NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2018年06月21日宮池社長定例会見

会見要旨

司会

皆さまお待たせいたしました。
本日は、社長からご説明します資料1から4のほかに、資料5「速旅『やまなしドライブプラン』が7月からスタート」に関する資料と、東海北陸自動車道全線開通10周年を記念した「飛騨・富山ドライブ旅」のチラシもお配りしています。 詳しくはお手元の配布資料をご確認ください。
それでは、ただいまから第137回の定例会見をはじめさせていただきます。

【はじめに】

社長

トピックスのご紹介の前に、ひとこと申しあげます。
当社WEBサイトでお知らせをしていますが、昨日、小田原厚木道路で橋梁のコンクリート片が落下する事象が発生しました。
今回は、おけがをされた方や物損などの第三者被害は発生していませんが、コンクリート片が落下した箇所の安全確保のために緊急点検を実施し、原因究明と再発防止策を検討中です。
この場をお借りしまして、周辺にお住まいの皆さまに大変ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申しあげます。
続いて、5月から6月にかけて実施していました名二環・東名阪道・新名神リフレッシュ工事と名神集中工事は、6月9日をもちまして無事終了しました。
工事期間中は渋滞が発生し、お客さまに大変ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申しあげます。
また、現在リニューアル工事を実施している中央道・北陸道・小田原厚木道路でも、迂回にご協力をいただくなど、工事へのご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
引き続き、この秋にも東名集中工事やリニューアル工事を予定しています。今後実施する工事につきましては、お客さまへの影響が最小限となるよう、工事箇所の集約や工事実施時間の厳選のほか、迂回情報などの一層の情報提供に努めます。
具体的な日程が決まりましたら、あらためてお知らせします。
次に、6月15日に国土交通省から「暫定二車線の高速道路のワイヤロープ設置方針について」が発表されましたが、当社としましても、今後開通する暫定二車線の土工区間にワイヤーロープを標準的に設置していくとともに、開通済みの区間でも、四車線化や付加車線の事業箇所を除き、今後おおむね3年での設置を目指します。
なお、具体的な設置箇所や進め方につきましては、今後、箇所ごとに県警などの関係機関と協議をおこない計画を立てていきます。詳細がまとまりましたら、あらためてお知らせします。

【事業の現況(2018年5月)】

資料1をご覧ください。
まず、営業の状況ですが、5月の料金収入は582億1500万円で対前年同月比0.7%の増加、また、通行台数は日平均194万台で対前年同月比0.8%の増加となりました。
今年はゴールデンウィークの日並びに恵まれず、降雨の影響もあったことから小型車のご利用がやや不調でしたが、引き続き大型車のご利用が好調なことから、5月は料金収入・通行台数ともに微増となりました。

続いて建設の状況です。
資料1に2018年度に新規開通や4車線化の完成を予定している区間を記載しています。
各区間とも、現在、土工や橋梁上部工などの道路本体工事を全面展開中で、これらの本体工事が完了したところから順次、舗装工事や標識工事、情報板などの設備工事に着手しているところです。
5月の定例会見でもお知らせしましたが、このうち東海北陸道の4車線化工事に伴いまして、6月18日から夜間通行止めをおこない、一部の区間で上下車線を分離する車線の切り替え工事をおこなっています。
この車線切り替え工事が完了したあとも中央分離帯の工事がありますので、当面は片側一車線のままですが、今回の工事によって、全線41kmのうち19kmで上下線が分離され、安全性が向上します。標識などに十分ご注意いただき安全に走行していただくようお願いします。
なお、今年の秋にも通行止めをおこなう予定です。実施日が決まりましたら、あらためてお知らせします。
この切り替え工事に先立ちまして、6月16日には高山市長、郡上市長や地元の小学生などに参加していただき、新設したトンネル内で「車線切替記念イベント」を開催しました。大勢の報道関係の皆さまに取材していただきまして、誠にありがとうございました。
引き続き、秋にもイベントを計画していますので、詳細が決まりましたらお知らせします。

次にサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の状況です。
資料1-1の裏面をご覧ください。
5月のSA・PAの売上高は179億3800万円で対前年同月比1.7%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年同月比6.6%の減少となりました。
先ほどお話ししたとおり、今年のゴールデンウィークは昨年の5連休に対して今年は4連休と、日並びに恵まれなかったことに加えて降雨の影響もあり、5月の飲食・物販部門の売上高は前年を下回る結果となりました。
ガソリン部門の売上高は、昨年に対し販売価格が上昇したことと、軽油の販売数量が増加したことにより、対前年同月比22.0%の増加となりました。

【E41 東海北陸自動車道のストック効果】

次に、今年の7月5日に東海北陸道が全線開通してから10年を迎えるにあたり、これまでの様々なストック効果を取りまとめましたので、ご紹介します。 資料2をご覧ください。
この10年間の経済波及効果は、所要時間の短縮により、愛知県、岐阜県および富山県だけで見ても約3.7兆円に達し、3県全体の経済成長が年平均で約0.8%底上げされ、地域経済の活性化に貢献しています。 主なストック効果としては、観光では、沿線に位置する高山市街地の観光入込客数が約1.4倍に増加するなど、沿線地域の観光振興に貢献しています。
また、高山市・白川村の訪日外国人観光客が10年間で約13倍に増加するなど、インバウンド観光にも貢献しています。
次に、物流では、伏木富山港の外貿コンテナ取扱量が約1割増加するなど、物流拠点の利便性向上による物流の効率化に寄与しています。
そのほかのストック効果につきましては、資料2をご確認ください。
先ほど「事業の現況」でご説明しました、白鳥インターチェンジ(IC)から飛騨清見ICの4車線化事業に加え、富山県側では城端SA付近から小矢部砺波ジャンクション(JCT)間で付加車線設置工事も進めています。
今後も引き続き、東海・北陸地域の社会・経済の発展、沿線地域の活性化に貢献するよう努めていきます。
また、全線開通10周年を記念したイベントも検討しています。詳細が決まりましたら、あらためてお知らせします。

【夏の交通安全キャンペーンを実施します】

資料3-1をご覧ください。 すでに報道もされていますが、昨年の6月に東名で発生した「あおり運転」による交通死亡事故から1年が経過しました。
これを受けまして、当社管内でも警察による取り締まりの強化や、最近では6月第1週にSAなどで警察と協働してお客さまへの呼び掛けをおこなうなど、「あおり運転」の防止に向けて一層の連携強化を図っているところです。
また、当社では7月11日(水)から31日(火)までの21日間、夏の交通安全キャンペーンを実施し、交通安全の呼び掛けを強化します。
期間中は、警察や自治体、当社のオリジナルキャラクター「みちまるくん」や地域のゆるキャラと連携した交通安全イベントを管内のSAなどで実施します。
イベントの日時や場所などの詳細につきましては資料3-2にまとめていますので、報道関係の皆さまには、ぜひ取材にお越しいただきますようお願いします。
交通安全キャンペーンに関連しまして、当社管内の交通死亡事故の発生状況についてご報告します。

当社の調べでは、今年に入ってすでに19件の交通死亡事故が発生しており、3月の定例会見でお伝えしてからも依然、過去3年で最悪のペースとなっています。 今年発生した事故は、(1)渋滞の末尾での追突事故(2)停止車両への追突事故(3)自動二輪車が関係する事故が多いことが特徴です。
追突や自動二輪車による死亡事故は、過去2年では7月から8月にかけても発生しています。
これらの傾向を踏まえまして、夏休みに向けて高速道路をご利用の際に注意していただきたいポイントを2点、お伝えします。
1点目は、追突事故の防止のため、渋滞などで減速や停止をする場合は、ハザードランプの点灯などで後続の車両に合図していただきたいということです。
また、2点目は自動二輪車のライダーの皆さまへのお願いとなりますが、運転技術やバイクの性能を過信することなく、周囲の交通状況に十分注意して運転し、快適なツーリングをお楽しみいただきますようお願いします。
その他、高速道路を安全にご利用いただくためのポイントについて資料3-1に記載していますので、報道関係の皆さまからも注意喚起のご協力をいただきたいと思います。

【SA・PAが続々リニューアルオープンします!】

次のトピックはSA・PAのリニューアルオープンについてです。
資料4をご覧ください。
当社のSA・PAでは、施設の老朽化対策工事など、お客さまに安全・安心・快適にご利用いただけるように施設のリニューアル工事を進めています。
本日は、本格的な夏の行楽シーズンに向けて、続々リニューアルオープンするSA・PAをご紹介します。
1ページに記載のとおり、東名の富士川SA(下り)を始めとする4つのSA・PAが順次リニューアルオープンします。
今回のリニューアルでは、お客さまからいただいたご意見なども参考に、フードコートの客席やショッピングコーナーの拡張、コインシャワーの増設などをおこなっています。
また、地元の人気店をフードコートに誘致したり、地元の老舗銘菓をショッピングコーナーで新たに販売したりするなど、より楽しく、より便利なエリアとなって、リニューアルオープンします。
代表例として、4ページをご覧ください。
北陸道の小矢部川SA(下り)では、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定された、富山県高岡市金屋町で見られる伝統意匠の「千本格子」を建物の外観に取り入れるなど、地域の魅力を発信するエリアとなってリニューアルオープンします。
ホテルニューオータニ高岡が運営するフードコートでは、高速道路初出店となる地元富山の人気店「白えび亭」や、本格レストランの素材と味をカジュアルにお楽しみいただける「CHEF’S TABLE」などがオープンします。
その他、地元の銘菓を販売するショッピングコーナーや、北陸道初出店となったコンビニエンスストア「ローソン」がすでに営業を開始しています。 次に5ページ、6ページをご覧ください。
6月にはすでに東名の牧之原SA(下り)、小田原厚木道路の大磯PA(上り)もリニューアルオープンしています。
お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。

司会

以上が本日ご用意したトピックです。それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

記者

暫定二車線でのワイヤーロープの設置の件ですが、国土交通省が、高速道路会社が管理している高速道路に関しては2021年3月までが目標時期と表現されています。先ほどの社長の発言で「おおむね3年位で」というのは国土交通省の考えと同様なのか、それとも、これから3年というと2021年6月か7月となるのか教えてください。

担当

当社としましては、国土交通省と同じ3年間で、2020年度末までに設置すべく、これから調整を進めていきたいと考えています。

記者

ワイヤーロープの設置対象箇所については、これから計画を立てるということですが、対面通行の暫定二車線が、御社の管理されている路線ではどこに何kmあるのかということと、現在建設している新設の区間では最初からワイヤ-ロ-プを設置するとのことですが、具体的にどこの区間を指しているのか教えてください。

社長

現在建設している新設区間につきましては、例えば中部横断道が該当します。また、すでに開通している暫定二車線につきましては、総延長約280kmのうち、土工区間に設置を進めていく予定です。

記者

今月、東名阪道の鈴鹿IC付近でコンクリート片が落下するという事案がありましたが、あらためて原因と再発防止についてお聞かせください。

社長

現在、類似箇所を点検しており、明日までにすべての点検を終える予定です。事故の状況につきましては、舗装の下にある床版が土砂化し、それが落下したものです。幸いなことに、床版の裏に剥落防止シ-トを張っていましたので、大きなコンクリ-ト片が落下したものではなく、小さな石がバラバラと落ちた程度で済んでいます。現在調査を進めていますので、原因などが判明しましたら、しっかりと対策を取っていきたいと考えています。

記者

類似箇所の点検というのは何箇所くらいあるのか教えてください。

社長

同時期に工事がおこなわれ、かつ、同等の交通量である東名阪道を対象として、34橋で緊急点検を実施しています。

記者

東海北陸道のストック効果について、3.7兆円と計算された根拠を教えてください。また、10年間で3.7兆円というものが、他の路線でいえばここと同じくらいといった指標となるようなものがあれば教えてください。

社長

他の路線のデータにつきましては、確認しますので少しお時間をいただきたいと思います。また、3.7兆円の計算根拠は、地域計量経済分析モデルを使って算定しています。簡単に申しあげますと、高速道路ができることによって所要時間が短縮されますので、それによってどのくらい経済効果があったかというモデルにより算出したものです。

記者

東海北陸道のストック効果について、経済効果3.7兆円と経済成長0.8%底上げという数字をご覧になっての社長の所感をあらためてお願いします。

社長

大変効果的な道路だろうと評価しています。現在、白鳥IC~飛騨清見ICまで4車線化を進めていますが、これが完成しますと、さらに効果は上がってくるものと思っています。残りの飛騨清見ICから小矢部砺波JCTまでの区間は対面通行ですが、この区間はトンネルが多い山岳区間で交通運用上のネックにもなっていることから、できるだけ早く解決したいと考えています。

記者

鈴鹿IC付近のコンクリート片落下の件で、床版が土砂化したということですが、東名阪道は多くの区間で建設から50年程度経過している中で、床版に限らずコンクリートの耐用年数など、今後、他の箇所での危険が考えられるのか教えてください。

社長

コンクリート構造物も色々な環境状態に置かれているということもあり、劣化が進みやすい所も進みにくい所もありますので、そのようなことを念頭に点検や修繕を進めていく必要があると考えています。その典型がいわゆるリニュ-アル工事という形で進めている大規模更新・修繕事業です。床版も劣化がひどいところは点検で分かっていますので、そういったところは全部取り替えるなど、計画的に進めているところです。

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。

以上