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ICから20分紀行「伊勢自動車道から紀勢自動車道へ 」編

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津市 ロードマップ

3月11日、紀勢自動車道勢和多気JCTから大宮大台IC間13.4kmが開通した。中日本高速道路株式会社としての初めての開通区間だ。伊勢自動車道から新区間へ走ってみた。

一志嬉野IC

伊勢自動車道一志嬉野ICは、津市と松阪市にまたがる位置にある。少し道がわかりにくいが、海岸線に沿う国道23号に出て、津市との境である雲出川の手前で左折すると、松阪市小野江町に松浦武四郎記念館がある。
幕末から明治にかけて北方を探検し、「北海道」という名をつけた人だ。アイヌの人々の暮らしと文化を、初めて紹介した人でもある。それを記念して毎年2月、「武四郎まつり」が開かれて、アイヌの古式舞踏が演じられる。記念館の近くには、生家が保存されている。

スライドショー(写真をクリックすると拡大します)

松阪IC

伊勢山上・岩屋本堂

この辺りは、世界遺産「熊野古道」の道筋でもある。その歴史をうかがわせる修験道の霊場「伊勢山上」(いせさんじょう)を訪ねた。
松阪ICで下りて、信号を右折し、次の信号の先に、桜の名所である松阪市森林公園へ向かって右に入る道がある。公園からひと山越え、「堀坂山の家」から左折した山道を抜けて、飯福田(いぶた)寺で入山料100円を払った。
えぐれた奇岩の下にお堂をおいた「岩屋本堂」までは15分ほどで登れる。岩上で、修験道の開祖「役小角」(えんのおづの)像が絶景に目を見開いていた。鎖を伝う急斜面もある岩山なので、しっかりした靴など、準備は万全にして訪ねてほしい。

松阪ICから直進すると、自然に松阪市中心部に至る。戦国武将蒲生秀郷が築いた松阪城跡が目標にしやすい。

城跡の公園に、江戸中期の国学者、本居宣長の記念館がある。そこから本丸跡へ向かって登った所に、宣長が終生を過ごした家、「鈴屋」(すずのや)が保存されている。
この季節には、宣長の和歌「しきしまのやまと心を人とはば朝日ににほふ山桜花」を思い出す人もいるだろう。

樹齢300年を超える藤棚のある広場から、石垣の下に武家屋敷の家並みが見える。紀州藩士が家族とともに暮らしていた家で、「御城番屋敷」という。

本丸跡まで登ると、大正から昭和にかけて、青年らしいみずみずしい作品を残した作家、梶井基次郎の文学碑がある。代表作の一つ、「城のある町にて」は、一か月ほど滞在した、松阪の姉の家が舞台だった。

松阪市立歴史民俗資料館

坂道を下ると、松阪市立歴史民俗資料館だ。明治45年に建てられた図書館を衣替えした建物で、木綿や白粉(おしろい)など、かつての松阪の繁栄を支えた産業資料が展示されている。

全国に知られた松阪商人の一人、小津清左衛門家の住宅が、今「松阪商人の館」として公開されている。城跡の北を流れる阪内川に沿って北東に進み、大橋のたもとを右折したところだ。
この道沿いには、「三井家発祥の地」もある。江戸で呉服店「越後屋」を開き、後の三越百貨店、そして三井財閥の祖となった三井高利ゆかりの地だという。

その道路をたどり、JR松阪駅前を過ぎて国道42号を越え、100mほどの右側に、昔の映画館を再現したような「小津安二郎青春館」がある。
「東京物語」や「秋刀魚の味」などの名作を残した映画監督、小津安二郎は、9歳から10年ほどを、父親の故郷である松阪で過ごした。

スライドショー(写真をクリックすると拡大します)
  • 岩上に越し掛ける役小角像
  • 松阪城跡の碑
  • 本居宣長旧居「鈴屋」
  • 御城番屋敷
  • 深川神社拝殿に据えられた陶製鬼瓦
  • 松阪商人の館(内部)
  • 小津安二郎青春館

勢和多気IC

水銀坑道跡(旧勢和村)

いよいよ紀勢自動車道だ。勢和多気ICを出て、国道42号を松阪方向へ戻ってすぐ、左に入る道がある。旧勢和村丹生地区へ通じる道だ。
丘陵を越えてT字路にぶつかった右側が、「丹生大師」の名で知られる古刹、神宮寺。石段を登った太子堂の前の香炉には、碧玉(へきぎょく)をつかんだ龍がまとわりついていた。
丹生地区は古代から、全国でも珍しい水銀の産地として知られていた。T字路を左折して1キロほどの山中に、昭和まで掘り続けられた水銀採掘の坑道跡が保存されている。

大宮大台IC

伊勢神社の別宮、瀧原宮

開通したばかりの大宮大台ICを下りる。 国道42号を右折すると大紀町で、5分ほどの道の駅「奥伊勢木つつき館」の信号を左に入ると、木立の中に、伊勢神宮の別宮、瀧原宮・瀧原竝宮(たきはらならびのみや)がある。言い伝えによれば、現在の伊勢神宮の場所が定まる前に、一時期、ここに神宮が置かれたという。
世界遺産「熊野古道」の道筋でもあり、昔は伊勢神宮に詣でた巡礼者が、この宮に詣で、熊野一番札所をめざした。

さらに尾鷲方面へ進むと、昨年7月にオープンした町営「阿曽温泉」ががある。廃校になった小学校の後者をそのまま生かした温泉は、町民の憩いの場としてにぎわっている。

大宮大台ICを出て、逆に左折する。最終目的地は旧宮川村だが、その前に、大台町役場に近い道の駅「奥伊勢おおだい」に立ち寄った。大台町は茶の産地。道の駅にもたくさんのお茶が並んでいた。その袋の一つ一つに、産者の名前が明示されているのがうれしい。

道の駅の手前、警察署の信号を左折し、宮川の清流に沿う県道を15分ほど走った。トンネルを抜け、T字路を左折して橋を渡ったところに、公営の宿「奥伊勢フォレストピア」がある。
テニスコート、陶芸教室、釣り堀、サイクリングコースと、家族で楽しめる施設がそろっている。露天風呂は、運転の疲れをいやしてくれる。
ここから先は、今も「日本の秘境」と言われる大台ケ原。そちらへは、また別の旅行計画を立てて訪ねたい。

スライドショー(写真をクリックすると拡大します)
  • かつての小学校を活用した「阿曽温泉」
  • 大台町の特産品「お茶」
  • 伊勢フォレストピアの露天風呂

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