1. 安全性向上3カ年計画の取組み報告
  2. 取組み状況一覧
  3. vol.06 24時間体制で巡回する「交通管理隊」

安全性向上3カ年計画の取組み状況

お客さまの安全を守るために、24時間365日、高速道路の巡回や緊急対応を行っているのが交通管理隊です。隊員たちはお客さまの安全を守る使命と誇りを胸に、絶えず高速道路の状況変化に視線を走らせています。

定期巡回

高速道路の異常をいち早く察知する隊員の"目"
交通管理隊の業務の基本は、日々行っている高速道路の定期巡回です。
定期巡回の目的は落下物や故障車、路面の損傷といった高速道路上の異常をいち早く発見し、お客さまが安全に、安心して通行できるよう迅速に対処することです。隊員たちは巡回の経験を積むことで、平時と異なる道路状況を素早く察知する目を鍛えます。
定期巡回の計画は、交通量が増える朝・夕方の巡回を多くし、交通量の増加に伴い発生頻度が高くなる落下物を起因とする交通事故の防止に努めるなど、道路交通状況に応じた計画となっています。

  • 定期巡回の頻度は交通量に応じて異なり、多いエリアでは所定のルートを1日20回も巡回します

    定期巡回の頻度は交通量に応じて異なり、多いエリアでは所定のルートを1日20回も巡回します

  • 巡回は常に2名の隊員で行います。巡回時の状況や故障車などの情報は、無線で道路管制センターに報告します

    巡回は常に2名の隊員で行います。巡回時の状況や故障車などの情報は、無線で道路管制センターに報告します

万全の準備が迅速な対応を可能にする
交通管理隊が使用するパトロールカーの年間走行距離は約10万kmにも及ぶことがあるため、巡回中に車両トラブルが生じないよう、燃料やエンジンオイルの量はもちろん、ウィンカーやブレーキランプの点灯確認、パトロールカーの屋根に設置されている警光灯、標識装置の作動確認にいたるまで、毎日入念に点検を行っています。
勤務交代時の引継ぎでは、その日の道路管制センターからの指示や連絡事項、道路交通状況をはじめ、パトロールカー搭載品の使用状況など細かな点まで確実に引継ぎます。

  • 安全を守るべきパトロールカーに不具合がないよう、出発前と帰着後に必ず点検を行います

    安全を守るべきパトロールカーに不具合がないよう、出発前と帰着後に必ず点検を行います

カラーコーン、スコップ、ほうきからカイロまで。パトロールカーの搭載品は40種類以上。

パトロールカーには、車線を規制するための器材や、路面の補修材など、どんな状況にでも対応できるように、40種類を超える搭載品が積まれています。
また、事故や故障により、車外で待機されているお客さまにお渡しするため、夏場はミネラルウォーター、冬場は携帯用カイロなども搭載しています。


  • いざというときに素早く取り出せるように、隊員が工夫をして棚を自作するなど、常に整理整頓しています。

  • 矢印版 カラーコーン 発炎筒 オイル処理剤 ガスマスク
「黄」「赤」「黄・赤」。それぞれ異なる警光灯の意味。

警光灯は、通常の巡回時は黄色を点灯し、現場に急行する時は赤色を点灯します。高速道路上で停車して作業する時は、赤と黄の両方を点灯させ、通行車に注意を促します。


  • 黄色の点灯
    (通常の巡回時)


  • 赤色の点灯
    (緊急出動時)


  • 黄色と赤色の点灯
    (高速道路上での作業時)

  • 積雪量や雪質など、路面の状況を現場で直接確認します

    落下物の回収作業では、一瞬の気のゆるみや不注意が命の危険につながるため、油断は許されません

緊張感の中で行われる落下物回収作業
落下物を発見した場合は、周囲の安全を確認し、すみやかにパトロールカーを路肩などに停車させます。路肩に停止した場合は、まず監視担当となる助手席の隊員が降車し安全を確認した後、作業担当となる運転席の隊員が降車します。監視担当は旗を大きく振って、お客さまに道路上に落下物があり危険であるということをお知らせします。作業担当は通行車が途切れるのを見計らって、監視担当の合図で落下物に駆け寄り、手際よく回収します。
交通管理隊が安全に作業を行ううえで最も大切なのは、通行車と向かい合って立つこと(通行車正対の原則)です。道路上での作業は危険を伴うので、常に安全に気を配り、迅速かつ的確に作業します。

  • 落下物の回収作業では、一瞬の気のゆるみや不注意が命の危険につながるため、油断は許されません

    落下物の回収作業では、一瞬の気のゆるみや不注意が命の危険につながるため、油断は許されません

道路上には、プレハブ小屋やバスタブなどの落下物も

高速道路の落下物として多いのが、プラスチック・ビニール類・布類、自動車部品類(タイヤ、自動車付属品等)です。スキーシーズンにはスキー板やスノーボード、引越しシーズンには家財道具、またプレハブ小屋やバスタブなど、意外なものまで落ちていることもあります。落下物は落とし主の責任になります。事故の原因にもなりますので、ご出発前には荷物が落下しないよう、シートをかけロープで固定してください。

  • カーブでは遠心力がはたらくため、直線に比べ積載物が落下しやすくなります

    カーブでは遠心力がはたらくため、直線に比べ積載物が落下しやすくなります

  • バスタブやユニットハウスといった大きな落下物も

    バスタブやユニットハウスといった大きな落下物も

落下物の種類別処理件数割合(平成25年度NEXCO中日本管内)

路面や設備のチェックも重要な任務
事故を予防するための路面等のチェックも、交通管理隊の大切な任務です。路面等に異常を発見した場合は道路管制センターに連絡し、車両の通行に支障があれば車線を規制し交通の安全を確保します。小さな路面損傷の場合は、パトロールカーに搭載している補修材で応急処置を行うこともあります。
跨道橋(オーバーブリッジ)に設置した横断幕が緩んでいたり、トンネル抗口に下がるつららを発見した場合は、道路の維持補修などを担当する保全・サービスセンターに連絡し対処を依頼します。

緊急時の対応

一刻も早く現場へ急行し、お客さまの安全を守る
事故や故障車などへの緊急対応も交通管理隊の重要な任務です。
定期巡回で発見する場合や、お客さまから道路緊急ダイヤルなどを通じて道路管制センターに情報が提供され緊急出動する場合があります。一日に40回以上緊急出動したケースや、さまざまな事故が重なり、長時間連続して処理にあたるケースもあります。

現場に到着した隊員は、お客さまの安全と二次事故防止のため、車線の規制を行います。天候や時間帯、道路の線形などにより道路状況は異なるので、カーブの手前から規制を設置するなど、隊員は現場に応じて規制の位置や方法を工夫します。

高速道路上で停止した車両に追突する事故が頻発しています。事故や故障で動けなくなった場合は、大変危険ですから、ガードレールの外側など安全な場所に避難していただきますようお願いいたします。
お客さまが高速道路上で車外に出る際には、安全ベストを着用していただいています。安全ベストは昼夜を問わず視認性が高く、後続車にお客さまの存在を気づかせる効果があります。

お客さまの安全を確保したら、車両や道路の損傷状況を確認し、状況に応じて、道路管制センターにレッカー車の手配や緊急工事の要請を行います。高速道路上での作業は全て危険と隣り合わせのため、隊員は常に緊張感をもって臨んでいます。

  • ① 道路管制センターには高速道路情報が集約されており、事故などが発生した際には、交通管理隊へ出動を要請します。

    ① 道路管制センターには高速道路情報が集約されており、事故などが発生した際には、交通管理隊へ出動を要請します。

  • ② 定期巡回と同様、2人の隊員が現場に急行します。

    ② 定期巡回と同様、2人の隊員が現場に急行します。

  • ③ 安全な場所に避難していただいた後、事故やトラブルの状況などをうかがいます。

    ③ 安全な場所に避難していただいた後、事故やトラブルの状況などをうかがいます。

  • ④ 二次事故に遭わないよう、安全ベストの着用をお願いしています。後続車に対して目立つよう、安全ベストは蛍光色で反射材もついています。

    ④ 二次事故に遭わないよう、安全ベストの着用をお願いしています。後続車に対して目立つよう、安全ベストは蛍光色で反射材もついています。

  • 積雪量や雪質など、路面の状況を現場で直接確認します

    ⑤ 道路管制センターに状況を連絡します。

後続車への警告はフラッグサインで

高速道路の安全を守るために、隊員は赤い旗でフラッグサインを出し、通行車に警告します。サインには、①注意、②注意して進め、③左(右)に寄れ、④速度落とせ、⑤止まれの5種類があります。旗を振っている隊員がいれば、そこで何かが起きている証です。隊員の指示に従って行動していただきますようお願いいたします。

フラッグサイン https://www.nhp-tokyo.co.jp/mamechisiki_k/flag/index.html


  • フラッグサインは、大きく、わかりやすく行います

急激な気象の変化にも迅速に対応
最近は、ゲリラ豪雨や記録的大雪が多く発生しています。例えば大雨が降ると、視界不良やスリップにともなう追突事故が発生しやすくなります。巡回中、このような急激な気象の変化が起こったときも、交通管理隊は迅速に対応します。必要に応じて道路管制センターに状況を報告し、パトロールカーのLED表示で後続車への注意喚起を行います。

道路の異常や緊急事態の通報は…道路緊急ダイヤル「#9910」へ

路面の損傷や故障車、落下物などの道路の異常を発見したときは、二次事故防止のため非常電話や道路緊急ダイヤル「#9910」による通報をお願いします。
「#9910」をダイヤル後、自動音声ガイダンスに従って、異常が発生している高速道路の番号を選択すると担当者につながりますので、詳細な場所や状況をお伝えください。固定電話、携帯電話、PHS、公衆電話からの通報が可能です。

道路緊急ダイヤルのご案内 https://www.c-nexco.co.jp/safety/9910/