応募総数385点のうち、厳正なる審査を経て入賞作品を選定させていただきました。

鳥居 正夫:写真家 / 飯田 秀生:NHK名古屋放送局 副局長 / 金子 剛一:NEXCO中日本 社長 (順不同・敬称略)

新東名高速道路も4月に162kmが開通のはこびとなり、大きな話題になった2012年。 第6回を迎えた当フォトコンテストは、従来の「四季を通じての高速道路と風景」部門に加え、新たに「新東名高速道路と風景」部門を新設し、2つの部門に分けての公募とさせていただきました。
回を重ねるごとに応募数も増え、当フォトコンテストへの関心の高さを感じます。
今回2部門を合わせた中から最優秀賞に輝いたのは、小島一成氏の「真夏の特訓」。矢作川であろうか、真夏の涼しげな川面をスピードを上げて疾走するレガッタの訓練、その横を足漕ぎボートがマイペースでのんびりと、そんな矢作川を大きく跨ぐ東海環状自動車道。スケールが大きい風景の中に人々の生活がうまく捉えられています。 優秀賞に輝いた斎藤旺宏氏の「朝焼けに染まる南駒ヶ岳連山」は、早朝でなければ出会うことのできないであろう刻々と変化する金色の光を、極寒の中での撮影。厳しい冬の中央自動車道が美しい。
福田尚人氏の「盛夏の新鈴鹿峠」は夏の早朝か夕刻か、太陽が低い時間帯の橋脚に当たる光が面白く、トンネルに通じる新名神高速道路を物流トラックなどの行き交う様子がとても穏やかで平和な感じのする写真ですね。
丹羽祥方氏の「夏のオアシス」は東海北陸自動車道の川島PAにある観覧車を、ループ状の道路とうまく組み合わせ、車に乗ったまま観覧車に乗れてしまうような面白い構成にまとめています。ワイドレンズならではといったところでしょうか。
新東名部門で大高武司氏の「夕日に輝く」がNEXCO中日本特別賞に輝きました。新東名のサービスエリアであるNEOPASA浜松に分岐する風景が、日没寸前の夕日を共に撮り込む事により味わい深い写真になっています。 新東名部門の優秀賞に輝いた村上雅己氏の「大集団」は、新東名開通にあたって記念イベントとしてマラソンランナーに開放された時に撮られたものでしょう。カラフルなウェアーが延々と続く様は圧巻です。このような写真は今後二度と撮影する事ができない、まさに一期一会といったところでしょうか。
佐藤美栄子氏の「早朝に輝く新東名」は富士山を彼方にいただき、手前の丘には壮大な茶畑が、中ほどに新東名が面白い構成で配置されたスケールの大きな写真で優秀賞に。 勝又守洋氏の「彼方へ」は、日没後の空にわずかな調子を残した富士山、その麓の暗部を駆け抜ける車のライトの軌跡の美しさ、オーソドックスな手法ではありますが、研ぎすまされた構成力と露出などの技術力が素晴しく優秀賞に。
両部門共々、その他の佳作、入選作品も力の入った作品が多くとても盛況な審査会になりました。
次回も幅広い世代の方々より、たくさんのご応募をお待ちいたします。
(鳥居正夫)