応募総数312点のうち、厳正なる審査を経て入賞作品を選定させていただきました。
鳥居 正夫:写真家 / 松裏 宗弘:NHK名古屋放送局 副局長 / 金子 剛一:NEXCO中日本 会長兼社長 (順不同・敬称略)
「未曾有」という言葉を知ったこの2011年。
誰もが忘れられない年になってしまいました。
そんな中、当フォトコンテストも第5回の締め切りを迎えるにあたり、審査員一同、応募数の減少などを懸念しておりましたが、ふたを開けてみれば昨年よりは若干少なかったものの、レベルの高い作品が多く例年よりも時間のかかる審査会となりました。
丹羽祥方氏の「つながる未来」は日に日に完成に向かう新東名と力強いクレーンが、共にそれを見守る富士山との絶妙なフレーミングが素晴しく、2011年度の最優秀賞に輝きました。
優秀賞に選出された、星野郁男氏の「桃源郷をゆく」は中央道の春先の風物詩、香しい花の香りまでもが薄曇りの光の中でうまく表現されており、キャリアを感じさせるものでした。
伊藤千代美氏(女性)の「夢は甲子園!!」は人々の生活の中での高速道路との関わり方がとてもうまくフレーミングされており、彼女独特の視点での捉え方が素晴しい。余談ですが、2010年の「藤前干潟の春」では最優秀グランプリを受賞されました。年齢もご高齢で受賞者の中では大先輩。
同優秀賞に輝いた、畑中茂氏の「秋彩で迎える」は東海北陸道の飛騨路の紅葉を背景に、インターチェンジのループがスケールの大きな構図で表現されています。
加藤交氏の「深夜の除雪」は冬の中央道の夜間の除雪を撮影したものですが、暗い中、ややブレている事により極寒の寒さがよりリアルに伝わってきます。
特別賞に選出された、望月正晴氏の「変わる里山」は複雑な地形の上を新東名の道路がうまく調和して配置されている様子が、まるでミニチュアを見ているような感じで撮影されているのが面白かったです。
杉浦幸男氏の特別賞「清々しい光景」も着々と工事がすすむ新東名の力強い橋脚の下をロードレーサーが気持ち良さそうに走り抜けるシーンをうまく捉えています。まさにワンチャンスといったところでしょうか。
そのほかの佳作、入選作品も力の入った作品が多く、とてもエキサイティングな審査会でした。
次回も幅広い世代の方々よりの沢山の応募をお待ちいたします。
(鳥居正夫)