NEXCO 中日本 中日本高速道路株式会社




2015年11月19日宮池社長定例会見

会見要旨

【司会】

皆さまお待たせいたしました。ただいまから第108回の定例会見をはじめさせていただきます。

 

【宮池社長】

それでは、本日ご用意したトピックスをご説明します。

【事業の現況(2015年10月)】

資料1の1ページをご覧ください。

営業の状況ですが、10月の料金収入は、570億8千8百万円と対前年同月比5.3%の増加、また、通行台数は日平均198万1千台と対前年同月比6.9%の増加となりました。

増加の要因としては、今年の10月は、好天に恵まれたことや原油価格の下落を受け、高速道路の利用が好調だったことが挙げられます。また、前年は台風18号、19号の影響により高速道路の利用が落ち込んだことも要因となり、対前年同月比で料金収入・通行台数ともに増加となりました。

 

建設の状況です。

2015年度に開通を予定している区間の工事概況です。

新東名浜松いなさジャンクション(JCT)から豊田東JCT間55kmは、開通遅延の要因となった対策工も完了し、工程を精査した結果、来年2月中に、開通できる見通しとなりました。

詳細は、のちほど、説明させていただきます。

新名神四日市JCTから新四日市JCT間4kmおよび東海環状道新四日市JCTから東員JCT間1kmは、先月までの定例会見でも説明させていただいた通り、今年9月の台風18号により、切土のり面で崩落が発生し、開通後の安全確保のため、アンカーやコンクリートのり枠などの対策を実施中です。崩壊箇所と類似の地質である延長約900mの切土のり面に対して、対策が必要であることから、今年度末までの開通が困難な状況であり、現在、工程を精査中です。開通の見通しについては、あらためてお知らせします。

 

次にサービスエリアの状況です。

サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)の総数は、177カ所で変更はありません。

10月のSA・PAの売上高は154億2百万円で、対前年同月比5.9%の増加となりました。飲食・物販部門の売上高は、対前年同月比9.4%の増加となりました。

増加の要因としては、台風が2回上陸した前年に比べて本年は比較的天候に恵まれたことや、賤ヶ岳SA(上り)のリニューアルオープン、『妖怪ウォッチ家族でおでかけキャンペーン』などの実施により、売上が好調に推移したことで、前年対比プラスとなったと思われます。

ガソリン部門の売上高は対前年同月比1.3%の減少となりました。

減少の要因としては、原油価格の下落があげられます。

 

【2015年度雪氷期に向けた取組み】

資料2をご覧ください。

今年も本格的な雪氷シーズンが到来します。昨年12月の東海北陸道や今年2月の北陸道での長時間通行止めをはじめ、高速道路の雪通行止めによりお客さまには大変ご迷惑をお掛けいたしました。今冬は、新たに配備する除雪機械56台と既存の除雪機械を合わせ、効率的かつ効果的な車両配備をおこないます。さらに、除雪作業の支障となる立ち往生車両を早期に発見するため、監視設備37基を新規に設置し、遠隔監視を強化するなどの雪氷対策に臨んでいきます。

お客さまへのお願いですが、冬用タイヤの未装着やタイヤチェーンの不携行により、上り坂などで登坂不能となった車両が除雪作業の障害となり、通行止めに繋がる場合があります。

お客さまには、早めの冬用タイヤ装着やタイヤチェーンのご準備をしていただくとともに、大雪が予想される場合には、不要、不急のお車のご利用をお控えいただきますようご協力をお願いします。

当社では、冬の高速道路を安全にご利用いただくため、雪に関する情報を提供させていただきますので、事前準備、お出かけ前やお出かけ中にお役立てください。

安全走行のための情報提供として、当社公式WEBサイト上に「雪道ドライブガイド」があり、「冬道走行に気をつけガイド」をお配りしています。

また、気象予測を参考に降雪3日前程度から大雪に関する事前の情報提供として、マスコミ各社への投げ込みをはじめ、当社公式WEBサイトや情報板による大雪情報の提供をおこないます。

さらに、iHighway中日本による50箇所のライブ映像の提供や63エリアの休憩施設で降雪状況の映像を配信しますので、実際の降雪状況を確認していただくことができます。

マスコミの皆さまへのお願いですが、大雪予報の際には、当社よりマスコミの皆さまに事前に情報を提供させていただきますので、ご協力をお願いいたします。

 

【新東名高速道路愛知県区間】

開通時期の見通しと、新たな休憩施設のコンセプトなどについて、ご説明させていただきます。

まず、開通時期の見通しについて、資料3-1をご覧ください。

開通遅延の要因となっていた箇所の対策工事が完了し、現在、全線にわたって、舗装や標識、休憩施設などの工事を鋭意進めており、工程を精査した結果、来年2月中に開通できる見通しとなりました。開通時期が1年遅れたことにつきまして、お客さまならびに関係の皆さま方に、あらためてお詫びいたします。

今回の開通により、東名高速の渋滞緩和、ダブルネットワーク化による信頼性の向上、日本の大動脈としての三大都市圏の連携強化などの効果が期待されます。また、今後、東名高速で大規模更新事業をおこなう際の迂回路として活用し、交通への影響の軽減を図ってまいります。

次に、新たな休憩施設のコンセプトなどをご説明します。資料3-2をご覧ください。

今回の開通に合わせて、岡崎SA、長篠設楽原(ながしのしたらがはら)PAをオープンします。

岡崎SAは、上下線集約型で、新東名の静岡県区間の7エリアと同様、NEOPASAブランドとして展開します。上り線は「東海道五十三次の岡崎宿」、下り線は「森のエントランス」をイメージしています。

長篠設楽原PAは、「長篠・設楽原の戦い」をコンセプトとして、戦国エリアをイメージしています。

新東名高速道路に誕生するエリアをぜひご利用いただき、これからも快適なハイウェイドライブをお楽しみください。

 

以上が、本日ご用意したトピックです。

それでは、これから皆さまからのご質問をお受けいたします。

 

【記者】

新名神と東海環状道の今年度開通予定区間が年度末までの開通が困難な状況とのことでしたが、具体的にはどれくらい遅れるのでしょうか。

【宮池社長】

現在、工程を精査しているところですが、来年夏までには工事を完成させたいと考えています。

【記者】

開通に影響を与えた9月の台風の影響を改めて教えてほしい。

【宮池社長】

今年9月の台風18号によって、新名神四日市JCTから新四日市JCTの4kmの区間の一部で、地すべりにより大規模な土砂崩落が起きました。同様の地質条件を調べたところ、そういうリスクが大きい地質が約900mの区間で見つかりました。このような豪雨に対する安全性を確保するために、のり枠工、アンカー工の対策工事を実施しています。

【記者】

崩落は何カ所で発生したのですか。

【宮池社長】

2カ所です。

【記者】

崩壊箇所の所在地は四日市市ですか。

【宮池社長】

そのとおりです。

 

【記者】

新東名の開通について、このエリアは自動車産業を中心に産業集積が進んでおり、トラックの利用が他の区間に比べて多いと思われます。今回の開通によって、この地域の物流の改善などの観点から、どのようなメリットが考えられるでしょうか。

【宮池社長】

開通の効果としては、東名の渋滞が大幅に改善されること、これにより所要時間が短縮されることが大きなメリットです。また、東名の渋滞が減少することで、事故が減るものと期待しております。さらに、東名とダブルネットワークを形成することにより、巨大地震発生時にリダンダンシーが確保され、災害時の救護活動や早期復旧に貢献できるものと期待しています。
物流の観点からは、東京、名古屋、大阪を走る長距離便については、新東名をご利用される傾向があります。今回さらに愛知県区間までつながりますので、その傾向は変わらずに、新東名をご利用されるのではないかと推測されます。

 

【記者】

東名の岡崎付近の暫定3車線は、いつまで運用する予定ですか。

【宮池社長】

元の2車線に戻す時期につきましては、今後、開通後の交通状況を見ながら、関係機関と調整し判断してまいります。

 

【記者】

新東名の開通により東名とのダブルネットワークになり、大規模更新工事による交通の影響が軽減されるということですが、次年度から東名の大規模更新工事を着手していくことになるのでしょうか。

【宮池社長】

大規模更新・大規模修繕工事については、当社のネットワークの中で計画的に進める必要があります。開通後、東名の愛知県区間をすぐに着手するということではありません。

【記者】

今後、着手する予定の箇所があればお聞かせください。

【宮池社長】

工事の計画につきましては、具体的な話をできる状況ではありません。

【記者】

東名三ヶ日JCTから豊田JCTの交通集中渋滞が8割削減するというのは、いつから8割削減ということですか。

【宮池社長】

2014年の渋滞回数600回が、開通後の見通しとして、約8割削減して年間150回ぐらいなるのではと予想しているところです。

 

【記者】

開通予定の「2月中」というのは、前倒しという認識でよいでしょうか。

【宮池社長】

対策工事を含めて、工事をできるだけ前倒しするように頑張ってきました。

【記者】

開通予定は2月中のいつ頃でしょうか。

【宮池社長】

具体的に決まりましたら、できる限り早くご報告させていただきたいと思います。

 

【記者】

自動運転に関して、メーカーは高速道路上で実用化をしていくということを目指して開発を進めているかと思います。新東名も2020年度には全通する予定ですが、これに合わせ、受け入れる高速道路側として何か考えているメーカーとの取組みはありますか。

【宮池社長】

新聞などで報道されているのは、自動車メーカーが2020年を目指して、実用化するということを発表されています。自動運転に関する国の委員会にも、高速道路会社としても参加しており、高速道路としてどのようなことが協力できるのか、どんなことが必要になってくるのかについて検討を進めています。

 

【記者】

神奈川を含めた新東名全線開通はいつまででしょうか。

【宮池社長】

神奈川県区間は一部先行して開通する区間もありますが、全体が圏央道につながる全線開通は、2020年度を目標に事業を進めております。

 

【記者】

今回新しく開通すれば東京から名古屋まで、普通車の料金はいくらくらいになるのですか。

【社員】

現在、東京ICから名古屋ICが普通車で7,110円です。開通後は、新東名経由の方が距離が少し短くなるため7,090円となり20円安くなります。起終点が一緒であれば、東名を使った場合も新東名を使った場合も、通行料金は変わりません。

 

【記者】

新東名の開通1年遅れの要因について、対策工事にかかった費用と今回の開通後の1日当たりの予想交通量が分かれば教えてください。

【社員】

対策に要した費用につきましては、切土のり面対策工に要した費用が約50億円、黄鉄鉱や重金属含有土の処理は当初130万m3を見込んでいましたが、大幅に増えて約2倍の約250万m3になり約550億円、橋梁基礎の沈下対策に要した費用が約20億円です。次に開通した後の交通量につきましては、新東名が開通する前の2014年の東名の三ヶ日JCTから豊田JCTの1日当たりの交通量は、91,000台でした。これに対して、新東名開通2年目の2017年の東名の予想交通量は54,000台、新東名の予想交通量は44,000台ということで、55:45くらいの分担率で2本の道路で東西の交通を賄うといったような予想を見込んでいます。

 

【記者】

新東名の開通により、東京IC~名古屋IC間の走行時間がどれぐらい短縮になるかといった試算がありましたら、教えてください。

【社員】

ダブルネットワークによる効果ということで、新東名が開通した時の御殿場JCT~豊田JCTの所要時間は、現東名を通った場合は180分、それが新東名を通ると123分となり、約60分短縮されます。この現東名を通った場合の180分というのは、過去の実際の交通量調査によるデータで、新東名開通前の2010年度(平成22年度)の「道路交通センサス」と呼ばれているものです。その時の実際の所要時間は180分となっています。そういった過去の調査のデータと比較しまして、新東名ができますとスムーズに走れることから、時速100kmで想定しまして、60分くらいの短縮になるということです。

 

【司会】

ご質問が途切れたようですので、これで定例会見を終了させていただきます。