊富に備え点検実習が可能な唯一の臨床型機関です。
なお、当社でも「ニュー・ブリッジ」を活用した点検実習を人財育成の研修カリキュラムに盛り込んでおり、引き続き技術力の向上に活用していきたいと考えています。
今後も「ニュー・ブリッジ」を利用した研修の実施と資格の認定をおこなっていきます。また資格認定以外にも、橋梁の知識や点検の基礎を学ぶ研修もありますので、多くの技術者の方のご参加をお待ちしています。
後日、研修状況を報道関係の皆さまに公開しますので、あらためてお知らせします。

以上が本日ご用意したトピックです。

司会

その他の資料としまして、「伊勢湾岸道 豊田南IC~豊明IC(下り線)で 昼夜連続車線規制をおこないます」に関する資料も配布していますので、ご確認ください。それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

記者

静岡新聞の昨日の朝刊で、新東名の掛川PAに隣接して、掛川市が連結施設の第2PAを造るという話がありました。東名から非常に遠いため交通の便が悪く、良い温泉もあるのにスマートICの計画もうまくいかなかったこともあり、現在に至っています。今後、行政と連携しながら取組んでいくことと思いますが、これに関するコメントをお願いします。

社長

新東名を建設するときに、スマートICの計画があったということは私どもも承知しています。予定地は、近くに倉真温泉という良い温泉もある場所で、第2PAを造って皆さまにご利用いただくということは、地域振興のために役に立つと思っていますので、私どももこれから協力させていただきます。

記者

6月24日からの道の駅の社会実験について、期間はいつまでやる予定ですか。

社員

特に終了時期は決まっていません。国土交通省からは当面の間は継続すると聞いています。

記者

同じく道の駅の社会実験について、1時間でどういったことができるのか。例えば、「もっくる新城」の道の駅で、足湯に30分くらいゆっくり浸かって、地元の野菜を買ってくださいとか、地元の文化など、パネルを置いてこんなことを知って欲しいとか、地域への貢献といった面で、どのようなことを想定されていますか。

社長

元々の趣旨は、SAやPAの間隔が25km以上の区間を目安にしていて、それを超えるような長い区間で高速道路に隣接して道の駅がある場合には、そこを利用していただくことを目的としています。概ね25kmを超える区間に「もっくる新城」という道の駅があることから、その道の駅で、先程言われたことのほか食事・休憩など、さらには近くにあるガソリンスタンドも併せて利用していただくというものです。

記者

道の駅は高速道路のSAやPAと機能としては近いかもしれませんが、道の駅は地元色が強いので、どういうことを経験して欲しいとか、休憩だけではなくてもっと地元に触れて欲しいとか、何か前向きな意見があれば、お聞かせください。

社長

「もっくる新城」がこれから色々と企画されると思いますので、こちらからお話をすることはありません。

記者

道路保全情報システムについて、複数の細かなシステムが元々あり、それを再構築して新しくまとめ直したものが「RIMS」ということなのでしょうか。これまでも「RIMS」というものがあった訳ではないということでよろしいでしょうか。

社長

「RIMS」の原型は以前からありました。道路公団の時代から作っていた歴史のあるものですが、今日ご紹介したのは、それぞれ独立していたシステムを、今の仕事の仕方に合せて、より効率性や生産性の高いシステムに再構築するというものです。

記者

先程のお話しだと2020年頃を目途に計画を策定されているということですが、システムの完成の時期はあるのですか。

社長

お手元の資料のとおり段階的に再構築をしていき、2020年を目途に実用できる形にしたいと思います。
なお、「RIMS」というのはシステムのことで、センサーや点検の自動化システムなどは別になります。全体を総称する名称はまだ付けていませんので、いずれ名称を付けたいと思います。

司会

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。