NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2016年03月30日宮池社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第112回の定例会見をはじめさせていただきます。

【宮池社長】

それでは、本日ご用意したトピックスをご説明します。

【事業の現況(2016年2月)】
資料1をご覧ください。
営業の状況ですが、2月の料金収入は、484億7,000万円と対前年同月比5.3%の増加、また、通行台数は日平均181万6,000台と対前年同月比2.0%の増加となりました。
2月は、新東名高速道路の開通効果や圏央道の利用が引き続き好調であったことにより、料金収入・通行台数ともに増加となりました。
また今年は「うるう年」であったため、合計数値の料金収入が平均数値の通行台数よりも高い伸び率となっています。

次に建設の状況ですが、新東名(愛知県区間)開通から1ヶ月の状況につきましては、資料2でご説明します。

次にサービスエリアの状況です。
サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の総数は、2月13日(土)に新東名開通区間にあるNEOPASA岡崎(岡崎SA)と長篠設楽原(ながしのしたらがはら)PA上下線の3箇所が開業したことにより、180箇所となりました。
2月のSA・PAの売上高は122億5,500万円で、対前年同月比7.1%の増加、飲食・物販部門の売上高は、対前年同月比9.6%の増加となりました。
増加の要因としては、新東名(愛知県区間)の開通により開業したNEOPASA岡崎、長篠設楽原PA上下線の新設と、「うるう年」による1日分の売上増です。
ガソリン部門の売上高は対前年同月比1.4%の増加となりました。

【新東名(浜松いなさJCT~豊田東JCT間)の1ヶ月開通効果】
資料2をご覧ください。
新東名(愛知県)開通効果検討会議が3月25日に発表した「新東名高速道路(浜松いなさJCT~豊田東JCT)のストック効果」をお配りしています。
資料の冒頭にもありますように、開通翌日の2月14日(日)から3月12日(土)の平均交通量は、新東名が42,000台/日、並行する東名が57,000台/日となりました。約10万台の交通が、新東名4割・東名6割と分散しています。
また、東名と新東名との交通分散により、東名では新東名開通後1ヶ月の間に交通集中による渋滞は発生しておりませんが、3月の3連休に小規模な渋滞が1件発生するなど、今後も交通混雑期には10km程度の小規模な渋滞が発生する見込みとなっています。
その他にも、資料の3、4ページにもありますように、物流業界からも、渋滞減少による時間短縮に加え、所要時間のバラつきが減少し定時性が確保され、運行管理がしやすくなったとの声もあり、着実に企業活動の生産性向上が図られています。 
また、NEOPASA岡崎の利用者数が、開通から1ヶ月で100万人を突破したこと、新城ICに近接する「道の駅もっくる新城」の来訪者数が開通前と比べて約1.5倍に増加するなど、沿線地域の観光活性化などのストック効果が発現されはじめています。
SA・PAの売り上げは、2月14日(日)から3月12日(土)までの1ヶ月間で、NEOPASA岡崎と長篠設楽原PA上下線で6.6億円、これに並行する東名のPA(新城PA上下線、赤塚PA上下線、美合PA上下線の6PA)で1.2億円、合計で7.8億円でした。昨年同時期の東名の6PAの売り上げの合計1.7億円と比較すると、6.1億円の増加となりました。
NEOPASA岡崎のこの1ヶ月間の売り上げは、これまで当社内における中京圏最大の売り上げであったEXPASA御在所上り線の約2.5倍でした。
これは、当社内で最大の売り上げを誇る海老名SA下り線と比較しても、売り上げ、来場者数ともに上回る結果となりました。
おかげさまで、来場者については開業1ヶ月間で100万人を超えることができました。また、3連休の中日であった3月20日(日)には、これまでで最高となる売り上げ、来場者数を記録するなど、好調に推移しています。
今後も、屋上を活用した天体観察会や、ジャズの街 岡崎らしくジャズ演奏会を開催するなど、何度でも訪れたくなるエリアを目指していきますので、皆さまのご利用をお待ちしています。

【高速道路リニューアルプロジェクト】
資料3をご覧ください。
日本の産業・経済に不可欠な存在である高速道路ネットワークの機能を長期にわたって健全に保つため、2015年3月25日に国土交通大臣より高速道路の更新事業の許可を受け、2015年度から工事発注などの手続きを進めてきましたが、2016年度より『高速道路リニューアルプロジェクト』として本格的に工事に着手します。
2016年春には、東名の静岡インターチェンジ(IC)から焼津ICの間で5月9日から7月10日までの期間、また中央道の岡谷ジャンクション(JCT)から伊北ICの間で5月17日から7月15日までの期間で実施します。
2016年秋には、北陸道と中央道の3インターチェンジ間で工事を予定しています。
工事箇所では、老朽化した鉄筋コンクリート床版を、より耐久性の高い床版へ取り替えるなど、長期間の対面通行規制などをおこなって、大規模な工事を実施させていただきます。
工事期間中は、渋滞の発生や混雑が予想されますので、新東名や中央道などのネットワークを活用し、迂回をしていただくなど、皆さまのご理解とご協力をお願いします。
なお、東名の工事では、路肩を活用した上下線4車線の確保や工期短縮のために工場製作の製品を採用するなど、渋滞の発生を最小限にするための工夫をおこないます。工事区間では車線幅や路肩幅が狭く、最高速度は50km/hとなりますので注意して走行してください。
また、NEXCO3会社などでは、高速道路の更新事業の目的や必要性をご理解いただき、お客さまに幅広く知っていただけるよう、共通の事業呼称を『高速道路リニューアルプロジェクト 大規模更新・修繕事業』とし、使用するロゴマークは、資料やパンフレットに記載のとおり定めました。
今後は、事業理解をいただくためのポスター、リーフレットなどに使用していきます。

【名神集中工事のおしらせ】
資料4をご覧ください。
名神集中工事を、5月30日(月)から6月11日(土)までの期間、春日井ICから吹田ICまでの間で実施します。
集中工事は、路面や橋梁・トンネルの補修など、道路を管理するために必要な工事を短期間にまとめて昼夜連続しておこなうものです。これにより工事の集約化を図ることができ、年間の工事規制回数や工事渋滞回数を大幅に減らすことができます。
なお、すでにお知らせしています東名阪・名二環リフレッシュ工事については、5月26日(木)、27日(金)の伊勢志摩サミット開催前に実施しますが、今回お知らせする名神集中工事は、伊勢志摩サミット終了後の5月30日(月)からの実施としました。
工事の詳細につきましては、決まり次第、集中工事専用WEBサイトやリーフレットなどでお知らせします。
集中工事期間中は、渋滞の発生や混雑により、大変ご迷惑をおかけしますが、皆さまのご理解とご協力をお願いします。

【中央道多治見の付加車線開始】
資料5をご覧ください。
すでに3月25日に発表していますが、中央道多治見ICから小牧東ICまでの間の下り線登坂車線区間を右側付加車線方式に変更する工事が、3月28日(月)12時32分に完了し、試行運用を開始しています。
工事でご迷惑をおかけした皆さまにお詫びするとともに、実施に向けてご尽力いただいた関係機関の方々に改めてお礼申し上げます。
この取組みは、2013年12月、当時の国家公安委員長主催による「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」で取りまとめられた提言を受けて、登坂車線の合理的な運用を目指すものです。この取組みにより、低速車が車線をゆずるのではなく、比較的速度に自由度のある車両が右側から追い抜くこととなり、安全性の向上が期待されます。
ドイツやフランスなど海外の高速道路では一般的な車線運用でありますが、今後、この試行運用をモニタリングし、事故リスクの軽減などを検証していきたいと考えています。

【技術提案の募集】
資料6をご覧ください。
当社は、高速道路の建設・管理において、これまでRFI(Request for Information)や共同研究公募を通じて、大学・企業が保有する技術を活用した研究・開発に取り組んできました。
RFIや共同研究公募では、募集する内容を詳細に特定してきましたが、今後は、幅広くテーマを公表することにより、これまで以上に大学・企業との連携を強化し、安全・快適を高める技術開発を推進し、最も安全な高速道路の実現を目指します。
高速道路資産の経年劣化の進行に伴い、「高速道路リニューアルプロジェクト」におけるライフサイクルコストの低減や品質確保、点検の高度化・効率化につながる技術開発は、当社にとって最重要課題です。
また、人工知能(AI)、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)などによるICTの急激な発展を当社の管理する道路の交通安全や交通渋滞緩和に活用していくことや、自動運転を普及するために道路側で支援する技術開発にも積極的に取り組んでいく必要があります。
そのため、これらの重点テーマを中心に、大学・企業からの技術提案を募集します。
提案していただきました技術の中から、ニーズ、実現可能性、経済性などを検討し、研究・開発が有用と判断したものについては、提案先と秘密保持契約を締結し、共同研究や委託研究に進めていきます。
募集方法などにつきましては、当社の公式WEBサイトをご覧ください。
たくさんのご提案をお待ちしています。

以上が、本日ご用意したトピックスです。

【司会】

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

【記者】

インフラの老朽化が社会問題になる中で、大きなプロジェクトがいよいよスタートしますが、工事に向けた意気込みなどをお聞かせください。

【宮池社長】

これから15年ほどかけて、約1兆円の規模でリニューアルプロジェクトを進めていきます。工事をきちんと正確におこない、高速道路の安全性、耐久性を向上させることが大切です。2016年度の工事につきましては、最初のプロジェクトとして、試験施工や研究開発を含めて本格的に工事をおこないます。一方、ご利用される車両の中には、総重量などが超過している法令違反があります。これは高速道路の劣化を加速させる大きな要因となりますので、このような車両の取締りも強化しながら、できるだけ渋滞による影響が少なくなるよう、工期を短くする工法などを採用したいと思っています。また、お客さまには、高速道路ネットワークを使った迂回路や工事規制などをご案内しますので、ご協力いただきたいと思っています。

【記者】

2016年度のリニューアル工事予定は5箇所でしょうか。

【宮池社長】

そのとおりです。

【記者】

合計何キロになるのでしょうか?

【宮池社長】

距離というよりは、この区間で床版の打ち替えをするところを整理しているというようにご理解いただければと思います。

【記者】

2016年度にトンネル関係のリニューアル工事は無いのでしょうか。

【宮池社長】

トンネルはありません。

【記者】

1兆円の費用の財源は、料金徴収期間を10年延長するということですね。

【宮池社長】

そのとおりです。

【記者】

2016年度に実施する5箇所は、特に老朽化が進んでいるからでしょうか。

【宮池社長】

点検の結果を踏まえ、優先的に工事箇所を決めています。新東名が開通しダブルネットワークになりましたので、工事渋滞が少なくなることを期待しています。

【記者】

高い耐久性について、新しく技術開発されたものはありますか。

【宮池社長】

従来の工法では、橋の床版は現地で鉄筋を組み、コンクリートを打設して床版を施工しますが、今回は工場で製作した製品(プレキャストコンクリート製品)を用いて、工事を施工します。工場製作のため品質管理も十分におこなうことができ、PC(プレストレストコンクリート)構造を使うことによって、高耐久性が確保されると考えております。

【記者】

工期も短縮されるということですね。

【宮池社長】

そのとおりです。

【記者】

新東名開通により東名の渋滞解消に効果があったということですが、東名では一部区間で暫定3車線が続いています。いつ頃、2車線に戻すのでしょうか。

【宮池社長】

時期につきましては、今後の交通状況を踏まえ、警察など関係機関と調整し判断していきます。いずれにしても、暫定ということなので、最終的には元の2車線に戻すという計画になっています。渋滞状況などをしばらくモニタリングしていきたいと思います。

【記者】

台風の影響で開通を延ばした新名神(四日市JCT~新四日市JCT間)と東海環状道(東員IC~新四日市JCT間)の開通時期について、今年の夏という時期的な目途は変わっていないでしょうか。

【宮池社長】

私の気持ちとしては、変わっていません。

【記者】

警察庁により高速道路の規制速度の見直しが進められています。これに関する受け止め方と、最高速度が上がれば所要時間も縮まりますが、そのあたりの期待感をお聞かせください。

【宮池社長】

警察庁が新東名と東北道の一部の区間で試行導入する方針と承知しています。当社管内では、新東名の浜松いなさJCT~御殿場JCT間の一部の区間が対象区間に挙げられていますが、具体的な対象箇所については決まっていません。今後、警察庁、静岡県警などの関係機関と安全性の確保や現地の道路構造などを踏まえて調整していきます。

【記者】

所要時間が短縮されるなどの効果はどうでしょうか。

【宮池社長】

効果は大きいと思います。試行導入にあたっては、可変の速度標識の改修などの必要な安全対策についても、今後、警察と協議し検討していきます。

【記者】

伊勢志摩サミットの関係で、仮設の防犯カメラを伊勢湾岸道、東名阪、伊勢道にそれぞれ120箇所設置するということですが、他に新たな具体的なものはありますか。

【宮池社長】

当社の取組みとしては、周辺の防犯のための草刈や舗装路面の補修、防犯カメラの仮設ということが、代表的なものではないかと思います。

【記者】

サミット前に、東名阪リフレッシュ工事がおこなわれますが、今回、新たにおこなう工事はあるのですか。

【宮池社長】

舗装改良など、これまでと同様の工事が中心となります。

【記者】

交通規制がおこなわれると思うのですが、その影響など何か把握されていることはありますか。

【社員】

サミットに関する交通規制につきましては、3月17日に「伊勢志摩サミットにかかる道路管理者等広域連絡協議会」が開催され、その中で、現時点では5月16日から28日までの間は補修工事などによる交通規制は控えるという方針を確認しています。

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。