도리 마사오 : 사진 작가 / 아오야마 카요 : 프리 아나운서 / 미야이케 요시히토: NEXCO 중일본 사장 (순서 · 경칭 생략)
도리 마사오 : 사진 작가
コロナ禍で日常生活が大きく変化してしまったこの年、当審査会も第14回目を迎えました。
人々の移動など多くの制限が課せられたこともあり、今回の応募数は例年よりもかなり下回ることになると予想しておりましたが、豈図らんや(あにはからんや)大会議室の大テーブルの上には例年同様、いやそれ以上の数の作品群があふれんばかりに並べられています。
当コンテストに対する熱気を感じると共に、初応募の方からベテランの方々まで幅広い世代にわたり支持されていることがよくわかります。
■テーマ1「高速道路と四季の風景部門」について
「高速道路と四季の風景部門」で<最優秀賞>に輝いたのは、大橋京子氏の『高速道路の除雪』。凍てつくような色のない世界。その白さに負けないほどの存在感を持ったコンクリートの架橋、除雪風景が写っている訳ではないが、架橋の上から舞い降りてくる雪のパウダーがそれを物語っている。美しく洒落た構成の中、積雪に吸い込まれた小さな除雪音が聞えてくるようだ。
<優秀賞>(春)は、外川俊行氏の『幻惑(げんわく)』。限られた季節、時間、場所、天候も含め全ての条件がそろった上ではじめて目にすることができるダイヤモンド富士。写真愛好家でなくとも一度は観てみたい、撮ってみたいと思う風景ではないだろうか。目前の田植を終えた水面に写る富士、その奥を横断する高速道路、その背景には見事な夕日をかぶったダイヤモンド富士。重厚感のある構成になっている。
<優秀賞>(夏)は、二枚畑勇氏の『明日への希望』。当コンテストならではの作品であり、真夏の青空のもと建設中の東海環状自動車道。色彩のまとめ方も巧みであり素直で力強い表現になっている。
<優秀賞>(秋)は、小池利隆氏の『帰り道』。雄大な大空のグラデーションを背に力強くそびえ立つ豊田アローズブリッジ。橋脚を繋ぐワイヤーに夕陽が写り輝く様子などとても効果的であり、風景写真の魅力を十分に満喫できる美しい作品となっている。タイトルにある「帰り道」に偶然出会った景色だとしたらとてもラッキーである。
<優秀賞>(冬)は、鈴木克哉氏の『開通の暁には』。朝焼けの光を浴びて茜色に染まった富士山。その頭上には月をかぶっている。太陽ほどの輝きはないのでパール富士と呼ばれているようだ。満月が早朝の時間帯に富士山頂に姿を見せるのは稀なことなのでしょう。望遠レンズ効果も含め、道路上のシルエットが工事車両及びそれに携わる人々であればもっと世界が広がったかも。
その他、多数の作品の中から佳作4点と入選4点が選出され、中でも目を引いたのが、
<佳作>小泉健太氏の『収穫の秋』。大地に足の着かないドローンでの撮影である。真俯瞰(まふかん)での切り口がグラフィカルで面白く、撮影技法も新時代に突入したと実感した次第
<佳作>宮澤史人氏の『空中の迷宮とミニカー』。複雑に交差する夜間のインターチェンジの下、絶妙な位置にミニカーを配置し、ワイドレンズを駆使してあたかも実物の車が存在しているかのような表現。風景写真としてのアイディアが秀逸である。
<佳作>鈴木俊成氏の『未来への架け橋』。当コンテストならではの珍しい連結寸前の架橋を、満天の星の下で捉えた作品。もう少し暗いトーンで星の軌跡が強調されても良かったのかも。
<佳作>上野祐司氏の『朝焼け』と<入選>片岡正光氏の『朝霧に立ち込めた』。それぞれ光の捉え方にベテランの力を感じる。
<入選>外口透氏の『高速道を走る鏡』。走行中こんな場面に遭遇したら鏡に映る景色が刻々変化して面白い。
<入選>中田幸一氏の『絶景の紅葉の中を行く』。素晴らしく雄大なシチュエーションで、見入ってしまう。
<入選>三原直也氏の『富士山を照らす道』。先人達が多くの傑作写真を生み出した撮影ポイントでの作品だが、暗い調子のなか、ヘッドライトの軌跡が失敗と思えるほど過度な露出で表現されたことにより、道路全体が照明装置のようで魅力的な作品になっている。有名ポイントでの撮影は思い切ったことをしない限り先人を超えることは難しいでしょう。
■テーマ2「あなたのとっておき風景部門」について
「あなたのとっておき風景部門」で<最優秀賞>を獲得されたのは山口宏氏の『火ぶり漁』。 岐阜県郡上市を流れる吉田川で観光事業の一環として発案された秋の鮎漁。まだ歴史は浅いが、暗闇の中を「たいまつ」を掲げ上流から下流に下って鮎を追い込む様子。作者はタイム露光を駆使することにより光の軌跡として捉え水面に映る光と共に幻想的な世界を醸し出している。
<優秀賞>(春)は、中沢力男氏の『朝日に輝いて』。早朝の柔らかな陽を浴びた満開の桜並木。タイトル通り輝いている。水面の色、空の色、全体が淡いパステルカラーでまとまっていて美しい。一枚の絵を視ているようだ。
<優秀賞>(夏)は、高橋敏郎氏の『浮花』。インパクトのある作品である。真っ黒な背景に力強い光を受けた蓮の花、蓮の浮き葉の塊の中から突き出てる枯木など、中望遠レンズでのフレーミングも巧みである。
<優秀賞>(秋)は、福田尚人氏の『初霜の八島湿原』。トレッキングコースとしても有名な八島湿原。冬も近いと感じさせる早朝の初霜。華美ではないがなぜか心引かれる一枚。
<優秀賞>(冬)は、加藤健氏の『白と青の世界』。凛として凍てつく景色である。雪降り積もる山間の渓谷にエメラルド色の水。遊覧船の曵き波だけが静かに動いている。つららを手前に配したことにより、いっそう厳しい冷たさがリアルに伝わって来る。
偶然なのか、上位作品5点がすべて水に絡んでいるという面白い結果になった。
その他、佳作4点と入選4点、新たに特別賞が1点、それぞれ選出された。
<特別賞>東海中学校(情報科学部 12名)
中学校のクラブ活動(情報科学部)の一環として12名の部員による写真の応募がありました。コロナ禍で今までどおりの活動ができないなか、部活動として個々に参加するかたちで、校内での日常的な風景をそれぞれの視点で撮影した作品とのこと。気負いもなく派手さもないのですが、12点集まるとなにか新鮮なものを感じる。新しい試みとしてこのような形で参加していただけることも今後楽しみである。
<佳作>大嶋武夫氏の『春景』。桜の花を上から見下ろしている聚楽園の大仏。思い切った構図がとても面白い。桜が八分咲き位くらいだともう少し違った印象になったかも。
<佳作>角田恒雄氏の『茅の輪をくぐって』。多賀大社の茅の輪くぐりでのスナップ。家族のほほ笑ましく楽しげな様子を絶妙なタイミングで捉えている。
<佳作>茶山昌子氏の『光の差す方へ』。漆黒の空が群青色で表現された画面のなか、かなたには石油コンビナートの夜景。美しいカーブを連ねてそれに向かう「いなばポートライン」。下を広がる水面にはライトアップされた光がカラフルに混ざり合い、魅力的な世界を醸し出している。
<佳作>星野郁男氏の『大鐘堂』。沢山の応募作品の中で異彩を放っていた。水銀灯、いや電灯光の下での撮影なのか、画面を覆い尽くす力強い枝の形といい、被写体其の物の色を全く感じさせないモノトーンに仕上げていることがいいですね。
<入選>小玉剛史氏の『踊る花』。こんもりとしたお椀形の上に鎮座しているしだれ梅。幹のシルエットがタイトルのように踊っているように見えるのがほほ笑ましい。きっと風向きによっても踊るポーズが変わることでしょう。
<入選>中村昭夫氏の『セ~リング』。ウィンドサーフィンのレースだろうか、望遠レンズ効果により遠近感が圧縮され、とても密な状態に表現されている。帆の形といい、人のシルエットといい、あたかも「甘い蜜」に引き寄せられた蝶の大群のようだ。
<入選>井戸田千恵子氏の『夜空を彩る』。花火の作品は高度なテクニックを駆使して撮られることが多いなか、この作品はとても素朴な感じがして目に止まった。絵に描いたようでもあり、布地の刺繍を観ているようでもあり、華やかさはないがどこか懐かしいメルヘンチックな感じに引かれる。
<入選>林巧氏の『炎』。岐阜市にある、だるま観音大龍寺での供養を激写した作品。あまりの迫力に驚かされた。一年間の人々の思いが炎の中に昇華されていくのでしょう。焼かれていくだるまの目がカメラをにらめつけているさまは怖いものがある。まさに激写です。
このコンテストを通じて昔ながらの伝統行事を知ることや、いまだ訪れたことがない場所などに巡り会えることに感謝します。
鳥居正夫
아오야마 카요 : 프리 아나운서
中日本高速道路 フォトコンテスト 2021 講評
遠出のできない日々が続いて、早く美しい風景に出会いたいという気持ちが募るなか、審査会当日の机の上に並んだ、たくさんの作品に思わず見入ってしまいました。光を見事に取り込み、未来への希望を期待させる富士山、高速道路の斜張橋に反射する光、浮かび上がる花々、今回の審査会場は光のペイジェントのようでした。
このご時世、少しでも未来に夢が膨らむような、期待が広がるような作品を選びたいと審査に当たりました。
「高速道路と四季の風景部門」では、建設中の技術力をまざまざと見せつける迫力、ことにインターチェンジの複雑な構造そのものが美しいデザインだと、何年も前からその美しさに魅せられてきましたが、寄せられた作品では、照明や月明り、星明りなどを絶妙に組み合わせることで本当に神秘的な風景になります。
今年の最優秀作品は見事な雪景色の真っ白な風景、でも微妙な光の陰影でくっきりと輪郭が表れているのが摩訶不思議です。
今後のヒントです。高速道路を撮影する場所が、皆さんどうも似通っているように思います。
今は、あまりいろいろな場所への移動が限られていますので、難しいとは思いますが、コロナが少し落ち着いたら、東海北陸自動車道に乗って北陸方面へぜひお出かけください!!
「あなたのとっておき風景部門」では、テーマも思いのまま、力作ぞろいで選ぶのにいつも苦労します。これまで、デジタルで加工、修正された写真については、どのように評価するか、どこまで評価するかを迷ってきましたが、年を追うごとに標準化され、純粋な写真と手の加わった作品は並列に評価されるようになりました。今年の新しいアングルは真上から。高速道路とパッチワークを真上から見ると不思議な風景になります。ドローンという手段も当たり前の手法になりそうです。言わずもがなのコメントで皆さん気を悪くしないでいただきたいのですが、飛行許可や周りの皆さんにくれぐれも迷惑をかけないようにいい写真をとってくださいね。
そして今回の一番のトピックは、東海中学校情報科学部の皆さんが、部活の活動の一環として応募していただいたことでしょう。さまざまな風景の切り口でとても変化に富んでいて、撮影した一人ひとりの思いが伝わる作品ばかりでした。今回は団体としての入賞という形にしましたが、次回は一点一点の応募としてまたチャレンジしてほしいものです。
とはいえ、実は別のフォトコンテストで、とある学校の写真部の生徒たち全員が総力を挙げて応募してきたことがありました。その中から個別に選ぶのは実に忍びなく、選ぶ私たちは悩みぬいたものでした。でもどうぞお構いなく、次回も自分たちの思うままに、良い作品作りにチャレンジして、私たち審査委員を悩ませてくれることを大いに期待しています。
入賞作品とカレンダーについて
素晴らしい作品が中日本高速道路の一年を飾るカレンダーになります。優秀作品が必ずしもカレンダーに掲載されるとは限りません。作品として優秀なことと、カレンダーに掲載するのにふさわしいこととは別なのです。まずは縦長の作品はカレンダー向きではありません。
そして四季のページのバリエーションを考えながら、ふさわしい作品を選んでいきます。しかも枚数が限られているため、いつも絞り込みに悩みぬきます。
コロナ感染状況も第六波の懸念はされながらも、少しずつ落ち着きをみせ日常に戻りつつあります。撮影に行く機会が増えることを楽しみにしていらっしゃることでしょう。人気の撮影スポットだけではなく、密を避けるためにも、自分だけのとっておきの撮影スポットを見つけてみてはいかがでしょう。また数年前に訪れた撮影地も、このコロナ禍で訪れる人も減ってしまい風景が変わってしまったかもしれません。ぜひ再び思い出の撮影場所を訪れてみて、新たな作品をとってみるのもいい恩返しになると思います。
来る年も素晴らしい作品とともに、月日を紡いでくださること、そして皆さんにとって明るい年になることを心から祈っております。