NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2017年04月19日宮池社長定例会見

会見要旨

司会

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第124回の定例会見をはじめさせていただきます。

【はじめに】

社長

会見を始める前に、一言申し上げます。
新東名の静岡県区間 御殿場ジャンクション(JCT)から三ヶ日JCTまでの約162kmが、2012年4月14日の開通から5年が経過しました。
その間、約1億4,000万台にもおよぶ多くのお客さまに新東名をご利用いただいており、誠にありがとうございます。
また、新東名の開通に伴い、渋滞緩和による物流の効率化や沿線の工場立地拡大による地域経済の活性化への貢献など、継続的にストック効果が現れています。
新東名のストック効果につきましては、今後も報道関係の皆さまに積極的に公開していきますので、引き続きご協力のほど、よろしくお願いします。

【事業の現況(2017年3月および2016年度)】

資料1をご覧ください。
営業の状況ですが、3月の料金収入は596億4,600万円で対前年同月比3.3%の増加、また、通行台数は日平均200万5,000台で対前年同月比1.8%の増加となりました。
3月は、東名・新東名や圏央道を中心に高速道路の利用が好調であったことから、料金収入・通行台数ともに増加となりました。

  

2016年度の料金収入は6,649億9,400万円で対前年度比1.1%の増加、また、通行台数は日平均193万7,000台で対前年度比1.4%の増加となりました。
2016年度は、新東名や圏央道の開通に伴うネットワーク効果に加え、景気の緩やかな回復基調に合わせて、特に大型車の利用が増加傾向であったこともあり、全般的に高速道路の利用が好調でした。その結果、料金収入・通行台数ともに増加し、過去最高となりました。

続いて建設の状況ですが、資料1の地図と写真をご覧ください。2017年度に開通を予定している区間の工事概況についてご説明します。
東名 海老名南JCTから厚木南IC間2kmにつきましては、現在、厚木南IC部の土工、橋梁上部工などの道路本体工事を実施中です。また舗装工事や標識工事、情報板などの設備工事を展開すべく準備中で、6月からこれらの工事に着手する予定です。
東海環状道 養老JCTから養老IC間3kmにつきましては、共同事業者である国土交通省中部地方整備局から道路本体部分の一部を引継ぎ、今月から舗装工事や標識工事、設備工事に着手したところです。
各区間の開通時期につきましては、完成の見通しが立ちましたら、あらためてお知らせします。

次にサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の状況です。
3月のSA・PAの売上高は172億8,300万円で対前年同月比8.1%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年同月比2.0%の減少となりました。
昨年はNEOPASA岡崎・長篠設楽原PAの開業特需による売上増があったため、今年の飲食・物販部門の売上高はその反動から対前年同月比98.0%となりました。
ガソリン部門の売上高は、昨年に対し販売価格が上昇したことと、軽油の販売数量が増加したことにより、対前年同月比35.5%の増加となりました。

2016年度のSA・PAの売上高は1,897億2,200万円で対前年度比3.0%の増加、飲食・物販部門の売上高は対前年度比0.9%の増加となりました。
2016年度は「シルバーウィーク」がなかったことによるマイナスの要因がありましたが、NEOPASA岡崎、長篠設楽原PAの開業効果により、飲食・物販部門の売上高は対前年度比100.9%となりました。
ガソリン部門の売上高は、NEOPASA岡崎のガソリンスタンド開業により、対前年度比8.4%の増加となりました。

【渋滞対策について】

資料2をご覧ください。
東名阪道(上り線)四日市ICから鈴鹿IC間の約8km区間の暫定3車線化につきまして、運用開始の見込みをお知らせします。
現地では、昨年11月以降、関係機関や沿線地域の皆さまと協議を重ね、今年3月から工事に着手しました。
今後は、東名阪道のリフレッシュ工事などで、舗装の打ち替えなどの本格的な工事を鋭意進め、今年の夏ごろまでの完成を目指します。
暫定3車線運用区間を延伸することにより、四日市IC付近での渋滞緩和が見込まれ、定時性・安全性の向上が図られます。
工事期間中は、一時的に渋滞の発生が見込まれ、ご利用のお客さまには大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。
また、その他の渋滞対策としまして、実施中の東名・大和地区、中央道・小仏地区などに加え、中央道(下り線)の相模湖IC付近の渋滞対策を今年度から実施します。
この区間は、中央道(下り線)相模湖バスストップから相模湖IC間の約2kmに付加車線を設置するもので、昨年10月18日におこなわれた「第5回中央道渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ」で渋滞対策(案)を提示し、了承されました。
すでに現地調査や関係機関との調整などを進めているところです。
今後は、現地測量や設計などを進め、1日でも早い開通を目指して事業を進めていきます。

【ゴールデンウィーク期間中の渋滞予測】

ゴールデンウィーク期間(4月28日(金)から5月7日(日))の渋滞予測につきましては、すでに3月29日に発表し、多くの報道関係の皆さまに取り上げていただいたところです。ありがとうございました。 資料3-1をご覧ください。
当社では、これまで、交通混雑期の渋滞を予測し、当社公式WEBサイトや皆さまのお手元にお配りした『渋滞予測ガイド』などで、予測状況を提供しています。
この度、東京・八王子・名古屋・金沢の各支社に渋滞予測のプロを配置し、地域ごとの渋滞を回避するためのポイントなどの情報をわかりやすく発信していく体制を作りました。
また、この渋滞予測のプロを「高速道路ドライブアドバイザー」と名付けました。
本日は、この場をお借りして、名古屋支社の「高速道路ドライブアドバイザー」をご紹介します。
名古屋支社交通技術チームの「川島サブリーダー」です。

名古屋支社の「高速道路ドライブアドバイザー」の川島です。これまでの渋滞予測から一歩進んだ情報を発信していきたいと思っています。よろしくお願いします。
本日、名古屋支社からゴールデンウィークの渋滞回避ポイントとして記者発表をおこなっています。資料3-2をご覧ください。
このゴールデンウィークは5月3日から5日の3日間、東海地区の高速道路は非常に混雑が予想されます。そのため、お出かけはこの3日間を避けて計画するのがおすすめです。
2ページ目をご覧ください。たとえば5月3日の東名阪道(上り線)では25kmの渋滞が予想されており、この渋滞に遭遇してしまうと、通常より約1時間もの時間が余計にかかってしまいます。この渋滞を避けて6日にお出かけした場合、3日と同じ出発時間または到着時間でも、目的地に長く滞在できるようになります。
このように、渋滞予測情報を活用すると、渋滞のストレスを最小限に、楽しくご旅行していただくことができますので、会見終了後にお気軽にお問い合わせください。
なお、「高速道路ドライブアドバイザー」へのご取材やテレビ・ラジオへの出演などをご希望の際は、お手数をおかけしますが、各支社の広報・CSチームまでご連絡をお願いします。

さて、渋滞予測とは話題が異なりますが、このゴールデンウィークから始める新たな取組みとして、もう一つ皆さまにお知らせがあります。
交通混雑期における交通安全対策の一環として、NEXCO東日本・中日本・西日本の3会社が連携して、逆走防止の呼びかけをおこないます。
こちらのポスターや、皆さまのお手元にお配りしたチラシをご覧ください。
「無くそう・逆走」という統一ロゴマークを用いて、このゴールデンウィーク期間から全国的に展開していきます。
また、テレビ・ラジオや新聞広告などを活用し、「逆走しない、させない、事故にしない」をキャッチコピーに、逆走の危険性や防止方法について広く呼び掛けていきますので、報道関係の皆さまには、引き続き「注意喚起」などのご協力をお願いします。

【高速画像処理を用いたトンネル内点検技術の開発】

資料4をご覧ください。技術開発に関するトピックです。
昨年12月の定例会見でご紹介しました「高速画像処理を用いたトンネル内点検技術」につきまして、その後の進展がありましたのでご報告します。
検出するコンクリートのひび割れ幅につきまして、昨年は0.5ミリとご報告しましたが、技術開発の目標にしていた0.2ミリまで検出することが可能となりました。
ひび割れ幅0.2ミリが検出された場合、点検対象とするトンネル構造物を継続的に監視する必要があるため、これを目標値としていたものです。
本技術は、撮影機器が小型のため普通車の屋根に搭載でき、時速100㎞で走りながら検知できるのが特徴です。
現在、トンネル内の点検は交通規制をおこなって高所作業車などを用いて近接目視をおこなっています。点検前にこうした技術を用いて精度の高い情報を事前に把握することで、変状を見逃さず、変状箇所を重点的に点検できるようになり、点検の信頼性向上や効率化に寄与できると考えています。
将来的に近接目視に替えて活用できるよう検証する予定です。
これまでは交通規制内での撮影でしたが、今後は交通規制をしない状態で撮影をおこない、運用面での課題の把握と撮影精度の検証などを進め、2018年度の実用化を目指します。
本日は実際の走行映像をご用意していますのでご覧ください。
なお、同様の画像は共同研究している東京大学のWEBサイトでも英語版で公開しています。
当社グループでは、少子高齢化による労働人口の減少が予想される社会環境の変化などを見据え、ICT技術を活用したトンネルや橋梁の点検の高度化・効率化技術の開発を引き続き進めていきます。

【今年度実施予定工事の概要】

年度初めですので、今年度実施する予定の工事の概要をご説明します。
資料5をご覧ください。すでに発表している内容ですが、この春実施する集中工事などの予定をあらためてお知らせします。
まず、名神集中工事ですが、5月15日(月)から5月27日(土)までの10日間、名神・吹田ICから東名・春日井IC間で工事をおこないます。
中央道集中工事は、5月15日(月)から5月26日(金)までの10日間、八王子ICから高井戸IC間で工事をおこないます。
中央道では、さらに5月29日(月)から7月14日(金)までの47日間、岡谷JCTから伊北IC間でリニューアル工事をおこないます。
東名阪・名二環リフレッシュ工事は、5月29日(月)から6月10日(土)までの10日間、東名阪・名二環の名古屋ICから亀山IC間で工事をおこないます。
各路線とも、工事期間中に交通規制のほか、夜間通行止めやランプなどの閉鎖を実施しますので、お出かけの際は最新の交通情報をご確認ください。
工事期間中は渋滞の発生が見込まれ、ご利用のお客さまには大変ご迷惑おかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。
あわせて、例年秋に実施しています東名集中工事も実施する方向で、現在、関係機関と調整しています。
また、大規模な規制を伴う秋のリニューアル工事も予定しています。具体的な日程が決まり次第、発表させていただきます。

以上が本日ご用意したトピックです。

司会

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けします。

記者

資料1「事業の現況」の建設の状況で、2017年度の開通予定となっている東海環状道の養老JCTから養老IC間の開通見込みについて、具体的にいつぐらいになるか教えてください。

社長

秋に養老改元大祭が開催されることは承知していますが、国土交通省から道路本体部分の一部引き渡しを受けたばかりですので、完成の見通しが立ちましたら、あらためてお知らせします。できるだけ早期の開通を目指して工事を進めていきます。

記者

渋滞予測ガイドによると、例年と一緒と思いますが、どの日付でも東名阪道の鈴鹿IC付近の渋滞が全国で一番ひどいという印象です。実際はどうなのでしょうか。

社長

色々な指標があります。例えば、国土交通省が発表しています渋滞のランキングがありますので、担当部署からご説明します。

社員

2017年3月に国土交通省から発表されている2016年の交通状況のランキングデータがあります。指標は渋滞損失時間で、IC区間をひとつの単位として、上位30のIC区間が上下線別で記載されています。そのうち、東名阪道につきましては、4区間が30位の中に入っています。一番渋滞損失時間が多いのが亀山JCTから鈴鹿IC間の上り線で7位。四日市ICから鈴鹿IC間の下り線が11位。同じ区間、鈴鹿ICから四日市IC間の上り線が20位。亀山JCTからさらに西側ですが、亀山スマートICから亀山JCT間の上り線が27位。この4区間がトップ30に入っています。参考までに、全国第1位は、これも当社管内の東名 海老名JCTから横浜町田IC間の上り線です。詳しくは、国土交通省のホームページをご覧いただくとその表が掲載されています。

記者

資料1の2016年度の実績は、料金収入も通行台数も、おそらく開通に伴って過去最高でよろしいですか。

社長

過去最高です。

記者

訪日外国人が過去最高を更新したという発表があります。以前の会見で香港を中心に高速道路を利用する人が多いということでしたが、2016年度の外国人旅行者の利用はどうでしたか。

社長

訪日外国人向けの高速道路乗り放題パス「CEP(Central Nippon Expressway Pass)」がありますので、その利用状況につきまして担当部署からご説明します。

社員

当社が訪日外国人向けに販売している「CEP」の販売実績では、2015年度は1ヶ月あたり約240件、2016年度は2月分までの集計ですが、1ヶ月あたり約420件で、2倍近く増加しています。

記者

それぞれ年度で何件販売して、対前年比何%増になったというデータはありますか。

社員

2015年度は約2,840件、2016年度は2月分までの集計で約4,700件です。3月が平均件数の約420件であった場合、2016年度は約5,100件となります。

記者

だいたい2倍近く増えているということですね。

記者

JR東海のリニア中央新幹線の関係ですが、春日井市、岐阜県、長野県で用地取得のコンサルティング契約を締結していると思いますが、現状の協力関係はどういった感じで進んでいるか、概略を教えてください。

社長

当社が用地取得に関するコンサルタント的な業務をしています。当初の予定どおり順調に進んでいますので、JR東海様のお役に立っているのではないかと思っています。

記者

東名阪道上り線の暫定3車線化について1点だけ教えてください。今年夏ごろに8km完成予定ということですが、これは運用開始が夏ごろと考えてよろしいのですか。

社長

今年の夏ごろまでには、暫定3車線の運用を開始したいと考えています。

記者

資料1のSA・PAの状況ですが、土岐のテラスゲートがオープンして随分経ちますが、その売上高はこの数字に含まれるのでしょうか。

社長

入っていません。

記者

業績はどんな感じでしょうか。

社長

当社としては、ある程度期待しています。

社員

オープンから2年で約300万人のお客さまにご来場いただいています。2016年度はプラスの方向で進んでいるという状況です。

社長

300万人というのは、スーパーマーケットや温浴施設など、全ての施設のご利用を合わせた数字です。

司会

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。

以上